さがみはら中央区版【5月22日(木)号】
公園に設置された移動販売車で買い物する地域住民ら

水郷田名団地 柔軟対応で移動販売始動 イオン橋本店が週2回

 高齢化が進む水郷田名団地で今春から移動販売が始まった。週2回、生鮮食品や総菜、加工食品、日用雑貨などを積み込んだイオン橋本店の移動販売車が地域内の公園で開店。毎回40人ほどが利用している。

 水郷田名団地は水田が広がっていた地域が開発され昭和50年代中頃から住宅が建ち始めた、いわゆるニュータウン。現在は300世帯ほどが暮らし、多くの住民が80代前後だという。かつては商店や鮮魚店があったが、近年は坂を上った先にあるスーパーで買い物をする住民が多い。高齢化や立地の問題もあり「買い物難民」状態にあり、地域課題となっていた。

場所の問題が障害に

 2021年に自治会が「買い物弱者対策」に関するアンケートを実施。この中で86%の世帯が「移動販売が必要」と回答した。この時、イオン側から「必要ならば移動販売車を出す」という声を得ていたが、実現には至らなかった。

 ハードルとなったのは場所の問題。移動販売車を設置できる場所は公園しかなかったが、商用目的の利用制限があるため、地域課題解消のためとはいえ認められなかったという。

「自治会主導では難しい」

 それまでは自治会が中心となり進めてきたが、1年ごとに執行部が変わる体制の中で継続的に取り組んでいく形は難しいと判断。23年に自治会や民生委員の経験者らが自治会の活動をサポートする任意団体という位置づけで「高齢化を考える会」(長谷川健代表)を発足した。

 移動販売実現へ向けて署名活動を行い、地区社協を通じて行政に陳情するなど精力的に活動を展開してきた結果、「地区社協の支援事業」として公園内での移動販売が認められた。

談話スペースも

 移動販売は4月からスタート。週に2度開店し、毎回40人ほどが訪れる。5月16日にも35人ほどの地域住民が来場。生鮮食品や総菜、日用雑貨などを買い求めていた。

 移動販売車が設置される公園には簡易の談話コーナーも設けられている。買い物を終えた住民が集まり井戸端会議を楽しむスペースだ。「いつも来ている人が今日は来なかった」―-。「お互いの見守り活動にもつながっている」という。

 さまざまな障害を解消しながら始まった水郷田名団地での移動販売。実現させるうえでキーとなった「高齢化を考える会」の長谷川代表は「局面を柔軟に乗り越えることができた好例。期待していた以上の盛り上がりで手ごたえ十分」と話した。
早期整備へ向け集まった職員ら

相模原市 新斎場整備「1日も早く」 推進本部会議を初開催

 相模原市は、新斎場の早期の供用開始に向け、第1回の新斎場整備推進本部会議を5月8日に開催した。本部長を務める本村賢太郎市長は「庁内でワンチームとなって取り組んでいく」と早期整備へ向けて決意を述べた。

 会議で本村市長は、新斎場整備が停滞気味だったことについて、基本構想策定時の対策の見込みが不十分だったこと、2019年の東日本台風での土砂災害への対応に時間を要したことなどを挙げた。その上で、「火葬需要に対する市民の期待も大きく、地域の皆さまからのご理解をいただきながら進めてきた事業。施設の規模やアクセス道路、土砂災害対策など、庁内で分野横断的に取り組んでいく」と決意を表明。「できる限り力を注いで、1日も早い供用開始ができるように英知を結集していく」と話した。

 今後は、市長が本部長を務める推進本部会議、市民局所管の副市長が幹事長を務める推進幹事会議、市民局長が座長を務める推進連絡調整会議で議論を深めていく。どの会議も分野横断的に関連する部署のメンバーで構成されており、活発な議論が期待される。各会議では【1】新斎場の整備推進、【2】アクセス道路や土砂災害対策施設等の付帯施設の整備、【3】地域団体等の対応、【4】その他必要な事項に関することに取り組んでいく。

 市斎場準備課では、会議の内容や情報については今後、市のHPなどで発信するとしている。

キャパ上回る現状

 現在、市内にある火葬場は南区古淵の市営斎場のみ。同課によると、22年度中の予約不可数は1012件で、23年に1日の予約枠を22件から25件に増やした。その結果、23年度の予約不可数は245件と減少したが、依然としてキャパシティを上回っている。

