多摩区・麻生区版【5月30日(金)号】
音楽祭のチラシを持つ実行委員長の池上さん

40回目の「麻生音楽祭」 区民が主役 思いつながる

 幼児から高齢者まで約2千人が出演する麻生音楽祭が今年40回目の節目を迎える。6月21日(土)に行われるスクールコンサートを皮切りに、さまざまなジャンルの音楽を届けていく。実行委員長の池上裕子さん(63)は「節目を多くの人とお祝いできれば」と話す。

 地域の音楽家や市民を中心に音楽イベントを開催する機運が高まり、1984年12月に新百合ヶ丘駅前の広場で音楽フェスタが開かれ、盛り上がりを見せた。

 翌年に麻生市民館が開館したことを受け「今度はホールで」との声が高まった。そうして第1回の麻生音楽祭は86年の5月17日と18日の2日間行われた。その後、出演団体も増加したことで、開催日数も増えていった。

 2005年には、20回目の節目を記念して、麻生区のイメージソング『かがやいて麻生』が誕生した。誰もが気軽に口ずさめる歌を作ろうと、全国から歌詞を公募。総数130作品、6歳から81歳まで幅広い世代から応募があった。毎年、音楽祭で演奏されているほか、麻生区役所でも朝と夕方に曲が流れている。24年には、麻生区長寿日本一バージョンもできた。今年2月に行われた川崎市市制100周年記念事業「あさおの川崎100周年祭」では、麻生音楽祭の40周年記念事業として、「1000人でオーケストラと歌おう!」を実施。同曲を出演者と入場者が一緒に歌い、好評を博していた。

 今回の音楽祭では麻生フィルハーモニー管弦楽団が40周年を記念して編曲したオリジナル版を演奏するなど、いろいろな場面で同曲が楽しめる。

魅力それぞれ

 現在は6部門を麻生市民館大ホールで各日開催する形になっている。6月14日(土)には開催に先立ち、同祭の魅力を知ってもらおうと、新百合丘ヶ丘駅南口広場でオープニングコンサート(午後1時開演)を企画中だ。

 21日の「スクールコンサート」では、小学生と高校生が合唱や合奏を披露する。29日(日)の「コーラスのつどい」では、子どもから高齢者まで、さまざまな形のコーラスが楽しめる。7月1日(火)の「かなでようあさおの響き」は、区内の公立中学校8校の生徒が合唱や合奏を行う。5日(土)の「アンサンブルのつどい」では弦や管、民族楽器などの音色が楽しめる。6日(日)の「ファミリーコンサート」(要事前申込)は麻生フィルハーモニー管弦楽団が「吹奏楽特集〜ボーダーレスな音楽の世界」と銘打ち演奏する。

最終日の12日(土)の「ポピュラーミュージックショー」はポップスやロック、ゴスペルなどの多彩なジャンルの音楽が一堂に集う。最後には出演者全員が舞台に立つ「40周年記念Specialバンド」が合同演奏で盛り上げる予定だ。

ロゴもリニューアル

 40周年を機に「麻生音楽祭」のタイトルロゴも刷新。多くの人に親しんでもらおうと、柔らかでカラフルな文字に。音楽でまちの人々をつなげたいという思いが込められている。同祭に長年出演してきた人がロゴデザインを手がけたという。

 出演者と観客合わせて約7千人が楽しむイベントへと成長した麻生音楽祭。池上さんは「長い時間をかけて、たくさんの人がつないできた音楽祭。50周年、さらにその先に向けつなげていく。多くの市民のみなさんに聞きにきてもらえれば」と話す。音楽祭の詳細は麻生区ウェブサイト。問い合わせは、麻生区役所地域振興課(同祭実行委員会事務局)【電話】044・965・5116。

マンホールトイレの構造=市提供

川崎市 マンホールトイレを整備 市内156カ所に

 川崎市は4月末、マンホールトイレの整備などを軸とした「新たな災害時のトイレ対策の考え方」を示した。能登半島地震などの教訓を踏まえ従来の対策から転換。今後トイレの正しい使い方の認知強化に注力する。

