宮前区版【6月13日(金)号】
北部市場再整備の提案イメージ

川崎市北部市場 再整備に大和ハウスら16社 約604億円で落札

 川崎市は5月30日、入札公告していた「川崎市中央卸売市場北部市場機能更新事業」の落札者を、大和ハウス工業を代表とする企業グループに決定したと発表した。落札価格は約604億6630万円。2037年3月までに市場機能の完成を目指し、設計・建設が進められる。

 1982年に開場した北部市場は、長年にわたり食品流通拠点としての役割を担ってきた。しかし、施設の老朽化や社会経済環境の変化に対応するため、市は機能強化の必要性を検討。23年11月に「川崎市中央卸売市場北部市場機能更新に係る基本計画(案)」を策定し、パブリックコメントを経て24年3月に基本計画を正式に決定した。

 再整備事業は、民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を採用。同年9月から総合評価一般競争入札で事業者の募集を開始し、2つのグループが参加していた。

 落札した大和ハウス工業の企業グループには、東急や東急モールズデベロップメント、織戸組、富士通などの企業が名を連ねる。市は今年12月の市議会での議決を経て、本契約を締結する予定。37年3月までを設計・建設期間とし、現在の市場営業を継続しながら段階的に建て替えを進めるローリング方式で実施される。

食の先進モデルに

 同グループが提案するコンセプトは「Kawasaki FOOD DESTINATION」。市場流通と一般食品流通を一体化させた施設「ONEいちば」と、食の魅力を発信する賑わい施設「フードパーク」を整備し、卸売市場の先進モデルを目指す。

 現在の水産棟の場所に建設予定の「ONEいちば」は、市場としては日本初となる免震構造を採用し、災害時にも安定した食品供給を可能にする。卸売市場機能に加え加工・配送・流通を共同化する食品流通施設を配置。デジタルやロボット技術による効率化も図る。一方、現在の青果棟の場所に建設される「フードパーク」は、「食を楽しみ、こだわり、関わる拠点」として、エンターテインメント性を取り入れたマルシェやフードホールを設置。隣接する菅生緑地と連動した「谷戸ガーデン」なども提案されており、市民が集う賑わいの創出が期待される。

 市の担当者は「再整備を通じて食品流通の機能強化を図り、市民に親しまれる市場を目指したい」と話した。

本紙のインタビューにそれぞれ応える原議長(左)と堀添副議長

川崎市議会 新議長に原典之氏 副議長・堀添氏と「開かれた議会に」

 川崎市議会は「令和7年第2回定例議会」を6月2日に開き、新議長に自民党の原典之氏(中原区・4期)、副議長にみらい川崎の堀添健氏(高津区・5期)を選出した。慣例により、任期は2年。本紙は、原氏、堀添氏にそれぞれ今後の抱負や課題などを聞いた。

次の100年に向けて

 原氏は、議長就任にあたり「市制101年目、第45代の議長ということで、これまで44人しか経験したことがなく、その職責の重さを痛感している。与えられた職責を全うしていきたい」と決意を語る。

 昨年市制100周年を迎えた川崎市。議会としての100周年の振り返りと課題について「日々議会改革に取り組んでいる中、『開かれた議会』として録画や生中継など広く発信している。それを市民にどうキャッチしてもらうか。ラジオやSNSなどを含めて広報面で発信の仕方を変えていきたい」と話す。

 二元代表制を担う立場として力を入れたいことについて「議会の役目の一つに行政のチェックがある。行政の取り組みや職員の不祥事、情報漏洩などチェック機能の役割を果たしていきたい」と強調。今後の議会運営については「2016年に川崎市は『イクボス宣言』を行っている。議会、議長としてもワークライフバランスを大事にしていきたい。『ふれあいなくして街の発展なし』の思いを込め、次の川崎市の100年に向けて、市民に身近な議会、開かれた議会にしていきたい」と抱負を述べた。

