鎌倉版【7月25日(金)号】

市役所移転計画 方針転換 分割案示す 市長が議会全協で報告

 鎌倉市役所の移転計画をめぐり松尾崇市長が7月23日、市議会全員協議会で市役所機能の分割移転案を報告した。これまでの全面移転案から方針転換し、現庁舎のある御成町に市長室や市議会など執行機関を残し、その他の部署を深沢に移転する案で、全員協議会では議員から賛否の意見があがった。

 市議26人全員が参加した同会で松尾市長は「大規模災害時にも継続的に業務ができる安心のまちづくりや、市民の居場所づくりのために必要」と新庁舎建設の意義を改めて示し、「本庁舎と新庁舎が両輪となっていく新案」と、分割移転について理解を求めた。

 同案について、移転反対派議員からは「場当たり的でとても容認できない。これまでの審議などで積み上げたものを飛ばして市民の声も聞かず決めている」「市長任期が3カ月程度しかない中、進退も示さずにこのような案を出すのは無責任」との声があがる一方、「現庁舎の利活用については市民の関心も高いので具体的に示してほしい」との声もあがった。

 市によると、御成町には市長室や市議会、共生共創部などを残し、現庁舎の建て替えや改修は今後検討する。その他の部署は深沢に移す予定で、今後は8月から市民への説明会などが開催され、意見を聞きながら移転計画の具体化を進めていくという。

 市役所は2017年に移転方針が示され、市西部の深沢に新庁舎建設が計画されたが、22年の12月議会で移転に必要な市役所位置条例改正案が否決された。一方、24年の12月議会では新庁舎等の基本設計に関する業務委託契約の議案は可決されている。

 今年4月に行われた市議会議員選挙で反対派の議員が伸長し、同派から中澤克之氏が議長に就任。中澤議長は市長選直前の9月定例会で市長が位置条例改正案を提出しても審議しない意向を示し、改正案可決の見通しが立っていなかった。

全国大会に出場するメンバー。左から滝口さん、松下さん、藤村さん、河田さん

深沢高校ライフル射撃部 6年ぶり全国の舞台へ 女子選手は初の出場

 県立深沢高等学校ライフル射撃部の4選手が、7月28日から31日まで広島県で開催される「第63回全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会」に出場する。同部からの全国大会出場は6年ぶり、女子選手は初。

個人・団体で出場権

 ライフル射撃にはエアライフルとビームライフルがあり、同校がエントリーしたのはビームライフル。ずっしりと重いジャケットを着用し、約4・5kgある光線銃を構え、10m先の的を狙う。

 神奈川県予選は6月14日、15日に伊勢原射撃場で開催され、男子個人戦で藤村憩(いこい)さん(3年)、滝口蒼太さん(2年)、女子個人戦で河田夢葵(こうだゆずき)さん(3年)が全国出場を決めた。さらに、松下拓夢さん(2年)を加えた3人での男子団体戦でも全国の切符を掴んだ。

 4人全員が入学後にライフル射撃競技を開始した。初めての全国を目前に、姿勢の安定性向上や集中力の持続、疲労の軽減、呼吸の安定などが見込める体幹トレーニングにも力を入れるなど、密度の濃い練習を続けている。

 全国に向けて藤村さんは「得点を底上げし、ファイナル進出を目指したい」、滝口さんは「上位40人に入り、JOCジュニアオリンピックを狙いたい」、河田さんは「支えてくれた家族に感謝の気持ちを込め、最後までやりきりたい」、松下さんは「予選以上の結果を出したい」と意気込みを語った。

神奈川県行政書士会鎌倉支部の支部長に就任した 西脇 裕子(ひろこ)さん 葉山町一色在住 61歳

興味持ったら邁進

 ○…3代続けての女性支部長は県行政書士会の中でも異色。他支部の会員にはよく「鎌倉は元気だね」と言われる。「より支部を活性化させる」ために研修会では若い人にも参加してもらえるよう、勉強だけでなく、懇親会にも力を入れ、コントを織り交ぜるなどの趣向を凝らしていく。「時間をかけても結果を出したい」と意気込む。

 ○…再婚を機に2011年に逗子に転居。そのタイミングで宅地建物取引士の資格を取得し、その後、夫の勧めもあり行政書士にも挑戦。2度目の受験で合格し、18年に開業した。高校卒業後、一般企業の総務、百貨店での販売接客、生命保険の営業、ライブハウス店長、宅建取得後は不動産会社といろいろな仕事に従事してきた。さまざまな引き出しを必要とする行政書士にとって「どの経験も財産」だ。