 市内の24年の死亡者数は年間8237人。市の分析によると、10年後には年間1万人を超え、令和40(2058)年代にはピークを迎えるという。

 市は新斎場の建設について、14年に新たな火葬場整備基本構想を策定し計画を進めてきた。建設に着手してから供用開始までには10年程度かかると見込む。建設地は青山にある帝京大学青山グラウンドの場所が予定地となっている。

相模原市美術協会の会長を務める 吉田 留美さん 横山台在住 73歳

やるならトコトン

 ○…今年で節目の80回目となる一般公募展「さがみ美術展」の開催に向け、会長として音頭を取る。前年踏襲の運営ではなく新しいことに積極的に取り組む。今年から中学生も作品を出品できるようにし、初の「ジュニア賞」を設けた。「会員が高齢で少しずつやめていく。魅力ある美術展にして若い人を育てていかなきゃ」。熱を込めた言葉に決意をにじませる。

 ○…自身がさがみ美術展への出品を通して実力を伸ばした。プロの画家ではなく、西門でブティックを営む経営者だった。絵を描き始めたのは子育てがひと段落した頃。ほとんど独学だったため、美術展で受ける講評が助けになった。2023年には「日展」に初応募。入選を果たした。「協会に恩返ししなきゃと常々思っている。会長を打診されたときはすぐ引き受けた」

 ○…「仕事や人生のストレスと違って、絵を描くストレスはいいストレス。楽しい」。イメージ通りの色がなかなか出ないときもあるが、「自分で悩んでやるのが面白い」。ブティック経営時代に日々多くの洋服を見る中で養った、繊細な色彩感覚が今に生きている。絵と同じ時期に始めたもう一つの趣味がウォーキング。毎朝6時から1時間ほど歩く。「やり出したらずっと続ける。好きなことだけはやめない」

 ○…退職前は仕事が忙しく協会の手伝いを満足にできなかったが、会員はいつも優しく迎え入れてくれた。仕事と絵の両立ができたのは協会の支えがあったからだった。「苦しくて絵を辞めてしまう人もいる。働き盛りの人がいたら積極的に声掛けをして助けたい」。80年にわたって相模原の文化の芽を育んできた先人たちの思いを引き継ぎ、協会をさらに発展させようと奮闘している。

県大会を制した相模ファイトのメンバー

ソフトボール相模ファイト 打線活況 県制す 小技絡め初の関東大会

 シニアソフトボールチーム「相模ファイト」(尾上竹彦監督)が春季神奈川県大会を制し、10月に都内で行われる関東大会への出場権を獲得した。同チームが県大会を制するのは初。

 トーナメント戦で競われた今大会には16チームが参加し、県内各地で熱戦が繰り広げられた。相模ファイトは初戦でシニア平塚クラブと対戦。打ち合いの末、1点差で制した。次戦では横浜マイティーズとの戦いでも、好調の打撃陣が得点を重ね準決勝へと駒を進めた。

 大量得点で勝ち上がってきた大和ファルコンと対峙した準決勝は、双方が点を取り合う展開に。最終的には8対6で相模ファイトに軍配が上がった。

 16チームの頂点を決する戦いはシニアSBC横須賀と対戦。これまでの戦いは僅差の打撃戦を制してきたが、相手の攻撃を抑えスコアボードに0が並ぶ展開に。最終回に1点は許したが締まった試合で県の頂に立った。「小技を絡めて得点を重ね、守備も良かった。2枚看板の投手陣も要所を締めた。チームワークの勝利」と尾上監督は大会を振り返った。

 2005年から活動する相模ファイトには現在、60歳から79歳までの35人が所属。毎週2回、グラウンドで汗を流している。メンバーを随時募集中。詳細はホームページから確認することができる。

 問い合わせは尾上監督【携帯電話】080・6737・5505。

お仏壇のセレモア 思い出詰まった人形を供養 ひな人形やぬいぐるみ1千体

 長年愛用し思い出の詰まった人形を弔う「人形供養祭」が5月17日、千代田の「お仏壇のセレモア」で行われた。この日は店舗駐車場に祭壇を特設。雛人形や五月人形、ぬいぐるみなど約1千体が積み上げられた。

