多摩区・麻生区版【7月25日(金)号】
麻生総合高校での教室の様子=提供

薬物乱用防止教室 気持ち一つに 啓発へ 有志連携 窓口など一本化

 小中学、高校生向けに行われている「薬物乱用防止教室」について、奉仕団体「川崎白百合ライオンズクラブ」(LC)や、麻生警察署などを中心とした麻生区の有志が、同区内で扱う教材や内容、主催者などを統一する動きを見せている。講師の依頼先などが学校によって異なり、学びの内容にばらつきがあったことから、区内の全小中学校にアンケート調査を実施。今年度は、その結果を踏まえた上で教室を開催することを目指していく。6月下旬には、区内の県立高校で教室が実施された。

 薬物乱用防止教室は、子どもたちに薬物乱用の危険性や影響を伝えるために行われている取り組み。一般的には警察や薬剤師などが協力して、講師を務めている。

 麻生区では各校からの依頼に応じて、同署や、薬剤師や保護司が所属する神奈川県薬物乱用防止指導員協議会麻生支部、同LC、柿生地区および麻生東地区社会福祉協議会などが実施しており、使用する教材や内容が各校で異なっていた。同LCのメンバーで薬物乱用防止教育認定講師の資格を持ち、今回の計画を主導した井上俊夫さんは、「どの地域もそうだが、学校によって内容がばらばら。よりベストなものを提供できれば」と意図を語る。

 井上さんは昨年7月に麻生区内全小中学校へ、アンケート調査を実施。薬物乱用防止教室開催の有無や、実施月・時間、依頼した講師の職種・所属団体などを聞き取った。その結果を踏まえ、同署の生活安全課や同支部、LCと共に、教材や開催時期などを相談しながら、昨年度、区内の市立小中学校や県立高校計6校で教室を試行した。

 検討を重ねた結果、同署と同LCが窓口を担当し、厚生労働省の作成した「STOP the 薬物!」という教材を用いることを決定した。井上さんは、「使用する教材は、小中高校生、それぞれを対象にしたものが用意されている。理解してもらわないと意味がない。台本やストーリーもしっかりしており、最新の情報が提供できる」と期待を寄せる。

 今年5月、麻生区内の小学校長が集まる会合で説明。6月23日には、県立麻生総合高校の1年生を対象に初めて教室が開催された。今年度以降、新たに決まった内容で、各校からの依頼に対応していく。

 井上さんは「今後、区内全校での実施を目指したい。ただ、一番の目的は子どもたちの理解を深めること。無理やりではなく、必要としてくれたところに行くというスタンスで実施していきたい」と展望を語った。

 麻生署生活安全課では、今回の取り組みについて「年間を通じて、麻生区教育担当、県薬物乱用防止指導員、白百合ライオンズクラブの方々と連携し、児童生徒に向けた薬物乱用教室を行い、低年齢化する薬物事犯を抑止していきたい」と話している。

要約筆記者の研修の様子

川崎市登録要約筆記者協会 文字で「聞こえ」支え30年 今秋、記念事業も

 「聞こえない」「聞こえにくい」といった人が会議などの場に参加できるよう、話し手の意図を文字で伝える通訳「要約筆記」。この活動を市内で手がける要約筆記者で構成される「川崎市登録要約筆記者協会」が、活動30周年の記念事業を今秋、高津区内で行う。

 「要約筆記」とは、話されている内容を要約し、文字で伝える聴覚障害者への情報保障の取り組み。生まれつき聴覚に障害のあるろう者などの言語である「手話」に対し、要約筆記は中途失聴者や難聴者などの意思疎通をサポートする手法として役立てられている。

 市内でこの活動を手がける同協会(三品めぐみ会長)には現在41人の登録要約筆記者が在籍。派遣要請に応じて会議や講演会、病院、学校などさまざまな場所に出向き、手書きまたはパソコンでその場の話の内容を文字にして通訳している。

 川崎市で要約筆記者になるためには厚生労働省のカリキュラムに則って川崎市聴覚障害者情報文化センター(中原区)で開催される養成講座の受講が必須(今年度の募集受付は終了)。約1年に及ぶ講座を修了したのち、全国統一の認定試験をクリアして、川崎市に登録、要約筆記者として活動できるようになる。