 マンホールトイレは、マンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、下水道管に接続して利用できる災害時用のトイレ。これまでは汲み取り式の仮設トイレを設置する方針で進めてきたが、マンホールトイレは、汲み取り不要で発災当初からの使用ができ、持続的に使用できる利点などを踏まえ、方針転換を行った。

 整備するのは、市内小中学校などの指定避難所151カ所と川崎区・宮前区を除く5区役所。今年度に基礎調査やパブリックコメントを実施し、2026年度から30年度にかけて整備が完了する予定。

 市危機管理本部は「災害時のトイレ環境の確保は市民の生命、財産を守る上で最重要事項の一つ」と説明する。

既存インフラと連動

 市が方針転換したきっかけは、昨年1月の能登半島地震。発災時の状況に鑑み、道路状況やバキュームカーの台数などを踏まえ、従来の対策で衛生的な環境を保つのは困難と判断した。

 また、マンホールトイレは、下水管の耐震化や応急給水拠点との親和性もあるという。

 市では避難所や重要な医療機関などと水処理センターを結ぶ下水管の耐震化を、26年度の工事完了を目指し実施していた。加えて、学校にある水飲み場など、災害時に誰でも自由に給水ができる「開設不要型応急給水拠点」の整備も進行中。し尿を流すために必要な水源が確保できる状態となっている。市担当者は、「他の都市では水源として学校プールの貯水を使うことが多い。市内にはプールがない学校もある中、開設不要型応急給水拠点の整備が進んでいることは川崎市の大きな特徴」と話す。

 今後は、専用の下水管を新たに地中に埋め、現在耐震化を進めている本管に接続する形で整備を行う。本管が被害を受けていても一定期間使用可能な「貯留型」を中心に採用していくという。市担当者は「避難生活が1週間、1カ月と続く可能性を考えると、ごみが出ず、継続的に使用できるマンホールトイレは優位性が高い」と期待を寄せる。

「宝の持ち腐れ」防ぐ

 今回の方針には、既存の仮設トイレを公園に配備するなど、避難所以外の場所でも災害時に使うことができるトイレ環境の整備を進めていくことも盛り込まれた。

 使用が容易で発災からすぐ使用できる携帯トイレについては指定避難所、市立学校、児童関連施設で、これまでのストックに加え、新たに2日分の備蓄を確保する。

 さらに、自助・共助への働きかけも強める構えだ。備えることの重要性の発信や使い方などの周知も進めていく。市担当者は「普段のトイレを使えるのが一番良いが、災害時に使えるか否かを判断するには知識が必要。また、市で整備を進めても、実際の使い方を知らないと『宝の持ち腐れ』になってしまう。周知に力を入れていきたい」と話した。

麻生消防署の第21代署長に4月1日付で就任した 金子 正和さん 多摩区菅北浦在住 53歳

バランス取り、良い消防に

 ○…麻生消防署本署、および百合丘・柿生・王禅寺・栗木の4出張所に勤務する消防職員約160人の司令塔として、大所帯の指揮を執る。麻生区は消防士としてのキャリアの第一歩を踏み出した地。「きれいな街並みになり、駅周辺もだいぶ変わった」と約30年ぶりの景色を懐かしむ。地域の印象を「町会には人と人との深いつながりを、消防団には自分たちのまちは自分たちで守る、という強い意志を感じる」と述べ、「自助共助の意識が強い」と分析する。

 ○…中井町出身。自然に囲まれた故郷を緑豊かな麻生区に重ねる。千葉大学では化学を専攻。特殊な知識を生かせればと志望した市消防局に入職し、危険物などを取り扱う専門部署の業務を多く任されてきた。前任は臨海部でコンビナートの安全対策。一たび事故が起これば大事となるだけに企業には厳格な規制を求めなければならない。行政と企業、安全と発展。絶妙なバランスが必要となる場で力を発揮した。

