茅ヶ崎・寒川版【7月25日(金)号】
合同式典を前に最後に駐輿した南湖地区5社の神輿

圧巻の浜降祭 9万人魅了 神輿39基が西浜に集結

 湘南に夏の訪れを告げる伝統の祭典「浜降祭」が21日、茅ヶ崎西浜海岸で開催された。茅ヶ崎市、寒川町の34の神社から子供神輿5基を含む39基の神輿が一挙に集結し、詰めかけた約9万5000人の観客を魅了した。

 当日は午前0時ごろからの宮出から、3時すぎにかけて茅ヶ崎の鉄砲道にある「南湖中央」交差点に各神社の神輿が集結。軽妙な祭りばやしとともに担ぎ手たちが力強く通りを練り歩き、勢いそのままに西浜海岸へ入場。心身のけがれを清める「禊(みそぎ)」のために神輿が海に入ると、集まった大勢の観客からは歓声が上がった。

 午前7時から合同式典が執り行われた後、8時ごろから神輿が一斉に海へと向かい鶴嶺八幡社を先頭に2回目の禊を行うと、カメラを構えた観客らが殺到し浜は人であふれかえっていた。

 実行委員長の金子一茂さんは「今年も盛況のうちに浜降祭を開催することができたのは各神社、警察など関係各位の協力のおかげであり、感謝申し上げます」と謝意を示した。

南側から見た施設のイメージ=茅ヶ崎市提供

松林地区にコミセン整備 来年10月に開館予定

 茅ヶ崎市内で12館目となる松林コミュニティセンターの建設工事が、7月から始まった。開館は来年10月の予定。地域住民にとっては市に建設の要望を始めてから20年越しでの待望の完成となる。

 建設されるのは、2022年まで使用されていた市営高田住宅の跡地。施設は鉄骨造2階建てで、延べ面積は1209・46平方メートル。

 仕切りを変えることで広さを変更できる会議室や楽器演奏が可能な音楽室、調理室のほか、コミュニティセンターとしては鶴嶺西に続いて2館目となる体育室(広さはバドミントンコート1面分でミニバスケットゴールを設置)も備える。

 6月に開催された市議会定例会での議決を経て、正式に建設が決定。7月から工事がスタートした。26年10月の開館を予定している。建設にかかる費用は約10億2900万円。

「住民の声」反映

 コミュニティセンターは、地域活動の拠点となり集会やレクリエーションを行える施設として茅ヶ崎市が整備を進めているもの。1984年の浜須賀会館を皮切りに、市内13地区のうち、11カ所に設置されている。

 松林地区でコミセンの整備を求める声が上がったのは2008年度。市長と地域住民が対話する市民集会で、同地区の自治会連合会から要望が行われた。

 20年度にはまちぢから協議会や自治会のメンバーを中心とする「コミセン研究会」が発足。21年度まで16回にわたる会議を開催したほか、市内外の類似施設への視察などを重ねて「地域に必要な施設」に関するイメージを取りまとめた。

 21年2月に要望書として市に提出。こうした動きを受けて市は、整備の方針を正式に決定し、23年3月に整備基本計画を策定した。

 建物のコンセプトづくりに当たっては、住民に行政職員、設計会社を交えた9回の懇談会が開催され「入ってすぐの場所にカフェスペースを設置し、地域の人が自由に訪れ交流できる場に」「外から活動が見え、参加したくなるように」「子どもと来て自由に遊べる小上がり」といった声が設計にも反映された。

 また開館後は、まちぢから協議会が行っている中学生向けの学習支援事業の拠点としても利用される予定という。

 市市民自治推進課では「行政側が期待する以上の研究を地域の皆さんが進めてくれたので、しっかりと形にしていきたい」と話している。

寒川町商工会青年部の部長に就任した 深澤 翔さん 寒川町内在住 33歳

仲間と地元を盛り上げる

 ○…地域の商工業の発展を願う45歳以下の若手経営者や後継者、従業員で組織される団体「寒川町商工会青年部」の部長にこのほど就任した。「いつか来るだろうと覚悟はしていた。やるからには責任をもって地域を盛り上げていきたい」。18人の会員とともに、祭りやセミナーなどのイベントの企画運営や、部の広報活動などに取り組む。掲げたテーマは「共に学び共に築く輝く未来」。「任期満了の2年後までには7人の卒業が決まっている。会員増加に向け、自分自身が青年部の楽しさや存在を伝えていきたい。若い世代にも興味をもってもらえたら」と意気込む。

