町田版【6月12日(木)号】
来園を呼び掛ける小木曽さん

ダリア園が40周年 障害者 運営支え、地域定着

 約500品種・約4千株のダリアがまもなく見頃となる町田ダリア園(山崎町)。今月、開園40周年を迎える。地域に開かれた憩いの場として長年親しまれてきた一方で障害者の働く場にもなってきた。

 町田ダリア園が開園したのは1985年6月。障害者の働く場として町田市が開設し、産地である山形県川西町から寄贈されたダリアなどがおよそ1万5千平方メートルの園内に植えられた。ダリアの開花に合わせ、開園は6月から11月の期間限定とし、40年。町田市内外から数多くの人が訪れる観光スポットの1つとして定着している。

 運営にあたってきたのは、社会福祉法人まちだ育成会「かがやき」。園内の草取りやわら運び、そうじなどを担当し、時には来園者の案内も行ってきた。スタッフである障害者を見守ってきたかがやきの施設長・小木曽文典さん=中面・人物風土記で紹介=は「障害者のスタッフは屋外での作業になると表情がいきいきしてくる。『できなかったことができた』という喜びを一緒に味わってきた」と振り返る。

 一方、昨年からダリアをかたどったクッキーの販売を園内で始めた田村菫さんは「障害のある姉がダリア園に通うようになったことをきっかけに関わるようになった。大切な場所。40周年を祝いたい」と話す。

酷暑が課題に

 歴史を積み重ねるなか、町田の観光スポットの1つに数えられるようにもなったダリア園にも近年、難題が降りかかっている。猛暑の影響だ。昨今の酷暑によって開花しないことが増え、休園にせざるを得ないことが増えているという。スタッフである障害者の工賃(給与)は入園料から生まれるため、「お客さんが来てくれないと工賃が払えない。暑さに強い品種の導入も視野に入れています」と小木曽さん。酷暑の場合以外も来園者数は減少傾向にあることから、「もっと知名度を上げて、いつ来ても『きれいだね』と言ってもらえるようにしたい。きれいに咲かせることに全力を尽くしたい」と話している。

周年企画も

 今年の開園は今月21日(土)から11月3日(祝)まで。7月には鮮やかな色、10月には脇芽から複数の花が咲き、華やかなボリュームを楽しめるようになるといい、期間中には今年初登場となるダリアをかたどったアイスの販売も始まる。また、10月には40周年記念企画として「ダリアフェア」が開かれ、各地のダリアが町田に集結するほか、ご当地グルメなどの販売も行われる予定だ。

 小木曽さんは「ここまで40年続けてこられたのは、地域の方々のおかげ。その感謝を伝えていければと思います」としている。

ランドセルを手にする橋本さん

ごみ減量啓発橋本さん 海外貧困地へランドセル 活動に賛同 来月、現地へ

 「ごみダイエットアドバイザー」として、町田市を中心にごみの減量に関する啓発活動にあたる橋本祐子さんが使わなくなったランドセルを海外の貧困地域へ送る取り組みに参加している。市内を中心に13個のランドセルを集め、来月には同じく企画に参加した所属する団体メンバーと共にフィリピンに渡り、ランドセルを届ける予定という。

 この取り組みは不用品の寄付を取り扱うNPO法人が企画するもので、フィリピンの貧困地域へランドセルを送り、現地の子どもたちに活用してもらおうというもの。橋本さんはメンバーに名を連ねる、ごみの清掃員で芸人の滝沢秀一さんが主宰するオンラインコミュニティがこの取り組みへの参加を決めたことをきっかけに企画を知り賛同。自身のママ友を中心に声をかけ、13個のランドセルを集めた。「理由を聞くとみなさん、快くランドセルを提供してくれた。良い状態のものが多かった」と橋本さん。来月には関係者と共にフィリピンの貧困地域に渡り、みんなで集めたランドセルを手渡す予定になっているという。