 ○…就職してすぐに職場で誘われ、「人とのつながりが増えるかな」と始めた綱引競技が、今ではライフワークに。現在は東京都連盟のチームに所属し、週末は仲間と練習に励む。「個人競技にはないチームワークと一体感」が魅力の一つ。毎朝10分、1500回の縄跳びをルーティンとし、実益と趣味を兼ねて日々の鍛錬を欠かさない。

 ○…署員に望むのは「心を開いて気持ち良くあいさつ」「我々の成果は市民のため。市民目線で仕事を」「個々が『こうしたい』という理念を持つ」-の3つ。抱負は「市民のニーズに応えながら職員のニーズも拾って良い消防を作っていきたい。魅力ある消防になれば人も集まり組織の発展にもつながる」。持ち前のバランス感覚はここでも生かされるはずだ。

プログラムは各種用意

市社協 夏休みにチャレボラ体験 参加無料「自分の成長に」

 川崎市社会福祉協議会などが主催する「夏休み福祉・チャレンジボランティア体験学習(チャレボラ)」が、7月20日(日)から8月21日(木)まで開催される。参加費無料。

 市内在住・在学の小学生から大学生までが対象。子どもや高齢者、障害のある人との触れ合いなど、参加したいプログラムを選んで体験ができる。担当者は「夏の思い出に残る体験を通し、自分の成長につなげてみませんか」と呼び掛ける。

 申し込みは6月2日(月)午前9時から。先着順で定員になり次第終了。詳細は二次元コードから。(問)同協議会ボランティア活動振興センター【電話】044・739・8718

花の植え替えを行う参加者たち

きれいな新百合ヶ丘に 駅周辺清掃活動に200人超

 新百合ヶ丘駅周辺の清掃活動を行う「クリーンアップ大作戦」が5月24日に開催され、過去8年間で最多となる225人の地元企業従業員や地域住民らが参加した。

 きれいで安全なまちづくりを推進することなどを目的に、新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアムと区が主催。

 デッキのごみ拾いや落書き消しなどを行い、70リットルの袋約30個分のゴミが集まった。初めて参加したという(株)東都の信國裕太さんは「他の地域の清掃に参加することもあるがここまで多くの人が協力するのは初めて」と驚きの声をあげた。

ブルーシャークスの選手ら

南町ブルーシャークス 多摩区19チームの頂点に 少年野球 読売新聞旗争奪

 第29回読売新聞旗争奪少年野球大会の決勝戦が5月18日に多摩区内で行われ、南町ブルーシャークスが優勝を果たした。

 多摩区少年野球連盟に所属する19チームが参加した同大会。宿河原小学校を拠点に活動する同チームは、リーグ戦を7戦全勝で勝ち抜いた。

 もう一つのリーグ戦を制した登戸ユニオンズと1位同士がぶつかる優勝決定戦が行われた。

 3回裏に南町が先制、4回裏にも追加点を挙げ3―0に。だが、粘りを見せた登戸が6回表に3点を挙げ同点となり、延長戦に突入。登戸が2点を追加するが南町が3点を返しサヨナラ勝利となった。キャプテンの中村英治さん(宿河原小6年)は「みんなが最後まで諦めず、信じたからこそ、優勝できた。次の県大会でも1試合1試合積み重ねたい」と話した。

アートフェスタ参加者募集 6月3日説明会

 認定NPO法人あさお市民活動サポートセンターは、11月15・16日に開催される「アートフェスタやまゆり」の参加団体を募集している。

 麻生市民交流館やまゆりで絵画や書、写真、陶芸、手工芸などを展示する同企画。希望者は6月3日(火)の午後2時から同館で行われる参加説明会に必ず出席を。問い合わせは同館【電話】044・951・6321。

神輿を担ぐ住民ら=提供

須賀神社、例祭賑わう 栗谷に初夏の訪れ告げる

 多摩区栗谷の須賀神社で5月25日、恒例の例祭が行われた。

 雨もあがり、午後から神事が行われた。神輿と太鼓の巡行には子どもたちが参加し、町内を練り歩いた。境内の露店には長い列ができ、演芸では栗谷囃子保存会による獅子舞や足踊り、地元住民の舞踊やハンドベル演奏で客席が湧いた。