 龍源寺(八王子市)の赤塚良孝住職が経を唱える中、参列者は順番に焼香を行い、長年親しんだ人形に別れを告げた=写真。

 今年結婚した孫娘のぬいぐるみを持ってきたという千代田在住の女性は「小さなころから集めて大切にしてきたぬいぐるみたちを送ることができ良かった」と話した。

 人形供養祭は同店が主催した「大感謝祭」の中で行われた。会場内では朝採れ野菜・花の即売コーナーや終活セミナー、チャリティーバザーなどが企画されていた。セレモアホールディングスは葬儀・仏壇販売・民間患者搬送企業で、首都圏全域で事業展開している。

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オペラ学び、楽しむ
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「ドリーム」の外観

夢造りパン工房 美容事業に参入 「もっと笑顔にしたい」

 相模原市内に5店舗を展開するパン屋「夢造りパン工房」の関連会社が5月5日、中央区小山に「ヘアースタジオ・ドリーム」をオープンした。新たに美容事業に参入した理由を取材した。

 美容院営業のアイデアが生まれたのは昨年の秋。夢造りパン工房の従業員の中に美容師の資格を持っている人がおり、地域住民を今以上に笑顔にできるならと資格を生かすことになった。事業を多角化し、より幅広いニーズに応える狙いだ。

 店名にはパン事業と同様、利用者の夢を叶えたいという思いが込められている。接客は「夢パン」流で明るいのが特徴だ。担当者は「パンの販売と同じで、来た人に笑顔で帰ってもらいたい」と話している。

発生現場付近の市道と木もれびの森

相模原市 ナラ枯れ倒木、点検強化へ 民間委託も検討

 南区内の市道で5月2日、ナラ枯れの木が倒れ、道路を走行していた車両に衝突する事故が発生した。相模原市は倒木現場付近の緊急点検を実施。例年行う点検について民間委託の検討を行い、体制を強化する方針という。

 倒木事故は西大沼3丁目、木もれびの森エリアに隣接する市道古淵麻溝台線で発生した。倒れた樹木が走行中の車両に当たり、フロントガラスやサイドミラー、サンルーフなどが破損。負傷者はいなかった。

 樹木は幹回約1・1m、高さ約15mの高木。市の発表によるとナラ枯れの被害を受けた樹木で、事故発生時の豪雨と突風の荒天が影響している。市担当者は「土がぬかるみ、折れたのではなく根元から倒れていた状況だった」と説明する。

 相模原市はナラ枯れが市内で初めて確認された2017年から市内緑地の点検を行っている。木もれびの森の対象範囲は道路や住宅に接している林縁部から約15m内側。今回倒れた樹木は範囲内に位置していたが、昨年の点検時に倒木の恐れがある危険木と判定された497本に入っていなかった。市担当者は「昨年の点検時に既に枯れていて見落としたのか、あるいは点検の後に枯れ始めたのかというのは分からない」としながら、「より詳細な点検に向け、点検方法の見直しが必要となる」との認識を示す。

人手不足など課題

 市内緑地の面積は217ヘクタール。全てではないが、毎年8月中旬に市水みどり環境課の職員6人が点検を行っている。17年から24年まで緑地内で危険木と判定されたのは合計2657本。24年3月末までに2160本が伐採されている。

 点検方法は枯れている樹木を探す目視が基本となる。市担当者は「個人の判定のばらつきや奥まった場所に入り込んだ点検など人手不足や専門的な知見からも、職員だけでの点検の難しさはある」と吐露する。

 今回の事故を受けて市は、古淵麻溝台線に接する木もれびの森の林縁部から約15mほどの内部を対象に緊急点検を実施している。今後の点検方法については「民間委託の導入も含めて検討を進め、体制を強化する」と話す。

 一方で市内のナラ枯れについて市担当者は「昨年、新たに虫が侵入した形跡のある樹木はほぼなかった。今後ナラ枯れ被害は減少していくと予測している」と話す。

歴史再発見講座 岩手からみた夢 5月24日

 「翔平の夢、啄木の夢 何をめざして岩手から?」と題した講演が5月24日(土)、相模大野のユニコムプラザさがみはらで行われる。

 岩手県が生んだ大谷翔平の活躍や歌人・石川啄木が津久井出身の政治家とつながりがあったことについて解説する。時間は午後1時30分から4時。定員50人。参加費は500円。申し込みは山田真也さん【携帯電話】090・4709・5585。