 登録後は協会に所属して定期的な研修を行い、会員同士が互いに知識や技術の研鑽に努めている。また、会報発行を通じた情報共有や例会開催などにより会員間の親睦も深めているという。

10月にトークショー

 設立30周年を前に同協会では高津市民館ホール(ノクティホール)を会場に10月7日(火)午後2時から記念イベントを開催。シンガーソングライター、作詞家として知られる加藤登紀子氏を招きトークショーを行う。

 また、会場では要約筆記や手話通訳も行われ、同協会の活動を垣間見ることもできる。事前申込み制で定員600人(多数の場合は抽選)。入場無料。申込みは1口で2人まで。【メール】kawayouyaku@gmail.comで、希望者全員の氏名とふりがな、代表者の電話番号、必要な配慮(車いすなど)があれば記載を。締切は8月31日(日)。問い合わせもメールで。

麻生消防団の第9代団長を今春から務めている 碓井 芳春さん 麻生区王禅寺西在住 68歳

厳しさの中に見せる親心

 ○…3分団12班138人からなる麻生消防団を統率する。団員歴は44年。「我がまちは我が手で守る」の信念は胸に刻まれている。「培ってきたものをどう発揮させるかを考え、実践していきたい」。時に、身を危険にさらして消火や救命活動を行う消防団。「団員はまず自分の身を守ること。そのためには、時代に逆行するかもしれないが、規律厳守、秩序維持を徹底したい」。厳しい眼差しの奥に若い団員らへの親心をのぞかせる。

 ○…上麻生出身。柿生小中に通い、工業系の高等専門学校で機械や電気工学全般を学ぶ。4年時に大学に入り直すと、在学中に自動車整備士の資格を取得。卒業後は父の経営するガソリンスタンドを手伝い、店舗閉業に伴い2003年に独立。下麻生で中古車販売や自動車修理を行う「ガレージHASHIBA」を興した。秘密基地のような工場には「趣味で」整備したバイクまで。「休みの日でも、なんだかんだ車をいじっているね」

 ○…25歳の時に入団。地域の先輩らと酒を酌み交わしては消防談議に花を咲かせた。「上から落とすように水をかけろ」「火元を手前から掃くように消せ」。会話の中からコツを教わり、学びを深めるうち、団員としての心構えや行動が変わっていった。「もし隣の家から火が出たら女房に119番を任せて自分は飛び込んでいっちゃうよ」

 ○…女性団員の活躍に目を細める。任務は男性と変わらないが、火災に遭った人へのケアなど、女性ならではの気配りに期待する部分は大きい。地域性を考え、山火事対策として可搬ポンプによる中継送水訓練などにも意欲を見せる。団員の充足にも注力したい考え。「一人入団すればその周りの人の意識も高まる。定数(168人)を確保し皆で防災に励みたい」

点字ブロックが整備されたアゼリア地下駐車場に続く階段

アゼリアの点字ブロック 視覚障害者「願い叶う」 主要駅つなぐ経路設置へ

 川崎駅前の地下街「川崎アゼリア」(川崎区)の構内で、視覚障害者の安全確保のための点字ブロック設置に向けた調整が続いている。障害者団体が福田紀彦市長に10年以上、要望を続けてきたものだが、JR川崎駅から京急川崎駅へ向かうルートが、ようやくつながろうとしている。

 7月4日、川崎市と川崎アゼリア(株)、そしてNPO法人川崎市視覚障害者福祉協会(以下協会)の3者が集まり、アゼリア構内での新たな点字ブロック設置について今後の方針を確認した。今春の、地下駐車場に向かう階段への設置に続き、JR川崎駅から京急川崎駅をつなぐルートや、市役所方面をつなぐルートを点字ブロックでつなぐ方針という。

 アゼリアには平日でものべ約27万人の往来があるが、構内にほとんど点字ブロックがないため、協会が10年以上前から福田市長あての「要望書」の中で訴えてきた。協会関係者は「やっと安心してアゼリアを歩くことができる」と喜びを語る。

 この件では、協会は市長への要望に加えて初めて市議会に請願書を提出した。これが総務委員会で採択され、本会議でも全会一致で採択。市は2025年度予算に点字ブロック整備を支援する「整備負担金」を計上。一気にことが進んだ。