 ○…東京の下町生まれ。引っ込み思案の性格が、「小学校中学年くらいに何かが弾けて、教壇でピンク・レディーを踊る活発な子」に変身した。中学2年の時に一度、勉強につまずくが友人に触発され、1日10時間の猛勉強。「先生からやりすぎだと心配された」ほど。その甲斐あって第一志望の高校に入るも「勉強に飽きてしまい、化学で赤点取るような成績だった」と苦笑い。当時、進学しなかったが、探究心から現在、慶応大学通信教育課程に在籍。「かつて赤点だった化学の単位取得が自慢」と笑顔を見せる。

 ○…町の法律家といわれる行政書士は「困っている人の役に立て、感謝までされるやりがいのある」仕事。相談を受ける対象も広く、期待に応えられるよう、勉強の日々だ。忙しい中での気分転換は趣味の「さをり織り」。飽きずに何時間でも集中できる。自分を取り戻す大切な時間だ。

子どもの好きを発見 「しごとてん」8月22日から24日

 地域コミュニティーFMを運営する鎌倉エフエム放送(82・8MHz)が主催する親子向け夏の体験イベント「しごとてん2025in鎌倉」が、8月22日(金)から24日(日)の3日間、鎌倉市内各所で開催される。

 ANAや三菱電機、江ノ電、鎌倉紅谷など、市内外から多くの企業が参加する同イベント。当日は、MUJIcomホテルメトロポリタン鎌倉や鎌倉駅周辺などが、体験場所になる。

 主な対象は、鎌倉市内の小中学生と保護者。申し込みは7月25日(金)正午から。詳細や申し込みは、公式ホームページ(https://shigototen.studio.site/)で確認を。

由比ヶ浜海岸で花火を配布するニューコロのメンバー

学生がバイト代で花火配布

 高波と強風の影響で中止となった「第77回鎌倉花火大会」。中止の一報を聞き、「わくわくを絶やしたくない」と、菅野匠吾さん(21)と橋本玄さん(19)がバイト代で1千本の花火を購入。開催日だった7月18日、2人が所属する鎌倉が拠点の学生団体ニューコロンブスと防災普及学生団体Genkaiのメンバーとともに、海岸で無料配布した。

 学生たちの思いが届き、笑顔あふれるひとときになった。

人生聞いて小冊子に 聞き書きボラ養成講座

 これまでの人生の物語をその人の言葉で書き残す「聞き書きボランティア」の養成講座が、鎌倉市生涯学習センター(きらら鎌倉)で9月1日(月)と8日(月)の2回にわたり開催される。主催は、聞き書きボランティアの会「あしあと」。

 1日は聞き書きの目的や意義、話し言葉で書く練習。8日は書く技術を学び、ゲストスピーカーを招いての実践的な聞き書き練習を予定。講師は同会の廣中奈美代表が務める。

 両日とも午前10時から正午まで。対象は聞き書きボランティアに興味のある人や、自身の家族の物語を残したいと考える人。定員は先着20人。参加費は1000円。講座終了後には受講者が作成した聞き書きの添削あり。筆記用具や録音機材(スマートフォン、ボイスレコーダーなど)の持参が必要。

 申し込み・問い合わせは、メールkeicho-kikikaki@outlook.jpまたは【携帯電話】090・3877・9923へ。

別荘文化テーマの講演 29日 きらら鎌倉で

 鎌倉の別荘文化をテーマにしたシンポジウム&コンサートが7月29日(火)、きらら鎌倉ホールで開催される。参加無料。

 伊藤玄二郎さんによる基調講演「見える文化、見えない文化」と、坂野正崇さんによる「日本の伝統建築に宿る文化と技術」を実施。質疑応答あり。また、中島慶子さん(ピアノ)と青木敦子さん(バイオリン)によるミニコンサートも。午後6時から8時まで。

 旧前田邸を保存活用する会とNPO日本古民家保存協会の共催。(問)kamakura.rashisa@gmail.comまたは【携帯電話】080・8503・0870

亀井会長(右)とドリームフードカンパニー社のドゥルソ・リカルドさん

鎌倉駅前に「ソフィア・ローレン レストラン」オープン(株)ランドビジネスの亀井会長「洗練された大人な街」の発展に意欲

 イタリアが誇る世界的女優ソフィア・ローレンさんの名を冠したイタリアンレストラン「ソフィア・ローレンレストラン鎌倉」が7月24日、鎌倉駅前にオープンした。これに先立ち、18日にはメディア発表会が開催され、関係者らが鎌倉への熱い思いと、新たな門出への期待を語った。