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昨年開催時の様子

上溝でガーデンフェス 25日 バラ眺めお茶

 介護老人保健施設「清泉の郷」(上溝1132の1)が5月25日(日)、バラやラベンダーなどさまざまな種類の植物を植えた庭園で「ガーデンフェス」を開く。地域住民に庭園を楽しんでほしいとの思いから、入場無料で開催する。午前9時30分から正午まで。

 同施設の利用者たちが整備した庭園でバラを眺めながらお茶やお菓子を楽しめるほか、介護の悩みを相談したり、ボッチャや小物づくりを体験したりすることもできる(全て無料)。

 庭園は車椅子の人も香りを楽しめるよう、腰ぐらいの高さの花壇を設置するなどバリアフリーに配慮した設計になっている。担当者は「地域の方が少しでも自然に触れ合えるようにしたい」と話している。

レコードを紹介する早川さん。移転前の店舗にて2023年撮影

参加者募集 集まれレコード好き

6月 麻溝台で鑑賞会

 懐かしい「レコード」を聴きながら交流を深める鑑賞会が6月18日(水)、相模原市立市民健康文化センター(南区麻溝台/通称けんぶん)で行われる。きょう22日から参加者を募集する。

 けんぶんが企画する、地元講師を招いての文化講座。講師を務めるのは矢部駅前にある中古レコード専門店「7inch早川」の早川信彦さん。当日は参加者が持ち寄ったもの、早川さん所有のものを聴き意見や感想を述べ合うなどする。

 午後1時30分から3時。参加費500円(現金のみ)。定員20人(先着順)。申し込み・問い合わせは同施設【電話】042・747・3776。

レコーディング中の井上会長

グリーンRC 歌で活動を広める 会員がレコーディング

 奉仕団体「相模原グリーンロータリークラブ(RC)」の会員たちがこのほど、クラブソング「あの宇宙(そら)を見上げて」をもっと世に広めようとレコーディングを行った。完成した作品は同RCのホームページなどで公開予定。

 歌は2022年に創立30周年を記念して作られたもの。友情や宇宙をテーマにしており、年齢関係なく和気あいあいとした同RCの雰囲気が表現されている。この日、会員たちは1人ずつ歌を録音し「歌手デビュー」を果たした。緊張した面持ちでマイクに向かう人や音楽に合わせて体を動かしながら歌う人などがおり、豊かな個性が現れた収録現場になった。

 井上誠士会長は「今年のテーマは『ロータリーを楽しもう!』。みんなが楽しんでくれたらいい」と話した。収録を取り仕切った八木美左男さんと池田健博さんは「RCが何をやっているのか、歌を通して家族や地域の方に知ってもらいたい。興味を持って入ってもらえたらいい」と思いを語った。

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キャリア教育の推進について話す藤田教授(左)と原晋教授

相模原市 キャリア教育 発展段階へ 多様性絡め議論も

 市内の小中学校に通う児童・生徒のキャリア教育充実へ向けた取り組みを議論する「相模原市キャリア教育推進委員会」が5月16日、市民会館で行われ、キャリア教育の普及を検証する調査活動やパンフレットを用いた発信活動の強化について話し合われた。

 市が推進するキャリア教育の取り組みは、2020年に発表された「第2次相模原市教育振興計画」に基づき同年に始動。相模原市が目指す人物像「共に認め合い 現在(いま)と未来を創る人」を掲げ、小中学生が将来、社会的・職業的な自立をするために必要な資質や能力を学校教育内で育むことを目的としている。昨年度までに土台作り、共有・協働をテーマに段階を踏み、将来を見据え義務教育9年間の学びを深める「小中一貫教育」の導入や、地域と学校が連携・協働して教育活動の充実を図る「コミュニティ・スクール」の設置、中学生の「職場体験支援事業」の充実などを推し進めてきた。

 今年度から「改善・充実」をテーマに取り組む発展段階に入る。市がキャリア教育において重視する資質や能力の児童・生徒への浸透度をアンケートなどで調査する「アウトカム評価」を進める。合わせて、同委員会と協働している地域の人に理解を深めてもらおうと、パンフレットを作成し発信を強化していくという。

 この日の協議会では、近年教育現場でも求められている「多様性」とキャリア教育を絡めた議論も行われた。同委員の藤田晃之教授(筑波大学人間系)は「児童・生徒が障害のある人や外国籍の人などと垣根なく接する機会を設けることが将来活躍できる人物を育てることになる」などと話した。