「合理的配慮」義務

 協会ではアゼリアの件以外でも、2009年のNPO発足以後、毎年6月に要望書を市に提出してきた。今年の要望も多岐にわたり、「武蔵小杉駅から中原区役所へ向かう途中の交差点に音声信号機を」「田園都市線宮前平駅のホームドアの改善を」「視覚障害者向けの老人ホームやグループホームを」など、いずれも切実な問題ばかりだ。要望は市の庁内のほか神奈川県警など関係各方面へと伝わるが、アゼリアのように長らく動きがみられないものも、少なくないという。

 協会関係者は「要望に応えてくれることはありがたい。しかし障害者福祉に積極的な自治体と、市内の状況を比べてしまう時もある」と語る。

 さらに近年は「深刻な困りごと」も発生した。コンビニやスーパーのセルフレジ、飲食店などのモバイルオーダーだ。音声ガイドや点字で機能を補わない限り、「情報が得られず、お手上げの状態」と訴える。

 昨年4月には障害者に対する「合理的配慮の提供」を義務化した改正障害者差別法が施行された。障害者が「社会的バリアーを取り除いてほしい」と意思表示した場合、事業者側は合理的に対応する必要がある。

芸術のまちコンサート 多様な個性をチャンスに 8月31日 新百合ヶ丘で

 あさお芸術のまちコンサート「ユニヴァーサル〜For You」が、8月31日(日)に新百合トウェンティワンホールで開催される。午後0時30分から(ミニコンサートは15分から)。入場無料。

 「いろんな個性をチャンスに変えよう」をテーマに、世代やジャンル、障害の有無などあらゆる垣根を超えたコンサート。ピアノやトロンボーン、打楽器の演奏が行われるホールコンサートは午後1時30分から。「あさおパラアート展」として、県立麻生支援学校や川崎授産学園などの作品展示も予定。フルートのデュオによるミニコンサートや楽器体験のコーナーも。ボランティアスタッフを募集しているほか、当日は支援会員の応募も受け付ける(1口千円〜)。問合せは麻生区役所地域振興課【電話】044・965・5116。

市長のもとを訪れた児童

ロボット大会で世界へ 市内教室の児童、表敬訪問

 ロボットを製作しながら科学を学ぶ教室「(株)ロボット科学教育Crefus」の武蔵小杉校、新百合ヶ丘校に通う児童が世界大会出場を報告するため、7月17日に川崎市役所を訪問し、福田紀彦市長に結果と抱負を述べた。

 同社は、新百合ヶ丘に本部を構え、全国に教室を展開。今回、同教室の武蔵小杉校に通う川上アレクサンダーさん(小5)、小木曽勇政さん(同)、岩田将隆さん(小3)、比嘉悠人さん(同)、新百合ヶ丘校に通う瀬戸舞香さん(小5)、瀬戸遥香さん(小3)、伊能榮人さん(同)、並木勇瑠さん(小2)の8人が、6歳〜10歳対象のロボット競技大会「FLL」の東日本大会で優秀な成績を収め、2月の全国大会で上位4チームに選ばれた。武蔵小杉校の4人のチームは4月に米国で行われた世界大会に出場しチームポスター部門で入賞した。新百合ヶ丘校の4人は、8月に中国で開かれる世界大会に出場する。

 武蔵小杉校の児童らは「楽しかった。いろいろな国の人のアイデアを聞けて面白かった」、これから世界大会に臨む新百合ヶ丘校の4人は「経験が大事。楽しい大会にしたい」と述べた。福田市長は「素晴らしい経験をしていることに心強く感じた。皆さんのアイデア、考え方、つくっていくものが世の中の課題を解決していく。これからも勉強を続けてほしい」とエールを送った。

昨年のオリジナル石けんづくり

楽しく環境を学ぶ 1日 多摩区エコフェスタ

 多摩区を中心に活動する市民団体らと連携し、楽しみながら体験プログラムや環境学習などに参加できるイベント「夏休み!多摩区エコフェスタ〜やってみようSDGs〜」が8月1日(金)、多摩区役所1階などを会場に開催される。

 当日は、石けんやソーラークッカーづくりなどの体験や工作、スケルトンごみ収集車の実演、パネル展示など22のプログラムが用意され、家庭で身近にできる「エコ」を学ぶことができる。SDGsクイズラリーも。