 祭礼にあたっては、栗谷町会が協賛する形で実行委員会を立ち上げ、準備を進めてきた。実行委員長の岸忠宏さんは「けが人もなく、無事に実施できて良かった。今後も伝統を引き継いでいきたい」と話した。

 須賀神社は、生田駅の南西に位置する栗谷地区の中央部にある。1600年頃から続く神社で、境内のしだれ桜は名物として知られている。

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会員拡大へ広報など模索 多摩区町会連合会が総会

 多摩区町会連合会(以下町連/濃沼健夫会長)は5月20日、多摩区役所で2025年度の総会を行った。

 あいさつに立った濃沼会長は、昨年度に市制100年記念事業があったことや、町連として対市要望を行ったこと、町会活動の広報により加入促進を図ったことなどを振り返った=写真。加えて、今年度は参院選と市長選、国勢調査調査員の選任、民生委員児童委員の推薦など、通常年とは異なる事業が複数あることにふれ、各単会への協力を呼びかけた。今年度の事業計画案、予算案など6つの議事は全て承認された。総会終了後、濃沼会長は会員減少を町連の課題とし、「広報活動を通じて会員を増やしたい。加入のメリットも生まなければ」と述べた。

 同連合会は稲田と生田地区の2つの町会連合会合計88の自治会・町内会により構成されている。

意見に耳を傾ける大竹さん(左)、倉石さん(中央)ら

おれんじあさお 認知症支援の今を語る 年度初めの説明会を実施

 麻生区を中心に活動する認知症支援団体「おれんじあさお」が5月20日、福祉パルあさおで活動報告・計画説明会を行った。3回の開催で延べ約20人が参加した。

 同団体は、麻生区が目指す「認知症にやさしい まち」の実現に向けて、2023年2月に発足。認知症に対する偏見をなくし、共生社会の実現を目指すことを目的に、認知症サポーターの養成講座や、買い物をサポートするツアーなどを定期的に実施している。麻生区の認知症地域支援推進委員を務めていた倉石知恵美さん、介護の仕事に従事していた大竹明さんが共同代表を務める。

 説明会では、昨年度の活動実績と今年度の計画が示された。大竹さんは、スライドを活用しながら、発足から2年間にわたり行ってきた活動の詳細な内容や結果、見えてきた課題などを提示。今後、運営に携わる支援者を増やしていくこと、定期的な情報発信に注力していくことなどを展望として語った。

 5月20日の説明会内では参加者に意見を求める時間も。支援の輪を広げる手段として「寺や教会など、人同士のつながりが強いところでの講座実施はどうか」などと意見が挙がった。ほかにも「若い世代とも一緒に活動したい」「夜オンラインで参加できる会議も開催してほしい」などの意見も寄せられたという。

 大竹さんは、「さまざまな人に意見を聞かなくてはいけないと再認識した。アンケート結果を踏まえて展開したい」と話した。

華燿会 日本画の展覧会 麻生文化センターで

 麻生区を中心に活動する日本画のグループ「華燿会」は6月20日(金)から25日(水)まで、麻生文化センター市民ギャラリーで、36回目の展覧会を開催する。午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。

 30年以上前に麻生区の成人学級から始まったグループ。詳細は同会の住友由紀子さん【携帯電話】080・4478・2203。

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あいさつする末吉会長

地域資源のPRなど継続 多摩区観光協会が総会

 多摩区観光協会(末吉一夫会長)の2025年度総会が5月23日、多摩区役所で開かれた。新年度の事業計画や収支予算など、7つの議案が承認された。

 事業計画ではウェブサイトの情報更新や観光ガイドブック「はなもす」の発行、登戸駅南口ペデストリアンデッキへのバナー掲出などにより引き続き地域資源のPRに努めることを確認。加えて各種観光ポスターやチラシなどの広報支援、地域イベントへの出展、自主事業であるスタンプラリーの開催などを通じ、地域観光活性化支援を展開することも可決した。