相模原駅近くの海鮮居酒屋「築地 山加」店主の山口さん

地元クラブ応援連載 私とSC相模原【4】

山口篤史さん

―SC相模原のはじまり

 「たまたま現役を引退した頃の望月重良さん(クラブ創設者・元日本代表選手)が店に来てくれたんです。相模原は人口は多いが何もない。地元のチームができたらみんなで盛り上がって応援できて楽しそうだなと思って、『プロチームを作ってほしい』と伝えた。ギャグで土下座までして何度も伝えたら、本気で考え始めてくれた」

―印象に残っていること

 「関東リーグのときは強くてすごかった。Jリーグすぐじゃん!って。ただカテゴリーが上がると選手の入れ替えがあって、仕方ないけど寂しい気持ちもあった」

―現在のチームについて

 「クラブは成長したけど、泥臭さが足りない。前は土のグラウンドで文字通り泥だらけでやっていた。かっこつけないで泥臭く戦って、勝て!」

景気観測調査 小売・卸売業が大幅改善 物価高・コスト高の影響続く

 相模原商工会議所はこのほど、1-3月期の景気観測調査の結果を発表した。昨年不調だった小売業・卸売業は改善に向かい、前期振るわなかった建設業も回復傾向だという。製造業と飲食・サービス業は減退傾向が続いているが、全体としては前期並み。次期は若干の改善が見込まれるとしている。

 景気観測調査は前年度同時期との景況を比較したもの。業況が「良い」の回答数の割合から「悪い」の回答数の割合を引いて算出する業況判断指数(DI値)を用いる。

インバウンド需要輸出拡大で好況

 1-3月期の総合業況DIはマイナス24で前期(24年10-12月)のマイナス24から変化はなかった。円安の影響で一部の業界でインバウンド需要や輸出の拡大による好況が見られる一方、依然として物価高・コスト高が全業種で続いており、金利上昇による悪影響を懸念する声も聞かれる。

 前期大幅に悪化していた小売業・卸売業のDI値が前期から16ポイント改善しマイナス24。半年前の水準に戻った。建設業もマイナス18で6ポイントの改善。一方で製造業と飲食・サービス業はやや悪化した。

次期も見通し

 次期(4-6月)の総合DIは今期から4ポイント改善を見込む。建設業は引き続き改善し、今期から5ポイント回復する見通し。飲食・サービス業は大幅な回復が見込まれ、今期に比べ10ポイント改善するとみられている。一方で製造業はDI値の減少が続くと予想されている。

 調査は同会議所会員3723事業所に対して1月1日から3月31日にかけて実施され、727件の回答を得た。回答率は19・5%だった。

メタバース・オフィスの画面

相模原市 DX活用し採用強化 メタバースオフィスを導入

 行政・民間を問わず人材不足が深刻な課題となっている中、相模原市は人材獲得に向けて、職員採用に関する取り組みを強化している。今年3月には、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した新しい採用情報サイト「メタバース・オフィス」を開設した。情報発信の強化と採用活動のDX化を図ることがねらい。

政令市では初の試み

 市の採用活動について担当者は「民間と同様、雇用の流動化や受験者数の減少もあり、人材確保は課題となっている」と話す。従来は採用に関するパンフレットを作成していたが、若い世代への情報発信強化やDX化の観点を踏まえ、メタバースを活用したサイトの開設に至った。ペーパーレスの新しい採用情報サイトの開設は、政令市では初の試みという。

 メタバース・オフィスでは、インターネット上の仮想空間に設置された2D空間から、説明会や採用試験などの最新の情報が発信される。市の庁舎をリアルに再現した3D空間では、利用者が庁舎内を自由に見学できるほか、空間内に設置された動画などを見て働き方をシミュレーションすることも可能。3D画像によるフロアの再現は、サイトを開発した「株式会社ネオキャリア」では全国初の試み。

 利用者がメタバース上でアバターを介して職員や他の利用者と交流することもできる。現在は月に一度職員が常駐し、気軽に質問できる機会を設けている。市の担当者は「まだ始まったばかりで数は多くないが質問は来ている。運用していく中で回数や方法を検討していく」と話している。