積極的な議会活動を

 副議長に就任した堀添氏は「川崎市の意思決定機関である市議会の副議長に就任し、大変光栄であるとともに、改めて職責の重さを痛感し、身の引き締まる思い」と心境を語る。議会の課題について「人口も155万人を超え、都道府県と同等の規模になっており、各行政区も中核市並に成長してきた。行政区ごとに市民の生活環境や課題も異なってきている中、議会としても行政区を単位とした活動を強化していくことの必要性が高まっている」と話す。

 また、「公正・公平な議会運営に努めるとともに、多様な市民の声を踏まえ、熟議を通じて丁寧に合意形成をはかっていくことが重要」とし、「市民の負託に応えるとともに、開かれた場での議論によって議会の透明性を確保するために、議会として積極的に活動することが求められていると思うので、そのようなかじを取っていきたい」と今後の議会運営について意気込みを語った。

 なお、議長選では、有効投票数57のうち、自民の推薦を受けた原氏が49票を獲得し、共産推薦の宗田裕之氏は8票だった。副議長選では、有効投票数60票のうち、みらい推薦の堀添氏が52票を集め、共産推薦の市古次郎氏は8票だった。

この夏に宮前区役所で行われるアートイベントのロゴマークを発案した 小林 和実さん 土橋在住 39歳

知的好奇心の赴くままに

 ○…区役所を美術館と捉え、作品展やワークショップなどを実施する「つながる美術館」。6歳と9歳の息子たちと一緒に応募したロゴマークコンテストで、思いがけずグランプリを受賞した。「長男は『すごい』って喜んでいたけど、次男は『何で自分が選ばれないんだ』って悔しがっていた」。応募作品は宮前区の「M」を象徴的に配置し、さまざまな人が気軽に集う様子を、人の目に見立てて表現した。「どんな美術館になるか楽しみ。少しでも区役所を盛り上げるお手伝いができれば」

 ○…茨城県出身。畳職人の父と洋裁が得意な母のもとで育ち、幼いころからものづくりが得意。「ピアノの発表会では、練習そっちのけでドレス作りに夢中だった」と笑う。大学では生涯学習について研究。地域の文化や歴史を生かしたワークショップなどをいくつも開催してきた。

 ○…靴下メーカー時代に企画した「親子向けソックス」は経済産業大臣賞を受賞。大手アパレルメーカーではマーケティングに従事した。「よりワクワクする仕事がしたくて」。昨年、ベビー用品を扱う韓国ブランドの日本法人に転職した。「商材が変わっても、商品を通じて誰かの助けになりたいという思いは変わらない」。ロゴマークコンテストでは、こうした仕事の経験が生きたという。

 ○…落ち着いた街の雰囲気を求め、長男の出産を機に宮前区へ。趣味はワークショップと博物館めぐり。好きが高じて学生時代に学芸員の資格を取得。今は息子たちと行く「電車とバスの博物館」がお気に入りだ。市民広場で開催されるイベントには、家族で参加してきた。「ロゴマークを多くの方に知ってもらい、人をつなぐシンボルとして広まってほしい」

災害時の報道の舞台裏 6月28日 テレビマンが講演

 区内でのつながり、交流できる場をめざす宮前区ソーシャルデザインセンター(SDC)「みやまえBASE」。7回目となる「テレビニュースと災害報道の舞台裏」をテーマにした講演会が6月28日(土)午後2時から5時まで、区役所4階大会議室で行われる。

 テレビ朝日広報局の久慈省平さんを講師に招き、ニュース番組の制作過程や災害時のテレビ局の対応などについて語る予定。また、第2部として、参加者同士で防災食を作って食べる交流会も実施する。参加費300円(小学生以下無料)で先着順。