 橋本さんは「現地の『ごみ山』の状況を視察する機会もあると聞き、同行することにした。皆さんの思い出がこもったランドセル。日本同様、学校へ通う際にフィリピンの子どもたちに使ってもらいたいと思う」と笑顔をみせる。

町田でも

 市内外の自治体や学校などでごみの減量に関する講演活動に取り組んでいる橋本さん。5月には音楽を楽しみながら、ごみの活用法などについて考えるフェスを市内で滝沢さんらと初開催するなど、精力的に活動を進めている。

 そのなかで必要でなくなったものを再活用するリユースの考えが町田でも浸透してもらいたいと考えているといい、「不要となったものを他の人に活用してもらうフリマアプリ『メルカリ』が登場して、国内の衣料廃棄の1割弱減ったそう。リユースの考えが広まり、町田のごみの量が減ることにつながれば」と話している。

ダリア園の運営管理を担う町田育成会かがやきで施設長を務める 小木曽 文典さん 相模原市在住 52歳

「できるようになった」が喜び

 ○…開園から今年で40周年を迎えるダリア園。その運営・管理を担う障害者就労支援施設の長として、園を支えてきた。数多く予定される周年事業に「正直、プレッシャーと不安は大きいが、楽しみ。いろんな人に来てもらいたい」と笑う。今年のテーマに掲げたのは感謝の思い。「これまで続けてこられたのは、地域の人や支援してくれる方々のおかげ。ありがたいです」。満面の笑顔をみせる。

 ○…「お前にはあっているんじゃないか」。そのひと言が、福祉の道を歩むきっかけとなった。高校卒業後、2年ほど地元長野県でアルバイト生活を送っていたある日、釣りに誘ってくれた恩師からの言葉。背中を押され、町田市内にある福祉の専門学校へ。就職相談で紹介された作業所に飛び込み、気づけば30年。障害のある人たちと向き合い、ともに働き、笑い合ってきた。

 ○…小中学校時代、同じクラスに知的障害のある友人がいた。みんなで遊ぶなか、輪に入らずその子と2人だけで遊んだ記憶がある。「その子の家がケーキ屋で、遊んでくれてありがとうって、よくケーキをもらった」--当時は、障害者への理解が不十分の時代。「いじめられる姿も見たし、育て方のせいにされる風潮もあった」。その違和感が原点にはある。

 ○…「知名度を上げ多くの人に来てもらいたい」とダリア園の未来を描く。近年は酷暑で夏場の開花が難しく、来園者が減っていることに頭を悩ませるが、暑さに強い品種を検討するなど、「いつ来ても咲いているね」と言われるようにすることが使命と考える。「通所者の『できなかったことができた』という喜びを一緒に味わえるのがこの仕事の醍醐味。これからも共に歩んでいきたい」

子どもたちを指導する宮川さん

忠生 体操クラブに五輪選手 子どもたちと交流

 忠生にある体操教室・シャイニングキッズ体操クラブ(小山直紀代表取締役)で先ごろ、リオデジャネイロオリンピック(2016年)女子体操日本代表の宮川紗江さんによる特別レッスンが行われた。

 この日行われたのは、準備運動や柔軟体操、マット運動、鉄棒といった基礎的なメニュー。技術指導のほか、質問タイムや記念撮影、サイン会も行われ、子どもたちにとって特別なひとときとなった。

 トップアスリートによる直接指導を受け、当初は緊張気味だった子どもたちも、時間が経つにつれて笑顔が増えていった。宮川さんの言葉を真剣な眼差しで受け止めながら練習に取り組み、中には、できなかった技にチャレンジを重ね、ついに成功させる子の姿もあったという。

 宮川さんは「とにかく楽しかった。子どもたちも楽しそうに練習していて、指導することができて本当によかった。『次はいつ来るの?』と声をかけてもらえたことも嬉しかったです」と語った。

橋本祐子さん(ごみダイエットアドバイザー/整理収納アドバイザー/食品ロス削減推進サポーター) アパレルメーカーに10年以上勤務するなか、「着られる」ことなく、大量破棄される衣料を目にしてきた経験をもつ。その後、町田市消費生活センターの非常勤職員として消費者問題の企画などに関わるうちに、ごみの減量・リユースに興味をもつように。現在はそれらに関する講演活動を町田市内外で展開している。