 開催時間は午前10時(受付9時30分)から午後3時。一部のプログラムは事前申込みや定員、参加費がある。

 加えて、多摩区役所企画課ではSDGsをテーマにした小学生の自由研究作品を8月1日から9月8日まで募集する。審査の上、表彰あり。

 いずれも詳細は多摩区のウェブサイト。問い合わせは同課【電話】044・935・3136。

県大会終了後、ゴール前で

小学生ハンドボール 生田HCBが全国へ

 小学生ハンドボールクラブ「生田HCボンバーズ」(多摩区)の女子チームが、7月31日(木)から京都府で行われる第38回「全国小学生ハンドボール大会」に神奈川代表として挑む。6月の県大会で優勝した。

 県決勝は一進一退の攻防を2点差で制した。「積極的な守りから走って点を取るチーム」と関口和之ヘッドコーチ。大和田弥生主将(生田小6年)は全国大会に向け、「一戦一戦全力で戦い、一つでも上の順位に上がることで、もちろん優勝を目指す」と意気込みを述べた。

説明に耳を傾ける児童

岡上小児童 願い込め大豆の種植え カジノヤが体験に協力

 市立岡上小学校(麻生区)の3年生の児童がこのほど、岡上の畑で大豆の種植えを体験した。

 地元で納豆の製造、販売を手がける(株)カジノヤの協力で毎年行われているもの。児童らは年間を通じ、種植えから枝豆観察、収穫などを体験し、納豆づくりについて学んでいる。

 当日、児童らは同社の小沢信宏さんの指導のもとで種植えを実施。一人一人に「津久井在来大豆」の種が配られ、1粒ずつ丁寧に植えていった。小沢さんは「昨年度は天候の影響で大豆の生育が悪く、収穫ができなかった。児童の皆さんも願いを込めて種まきをしたので、今年度はすくすく生長して、収穫ができれば」と話している。

ピアノを前に笑顔の小山さん

ピアノで全国の舞台へ 麻生小3年 小山さん

 麻生小学校3年生の小山蒼隼(あおと)さん(8)が、7月30日に都内で行われるヤマハジュニアピアノコンクールのグランドファイナルに出場する。

 ヤマハ主催で、15歳以下を対象に行われているもの。小山さんは満8歳以下の部に出場し、セミファイナルで優秀賞を受賞。全国大会にあたるグランドファイナルへの切符を手にした。「いい賞が取れてよかった」と笑顔を見せる。

 グランドファイナルでは課題曲と、自ら選んだ『真夜中の火祭』を演奏する。「かっこいい曲。細かいリズムが難しいけれど、バシッと決まると気持ちいい」。サッカーやプールの習い事にも通いながら、毎日練習を続ける。「順位関係なく、自分が納得できる演奏をしたい」とコンクールへの意気込みを語った。

東京都交響楽団の演奏会 「2つの四季」全楽章

 世界最高峰の音楽家たちが奏でる「四季」を堪能--。

 東京都交響楽団の弦楽セクションの精鋭たちが、現代の最も優れたバイオリニストのひとりとして活躍するシュロモ・ミンツと共に、ヴィヴァルディとピアソラ、2つの「四季」を全楽章演奏する。

 長きにわたり聴衆を魅了してきたミンツの円熟した音色と、愛弟子である及川博史を中心とした都響弦楽メンバーの洗練されたアンサンブルが織りなす至高の音楽体験。

 公演会場は小田原三の丸ホール(小田原駅徒歩13分)。8月11日(月・祝)、午後3時開演(午後2時開場)。全席指定4000円、18歳以下1000円、未就学児入場不可。同ホールのウェブサイト、イープラス他で発売中。

 詳細・問い合わせは小田原三の丸ホール【電話】0465・20・4152(午前9時から午後8時)。

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音楽で心を一つに 29日 はぐかふぇで

 障害があってもなくても音楽で心を一つに、と企画された「ココロのコンサート」が7月29日(火)、多摩区の生活介護事業所・はぐるま共同作業所(菅馬場1の19の24)1階の「はぐかふぇ」で初開催される。

 同所を運営する社会福祉法人はぐるまの会と、地域交流の場づくりを行う市民団体「マチノパズル」が協働する。入場無料。午前11時30分〜午後3時、不定期で同団体メンバーが生演奏する。詳細ははぐかふぇ【電話】044・299・6821。