 登戸土地区画整理事業に伴い、民官連携のまちづくりへの発展にあたって地域の未来像作成や協議・調整を行う「登戸・向ヶ丘遊園エリアプラットフォーム」へ加入することも承認された。

当時の思いを語る相原さん

戦後80年 戦禍の記憶【4】 麻生区白山在住 相原 多恵子さん(90) 自分だけ生き残る不安 縁故疎開も複雑な胸中

 「『ヒュルヒュルヒュル』という焼夷弾の音と『ゴー』という爆弾の音が聞き分けられるくらい、戦争が身近になっていた」 

 国民学校(小学)4年生だった1944年の7月、東京から学童疎開先の静岡県に向かうことになる。出発する日、長いこと食べていなかったおはぎなどが入った弁当を祖母に持たされた。「私は遠足に行くような気分。でも『この子と会えるのが最後になるかもしれない』と家族がお弁当に思いを込めてくれていたことには、その時は気が付かなかった」と振り返る。

 寺で寝泊まりし、村の学校へと通う日々が始まった。教員に帰る日を聞くと「戦争が終わったら」。「帰る日が決まっていれば、その日を待って我慢できる。でも帰れる日は分からなかった」。日が暮れてくると、毎日家族のことを思い出し、涙がこぼれた。「遠足気分で来たことを後悔した」

 学校の帰り道、米軍のB29爆撃機が東京方面へ飛んでいく姿を見た。「家族が爆撃でやられて、死んでしまうのでは。自分一人だけが生き残ったら、どうしよう」。そんな不安が頭から離れず、ひどいストレスにさらされた。

 年が明けた2月頃、思いがけない知らせが届く。家族で新潟県に縁故疎開をすることになったのだ。おばが静岡まで迎えに来てくれた時は、駆け寄って、握った手を離さなかった。「こんなにうれしかったことはない」。だが、同級生らの疎開生活は続く。「友達の前で喜ぶことはしなかった。子ども心に、自粛した」。別れのあいさつもなく、寺を去った。

 東京の自宅に一旦戻り、しばらくして、わずかな荷物を持ち、新潟県へ。「見知らぬ地に向かうものの、辛かった学童疎開とは違い、家族と一緒であることの幸せを感じた」。汽車の中で、そう思ったことを記憶している。

 新潟県の農村では、空襲警報は鳴らなかった。8月15日、大人たちと一緒にラジオから流れる天皇陛下の声を聞いた。「最後は竹やりで敵兵と戦う。そう先生から教えられていた。心配で暗い気持ちだったが、戦争が終わり、ほっとした」。灯りが漏れないように電球を覆っていた布。その日の晩から外し、部屋が明るくなった。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

「多摩吹」がサマコン 7月21日 多摩市民館

 川崎市で活動する「多摩川吹奏楽団」は7月21日(月・祝)、多摩市民館大ホールでサマーコンサートを開く。午後1時30分開演(1時開場)。入場無料、全席自由。

 曲目は『マードックからの最後の手紙』ほか。指揮は大平博之さん、佐藤一大さんが務める。

 駐車場に限りがあるため、主催者は公共交通機関の利用を呼びかけている。問い合わせは同吹奏楽団【メール】public@tamasui.com。

山田館長(右)と「めいじろう」=平和教育登戸研究所資料館提供

登戸研究所資料館 来館者10万人達成 山田館長らが祝福

 今年で開館15周年を迎えた明治大学平和教育登戸研究所資料館(多摩区東三田)の来館者が、10万人を突破した。10万人目は都内の私立高校に通う男子高校生だった。

 明治大学平和教育登戸研究所資料館は、戦時中に旧日本陸軍が偽札や化学兵器などの秘密兵器を研究・製造していた「登戸研究所」の史実を伝える施設として、2010年に開館した。明治大学生田キャンパスにある。

 来館者が10万人に達したのは5月16日。前日の15日に9万9995人となったため、スタッフらは「明日で達成する」と確信。16日は開館前から山田朗館長や大学の公式キャラクター「めいじろう」もスタンバイし、来館者を迎えた。

