八王子版【6月12日(木)号】
スリーボンドスタジアムの磁気反転式スコアボード

スリーボンドスタジアム スコアボード改修へ 市が初のクラファン

 八王子市は6月2日、老朽化により故障の恐れがあるスリーボンドスタジアム八王子(富士森公園野球場)のスコアボード改修のため、初のクラウドファンディングを実施すると発表した。目標金額は1000万円で、募集期間は7月1日(火)午前10時から9月28日(日)午後11時59分まで。

 1956年に開場した同スタジアムは高校野球西東京大会の会場としても利用され、高校野球では神宮球場に次ぐ1万1289人の入場定員を誇る。プロ野球イースタン・リーグの試合や八王子市長杯争奪少年野球大会なども行われ、年間利用者数は来場者を含め20万人以上。これまで数多くの名勝負の舞台となってきた、都内有数の硬式野球場だ。

 現在のスコアボードは2013年に開かれた多摩国体(第68回国民体育大会)に向けて09年に設置されたもので、磁力を利用して表示面を反転させることで情報を表示する「磁気反転式」を採用している。近年は老朽化や湿気が原因とみられる不具合で、数字や選手名などが表示されないトラブルが発生していた。予備部品での対応が難しい故障が発生した場合、長期休場となる恐れがあるため、早期の改修が望まれていた。

LED表示に

 今回の改修では、より視認性に優れたフルカラーLEDによる画面ディスプレイ表示方式への変更を予定している。市内では上柚木公園野球場で採用されているものと同様の方式だ。総事業費は1億9800万円を見込んでおり、そのうちの1000万円をクラウドファンディングで賄う計画だ。

 寄付はふるさと納税の仕組みを活用し、ポータルサイト『ふるさとチョイス』内のガバメントクラウドファンディング専用ページから受け付ける。また申込書に必要事項を記入し、市広報プロモーション課へ郵送することでも寄付が可能だ。返礼品はなし。なお目標額を達成しなかった場合でも寄付金は改修事業の経費として活用される。

 改修工事は今年12月に着工し、26年3月の竣工を予定している。担当の市スポーツ施設管理課は「八王子の歴史あるスタジアムを次代につないでいくため、球場に思い出のある方や野球文化を応援したい方など、ぜひ多くの皆様にご協力をいただければ」と呼びかけている。問い合わせは同課【電話】042・622・6720へ。

会場に並んだヨタハチ

トヨタ東京自動車大学校 「ヨタハチ」部品費を寄付 交通遺児育英会へ

 館町にあるトヨタ東京自動車大学校(若林良弘校長=人物風土記で紹介)で5月18日、トヨタスポーツ800(ヨタハチ)の生誕60周年イベントが開催された。主催したのはトヨタスポーツ800オーナーズ協議会。愛好家ら約150人が集まり、部品のチャリティーオークションが行われ、収益金は同校を通じて交通遺児育英会へ寄付された。

◇  ◇  ◇

 トヨタスポーツ800は、1965年から69年にかけて製造されたトヨタ自動車のスポーツカー。「ヨタハチ」の愛称で親しまれ、愛好者は今も丁寧に整備してドライブを楽しんだり、情報交換をしながら交流を深めている。誕生から60年目を迎えた今年は全国各地でイベントが開催されている。

 当日はヨタハチを含む約70台が、校内の広場に集結。参加者は手塩にかけて整備した愛車を誇らしげに披露したほか、旧車が好きな同校の学生ら有志も参加し、運転を楽しんだり、ボンネットを開けてエンジンルームの点検などを体験した。

 また、走れなくなったヨタハチを分解し、貴重な部品を販売するチャリティーオークションを開催。ヘッドランプやドアパネルなどの整備に必要な部品を参加者らが購入した。販売額は約70万円に上り、同校を通じて交通遺児育英会に寄付。会場には同育英会の理事長も訪れ、協議会と同校へ感謝状が手渡された。