 同レストランは、不動産や飲食、アパレル事業などを多角的に手掛ける株式会社ランドビジネス(本社/東京都千代田区)がライセンス契約を結び、国内第1号店として鎌倉に開店。同社の亀井正道代表取締役会長は、数十年前から鎌倉へ通い、「私にとって第2の故郷」と、鎌倉への深い愛情を明かした。

 その上で、「日帰り客が中心だった鎌倉を、世界中の人々が豊かな時間を楽しめる滞在型の街へと進化させたい」とビジョンを掲げた。今後の展開として、市内に飲食ビルやホテルの建設も計画していることを示唆し、「洗練された大人な街鎌倉」への発展に貢献していく意欲を示した。

大船署前で安全運転を呼びかける参加者ら

夏の安全運転訴え 大船警察署前で啓発

 夏の交通事故防止運動として大船警察署前で7月16日、同署や大船安全運転管理者会などによる啓発活動が行われた。

 この日は、警察署員や関係者ら約20人が参加し、同署前の鎌倉街道でのぼり旗やハンドプレートを掲げ、二輪車の事故防止やシートベルト着用、飲酒運転防止を呼びかけた。

 また、信号待ちの車両に警察官が声をかけ、啓発物品を手渡した。

 同署交通課によると、今年1月1日から7月21日までの同署管内の人身事故発生件数は91件(昨年同時期比5件増)。死者数は1人(同増減なし)。同課では「交差点での事故が多い傾向にある。時間と心に余裕を持って安全運転をしていただきたい」と話す。

4選を果たした牧山氏(20日、横浜市中区)

参院選 立民・牧山氏トップで4選 国民・籠島氏、自民・脇氏、参政・初鹿野氏が初議席

 第27回参議院選挙は7月20日に投開票が行われた。改選議席4に対して16人が立候補した神奈川県選挙区では、立憲民主党の現職・牧山弘惠氏(60)が73万1605票を獲得し、4選を果たした。国民民主党新人・籠島彰宏氏(36)、自民党新人・脇雅昭氏(43)、参政党新人・初鹿野裕樹氏(48)が初当選を決めた。3選を目指した公明党現職・佐々木さやか氏(44)は議席を失った。

立民・牧山氏 食料品消費税0%を

 トップ当選した牧山氏は「多くの方が物価高に苦しんでいることをまちを歩いて実感した。食料品の消費税を0%へ引き下げ、ガソリンコストの25円値下げを実現したい。生活に寄り添える政治を全うしたい」とあいさつ。選挙戦を通じ、排外主義的な主張が大きくなってきたことに対しては憂慮を示し、「世界情勢を鑑みると自由を重んじるあらゆる国と手を携えなければならないこの時期に間違ったメッセージを与えてしまってはいないか危機を感じている」と語った。

国民・籠島氏 手取り増への期待感じる

 籠島氏は元農水官僚。選挙戦では玉木雄一郎代表が何度も応援に入っていた。国民民主党は参院神奈川では初の当選。籠島氏は「『手取りを増やす』と訴え、多くの有権者からの期待を感じた。若い世代や年配者からの政治を変えてもらいたいとの思いが票になったのだと思う」と述べ、「海外にいた経験から日本と海外の賃金格差を感じる。これを埋めていくための持続的な賃上げを実行していかなければならない。農水省出身の経験を生かし、コメ政策の改革にも取り組みたい」と意欲を示した。

自民・脇氏 党への信頼取り戻す

 脇氏は神奈川県の元局長。選挙戦では小泉進次郎農水相や菅義偉元首相らが精力的に応援。18日には石破茂首相が横浜市緑区へ応援に駆け付けた。脇氏は「県庁を辞めてからの11カ月間、多くの人と話をして、この国を動かしているのは、それぞれの方の力と思いなのだと実感した」と感想を語り、「私に信頼を託していただいた県民に感謝したい。政治への信頼、自民党への信頼を取り戻せるよう、私にできることは成果で、結果で返す。それしかない」と決意を述べた。

参政・初鹿野氏 薄かった反応、次第に大きく

 初鹿野氏は元警察官。参政党への注目が集まる中、最終日の19日は、公示日に続いて神谷宗幣代表が2度目の応援に入り、横浜市港北区での応援演説に多くの支援者らが集まった。大接戦となった4議席目の当確が報じられたのは午前4時ごろ。関係者と抱き合って喜んだ初鹿野氏は「最初は街頭で話していても反応は薄かったが、次第に数十人、数百人と集まるようになった。(有権者は)減税などの経済政策や外国人政策に共感したのでは」と述べ、「愚直にやるべきことを一生懸命やっていきたい」と抱負を語った。