 定員は第1部が50人程度。第2部が40人。第1部だけの参加も可能。担当者は「地域の人とゆるやかにつながってみませんか」と参加を呼びかけている。

 申し込みは6月25日(水)までに、区ウェブサイトの専用応募フォームからか区企画課【電話】044・856・3133。

人気を集めたゲームコーナー

地域で育む子の笑顔 こどもまつりで交流の輪

 宮崎第四公園内少年野球場で6月1日、地域の初夏の風物詩となっている「第41回こどもまつり」が開催され、1000人を超える親子連れでにぎわった。

 町内会や自治会、小中学校のPTA、民生児童委員、子ども会といった地域の諸団体でつくる実行委員会が主催。「子どもたちのために」との思いで続けられている。

 オープニングは宮崎こども会による太鼓演奏で幕開け。会場のゲームコーナーからは子どもたちの歓声が響き渡り、来場者は模擬店での買い物も楽しみながら、思い思いに祭りの一日を過ごしていた。フィナーレでは、川崎北高校吹奏楽部が演奏を披露しました。

 都倉建藏実行委員長は、「子どもたちの笑顔に触れることができ、大変うれしい。この祭りは、運営に携わる大人たちにとっても大切な交流の場。今後も受け継いでいきたい」と話した。

笑いで脳を活性化

 落語家の三遊亭遊吉さんを招いたメンタルケアプログラム「笑いの力で脳を元気に!」が6月15日(日)、有馬・野川生涯学習支援施設アリーノで開催される。落語鑑賞を通して、楽しみながら脳の活性化を図る。

 当日は、三遊亭遊吉さんによる本格的な落語が披露されるほか、早口言葉としても知られる「寿限無」を体験。また、生涯現役で活躍する落語家ならではの健康の秘訣を聞くことができる。

 時間は午後2時から3時30分。参加費は1000円。定員20人の予約制。申し込み・問い合わせは同館【電話】044・853・3737。

チラシを持つ石川会長(左)と齋藤さん

野菜即売 初マルシェ 6月15日 南平台集会所で

 地元農園の新鮮野菜を販売する「Nマルシェ」が6月15日(日)、南平台集会所で初めて開催される。午後1時から3時30分まで。雨天決行。主催は南平台集会所運営委員会(石川閣会長)。

 区内の山田農園と杉田農園が出店し、採れたての旬な野菜を直売する。また、地元の南平樽太鼓や津軽三味線の演奏も披露される。

「顏の見える関係を」

 この催しは、コロナ禍で地域のイベントが減少する中、南平台自治会の会長を務める齋藤延良さんが、地域の活性化と住民同士の顔の見える関係づくりを目的に発案し、初開催する運びに。

 石川会長は「昔ながらの『向こう三軒両隣』のような関係づくりが安全や安心につながる。ぜひ気軽にマルシェへ足を運んでほしい」と来場を呼びかけている。

 問合わせは南平台集会所運営委員会【電話】050・3702・8006。

東高根森林公園 アジサイが見頃 千株彩る

 県立東高根森林公園(神木本町)で色とりどりのアジサイが見頃を迎えている=写真。

 同公園には約1000株のアジサイが植えられており、公園入口から続く約200メートルの歩道沿いでは、青や紫など多彩な花々が咲き誇る。

 一般的にアジサイとして知られる華やかなテマリ咲きのハイドランジアのほか、装飾花が額のように花を囲む日本原産のガクアジサイ、葉を煎じると甘みがあることから甘茶の原料となり、花まつりで使われることで知られるアマチャなど、さまざまな種類のアジサイを観賞できる。

ラブみやまえ出展団体募集

 宮前区は11月22日(土)に宮前市民館と市民広場で開催する「まちづくり広場ラブみやまえ」の出展団体を募集中。

 まちづくりの活性化を目的に、地域住民や市民活動団体が交流するイベント。参加団体と区まちづくり協議会が主催する。参加は区内で活動する団体で、実行委員会に出席することなどが要件。1回目の実行委員会は6月30日(月)、午後2時から区役所1階健診ホールで開催される。

 申込みは、専用フォームか、募集チラシ裏に必要事項を記入して区役所地域振興課へ。6月20日(金)必着。(問)【電話】044・856・3125

つながる美術館 ロゴマークが決定 小林さんデザイン

 今夏に初開催されるアートイベント「宮前区役所つながる美術館」のロゴマーク審査会が6月6日、区役所で行われ、区内在住の小林和実さん=人物風土記で紹介=のデザインがグランプリに選ばれた。