「お片付けでSDGsを」 整理収納アドバイザー 橋本さん

 町田市内外でごみ減量に関する講演活動などに取り組む橋本祐子さん。整理収納に関するアドバイザーとして、「お片付けでSDGs」を提唱している。内容を聞いた。

 ――片付けによるSDGsを提唱されています

 「ごみの減量につながるもの。不要になったものを再活用するリユースが広がるきっかけになればと考えています。取り組みを進めれば、経済的にお得になるものである一方で心が軽くなる効果もあります」

 ――まずはものを手放す基準を決める必要があると

 「基準を決めればスムーズに片づけが進んでいきます。各地で開かせていただいている講演では、食器や保存容器などは1年以上使用していないものは整理する。洋服であれば2年以上着ていないのであれば片づけてしまいましょうなどと呼びかけています」

 ――服などの収納方法にはコツがあると

 「吊り下げ収納は右肩上がりに、引き出し収納は重ねない、立てるなど、効率良く収納できる方法を知っていれば、余分なものは増えていかないでしょう」

 「また、冷蔵庫の片づけ方法も知ってもらいたいですね。7割以下の収納を心がけ、冷蔵庫内でも商品の賞味・消費期限が確認しやすいようにし、使いかけ野菜は保存容器へ。冷凍庫は10割収納を――など。それらポイントを知るだけで余計なものを買わずに済むと思います。お片付けでSDGsに取り組むことが暮らしを楽しむきっかけになればと考えています」

パフォーマンスを披露する杉山さん(上)有志の人手づくりの衣装で登壇(下)

ズンバの杉山さん ネコサポでズンバ披露

 町田市内でズンバのインストラクターとして活動中の杉山直子さんが先月、ネコサポステーション木曽の創立2周年記念イベントに登壇した。

 ネコサポステーション木曽は、宅急便の発送・受け取りに加え、コミュニティスペースの貸し出し、イベント開催なども行っているスポットで同日、杉山さんは、ラテンダンスフィットネスであるズンバレッスンの提供を、イベント来場者に向けて行った。

 イベント終了後、杉山さんは「ズンバの楽しさや魅力を伝えられて良かったです」と笑顔で語った。

町田市議会 副議長に奥氏

 町田市議会の副議長に先ごろ、奥栄一氏(5期・公明党)が就いた。山下哲也氏(5期・公明党)の退任に伴うもので、奥氏の副議長は2度目。「議長をサポートする立場。市民の声をしっかと聞いて、その声を反映できるようにしていきたい」と話している。

 奥氏は現在、文教社会常任委員会に所属している。

出演する児玉さん

市内在住 児玉さん シャンソンコンサートに出演 6月21日 横浜で

 町田市内在住の児玉正浩さんが6月21日(土)、横浜市港北区で開かれるシャンソンコンサートに出演する。「世界の歌コンサート」と題されるもので数多くのシャンソン歌手と共に舞台に立つ。時間は午後2時30分開演(開場は2時)でチケットは2500円(自由席)。会場は港北区民文化センター「ミズキーホール」(東急新横浜線「新綱島駅」直結/横浜市港北区綱島東1-9-10新綱島スクエア4・5階)。

 児玉さんは「お気軽にお立ち寄りください」と話している。

 問合せは(株)ベネフレックス【電話】042・722・3861。またはgroup@alllife.co.jpまで。

榛葉さん

「頑張れお父さん!」 毎年恒例父の日コンサート

 毎年父の日前後に開催し好評の「父の日コンサート」が6月16日(月)、町田市民フォーラム3階ホールで開催される。出演は毎週月曜夜8時放送のBS日テレ「こころの歌」にフォレスタのメンバーとして出演し大人気のテノール榛葉樹人さん、藤原歌劇団の新進逸材ソプラノ石井和佳奈さん、何度も藤原歌劇団本公演の大舞台で歌い絶賛を浴びるメゾソプラノの大器・高橋未来子さん、日本を代表するバリトン木村聡さんの錚々たるメンバー4人。父にちなんだ歌を中心に日本歌曲、オペラアリア、重唱等を披露する。「日頃頑張っているお父さんへの感謝の想いを胸に一同心を込めて歌います。素晴らしい生の歌声を存分にご堪能下さい」と主催者。