高齢者講習のイメージ

丸子橋河川敷の利活用 川崎市 高齢者講習を開催 一部駐車場の無料開放も

 多摩川にかかる丸子橋河川敷(中原区)の利活用事業に取り組む川崎市は、新たな事業として河川敷の駐車場を利用した自動車の高齢者講習を7月14日から始めた。

 丸子橋河川敷ではバーベキュー利用者によるゴミ投棄などの問題が深刻化したため、2012年から河川管理者の国と川崎市、地域住民による連絡会で検討を重ねてきた。協議内容を踏まえ、一般のバーベキューを禁止のうえ実証実験を経て、2024年度からは市が公募で選定した業者がキャンプやバーベキューを事業として運営する方式を導入。季節ごとに河川敷での映画上映会や水上サイクリングの体験会なども開催した。

 新たにスタートした高齢者講習は、70歳以上の高齢者が免許更新の際に道路交通法で義務化されているもので、平日は閉鎖されてきた河川敷の約300台の駐車場スペース、約1万3千平方メートルを活用する。75歳以上の免許更新に必要な「認知機能検査」も受講できる。

 講習は平日のみで、料金は1時間で4千円、2時間で8千円。認知機能検査は1500円。申し込みや問い合わせは「たまがわ高齢者講習専門校」【電話】044・866・2665。

 講習実施日には80台分の駐車場を無料開放し、休憩所も開設する。駐車場の無料開放は10月までで、実績を踏まえて活用方法を決めるという。

4選を果たした牧山氏(20日、横浜市中区)

参院選 立民・牧山氏トップで4選 国民・籠島氏、自民・脇氏、参政・初鹿野氏が初議席

 第27回参議院選挙は7月20日に投開票が行われた。改選議席4に対して16人が立候補した神奈川県選挙区では、立憲民主党の現職・牧山弘惠氏(60)が73万1605票を獲得し、4選を果たした。国民民主党新人・籠島彰宏氏(36)、自民党新人・脇雅昭氏(43)、参政党新人・初鹿野裕樹氏(48)が初当選を決めた。3選を目指した公明党現職・佐々木さやか氏(44)は議席を失った。

立民・牧山氏 食料品消費税0%を

 トップ当選した牧山氏は「多くの方が物価高に苦しんでいることをまちを歩いて実感した。食料品の消費税を0%へ引き下げ、ガソリンコストの25円値下げを実現したい。生活に寄り添える政治を全うしたい」とあいさつ。選挙戦を通じ、排外主義的な主張が大きくなってきたことに対しては憂慮を示し、「世界情勢を鑑みると自由を重んじるあらゆる国と手を携えなければならないこの時期に間違ったメッセージを与えてしまってはいないか危機を感じている」と語った。

国民・籠島氏 手取り増への期待感じる

 籠島氏は元農水官僚。選挙戦では玉木雄一郎代表が何度も応援に入っていた。国民民主党は参院神奈川では初の当選。籠島氏は「『手取りを増やす』と訴え、多くの有権者からの期待を感じた。若い世代や年配者からの政治を変えてもらいたいとの思いが票になったのだと思う」と述べ、「海外にいた経験から日本と海外の賃金格差を感じる。これを埋めていくための持続的な賃上げを実行していかなければならない。農水省出身の経験を生かし、コメ政策の改革にも取り組みたい」と意欲を示した。

自民・脇氏 党への信頼取り戻す

 脇氏は神奈川県の元局長。選挙戦では小泉進次郎農水相や菅義偉元首相らが精力的に応援。18日には石破茂首相が横浜市緑区へ応援に駆け付けた。脇氏は「県庁を辞めてからの11カ月間、多くの人と話をして、この国を動かしているのは、それぞれの方の力と思いなのだと実感した」と感想を語り、「私に信頼を託していただいた県民に感謝したい。政治への信頼、自民党への信頼を取り戻せるよう、私にできることは成果で、結果で返す。それしかない」と決意を述べた。

参政・初鹿野氏 薄かった反応、次第に大きく

 初鹿野氏は元警察官。参政党への注目が集まる中、最終日の19日は、公示日に続いて神谷宗幣代表が2度目の応援に入り、横浜市港北区での応援演説に多くの支援者らが集まった。大接戦となった4議席目の当確が報じられたのは午前4時ごろ。関係者と抱き合って喜んだ初鹿野氏は「最初は街頭で話していても反応は薄かったが、次第に数十人、数百人と集まるようになった。(有権者は)減税などの経済政策や外国人政策に共感したのでは」と述べ、「愚直にやるべきことを一生懸命やっていきたい」と抱負を語った。