 グランプリ作品は、宮前区の頭文字「M」をモチーフに2人の誰かが一緒にいることをイメージしたデザイン。審査員からは「シンプルながら力強く、想像力をかき立てる表情がある」と高く評価された。

 主催のアースリングスプロジェクト(安藤尚美代表)によると、ロゴマークは全国から137点の応募があった。作品は区役所ロビーに展示し、区民投票による一次審査で30点に絞り、最終審査会では、国立美術館の稲庭彩和子さんを審査員長に、区内の美術家やデザイナーら計4人が選考。グランプリ1点、準グランプリ2点、優秀賞10点を選出した。準グランプリには、区内在住の遠島啓介さんと結城梢さんの作品が選ばれた。

 稲庭審査員長は「公募から区民投票、審査会と、開かれた場で区民の方々を交え選考が行われたことは素晴らしい」と講評した。小林さんのロゴマークは今後、イベントの広報物などに活用される。

 同イベントは8月1日に開幕予定。宮前区役所を美術館に見立て、アート作品の展示やワークショップなどが企画されている。

当時の思いを語る相原さん

戦後80年 戦禍の記憶【5】 麻生区白山在住 相原 多恵子さん(90) 自分だけ生き残る不安 縁故疎開も複雑な胸中

 「『ヒュルヒュルヒュル』という焼夷弾の音と『ゴー』という爆弾の音が聞き分けられるくらい、戦争が身近になっていた」

 国民学校(小学)4年生だった1944年の7月、東京から学童疎開先の静岡県に向かうことになる。出発する日、長いこと食べていなかったおはぎなどが入った弁当を祖母に持たされた。「私は遠足に行くような気分。でも『この子と会えるのが最後になるかもしれない』と家族がお弁当に思いを込めてくれていたことには、その時は気が付かなかった」と振り返る。

 寺で寝泊まりし、村の学校へと通う日々が始まった。教員に帰る日を聞くと「戦争が終わったら」。「帰る日が決まっていれば、その日を待って我慢できる。でも帰れる日は分からなかった」。日が暮れてくると、毎日家族のことを思い出し、涙がこぼれた。「遠足気分で来たことを後悔した」

 学校の帰り道、米軍のB29爆撃機が東京方面へ飛んでいく姿を見た。「家族が爆撃でやられて、死んでしまうのでは。自分一人だけが生き残ったら、どうしよう」。そんな不安が頭から離れず、ひどいストレスにさらされた。

 年が明けた2月頃、思いがけない知らせが届く。家族で新潟県に縁故疎開をすることになったのだ。おばが静岡まで迎えに来てくれた時は、駆け寄って、握った手を離さなかった。「こんなにうれしかったことはない」。だが、同級生らの疎開生活は続く。「友だちの前で喜ぶことはしなかった。子ども心に、自粛した」。別れのあいさつもなく、寺を去った。

 東京の自宅に一旦戻り、しばらくして、わずかな荷物を持ち、新潟県へ。「見知らぬ地に向かうものの、辛かった学童疎開とは違い、家族と一緒であることの幸せを感じた」。汽車の中で、そう思ったことを記憶している。

 新潟県の農村では、空襲警報は鳴らなかった。8月15日、大人たちと一緒にラジオから流れる天皇陛下の声を聞いた。「最後は竹やりで敵兵と戦う。そう先生から教えられていた。心配で暗い気持ちだったが、戦争が終わり、ほっとした」。灯りが漏れないように電球を覆っていた布。その日の晩から外し、部屋が明るくなった。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

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話題の演奏会 「2つの四季」の饗宴

 世界最高峰の音楽家たちが奏でる「四季」を堪能--。東京都交響楽団の弦楽セクションの精鋭たちが、現代の最も優れたヴァイオリニストのひとりとして活躍するシュロモ・ミンツとともに、ヴィヴァルディとピアソラ、2つの「四季」を全楽章演奏する=写真。