 ○…28歳で同部に入会した。きっかけは知り合いの紹介。『地域を盛り上げたい』という志を持つ同士が集まるからすぐに仲良くなれたという。「プライベートや仕事でお世話になる人も増えたことがうれしい」。現在は、11月に開催される「産業まつり」や同部が企画する「どまんなかまつり」(来年開催予定)に向け準備に励む。「これまで引き継がれてきた伝統は守りつつ、新しい要素も取り入れたい」

 ○…寒川生まれ、寒川育ち。高校卒業後、先輩の誘いで塗装関係の仕事に就き5年間修行を積んだ。結婚を機に地元で独立。「寒川が好きで、一度もこの町から出たいと思ったことはない」と笑う。気軽に昔からの友達と集まれることも地元にいる特権だとか。

 ○…妻、娘2人、息子1人の5人家族。多忙な中でも休日は家族との時間に充てている。「旅行やドライブに出かけて息抜きしている」と笑顔に。「仕事も青年部も楽しく続けられるのは家族の理解があるから。特に、快く見送ってくれている妻にはいつも感謝している」と家族への深い愛情がにじむ。

右から鈴木署長、安田さん、浅場さん

詐欺被害防止お手柄を表彰 積極的な声がけ奏功

 茅ケ崎警察署(鈴木健二署長)は7月17日、特殊詐欺の被害を防止したとして、ゆうちょ銀行茅ヶ崎店の安田澄香さんと、ステイ湘南(藤沢市)の浅場真澄社長の2人に感謝状を贈呈した。

 安田さんは6月4日、窓口に100万円を引き出しに来た女性に積極的に声を掛け「明日から入院する100万円が必要」と息子を騙った詐欺を防止。「阻止できて良かった。今後も未然に防いでいきたい」とし、同店の齋藤秀樹店長は「普段から良くやってくれている。糧に今後も頑張ってほしい」と労った。

 県宅地建物取引業協会の理事も務める浅場さんは同6日、スーパーのATMでメモを見ながら携帯で電話をしている、「あからさまに詐欺にあっている最中」という高齢女性と隣り合わせ、とっさに声を掛けた。銀行本店を騙る医療費還付金詐欺で、後ろに並んだ人に通報してもらい、自身は「詐欺だから電話を切って」と呼び掛け、連携して詐欺を防いだ。「すんなりと引っかかってしまうものだと怖かった。全財産が入った通帳を守れて良かった」と安堵の表情を見せた。

詐欺被害県内ワースト

 6月末時点で、同署管内の詐欺被害は約50件被害額約2億1千万円で県内ワースト。同署の生活安全課沼澤弘税課長は「今年に入って24件詐欺を防いでいるが、それでも詐欺件数が多い。啓発活動や家族間のコミュニケーション、窓口での水際対策など、さまざまな所に網を張り防いでいかなくてはならない」と話した。

10日ほど前から開花を始めたリュウゼツラン

リュウゼツラン開花 茅ヶ崎市萩園の畑で

 数十年に一度、花を咲かせるというリュウゼツランが、茅ヶ崎市萩園の宮川元二さん(78)の畑で開花した。

 宮川さんが開花に気が付いたのは7月15日。下のつぼみから上へと、黄色みがかった花を徐々に咲かせているという。

 宮川さんは「台風や強風の影響などもあって、少し茎が傾いているのが気になるけれど、元気に花を咲かせてほしい」と話している。場所は春に河津桜が咲く小出川堤防そば。

以前の浜辺のキャンドルトワイライト=実行委員会提供

サザンビーチフェスタ ビーチの夜の魅力を発信 烏帽子岩、浜辺をライトアップ

 今年で20回目となる光と音の祭典「サザンビーチフェスタ2025」が7月26日(土)に開催される。サザンビーチちがさきで午後4時から8時。入場無料。荒天中止。主催は同実行委員会。

 「LOVE & PRIDE 〜波・音・光 〜」をテーマに、夜のビーチの魅力を楽しんでもらおうと始まった夏の恒例イベント。2千個のキャンドルでキャンドルアートを制作する「浜辺のキャンドルトワイライト」のほか、竹灯りオブジェを配置して幻想的に演出する「烏帽子岩ライトアップ+竹灯りトワイライト」、一般参加型のストリートピアノなどの企画が用意されている。