昨年開催時の様子

さがみ美術展 市民の絵画ずらり 6月20日から24日まで

 市民から公募した日本画・洋画作品を多数展示する「第80回さがみ美術展」が6月20日(金)から24日(火)まで、相模原市民ギャラリー(相模原駅セレオ4階)で開催される。午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。入場無料。相模原市美術協会(吉田留美会長=人物風土記で紹介=)主催。

 さがみ美術展は市民の作品を展示し、文化の芽を育むことを目的としている。市内外を問わず中学生以上の人は誰でも作品を応募でき、今年から「ジュニア賞」も新設された。

 期間中の6月22日(日)には、同協会の80周年を記念したイベントとしてオカリナの演奏が予定されている。音域の広さが特徴の「3連管オカリナ」の製作者であり演奏者の波多野杜邦さんがパフォーマンスする。午後1時から1時30分まで。同日午後1時30分からは表彰式と講評会が行われる。一般の人も参加可能。

 吉田会長は「今年は80周年という記念すべき年。先人たちの熱い想いを受け継ぎ未来につなぎたい」と話している。

車両を引っ張る園児

神奈川トヨタ 園児が車と綱引き 幼稚園で交通安全教室

 トヨタ車の販売店を展開する神奈川トヨタ自動車(株)(横浜市)が5月16日、相模原市内の幼稚園で交通安全教室を開いた。園児に対する交通安全教室は地域貢献の一環として行われている。

 190人ほどの園児が参加したこの日の教室では、園庭で同社社員が横断歩道の渡り方をレクチャー。園児と乗用車との綱引きも行われた。車の重さを体感することで、衝突時の衝撃の大きさを記憶してもらおうというユニークなプログラムに園児は大喜び。10人ほどで車に結ばれたロープを引っ張り少しずつ車が動くと歓声が上がっていた。

 同社担当者によると、この世代の子どもは思いもよらない動きで交通事故を誘発することも多いという。

ペタンク大会 陽光台で6月21日

 陽光台ふれあい広場で6月21日(土)、フランスのボール投げ「ペタンク」の大会が催される。1チーム3人制(陽光台地区在住の小学生以上対象)。申し込みは7日(土)まで。14日(土)には陽光台公民館で組み合わせ抽選会がある。(問)【電話】042・755・3451

参加者募集 市の都市開発を視察 中学生向け体験学習

 市の都市計画事業を通してまちづくりや都市開発について学ぶ体験学習プログラムが7月12日(土)、相模原市内で行われる。会場は今まさに工事が進んでいる「麻溝台・新磯野地区(南区)」。対象は市内在住の中学生。現在、参加者を募集中(参加は無料)。

A&A現地へ

 相模原青年会議所(JC)が未来を担う人材育成を目的に実施しているプログラム「次世代のリーダーは君だ!〜行動で未来を描く体験学習〜」の第3回。市の都市開発事業「麻溝台・新磯野第一整備地区土地区画整理事業(A&A事業)」の現地を視察し、開発の背景や現場の様子を学ぶ。図面を使ったワークショップや市の担当者による解説を通し、都市開発について理解を深めることができる。

 A&A事業は、圏央道相模原愛川ICに近く今後も交通利便性の向上が期待される両地区における都市計画事業。産業を中心とした約148へクタールの新たな拠点整備が進められている。

 担当する原嶋伸広委員長は「相模原の『新たな都市づくり・産業創出の拠点』に興味のある中学生の参加をお待ちしています」と話している。午前9時〜午後4時。定員30人。要事前申し込み。

地鎮祭の様子。前列右から4人目が赤間理事長

相模福祉村 2施設を建替工事安全祈願

 社会福祉法人相模福祉村(中央区田名)は5月8日、障害者支援施設「たんぽぽの家」(同)と特別養護老人ホーム「柴胡苑」(同)の建て替え工事の地鎮祭を行った。

 当日は赤間源太郎理事長をはじめ、工事関係者らおよそ40人が出席。工事の無事と安全が祈願され、土地に感謝を捧げながら新たな門出を祝った。

 たんぽぽの家と柴胡苑は、鉄骨造3階建て(A棟)と木造平屋建て(B棟)の2棟に生まれ変わる。A棟は2026年10月、B棟は28年1月の竣工を予定している。

 なお同法人は緑区で児童養護施設「メレ・オハナ」の建設も進めている。26年2月竣工予定。