 長きにわたり聴衆を魅了してきたミンツの円熟した音色と、愛弟子である及川博史を中心とした都響弦楽メンバーの洗練されたアンサンブルが織りなす至高の音楽体験が可能だ。公演会場は小田原三の丸ホール(小田原駅徒歩13分)。8月11日(月・祝)、午後3時開演(午後2時開場)。全席指定4000円、18歳以下1000円、未就学児入場不可。同ホールHP、イープラス他で発売中。問合せは小田原三の丸ホール【電話】0465・20・4152(午前9時から午後8時)へ。

サイン入りユニフォームを手にする平野選手(左)と福田市長

卓球Tリーグ 平野選手らが優勝報告 木下アビエル神奈川

 川崎区を拠点に活動する、卓球Tリーグ所属の女子プロチーム、木下アビエル神奈川が5月28日、福田紀彦市長を表敬訪問し、2024─25シーズンのリーグ優勝を報告した。

 同クラブは18年の設立で、優勝は今回で2度目。24─25シーズンは19勝6敗の成績でリーグ2位となり、プレーオフトーナメントに進出。決勝で日本ペイントマレッツに競り勝ち、優勝を果たした。

 当日はキャプテンの平野美宇選手、来シーズンから指揮を執る王子嘉樹監督、木下テーブルテニスクラブの河西智典社長らが出席。平野選手は「市民の応援が力になっている。今後も試合に足を運んでほしい」と話した。福田市長は「次はディフェンディングチャンピオンとして、活躍に期待したい」とエールを送った。来シーズンは7月末に始まる予定。

JAセレサと川崎信金 新人ら協力して田植え 国際協同組合年にあわせ

 国連の定める「国際協同組合年」を記念し、JAセレサ川崎と川崎信用金庫は6月9日、新人職員らによる合同田植えイベントを麻生区黒川地区で実施した。

 今年は国連がSDGsに貢献する協同組合の振興を目的に定めた「国際協同組合年」にあたる。これを機に、JAセレサ川崎と川崎信用金庫は連携強化を目的に、双方の幹部職員や新人職員ら計約100人が協力し、JA青壮年部柿生支部が委託管理する水田で、神奈川県推奨米「はるみ」の田植えを実施した。

 新人職員らは靴下を着用のうえ水田に入り、一列に並んで苗を1本1本、手植えしていった。水田に入るのが初めての職員が多く、泥の感触に歓声を上げたり、足をとられて転んだりしながら、JA側のサポートを得ながら丁寧に植えていった。

 市内在住で田植えは初体験という川崎信用金庫の女性新人職員(22)は、「田んぼが思ったより深くて、何度か転びそうになった。自分が植えたコメを食べてみたい」と満面の笑みだった。

 JAの梶稔組合長や川崎信用金庫の堤和也理事長も、列の真ん中で若者と共に田植えを楽しんだ。堤理事長とって小学校以来の田植え体験だったといい、「とっても楽しかった」とにっこり。「しかしコメ作りの大変さはこの後。若い職員がコメ作りの大変さを知る貴重な体験をさせてもらえた」と語り、梶組合長も、「米作りは大変手間がかかるもの。そのことを学んでいただけたと思う」と満足げだった。

左から落合さん、早田さん、濱田さん

大和市の早田茂さん 「国際化学五輪」に出場 KISTEC職員が支援

 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)の溝の口支所(高津区)にある光触媒ミュージアムに刺激を受けた高校生が、7月にドバイで開催される「国際化学オリンピック」に日本代表として出場する。高校生の背中を押して学びを支えたのは、KISTECの研究員たちだった。

 「国際化学オリンピック」に出場するのは、大和市在住で三田国際科学学園高等学校(東京都世田谷区)の高校3年生、早田茂さん(17)だ。全国の高校生が化学の実力を競う「化学グランプリ」で優秀な成績を収め、「オリンピック」の日本代表の一人として選抜された。

 早田さんが「オリンピック」に挑戦しようと決意したのは、2023年12月のことだった。ある日の放課後、「リンモリブデン酸アンモニウム」について調べるため、東急溝の口駅で途中下車し、かながわサイエンスパーク(KSP、高津区)内にある県立川崎図書館を訪れた。この時、KSP内の「光触媒ミュージアム」(藤嶋昭館長)にも立ち寄ったが休館日だった。「光触媒の『ミュージアム』に、何があるんだろう?」。化学の知識が豊富で探究心旺盛な早田さんは、日を改めることにした。