 午前10時の開館と同時に入場したのは、校外平和学習のために訪れた都内の私立高校の生徒たちだった。スタッフは間違えないよう、来館者一人一人にパンフレットを手渡し、16日の「5人目」の分にあらかじめ付箋を貼っていた。

 「おめでとうございます。10万人目です」

 スタッフが祝福すると、男子生徒は驚いた様子だったが、山田館長と「めいじろう」が「祝来館者10万人達成」と書いたパネルを手に登場すると、状況を理解し、笑顔を見せたという。

 登戸研究所が手がけた兵器の一つに「風船爆弾」があるが、昨年11月から続く企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争-」が好評という。昨年5月、風船爆弾をモチーフにした小説が発売されヒットした影響もあり、来館者が明らかに増加したという。2023年11月の9万人達成から1年半で10万人達成となった。

 山田館長は「これからも戦争と平和について多角的に、わかりやすく伝えていきたい」とコメントした。

企画展が延長

 現在開催中の同企画展の会期がこのほど、3カ月延長されることが決まった。5月31日(土)で終了の予定だったが、8月30日(土)までとなった。

 企画展は旧日本陸軍が「決戦兵器」と位置付け、1944年から45年にかけて登戸研究所で全力を挙げて研究開発していた「風船爆弾」について、風船づくりのために各地で動員された女学生たちの証言を交え、作戦計画の経緯から顛末までを詳しく解説している。

 昨年11月20日に始まり、会期は半年間の予定だったが、市内外から来館者が絶えず外国人も増えるなど、予想外の反響が続いているという。昨年5月に発売された小林エリカさんの小説「女の子たち風船爆弾をつくる」(文藝春秋)が毎日出版文化賞を受賞するなど広く注目を集めたことで、作品で描かれた「風船爆弾」への関心も高まったようだ。

 山田朗館長による展示解説も追加で4回、開催される(要予約)。日曜日から火曜日は休館。

 詳細・問い合わせは同館【電話】044・934・7993。

市長に要請書を手渡す高橋会長(左)

福田市長に4選出馬要請 市内の政治団体

 今年10月26日に投開票される川崎市長選挙に向け、市内各団体の代表者らによる政治団体「川崎の発展を考える会」が5月21日、現職の福田紀彦市長に4選への出馬要請を申し入れた。

 市長室を訪れ出馬要請書を手渡した同会の高橋章会長は「3期12年の実績、川崎の発展を考え先を読んだ市政を評価している」とし、市政運営の続投を求めた。福田市長は「市内を代表する各界の方からのご評価は素直に嬉しく、思いは受け止める」としつつ、「課題は山積しており重責」と話し、今後の議会で意思を示す考えを伝えた。

要請は「満場一致」

 同会は2017年に設立し、福田市長に出馬要請するのは同年と21年に続き3回目。現在は約200人が加盟し、4月の総会では、経済や教育改革など市政全般で評価する声が上がり、出馬要請は「満場一致だった」という。同会事務局顧問で元副市長の砂田慎治氏は「軌道修正する必要はないとの判断。市民市長を掲げているため、政党色のない団体が動くことが必要」と説明。多選批判については「弊害がないとはいえないが、議論はなかった」とした。

 当日は神奈川県宅建政治連盟の川崎3地区連盟も、「功績は顕著」とし出馬要請書を手渡した。

陳謝する水野氏

参院選 立民・水野氏が不出馬表明 パワハラ報道で陳謝

 今夏の参院選神奈川選挙区からの出馬を表明していた立憲民主党の水野素子参議院議員が5月21日、立候補辞退の会見を開いた。

 週刊誌でパワハラ疑惑が報じられた水野氏。「不快な思いをされた方に深くお詫びする」と陳謝する一方で、「事実誤認や誇張がある」とも述べた。今後については「今は残りの任期を全力で全うしたい」とした。