公明・佐々木氏 逆風で接戦に敗れる

 佐々木氏は初鹿野氏との接戦に敗れて議席を失った。落選の報を受け、「大変厳しい、逆風の中の戦いだった。私の力不足でこの接戦を制することができなかったことを心からお詫び申し上げたい」と支援者に陳謝。「国内外の課題、主に物価高を中心とした多くの国民が感じている不安を公明党はしっかりと受け止めて、もう一度原点に立ち返って、寄り添っていく必要がある」と前を向いた。

共産・浅賀氏 4度目挑戦も届かず

 共産党新人の浅賀由香氏(45)は4度目の参院選挑戦となったが、今回も及ばなかった。浅賀氏は選挙戦を振り返り、「消費税減税の財源を明確に示したり、外国籍の人のせいで生活が苦しくなっているわけではないことを、根拠を示しながら戦うことができた唯一の候補者だったと思う」とし、「自民党の裏金問題への反省のなさや物価高対策の遅れを指摘し、自公が議席を減らすことに貢献できた」と述べた。

 神奈川県選挙管理委員会によると、選挙区の投票率は60・30%で前回の2022年を5・79ポイント上回った。

子ども記者8人 「大師海苔」の謎に迫る 「川崎の歴史の本」企画

 「子ども記者」が川崎市内の歴史に迫るワークショップが7月21日、殿町小学校(川崎区)で開かれ、市内の小学5〜6年生8人が、このエリアの地場産業だった海苔の養殖について取材した。

 川崎市制100周年を記念し、市民に親しまれる新たな「市史」を作る「川崎の歴史の本」プロジェクトの一環。市民参加型の本づくりを進めており、「子ども記者」の取材内容も収録される。

 21日は「子ども記者」が殿町小を訪問。かつてこの地域は海苔と貝類の養殖場として発展したが、工業化とともに埋め立てが進み、工場排水による海の汚染も追い打ちをかけ、1971年に地域住民が漁業権を放棄。「大師海苔」の生産者が消滅した。小学校には当時の道具を集めた海苔資料室や生活道具を展示する郷土資料室があり、「子ども記者」たちは二つの資料室を見学。その後、この地域で生まれ育ち資料室開設に尽力した石渡美由喜さん(84)に、一人ずつ質問した。

 「海苔づくりのコツは?」の質問には、「程よい厚さに漉(す)く技術。みなさん努力したと聞く」と石渡さん。「海苔養殖が消えた理由は」の問いには、「海が埋め立てられて工業地帯になり、川崎が公害の街になったから」。記者たちは石渡さんの答えに耳を傾け、懸命にメモしていた。

 稗原小5年の男児は、「焼いたら『いい緑色』になるのがいい海苔と聞いて、なるほどと思った」。西丸子小5年の男児は、「川崎の海苔に関する資料は大切だと思った」と感想を述べた。

「夢パまつり」にぎわう 子どもも大人も泥んこ 市内外から1500人

 多様な子どもたちが集える社会教育施設「川崎市子ども夢パーク」(高津区)で7月21日、夏の恒例行事「夢パまつり2025 泥でつながる〜遊びのまっどぐち〜」が開かれ、子どもも大人も泥んこ遊びを楽しんだ。

 「子ども夢パーク」は2003年7月23日にオープンしたことから、その祝賀イベントとして毎年7月下旬に「夢パまつり」を開いている。

 今年も子どもたちが存分に泥んこになって遊べるよう、常設と特設の2本のウォータースライダーのほか、「泥遊びエリア」や「シャワーエリア」、紙製の魚を釣るコーナーなどを開設。最高気温が35度近い猛暑となったが、川崎市内外から親子連れなど約1500人が次々と来場し、子どもたちは我先にとウォータースライダーや「泥遊びエリア」で泥にまみれて大はしゃぎ。率先して泥んこになり歓声を上げる大人の姿も見られ、「夢パーク」を運営する認定NPO法人「フリースペースたまりば」の理事長・西野博之さんも泥の池に転がり、「気持ちいい」と堪能した。