 早田さんはミュージアムを再訪すると展示を丹念に見ながら、空気清浄機や生活用品など、光触媒が幅広い用途に製品化されていることに驚き、そばにいたスタッフを質問攻めに。その様子を見たKISTEC研究員、濱田健吾さんが、早田さんに「挑戦してみては」と手渡したのが、「オリンピック」の選考を兼ねる「化学グランプリ」の要項だった。

 その帰り道には心を決めたという。「自分の実力を試したいと思った」

方向性を軌道修正

 早田さんは昨夏の「化学グランプリ」に挑戦。日ごろの学習の成果を存分に発揮し、「オリンピック」の代表選抜に進んだ。しかし選抜試験の過去の問題は非公開のため、勉強方法に迷ったという。そこで濱田さんにメールで相談を寄せ、濱田さんは上司の落合剛さんと情報を集め、「応用力が問われるはず。暗記ではなく応用を意識して」とアドバイスした。以後もたびたび二人から助言を得たといい、早田さんは「勉強の方向性を軌道修正してくれた」と感謝を述べる。

 今年3月、早田さんがKISTECを訪ねてきた。満面の笑みで「オリンピック」代表に決まったことを報告。二人も大いに喜び、祝福した。

 将来は、「光触媒」を発見したミュージアムの藤嶋館長のように、「自分の研究が新しい分野を生み出せるような研究者になりたい」という早田さん。まずは決戦の地・ドバイで、金メダル獲得を目指している。

川崎市役所

4月から警報発令中 水ぼうそうが市内で流行 市「手洗いなど徹底を」

 川崎市内で水痘(水ぼうそう)が流行している。患者の発生状況が警報基準値を超えたため、市は4月30日に水痘に関する「流行発生警報」を発令したが、以後も患者数は「警報レベル」で推移している。厚生労働省が2018年に水痘の警報基準を引き下げて以後、警報発令は初めて。

 市は週に一度、複数の小児科定点医療機関から感染症の発生状況の報告を受け、週ごとの患者数の平均値から流行状況を評価している。市内の水痘の患者数は今年3月から増え始め、4月下旬に急増。第17週(4月21日〜4月27日)にはこの平均値が「3・67人」となり、警報基準値の「2・0人」を超えたことから、「流行発生警報」を発令していた。

 5月半ばに「2・0人」を下回ったものの再び患者数が増え、直近の第22週(5月26日〜6月1日)も「2・08人」と、例年より高いレベルで推移している。

 水痘はウイルスによる感染症で、空気、飛まつ、接触などで感染する。定期予防接種の対象疾病でもあり、生後12カ月から36カ月までに2回の予防接種を受ける必要がある。市の担当者は「手洗いやうがいを徹底し、症状が出たら医療機関にかかってほしい」と注意を呼びかけている。

特典のオリジナルトートバッグ

GO!GO!!フロンターレ

中元に特別なギフトを

 サッカーJ1・川崎フロンターレは、オフィシャルパートナーのサントリーと、オリジナルの中元向けキャンペーンを実施している。

 「ザ・プレミアム・モルツ」と「ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉香るエール」のギフトセットが登場。限定30セットには、同クラブのロゴなどが入ったオリジナルトートバッグが付いてくる嬉しい特典も。

 また、商品はオリジナルの包装紙でラッピング。お酒好きのファンには、たまらない一品だ。自宅で試合観戦をする際のお供にしよう。

 ほかにも、夏のギフトにぴったりなビールやウイスキーを多数用意。今春に限定発売された「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム リミテッドエディション#18」など、特別な一杯が入ったセットも選択することができる。

 同クラブ担当者は「日頃の感謝を込めて、大切な人への贈り物にぜひご検討ください」と呼び掛けている。詳細・購入は同クラブウェブサイトから販売サイトにアクセス。送料無料。

画像はいずれも川崎フロンターレ