伊勢原版【6月27日(金)号】
優勝した須山代表(中央左)とクノス、前野主任(左)とネネ(須山ドッグスクール提供)

災害救助犬世界大会 日本チームが初優勝 市内スクールから出場

 トルコのイスタンブールでこのほど開催された「2025FCI災害救助犬チームワールドチャンピオンシップ」で日本チームが初優勝。須山ドッグスクール(市内沼目)の須山永久代表(50)と前野義則主任(47)が、同スクールに所属するラブラドール・レトリーバーのネネ(メス8歳)とクノス(メス7歳)とともに日本代表として出場した。

 災害救助犬は、大規模災害時における倒壊家屋や、がれきの中から要救助者を捜索する犬。さまざまな訓練を経て資格を取得して災害救助犬として活動できる。

 同大会は災害救助犬の能力を競う世界大会。大会は隊長1人、ハンドラー(指示者)3人、災害救助犬3頭のチームで競うもの。今回日本代表に選出された、須山ドッグスクールの2頭は、昨年日本で行われた選考会で優秀な成績を納め、代表に選出された。

 競技は服従訓練や、がれきなど災害現場を再現した模擬現場で、20分間の時間内に3人の要救助者を見つけるというもの。ガス爆発の危険性や浸水、余震の発生に対する対応などチームで捜索のプランを立て、いち早く捜索する。単に人を探すのではなく、二次災害を起こさないように安全確認を同時に行いながら捜索するという高い技術が求められる。

 そうした中、今回日本チームは時間内に3人を探し出すことに成功し、総合点で1位を獲得した。

 トレーナー歴30年、災害救助犬指導歴20年で、世界大会には5回目の出場となった須山さんは「優勝できてうれしい。3人全員捜索するのは本当に難しい。やっと日本チームの本来の力が出せた」と話す。前野さんは「最後に自分の捜索エリアで3人目を見つけられ、安堵した。トルコの地で『君が代』を歌えたことに感無量だった」と喜びを語った。

 警察犬や災害救助犬を多数輩出している同スクール。能登半島地震の被災地で2頭とともに活動した須山さんと前野さん。須山さんは「今回の優勝で災害救助犬のことをもっと多くの人に知ってもらえるきっかけになれば。これからもしっかり活動ができるよう努力を続けたい」とさらなる精進を誓っていた。

漬物石を活用したストーンを持つ朝田さん

「漬物石」が新スポーツに 伊勢原発「スライドストーン」

 伊勢原市老人クラブ連合会の朝田美奇夫さん(91)が考案した「スライドストーン」が、今、高齢者を中心に新たなムーブメントを巻き起こしている。なんと、その「球」には家庭でおなじみの漬物石が使われている。

市老連の朝田美奇夫さんが考案

 スライドストーンは、ポイントゾーンに向けて球を滑らせて得点を競う競技。誕生したのは8年前。市老連ではこれまで似た競技の「カローリング」を推進していたが、専用球の費用が高額であることが課題だった。そこで、スポーツ競技部門担当の朝田さんが「何か代わりになる安価なものはないか」と試行錯誤を重ねた結果、「重さも大きさもちょうどいい」漬物石にたどり着いた。さらに、球を滑らせるレーンには防虫ネットを採用。独自のルールも規定した。こうして、アイデアと工夫が詰まった手作りのニュースポーツが誕生した。

 当初40人弱でスタートしたスライドストーンは、その手軽さから単独クラブでの導入も増加。2018年には初大会も企画し、現在では150人もの会員が楽しむ人気競技へと成長した。男女比もほぼ半々で、年に1回だった大会も今では年2回開催されるほど、会員たちの大きな楽しみの一つとなっている。

 市老連の森武連合会長も「会員のアイデアで伊勢原オリジナルの競技が生まれたことは喜ばしい」と語り、考案者の朝田さんは「スライドストーンをもっと広めていきたい。他の地域や小学生など、年代を超えたイベントも企画できれば」と、その夢を熱く語る。費用を抑えながらも、誰もが気軽に楽しめるスライドストーン。今後さらなる広がりを見せることに期待が高まる。

伊勢原市商店会連合会の会長を務める 二宮 真一さん 伊勢原在住 62歳

伊勢原の「心臓」を動かす

 ○…「商店会はまちの賑わいのまさに心臓部、その鼓動が伊勢原の活力を生み出す」。商店会のまとめ役として新たに就任。大型店の台頭やインターネット販売の隆盛、そして商店会の高齢化と後継者不足…直面する課題は山積だ。イベントなどに加え、「独自のサービスや技術を持つ店が生き残る」と、魅力掘り起こしや補助金申請など、一歩踏み込んだ支援体制を整えていくという。「看板一つとっても、まちの印象を決める大事な要素。色あせたままじゃ、もったいない」