 若林校長は「旧車に触れる機会は学生にとっても貴重な機会。人生の楽しみを見せていただきました」と話していた。

トヨタ東京自動車大学校の校長を務める 若林 良弘さん 館町在勤 60歳

地域と共に多忙を楽しむ

 ○…整備士を目指しトヨタ東京自動車学校に入学したのは今から42年前。今年4月、卒業生として初の校長に就任した。職員時代から生徒がより成長できる環境づくりのため、地域とのつながりを重視してきた。地元と連携した防災訓練に継続的に取り組み、今年1月には総務省消防庁から表彰も受けた。「学生には技術はもちろん、地域の人たちと交流することでコミュニケーション力を身につけてほしい」

 ○…青梅市出身。高卒で就職する時代だったが、当時愛車だったバイクの整備が面白く、「仕事にするなら」と車の整備士を目指した。同校で2級整備士の資格を取得すると、「教員として残らないか」と誘われそのまま就職した。38歳のころに1級整備士の資格が設けられ、全国初の実施となった資格試験に挑戦すると、合格率約4%の難関を制した。「仕事しながらの勉強で大変でした。頭がオーバーヒートするのがわかるんです」と当時を振り返る。

 ○…父と祖父が短命だったことから「自分の寿命も短いだろう」と、若いころから興味を持てば積極的に携わった。マラソンやテニス、スキーは2級の腕前。地元では消防団にも入団し分団長も経験。中でも長く続いたのが手話サークル。20代で講習を受けたのを機に仲間が増え、30代で八王子の手話サークル桑の実会の会長を務めた。

 ○…「当てにされるとやらなきゃと思う」タイプで、自身を「泳いでないと死んじゃうマグロ」に例える。校長就任後も、世界情勢から見た自動車業界の話題などを生徒たちにわかりやすく伝えようと、今も自ら教壇に立つ。多忙な日々を乗り越えたご褒美は、仲間と酌み交わす一杯だ。「周囲に支えられ、私も支える。それが私の生きる根本ですね」

各大学が応援歌などを披露した=6月7日・えきまえテラス

駅前に「六旗」翻る 東京六大学応援団連盟が告知イベント

 東京六大学応援団連盟による合同ステージ「六旗の下に」のデモンストレーションイベントが、6月7日に旭町のえきまえテラスと周辺で催され、力強い演舞に引き寄せられた観衆で盛況を博した。

 「六旗の下に」は東京六大学(東京大学、早稲田大学、立教大学、法政大学、慶應義塾大学、明治大学)の応援団や応援部、慶援指導部が集い、各校の応援歌などを演舞や演奏とともに披露する催し。毎年、会場を移して催されており、今年は6月14日(土)にJ:COMホール八王子で開かれることから、そのPRのためにイベントが行われた。

 冒頭には校旗を掲げた学ラン姿の応援団を先頭にチアリーダーや吹奏楽団が駅周辺をパレードして、翌週のイベントをPRした。続いてずらりと並んだ六旗が翻る会場で各校が順番に登場。法政の応援歌『チャンス法政』、慶應の『若き血』、明治の『紫紺の歌』などの演舞・演奏を全力で披露して観衆を沸かせた。連盟委員長を務める高橋悠馬さん(東大4年)は「多くの人に見ていただけて、うれしい。今回の『六旗の下に』は八王子開催なので、ぜひ八王子にお住まいの方々にも多く会場に足を運んでいただければ」と思いを語った。

 連盟の広報担当者は「応援団に偏ったイメージを持っている人もいると思うが、伝統を大切にしながら時代に合った変化をしている。ぜひその姿を確かめに来てください」と呼びかけている。

 イベント「六旗の下に」は午後2時開場。チケットは全席自由で3000円。申し込みはウェブ(https://www.gettiis.jp/event/detail/101532/big6rokki)で。
アンドレア会長(中央)とシルクレイズのメンバーら

シルクレイズ 女性経営者ら国際交流 スイス地方商議所会長と

 八王子商工会議所の女性経営者の会「シルクレイズ」が5月28日、スイス国内で最も古い歴史を持つザンクト・ガレン・アッペンツェル商工会議所の会長であるアンドレア・ベアリンガー=シュヴィターさんらと交流した。

 アンドレアさんは、昨年から同会議所初の女性会長として活動。通訳は日本に留学中の息子が務めた。同会名誉会長の町田典子さんは「八王子とスイスがつながるきっかけになればうれしい」と話している。

自然エネルギーの実験(以前の様子)