 イベントの詳細は公式ホームページで確認を。

勤労市民会館で2講座 13日 野球と転倒予防テーマに

 茅ヶ崎市勤労市民会館(茅ヶ崎市新栄町13の32)は8月13日(水)に2講座を開催する。

 1つ目は「中高齢者のための転倒予防!リズムトレーニング体験講座」。「楽しく動いて、転ばない体をつくる」をテーマに、専門家が転ばない方法や体の鍛え方についてアドバイスする。担当者は「年齢に負けず、いつまでも元気に歩くためにリズムで楽しく鍛えましょう。安心の第一歩を」と話す。転倒予防のために体を動かしたい40歳以上の人が対象。時間は午後1時50分から3時まで。

 2つ目は「野球が上手くなるためのスポーツリズムトレーニング体験講座」。野球に取り組む小学生の運動能力の質を高めるコツや、体の連動性やタイミング感覚について指導し、ケガの予防につなげていく。対象は野球がうまくなりたい小学生。時間は午後3時50分から5時。

 いずれの講座も汗拭きタオル、運動靴、飲み物を持参し、動きやすい服装で来場を。

 詳細は同館【電話】0467・88・1331へ。

「一試合ずつ集中して挑みたい」と選手たち

ソフトボール 湘南ガールズ全国へ 明日から静岡県で開幕

 茅ヶ崎市の小学生ソフトボールチーム「湘南ガールズ」が7月26日から28日まで、静岡県島田市で開催される「第39回全日本小学生女子ソフトボール大会」への出場を決めた。

 今年のチームはピッチャー西脇杏さんを中心とした守備と積極的な攻撃が持ち味。5月の県大会では予選リーグで横浜女子に4対2で勝利すると、「これまでほとんど勝ったことがない」という強豪・有馬ドリームズ(川崎市)には6対6でタイブレークに突入。3点を先行されるもその裏に4点を取り返してサヨナラ勝ちを収め、3チームによる決勝リーグへと進んだ。決勝は雨が続き試合が行われなかったため、抽選で準優勝となり全国への切符を手にした。

 7月16日には茅ヶ崎市役所を訪問し、佐藤光市長に全国大会出場を報告した選手たち。キャプテンの永嶋莉乃さんは「あきらめない、声を出す、全力プレーがチームの目標。全国大会では一試合、一試合集中して挑みたい」と語った。

 諸岡伸也監督は「毎週土日に浜之郷小学校で練習しているので、興味のあるお子さんはぜひホームページなどから連絡を」と呼びかけている。

作成予定の縄文土器=提供

寒川の歴史と文化を知ろう 小学生対象、申し込み受付中

 寒川こどもアカデミーの会が主催する「楽しく学ぼう寒川の歴史と文化」が8月10日(日)、11日(月・祝)、2026年2月11日(水・祝)に寒川町民センター(宮山165)で開催される。

 世界遺産に登録されている日本最大級の三内丸山遺跡(青森県)にも匹敵するといわれる、同町の岡田遺跡について学んだり、縄文土器や昔の遊具作りを通して、歴史や文化に触れる催し。「夏休みの自由研究にもなります。教科書では学べない歴史を、ぜひ体感してください」と同会。

 対象は町内在住の小学生(保護者参観可)先着30人で、3日間すべて参加できる人。参加費無料。申し込み・問い合わせは同会三澤さん【メール】misawayoneko@jcom.zaq.ne.jpまたは【携帯電話】090・4715・1118へ。

目録を手渡す馬崎同支部執行委員長(写真上・左)と古屋豊同支部常任執行役員(左)

神奈川土建が社協に寄付 住宅デーでの福祉募金

 神奈川土建一般労働組合茅ヶ崎寒川支部はこのほど、6月に開催された支部主催のイベント「住宅デー」での福祉募金を茅ヶ崎市と寒川町の社会福祉協議会に寄付した。

 寄付額は寒川に9070円、茅ヶ崎に3万3725円の合計4万2795円。茅ヶ崎市社協を訪れ、目録を手渡した同支部執行委員長の馬崎章光さんは「子どもたちなどの福祉のために役立ててもらえれば」と話した。
摘み取りを体験する木村町長(左)とオーナーの長原さん