 ○…1点からでも製作できるオリジナルTシャツなど、プリント商品を取り揃える「マッチボックス」を経営。父親が創業した衣料品店を20年前に現在のスタイルに転換。ネット販売が主流の時代にあっても、「人が動くことで生じるコストは同じ。丁寧な仕事が重要」と全国各地から注文が後を絶たない。「70歳になったら引退」と冗談めかしながらも、専門性を生かし「伊勢原の観光振興を盛り上げたい」と地域に根ざした活動にも意欲を燃やす。

 ○…少年時代は秦野と伊勢原で過ごし、大学卒業後は横浜の衣料品店に修行へ。「予算よりも高い商品をいかに買ってもらうか」と接客技術を磨いた。しかし、27歳で家業を継いだ最初の3日間で、まさかの挫折を経験。「地域に合わせた商いがある」と商売の軸を「信頼関係を築くこと」へとシフト。東日本大震災やコロナ禍などの困難も「信頼」で乗り越えられたと語る。

 ○…年に一度の長期休みは、奥様と車で各地の名所や名物を堪能。「目指すは全国制覇。初めての場所は心躍る」。趣味のゴルフは、地域の仲間と過ごす大切なひと時だ。仕事に遊びに「まだまだ面白い事がいっぱい」と目を輝かせた。

伊志田高校 期日前投票所を設置 県内で初の試み

 7月に予定されている参議院議員選挙で、県立伊志田高校に期日前投票所が設置されることになった。若い世代の投票率向上などが目的で、県内では初の試み。

 市選挙管理委員会によれば市内の期日前投票所はこれまで市役所とイトーヨーカドー伊勢原店の2カ所で、同校は3カ所目。設置場所は同校の応接室。午後1時30分から4時30分まで。期間中の水、木、金曜日の3日間。有権者となる18歳以上の在校生が投票できるほか、地域住民も投票ができる。

 同委員会によれば、昨年の衆議院議員選挙で千葉県内などで実施された事例があり、県内でも検討、意向調査が進められ、同校が設置の意向を示したことから今回選定された。同委員会は「若者の投票率向上や、地域住民の利便性向上にもつながる」と期待を寄せている。県立高校での期日前投票所は同校のほかもう1校が設置の予定。

藻谷浩介氏

参加無料 日本の未来を考える 7月12日、シンポジウム

 地域経済学者の藻谷浩介氏を招く緊急提言・シンポジウムが7月12日(土)、レンブラントホテル海老名2階「プリマヴェーラII」で開催される。主催は(株)リマインド(厚木市旭町・西山利春社長)。午後1時30分から午後4時(開場午後1時)。入場無料、定員は先着200人。

 基調講演と討論会のテーマは「日本は何故世界のリーダーになり損ねたのか?」。

 基調講演は、ベストセラー『里山資本主義』(2013)の著者、地域エコノミストであり、日本総合研究所主席研究員の藻谷氏が務める。

 討論会では、元内閣府官僚や元地方議員らがパネラーとして登壇し、藻谷氏の進行のもと、日本の未来について議論を展開する。

 申し込み、問い合わせは株式会社リマインド【フリーダイヤル】0120・28・0723(火・水を除く午前9時〜午後5時)。【後援】テンダー会議。

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日陰道のアジサイ(6月23日撮影)

夏の訪れ告げるアジサイ 日向地区の日陰道などで

 日向地区にある古道「日陰道」や、周辺地区一帯で、色鮮やかなアジサイが、散策路や街道沿いで多くの人の目を楽しませている。

 アジサイは江戸時代の俳人、松尾芭蕉も初夏の訪れを告げる句に読んでいるほど。

 同所には300本ほどのアジサイが植栽されていて、アジサイの手入れや散策路の整備は、地元住民有志らが中心となり、20年以上前から続いているという。

 日陰道は「かながわの古道 50選」のひとつで初夏にはアジサイ、秋には彼岸花と季節の花々を楽しむことができる。源頼朝が日向薬師を参詣した際に家臣達が通った道とも北条政子が通った道ともされ、表参道の日向道に対してこの名がついたとも言われている全長1・5キロメートルほどの古道。大山東麓の緑を背に咲くアジサイを撮影できる隠れた名所として知られている。