八王子環境フェス 6月15日、未来メッセで

 環境について気軽に楽しく学べる「2025八王子環境フェスティバル」が6月15日(日)、東京たま未来メッセ(明神町)とえきまえテラスで開催される。主催は同実行委員会。午前10時から午後4時まで。

 「はちおうじのかんきょうを みる・きく・かんがえる」をテーマに、市内を中心に活動する企業、学校、市民団体、行政など約70団体が出展。

各ブースでさまざまな環境保全への取組みを紹介するほか、竹笛作りや木のパズルといった体験型の企画も用意されており、子どもから大人まで、環境について楽しく学べる工夫が凝らされている。また、会場内では豪華景品がもらえるスタンプラリーも実施。特別企画として「おもちゃの病院」も出張オープン。壊れてしまったおもちゃを修理してもらえるチャンス。問い合わせは同事務局【電話】042・620・7384。

バッハを解説・演奏

 東京純心大内にある江角記念講堂(滝山町)で7月5日(土)、「ヴァイオリンとオルガンが織りなす調べ〜アレンジャーとしてのバッハ〜」が開かれる。同大客員教授の米沢陽子さん(オルガン・解説)と、元非常勤講師の天日倫代さん(ヴァイオリン)が登壇。バッハの編曲家としての一面に焦点を当て、その音楽の魅力を学ぶ。開演は午後2時、終演4時。対象は小学生以上(高校生以下無料、18歳以上1000円)。定員は先着150人で、申込みは6月26日(木)まで(12日より延長)。詳細は同大地域共創センター【電話】042・692・0326。

お天気キャスター・木原 実さんに聞く 「無理せず、ゴールを目指す」

――SDGsをどのように評価されていますか。また、達成目標年2030年まであと、5年に迫っている状況です。

 「大前提として私はSDGsの理念は大賛成。しかしゴールまで5年は時間的に厳しいですね」

――その理由は。

 「国は環境・エネルギー問題に一時期は『車に乗るのをやめよう。公共交通機関を使おう』と呼びかけましたが、多くの人は不便だから応じません。でも自家用車をエコカーに変える人は増えました。無理や我慢をしない手法でゴールを目指す方が現実的です」

――具体的に何をすべきでしょうか。

 「気候変動対策でいえば、再生可能エネルギーの技術革新でしょう。太陽光発電や風力発電は使い始めたばかりの技術でノウハウが蓄積されていませんが、今後強力な研究開発をのぞみます。SDGsを提唱した国連が世界の科学技術を結集し、前進させていくことも一案です。残念ながら、ガザやウクライナの戦争もあり、それどころではない状況。しかし、SDGsを本気で達成させるなら、世界のありようを考え直すべきです」

日常生活見直しを

――私たちの日常生活でできることは。

 「まずはごみ削減です。ご家庭の冷蔵庫の中で賞味期限が切れてるものありますよね。すぐに捨てませんか?お金と手間をかけて作った野菜、海で採ってきた魚が捨てられていく。消費期限を見て必要以上に買わないだけで済む。みなさん室内の消灯には熱心ですけど、食料を捨てることに罪悪感がないように感じます。僕は食いしん坊でケチん坊。少しくらい賞味期限が過ぎているものでも食べますよ(笑)」

――気象予報士として現在の地球環境は。

 「人間の力では気候変動を止められないだろうと思っています。コンピューターの計算ではじりじりと温暖化していくはずなんですが、実際は急上昇。一方、この冬の西日本の気温は低かった。自然は予測不能な変動を大きく起こします。温暖化で海水温も上がり強い台風が来ると言われており、実際、日本付近の海水温は過去にないくらい高くなりました。けれども未だに1934年の室戸台風や1959年の伊勢湾台風を超える台風は来ていない。では異常気象とどう向き合うか。僕は対処療法だと思います。その環境に人が適応していくこと。SDGs的な対策を進めつつ、寒波や大雪、熱波や洪水に備える。天気予報は効果があります」