公演のチラシ

東京都交響楽団の演奏会 「2つの四季」の饗宴

 世界最高峰の音楽家たちが奏でる「四季」を堪能--。東京都交響楽団の弦楽セクションの精鋭たちが、現代の最も優れたヴァイオリニストのひとりとして活躍するシュロモ・ミンツとともに、ヴィヴァルディとピアソラ、2つの「四季」を全楽章演奏する。

 長きにわたり聴衆を魅了してきたミンツの円熟した音色と、愛弟子である及川博史を中心とした都響弦楽メンバーの洗練されたアンサンブルが織りなす至高の音楽体験が可能だ。

 公演会場は小田原三の丸ホール(小田原駅徒歩13分)。8月11日(月・祝)、午後3時開演(午後2時開場)。

 全席指定4000円、18歳以下1000円、未就学児入場不可。同ホールHP、イープラス他で発売中。

 問い合わせは小田原三の丸ホール【電話】0465・20・4152(午前9時から午後8時)。

岡村三郎氏

参院選 無所属・岡村氏 出馬へ 75歳、相模原の会社社長

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自動車部品製造会社社長の岡村三郎氏(75)が無所属で立候補すると表明した。

 岡村氏は輸入半導体商社を経て1994年、相模原市に「オーエス精工」を設立し、現在も社長を務める。5月21日の会見で「今の国会議員は世の中を変えられない。EUのようにペットを飛行機内に持ち込めるようにしたい」と述べた。

総務委員会の災害時対応訓練(議会事務局提供)

委員会のオンライン開催 川崎市議会 育児や介護等に拡大

 川崎市議会は、新型コロナのまん延と大規模災害が発生した場合に限って認めていた委員会のオンライン開催要件を、妊娠や育児、介護等にも拡大し、4月1日から運用を開始した。

 今年3月19日の本会議で「川崎市議会委員会条例」の改正案を議決。妊娠や育児、介護やけがなどのやむを得ない理由がある場合、常任委員会に市議がオンラインで出席できる。

 これまでは新型コロナウイルスなど重大な感染症のまん延防止のためか、大規模災害の発生時に限り、常任委員会へのオンラインでの出席が認められていた。しかし2023年2月7日付の総務省通知で、「育児・介護等の事由をはじめ、具体的にどのような場合にオンラインによる方法で出席を可能とするかは、各団体において判断される」ことが示された。

 さらに市議会では昨春に発足の「女性議員ネットワーク会議」がオンライン開催の拡大を求める政策提言をまとめ、昨夏に正副議長に提出。これを受けて各会派による「検討プロジェクト」を立ち上げ、話し合いを続けていた。

 「女性議員ネットワーク会議」の会長を務める山田瑛理市議(川崎区)は、子育て中の議員が子どもの発熱などで委員会を欠席する場合など、「オンラインなら出席できるはず」と考えていたという。運用拡大について、「提案を議会全体で後押しして頂けた。子育て世代や介護中の議員にとって選択肢が増え、家庭と政治活動を両立する環境がさらに整ったと思う」と喜びを語った。

パブリックビューイングの案内イメージ

GO!GO!!フロンターレ

一緒に試合観戦だわん!

 サッカーJ1・川崎フロンターレは5月31日(土)、愛犬と一緒に試合観戦ができるパブリックビューイングを、U等々力で開催する。

 試合は明治安田J1リーグ第19節 サンフレッチェ広島戦(アウェイ)。午後5時30分キックオフ。全国でペットショップを展開する、ペットプラスの協力のもと、愛犬と一緒に観戦できる特別エリアを用意。家族や友人と、アットホームな雰囲気で観戦を楽しめる。

 ほかにも特別企画として、愛犬向けのグッズ販売や、思い出の一枚を撮ることができる記念撮影スポットを設置。散歩体験では、広々としたスタジアムのトラックを、リードをつけて一緒に歩くことができる。

 入場無料。午後4時半開場。雨天決行。愛犬同伴の場合の観戦エリアは、バックスタンド北側となる。おむつの着用のほか、初年度ワクチンプログラムと狂犬病予防接種が済んでいることが参加条件。詳細は同スタジアム【電話】044・722・0303。

画像はいずれも川崎フロンターレ