公明・佐々木氏 逆風で接戦に敗れる

 佐々木氏は初鹿野氏との接戦に敗れて議席を失った。落選の報を受け、「大変厳しい、逆風の中の戦いだった。私の力不足でこの接戦を制することができなかったことを心からお詫び申し上げたい」と支援者に陳謝。「国内外の課題、主に物価高を中心とした多くの国民が感じている不安を公明党はしっかりと受け止めて、もう一度原点に立ち返って、寄り添っていく必要がある」と前を向いた。

共産・浅賀氏 4度目挑戦も届かず

 共産党新人の浅賀由香氏(45)は4度目の参院選挑戦となったが、今回も及ばなかった。浅賀氏は選挙戦を振り返り、「消費税減税の財源を明確に示したり、外国籍の人のせいで生活が苦しくなっているわけではないことを、根拠を示しながら戦うことができた唯一の候補者だったと思う」とし、「自民党の裏金問題への反省のなさや物価高対策の遅れを指摘し、自公が議席を減らすことに貢献できた」と述べた。

 神奈川県選挙管理委員会によると、選挙区の投票率は60・30%で前回の2022年を5・79ポイント上回った。

鎌倉子ども文化体験 芸術館などで8月開催

 鎌倉市主催の「鎌倉の文化大はっけん」が8月14日(木)〜17日(日)、22日(金)、23日(土)に鎌倉芸術館と円覚寺塔頭「龍隠庵」で開催される。

 手作り甲冑や和楽器、落語、鎌倉彫、浴衣、茶道、座禅などを体験できる企画。東アジア文化都市事業の関連イベントもある。主な対象は小中学生。一部事前予約制(7月31日(木)締切)。

 詳細・申し込みは、鎌倉市芸術文化振興財団のホームページへ。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
迫力ある柔道の決勝

日頃の鍛錬を披露 大船警察署で対抗大会

 大船警察署の道場で7月16日、署内対抗柔道・剣道大会が開催された。

 日頃の鍛錬を競い合う同大会。約50人が参加し、3人1組のチームで熱戦を繰り広げた。

 柔道の試合では、力強い技の掛け合いで手に汗握る展開に会場から大きな歓声があがった。

 一瞬で勝敗が決する剣道の試合では、激しく打ち合う竹刀に視線が集まった。柔道では地域第一係が、剣道では地域第二係が優勝した。

 佐々木卓栄署長は「練習の成果を発揮してくれた。強い大船署として市民を守っていけたら」と話した。

鎌響が室内楽演奏会 8月2日 きらら鎌倉

 鎌倉交響楽団の第70回室内楽演奏会が8月2日(土)、鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉)ホールで開催される。午後1時30分開場、2時開演。入場無料(全席自由)。

 鎌倉市民によるアマチュア管弦楽団として1963年に発足し、定期的なコンサートなど幅広く活動する同楽団。今回の演奏会では、ドヴォルザーク「弦楽セレナーデ ホ長調作品22より」、ドップラー「アンダンテとロンド作品25」、バッハ「シャコンヌ(チェロ四重奏)」などを披露する。詳しくは同楽団・曽根さん【電話】0467・31・4380へ。

以前の様子(鎌倉小町商店会提供)

小町通りでぼんぼり祭り 8月2日〜13日

 鎌倉駅前の小町通りで8月2日(土)から13日(水)に「ぼんぼり祭り」が開催される。鎌倉小町商店会主催。

 期間中は、地域の子どもたちや住民らが描いたぼんぼりが通りを彩る。夜間点灯は6日(水)から9日(土)を予定。

市民活動に助成金 9月12日まで受付

 鎌倉市市民活動センター運営会議は、助成金事業「NPO支援かまくらファンド」の助成希望団体の受け付けを8月1日(金)から開始する。

 同ファンドは寄付などを原資に、鎌倉で活動する市民団体を資金的に支援するもの。

 応募資格は、まちづくりや福祉、文化、子育て、国際交流などの分野で活動する(または活動を始める)市民活動団体。事業規模は原則50万円以下とし、同一の事業に対する助成は2回まで。宗教、政治、営利を目的とするものは除く。

 書類選考の上、通過団体を対象に、大船駅西口のたまなわ交流センター2階で11月2日(日)、公開審査会を行う。助成金額は総額40万円(1件上限10万円)で5件程度。決定後11月に交付する。

 応募期間は9月12日(金)まで。応募に関する資料や申込書は、NPOセンターのホームページに掲載。(問)【電話】0467・60・4555