――最後に読者にメッセージを。

 「私は防災士でもあります。皆さん、災害が起きても喉元過ぎるとすぐ忘れる。だから繰り返し伝えていかなきゃいけない。準備できるのは災害の発生前、地震なら揺れる前。命を守るため、今やれること全部やってください。ひとりひとりのできることは限られています。しかし、知恵とお金を戦争や軍拡でなく、科学に投入すれば、安全で素敵な地球になります。みんなで実現させましょう」

ビートレインズの選手やスタッフと交流した松本社長(左から3人目)

スーパーアルプス 勤務選手も訪問 ビートレ 協賛企業に感謝

 オフシーズンを迎えたプロバスケットボールチーム「東京八王子ビートレインズ」が、5月に閉幕した2024-25シーズンの事業報告のためにスポンサー企業へのあいさつ回りを行っている。6月6日には選手らが(株)スーパーアルプス(滝山町・松本英男社長)を訪れ、日頃の支援に対する感謝を伝えた。

 この日はビートレインズを運営する(株)THTマネジメントの高松僚代表取締役常務やスタッフ、またチームから高岡圭汰朗選手、東祐太選手、田口翔選手が訪れて松本社長らと懇談した。高松常務から、26年に新B2リーグとなる「Bリーグ ワン」への参入条件である債務超過の解消や総来場者数の目標を達成したこと、産官学連携で地域貢献活動にも取り組んだことなどが報告された。選手からは「17チーム中13位と不甲斐ない結果に終わったが、来期にしっかりと挽回できるよう頑張ります」などと、今季の振り返りと来季への意気込みがそれぞれの口から語られた。松本社長は「ハラハラ、ワクワクするようなプレーを期待する。そうして一歩一歩進んでいってもらいたい」とエールを送った。

 スーパーアルプスは「アスリートセカンドキャリア支援事業」の協力企業。この日訪れた選手はいずれも週に数日、同社各店舗の精肉や惣菜部門などに勤務して社会人経験を積んでいる。

日本語支援者を養成 八王子国際協会

 外国人の日本語学習を支援する「日本語ボランティア養成講座(基礎)」が6月29日、7月6日、13日の全3回、学園都市センターで行われる。主催は八王子国際協会。

 初回は日本語ボランティア活動の全体像や基礎知識を解説。2回目は、東京日本語ボランティア・ネットワークの講師を迎え「知らない言葉を学ぶ体験」をテーマに、外国語での自己紹介や教育文法の存在について講義を聞く。最終回は「身近にあるものを使って、何ができるだろう」というテーマで、実践的な支援方法を学ぶ 。

 会場は八王子スクエアビル内12階の第5セミナー室。時間は各日午後2時から午後4時20分。受講料は3000円 。定員は25人(応募多数の場合は抽選)。申込みはメールに▽日本語ボランティア▽住所▽氏名(ふりがな)▽電話番号▽メールアドレスを明記し、6月21日(土)必着で同協会【メール】event@hia855.comへ送信。

 問い合わせは同協会【電話】042・642・7091。

不法就労防止に一手 八王子署が啓発活動

 八王子警察署(四郎園文明署長)は5月21日と28日、八王子労働基準監督署(明神町)で同署管内の建築業や運送業者を対象に不法就労防止に関する指導啓発活動を実施した=写真。

 これは警視庁が毎年6月を「不法就労・不法滞在防止のための指導啓発活動の強化推進月間」としていることに先立ち実施したもの。在留外国人や企業・店舗に対して「不法就労をしない、させない」をスローガンに掲げている。

 2日間で計74人が参加。同署組織犯罪対策係では、管内の日本語学校において交通ルールの周知や災害時の対応、犯罪に巻き込まれないための講話なども行っている。

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戦後80年の記録 戦争体験談を募集 八王子編集室より

 タウンニュース八王子編集室では今年の「戦後80年」に合わせた企画として、戦争体験談をお話いただける方を募集しています。

 この企画は、紙面や特設ウェブサイトを通じて戦争体験を後世に伝えることが目的です。戦時中の生活、学童疎開、学徒動員、防空演習、戦地の実相、出征先や軍隊内での体験など幅広い内容を受け付けています。体験した場所は国内・国外を問いません。

 情報提供は八王子編集室【電話】042・753・8500、または氏名(ふりがな)、年齢、住所、連絡先、お話いただける内容の要旨を明記の上【メール】hachioji@townnews.co.jp。