 午後2時開演(1時30分開場)。チケット3千円。予約は柴田さん090・1734・8116へ。

リニア工事調査を説明 6月13・14日 下小山田町で

 リニア中央新幹線の工事にあたるJR東海は6月13日(金)・14日(土)、小野路エリアで進めていたシールドトンネル工事の調査結果などについての説明会を開く。小野路エリア周辺の住民が対象になるもので、町田市バイオエネルギーセンター(下小山田町)が会場。13日は午後6時30分から、14日は午後2時開始で両日共、定員は100人。事前予約は不要で混雑状況により入場できない場合もあるという。問い合わせは中央新幹線東京工事事務所【電話】03・6847・3701。

お天気キャスター・木原 実さんに聞く 「無理せず、ゴールを目指す」

――SDGsをどのように評価されていますか。また、達成目標年2030年まであと、5年に迫っている状況です。

 「大前提として私はSDGsの理念は大賛成。しかしゴールまで5年は時間的に厳しいですね」

――その理由は。

 「国は環境・エネルギー問題に一時期は『車に乗るのをやめよう。公共交通機関を使おう』と呼びかけましたが、多くの人は不便だから応じません。でも自家用車をエコカーに変える人は増えました。無理や我慢をしない手法でゴールを目指す方が現実的です」

――具体的に何をすべきでしょうか。

 「気候変動対策でいえば、再生可能エネルギーの技術革新でしょう。太陽光発電や風力発電は使い始めたばかりの技術でノウハウが蓄積されていませんが、今後強力な研究開発をのぞみます。SDGsを提唱した国連が世界の科学技術を結集し、前進させていくことも一案です。残念ながら、ガザやウクライナの戦争もあり、それどころではない状況。しかし、 SDGsを本気で達成させるなら、世界のありようを考え直すべきです」

日常生活見直しを

――私たちの日常生活でできることは。

 「まずはごみ削減です。ご家庭の冷蔵庫の中で賞味期限が切れてるものありますよね。すぐに捨てませんか?お金と手間をかけて作った野菜、海で採ってきた魚が捨てられていく。消費期限を見て必要以上に買わないだけで済む。みなさん室内の消灯には熱心ですけど、食料を捨てることに罪悪感がないように感じます。僕は食いしん坊でケチん坊。少しくらい賞味期限が過ぎているものでも食べますよ(笑)」

――気象予報士として現在の地球環境は。

 「人間の力では気候変動を止められないだろうと思っています。コンピューターの計算ではじりじりと温暖化していくはずなんですが、実際は急上昇。一方、この冬の西日本の気温は低かった。自然は予測不能な変動を大きく起こします。温暖化で海水温も上がり強い台風が来ると言われており、実際、日本付近の海水温は過去にないくらい高くなりました。 けれども未だに1934年の室戸台風や1959年の伊勢湾台風を超える台風は来ていない。では異常気象とどう向き合うか。僕は対処療法だと思います。その環境に人が適応していくこと。SDGs的な対策を進めつつ、寒波や大雪、熱波や洪水に備える。天気予報は効果があります」

――最後に読者にメッセージを。

 「私は防災士でもあります。皆さん、災害が起きても喉元過ぎるとすぐ忘れる。だから繰り返し伝えていかなきゃいけない。準備できるのは災害の発生前、地震なら揺れる前。命を守るため、今やれること全部やってください。ひとりひとりのできることは限られています。しかし、知恵とお金を戦争や軍拡でなく、科学に投入すれば、安全で素敵な地球になります。みんなで実現させましょう」

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)