 幸区から家族4人で来場した中山理子さんも、2歳の長男と一緒に泥遊びに興じたという。「大人になっても子どもと一緒なら、思いっきり泥んこになれる。このお祭りが毎年楽しみ」と話していた。

昨年10月に春日台公園で開かれたイベント

バスケゴールの利用調査 小田7丁目公園で実施 10月に川崎BT教室も

 2023年度に取りまとめた「公園等における若者文化施設等と連携した施設整備の考え方」に基づき、川崎市は小田7丁目公園(川崎区)にバスケットゴールを設置し、来年2月まで実証実験を続ける。

 市は地域の子どもや若者が日常的にスポーツに触れることができる街づくりを目指し、22年度から御幸公園(幸区)や鷺沼公園(宮前区)などで実証実験を実施のうえ、「公園等における若者文化施設等と連携した施設整備の考え方」をまとめた。

 以後はこの「考え方」をもとに、春日台公園(高津区)や虹ヶ丘公園(麻生区)など6カ所で仮設のバスケットゴールを設置のうえ利用状況を調査する実証実験を重ね、結果をふまえて順次、バスケットゴールを常設化してきた。

 小田7丁目公園は7カ所目の実証実験会場で、7月22日に移動式バスケットゴールが設置された。10月12日(日)には実験の一環として、川崎ブレイブサンダースアカデミーのコーチによる小学生向けバスケットボール教室を開催する予定だ。希望者は9月30日までに申し込みが必要(応募者多数の場合は抽選)。

 問い合わせは川崎市みどりの保全整備課【電話】044・200・2389。

十番坂(マンホールから先が急こう配)

区民記者が走る! vol.49 2025年 July 日本有数の急こう配を誇る坂道

 麻生区岡上5丁目から6丁目までの道の山側に、一番坂から十番坂と呼ばれる急こう配の坂道がある。テレビ番組で知り、興味がわいて訪ねてみた。

 どの坂道にも両側には住宅があり、日頃住民は徒歩で上り下りしている。特に五番と十番が急こう配だ。十番の勾配は22.3度(41%)とのことで、日本屈指の急こう配といわれる国道308号、奈良県の暗峠(くらがりとうげ)の40%を凌ぐ。舗装の滑り止めも途中から丸型から横線模様に変わり、両側には階段もあって工夫されていた。長さはせいぜい50メートルほどの坂道を、試しに上ってみたが、両足のふくらはぎがつりそうになり、下りは滑りそうで怖かった。

 最寄りは小田急線の鶴川駅。南改札口から1キロメートルの和光大学入口を通る道の左側に、坂の番号を示す看板があって分かり易い。健脚の方、一度訪ねられたい。

区民記者とは?

地域活動が盛んな麻生区で活動する団体にスポットライトをあてるために、麻生市民交流館やまゆりを運営する認定NPO法人あさお市民活動サポートセンターが中心となって、文章を書くことが好きな区民で活動しています。

コーチの指導でレースに挑戦する参加者

GO!GO!!フロンターレ

富士通スタで真夏のトレーニング!

 富士通スタジアム川崎で8月2日(土)、過酷なトレーニングイベント「Spartan SGX 真夏のガチンコWorkout2025」が開催される。世界最高峰の障害物競技、スパルタンレースのオフィシャルコーチが直接指導を行う。小雨決行。

 4歳から13歳対象の「キッズ部門」(40人、午後3時20分〜)と、14歳以上対象の「一般部門」(100人、午後4時30分〜)に分かれて実施。キッズ部門では、走る、跳ぶ、運ぶなどの多様な動きを取り入れたプログラムを用意。一般部門では、ランニングと10種のエクササイズを組み合わせたレース形式のユニークな競技に挑戦する。体力レベルに応じて、初級から上級まで3つのカテゴリーから選べるため、自分の限界に挑戦したい人から、レースの雰囲気を味わいたい人まで楽しめる。

 また、今回は初の試みとして、筋肉量や体脂肪量を詳細に測定できる「InBody測定会」も行われる。

 参加費はキッズ部門が1000円、一般部門は3500円〜4500円(川崎市民は割引制度あり)。申し込みは専用フォームから、8月1日(金)午後9時まで受け付け。(問)同所【電話】044・276・9133

画像は川崎フロンターレ