町内初のブルーベリー農園 セレモニーに町長ら参加

 寒川町で初となるブルーベリーの観光農園「さむかわブルーベリーファームnagi」(岡田)が開園したのを記念して7月14日、オープン記念セレモニーが開催された。

 セレモニー当日は、木村俊雄寒川町長や関係者ら約20人が参加。農園の披露やブルーベリーの摘み取り、試食体験が行われ、参加者からは「甘くておいしい」と好評の声が上がっていた。

 木村町長は「寒川町にこうした観光スポットができてうれしく思う。農業振興のため、町でも支援していきたい」と話した。

開園までの道のり

 同園のオーナー・長原順子さんは、脱サラを機に3年前から開園を計画していた。農園研修や認定新規就農者の資格を取得した後、2023年に同町でブルーベリーの栽培を開始。今年7月には、観光農園として摘み取り体験やキッチンカーカフェの営業を始めた。

 同園は井戸水と栄養を組み合わせた「養液灌水システム」で常に栄養が行き届くよう工夫しているほか、土にアクアフォームを混ぜ合わせ、水分量を調整するなど環境を整え、「できるだけ原産地に近い味のブルーベリーを育てている」という。

 8月末までは、20種類、300鉢のブルーベリーの摘み取り体験を実施中。これからの季節は、ラヒやノビリスといった甘みが強い「ラビットアイ系」が旬を迎える。「夏の思い出作りにぜひ足を運んでもらえれば」と長原さん。

 体験は予約必須。詳細や問い合わせは同園【携帯電話】080・6917・5537へ。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

茅ヶ崎市 レインボーキッズ募集 小学4、5年生をホノルルへ派遣

 茅ヶ崎市は市内在住の小学4年生と5年生を姉妹都市ホノルルに派遣する「レインボーキッズ」を募集している。派遣期間は来年3月13日(金)から19日(木)まで。ホノルル市庁舎訪問や現地児童との交流が予定されている。

 希望者は参加申込書と受付表、「私がレインボーキッズになりたい理由」をテーマにした作文を、9月12日(金)午後5時までに市秘書課に郵送または持参を。作文審査後、11月に面接が実施される。

 保護者向け説明会が8月23日(土)午前10時から、市役所分庁舎5階D会議室で開催される(申し込み不要)。詳細は下記関連リンクから。

講師となる茅ヶ崎エフエムの関さん(左)と西野さん

「3カ月で3千人のフォロワーを増やした」 茅ヶ崎商工会議所女性会 インスタの宣伝法を指導 茅ヶ崎エフエム招き講座

 茅ヶ崎商工会議所女性会が主催して8月15日(金)、「Instagram(インスタグラム)活用セミナー」が行われる。会場は茅ヶ崎商工会議所で、午前10時から11時30分まで。定員は申し込み先着30人で、現在参加者を募集している。

 講師にはコミュニティFM局・茅ヶ崎エフエムの統括マネージャーの関真麻さん、営業マネージャーの西野由香さんを招き、一昨年の開局から3カ月で3000人のフォロアーを増やした、同社のインスタを使った宣伝法を紹介する。

 事業でインスタを使って宣伝したい人が対象。会場には駐車場がないため、公共交通機関の利用を呼び掛けている。参加希望者は下記の関連リンクへ。

花火大会2日開催

 サザンビーチちがさき花火大会が8月2日(土)に開催される。午後7時30分から8時10分まで。荒天中止。

 連続で打ち上げるスターマインや海面から打ち上がる水中孔雀などが茅ヶ崎の夏を彩る。

 国道134号線南側では午後4時から、駅南側では6時から交通規制が敷かれるので注意。主催する茅ヶ崎市と市観光協会は公共交通機関の利用を呼びかけているほか、臨時駐輪場を4カ所用意。全2800席の有料観覧席も用意されている。詳細は市HPから。

(問)市産業観光課【電話】0467・81・7144

感謝状の贈呈式

湘南ユナイテッドBC 市内全中にボール寄付 「練習して強くなって」

 プロバスケットボールB3リーグ「湘南ユナイテッドBC」が7月15日、茅ヶ崎市内の中学校全校に「教育振興に役立ててほしい」とバスケットボールを寄付したのを受け、円蔵中学校で感謝状の贈呈式が行われた。

 寄付されたのは、市立中学校13校、私立中学校1校、特別支援学校中学部1校で、それぞれに2個ずつの計30個。当初、寄贈式が市長室で行われる予定だったが、佐藤光市長が「ぜひ実際にボールを使う中学生に受け取ってほしい」と提案したことから、同中学校での開催となった。

