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公開日:2025.07.25

薬物乱用防止教室
気持ち一つに 啓発へ
有志連携 窓口など一本化

  • 麻生総合高校での教室の様子=提供

 小中学、高校生向けに行われている「薬物乱用防止教室」について、奉仕団体「川崎白百合ライオンズクラブ」(LC)や、麻生警察署などを中心とした麻生区の有志が、同区内で扱う教材や内容、主催者などを統一する動きを見せている。講師の依頼先などが学校によって異なり、学びの内容にばらつきがあったことから、区内の全小中学校にアンケート調査を実施。今年度は、その結果を踏まえた上で教室を開催することを目指していく。6月下旬には、区内の県立高校で教室が実施された。

 薬物乱用防止教室は、子どもたちに薬物乱用の危険性や影響を伝えるために行われている取り組み。一般的には警察や薬剤師などが協力して、講師を務めている。

 麻生区では各校からの依頼に応じて、同署や、薬剤師や保護司が所属する神奈川県薬物乱用防止指導員協議会麻生支部、同LC、柿生地区および麻生東地区社会福祉協議会などが実施しており、使用する教材や内容が各校で異なっていた。同LCのメンバーで薬物乱用防止教育認定講師の資格を持ち、今回の計画を主導した井上俊夫さんは、「どの地域もそうだが、学校によって内容がばらばら。よりベストなものを提供できれば」と意図を語る。

 井上さんは昨年7月に麻生区内全小中学校へ、アンケート調査を実施。薬物乱用防止教室開催の有無や、実施月・時間、依頼した講師の職種・所属団体などを聞き取った。その結果を踏まえ、同署の生活安全課や同支部、LCと共に、教材や開催時期などを相談しながら、昨年度、区内の市立小中学校や県立高校計6校で教室を試行した。

 検討を重ねた結果、同署と同LCが窓口を担当し、厚生労働省の作成した「STOP the 薬物!」という教材を用いることを決定した。井上さんは、「使用する教材は、小中高校生、それぞれを対象にしたものが用意されている。理解してもらわないと意味がない。台本やストーリーもしっかりしており、最新の情報が提供できる」と期待を寄せる。

 今年5月、麻生区内の小学校長が集まる会合で説明。6月23日には、県立麻生総合高校の1年生を対象に初めて教室が開催された。今年度以降、新たに決まった内容で、各校からの依頼に対応していく。

 井上さんは「今後、区内全校での実施を目指したい。ただ、一番の目的は子どもたちの理解を深めること。無理やりではなく、必要としてくれたところに行くというスタンスで実施していきたい」と展望を語った。

 麻生署生活安全課では、今回の取り組みについて「年間を通じて、麻生区教育担当、県薬物乱用防止指導員、白百合ライオンズクラブの方々と連携し、児童生徒に向けた薬物乱用教室を行い、低年齢化する薬物事犯を抑止していきたい」と話している。

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