 市観光協会では、アジサイの季節はヤマビルの被害の多い季節と重なることから、長めの靴下をはき、塩や虫よけスプレーを持参するなどの対策を呼び掛けている。

渋田川の土手に植栽するRCメンバーら

伊勢原RC マリーゴールドを植栽 芝桜の線虫対策に

 市内上谷を流れる渋田川河畔で6月20日、社会奉仕団体・伊勢原ロータリークラブ(天野耕一郎会長)のメンバーと上谷芝桜愛好会の亀井隆会長、市商工観光課の職員でマリーゴールドの植栽を行った。

 同クラブは2017年、渋田川河畔芝桜オーナー制度「芝桜育成管理団体」に登録。この制度は、芝桜の景観保護を目的に植栽と維持管理作業などを登録団体が行うもの。地元住民によるボランティア組織、上谷芝桜愛好会と協力し、活動を行っている。

線虫防除に効果が期待

 芝桜は線虫の影響で開花しなかったり、枯れてしまうことがあるため、土壌の線虫防除に効果があるといわれているマリーゴールドを植栽している。この日は同クラブが寄贈した330株のマリーゴールドを植栽。朝から強い日差しが降り注ぐ中、参加者はスコップ片手に、額に汗をにじませながら、黄色やオレンジなど、色とりどりのマリーゴールドの苗を土手に一つひとつ丁寧に植栽していった。

 同クラブの天野会長は参加者に感謝を述べるとともに「地域のため、これからも皆さんとともに活動を続けていきたい」とあいさつ。愛好会の亀井会長は「毎年寄贈、植栽活動に協力いただきありがたい。この場所は川沿いのため、線虫を駆除するための薬剤が使えない。マリーゴールドの植栽が唯一の対策で、効果は出ている。きれいな芝桜の開花のため今後も協力をお願いしたい」と話した。

 渋田川沿いの芝桜は1970年頃に上谷地区の故・鈴木建三氏が奥多摩から一株持ち帰り、植えたのが始まり。市民有志や団体などが、芝桜の植栽、土手の草刈りなどに取り組んでいる。

藻谷浩介氏

参加無料 日本の未来を考える 7月12日、シンポジウム

 地域経済学者の藻谷浩介氏を招く緊急提言・シンポジウムが7月12日(土)、レンブラントホテル海老名2階「プリマヴェーラII」で開催される。主催は(株)リマインド(厚木市旭町・西山利春社長)。午後1時30分から午後4時(開場午後1時)。入場無料、定員は先着200人。

 基調講演と討論会のテーマは「日本は何故世界のリーダーになり損ねたのか?」。

 基調講演は、ベストセラー『里山資本主義』(2013)の著者、地域エコノミストであり、日本総合研究所主席研究員の藻谷氏が務める。

 討論会では、元内閣府官僚や元地方議員らがパネラーとして登壇し、藻谷氏の進行のもと、日本の未来について議論を展開する。

 申し込み、問い合わせは株式会社リマインド【フリーダイヤル】0120・28・0723(火・水を除く午前9時〜午後5時)。【後援】テンダー会議。

スタッフの土屋さん

「おひとりさま」の不安ワンストップで解決 サン・ライフの「ライフリリーフ」に脚光

 自分の葬儀や逝去後の諸手続きなど、単身高齢者の悩みは多い。そんな悩みをワンストップで解決するのが、シニアライフを総合支援する株式上場企業グループのサン・ライフの「ライフリリーフ」だ。

 ニーズに合った介護施設の紹介から万一病院に入院することになった際身元保証を行うほか、必要な書類も作成。「私にもしものことがあったら…」という将来の不安に対しては、元気なうちに自身の葬儀の形式や埋葬方法などを決めておくことも可能だ。そのほか携帯電話の解約やSNSアカウントの削除などプライバシーに関わる事務処理まで依頼できる。

 スタッフの土屋ユカイさんは「地域密着の安心感を大切に、高齢者の不安や悩みを一緒に解決します」と話す。

■問い合わせ/【フリーダイヤル】0120・99・1169「ライフリリーフ相談室」

参院選神奈川選挙区 16人が立候補の意向 アンケート ウェブで公開

 7月3日公示、20日投開票の参議院議員選挙(改選定数4)で、本紙調べで6月20日現在、神奈川県選挙区には16人が立候補の意向を表明している。現職2人に、新人は14人。現時点で激しい選挙戦になることが予想される。

 本紙では立候補予定者を対象に全14問の独自アンケートを実施。回答を当社政治情報サイト「政治の村」で公開している(二次元コードから)。

 県内の6月2日時点の選挙人名簿登録者数は769万7043人。22年の前回選挙は補欠1を含む定数5で行われ22人が立候補。投票率は54・51%だった。

(6月20日起稿)

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