 当日、式典には同中の男女バスケットボール部も参加。(株)湘南ユナイテッド藤沢の小澤一成取締役は、「チームはバスケで地域のつながりを盛り上げようと活動している。このボールでたくさん練習して強くなって、BCで活躍する選手となってくれたらうれしい」とエールを贈った。また、市体育館で行われる3節は2階席を市内在住者らに無料開放していることに触れ、「選手たちは応援が力になる。ぜひ見に来てほしい」と呼び掛けた。

 内田旦人選手、星野零志選手、石井智大選手、丹野合気選手の4選手も式典に参加。同部員に直接ボールを手渡した。

プロ選手を前に

 また、プロ選手を前にした生徒からの質疑応答では「試合前に緊張しないようにするには」「小さいプレーヤーにやられて嫌なディフェンスは」など、具体的なプレーの質問があがっていた。プロ選手からは「自分の強みを理解して、試合で何をすべきかイメージすると、コートでの存在価値が出てきて楽しくなる」などのアドバイスが送られた。

 茅ヶ崎在住の丹野選手は「今はSNS等で何でも見られる。限られた時間の中で、自分に合ったスタイルでたくさん練習してほしい。良い試合をするので、声援を送ってくれたらうれしい」とコメントした。

4選を果たした牧山氏(20日、横浜市中区)

参院選 立民・牧山氏トップで4選 国民・籠島氏、自民・脇氏、参政・初鹿野氏が初議席

 第27回参議院選挙は7月20日に投開票が行われた。改選議席4に対して16人が立候補した神奈川県選挙区では、立憲民主党の現職・牧山弘惠氏(60)が73万1605票を獲得し、4選を果たした。国民民主党新人・籠島彰宏氏(36)、自民党新人・脇雅昭氏(43)、参政党新人・初鹿野裕樹氏(48)が初当選を決めた。3選を目指した公明党現職・佐々木さやか氏(44)は議席を失った。

立民・牧山氏 食料品消費税0%を

 トップ当選した牧山氏は「多くの方が物価高に苦しんでいることをまちを歩いて実感した。食料品の消費税を0%へ引き下げ、ガソリンコストの25円値下げを実現したい。生活に寄り添える政治を全うしたい」とあいさつ。選挙戦を通じ、排外主義的な主張が大きくなってきたことに対しては憂慮を示し、「世界情勢を鑑みると自由を重んじるあらゆる国と手を携えなければならないこの時期に間違ったメッセージを与えてしまってはいないか危機を感じている」と語った。

国民・籠島氏 手取り増への期待感じる

 籠島氏は元農水官僚。選挙戦では玉木雄一郎代表が何度も応援に入っていた。国民民主党は参院神奈川では初の当選。籠島氏は「『手取りを増やす』と訴え、多くの有権者からの期待を感じた。若い世代や年配者からの政治を変えてもらいたいとの思いが票になったのだと思う」と述べ、「海外にいた経験から日本と海外の賃金格差を感じる。これを埋めていくための持続的な賃上げを実行していかなければならない。農水省出身の経験を生かし、コメ政策の改革にも取り組みたい」と意欲を示した。

自民・脇氏 党への信頼取り戻す

 脇氏は神奈川県の元局長。選挙戦では小泉進次郎農水相や菅義偉元首相らが精力的に応援。18日には石破茂首相が横浜市緑区へ応援に駆け付けた。脇氏は「県庁を辞めてからの11カ月間、多くの人と話をして、この国を動かしているのは、それぞれの方の力と思いなのだと実感した」と感想を語り、「私に信頼を託していただいた県民に感謝したい。政治への信頼、自民党への信頼を取り戻せるよう、私にできることは成果で、結果で返す。それしかない」と決意を述べた。

参政・初鹿野氏 薄かった反応、次第に大きく

 初鹿野氏は元警察官。参政党への注目が集まる中、最終日の19日は、公示日に続いて神谷宗幣代表が2度目の応援に入り、横浜市港北区での応援演説に多くの支援者らが集まった。大接戦となった4議席目の当確が報じられたのは午前4時ごろ。関係者と抱き合って喜んだ初鹿野氏は「最初は街頭で話していても反応は薄かったが、次第に数十人、数百人と集まるようになった。(有権者は)減税などの経済政策や外国人政策に共感したのでは」と述べ、「愚直にやるべきことを一生懸命やっていきたい」と抱負を語った。

公明・佐々木氏 逆風で接戦に敗れる

 佐々木氏は初鹿野氏との接戦に敗れて議席を失った。落選の報を受け、「大変厳しい、逆風の中の戦いだった。私の力不足でこの接戦を制することができなかったことを心からお詫び申し上げたい」と支援者に陳謝。「国内外の課題、主に物価高を中心とした多くの国民が感じている不安を公明党はしっかりと受け止めて、もう一度原点に立ち返って、寄り添っていく必要がある」と前を向いた。

共産・浅賀氏 4度目挑戦も届かず

 共産党新人の浅賀由香氏(45)は4度目の参院選挑戦となったが、今回も及ばなかった。浅賀氏は選挙戦を振り返り、「消費税減税の財源を明確に示したり、外国籍の人のせいで生活が苦しくなっているわけではないことを、根拠を示しながら戦うことができた唯一の候補者だったと思う」とし、「自民党の裏金問題への反省のなさや物価高対策の遅れを指摘し、自公が議席を減らすことに貢献できた」と述べた。

 神奈川県選挙管理委員会によると、選挙区の投票率は60・30%で前回の2022年を5・79ポイント上回った。

横浜高島屋イベントに出店 茅ヶ崎ビール 7月30日から

 横浜高島屋で7月30日(水)から8月4日(月)まで開催されるイベント「SHONAN FESTA」に「茅ヶ崎ビール」(茅ヶ崎市中海岸4の12986の153)が出店する。

 横浜高島屋と湘南エリアを中心とするライフスタイル誌「湘南スタイルmagazine」との初のコラボイベント。期間中は「湘南の空気感を味わう”五感で楽しむ湘南”」をコンセプトに、グルメにスイーツ、ファッション、雑貨など有名店や知られざる名店など40以上の湘南ブランド商品が並ぶ。

 茅ヶ崎ビールは「湘南ででき立てのビールを味わうことができる希少なスポット」として出店が決まった。会期中は同店のクラフトビールはもちろん、人気のカレーも登場。催事場ではイートインで味わうこともできる。

 開催時間は午前10時から午後7時まで(最終日5時)。イベントの詳しい内容は横浜高島屋のホームページで確認を。

茅ヶ崎市 レインボーキッズ募集 小学4、5年生をホノルルへ派遣

 茅ヶ崎市は市内在住の小学4年生と5年生を姉妹都市ホノルルに派遣する「レインボーキッズ」を募集している。

 派遣期間は来年3月13日(金)から19日(木)まで。ホノルル市庁舎訪問や現地児童との交流が予定されている。

 希望者は参加申込書と受付表、「私がレインボーキッズになりたい理由」をテーマにした作文を、9月12日(金)午後5時までに市秘書課に郵送または持参を。作文審査後、11月に面接が実施される。

 保護者向け説明会が8月23日(土)午前10時から、市役所分庁舎5階D会議室で開催される(申し込み不要)。詳細は市ウェブサイト(https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/profile/1012577/1024578.html)で。

発見時の漆紙文書が付着した土器

学芸員のイチ推し! -連載 Vol.33-博物館で特別展!県下初出土「漆紙文書」も出品

 この夏、茅ヶ崎市博物館では、市内にある古代の貴重な文化財、下寺尾官衙(しもてらおかんが)遺跡群の国史跡指定と、本村居村(ほんそんいむら)遺跡出土木簡の市重要文化財指定から10年を記念し、「古代高座(たかくら)」という特別展を開催します。

 およそ1300年前、下寺尾には、高座郡(現在の茅ヶ崎から相模原にかけての相模川左岸一帯)の中心となる役所と寺院が建てられました。

 今回展示する資料のひとつに、下寺尾官衙遺跡群から、神奈川県内で初めて出土した「漆紙文書(うるしがみもんじょ)」と呼ばれるものがあります。そこには赤外線カメラに通すことで初めて読み取ることのできる貴重な古代の文字が残されています。そして、その文字は現存する奈良時代の写経に残る書体と大変よく似ています。下寺尾出土の「漆紙文書」には、古代のお坊さんが関わっていた可能性が高いと言えるでしょう。

 特別展は7月26日(土)から。「漆紙文書」ばかりではなく、市指定重要文化財である木簡など、相模川左岸一帯の古代の貴重な遺物が一堂に会します。この貴重な機会を、ぜひお見逃しなく。