都筑区版【8月14日(木)号】

シニア×生きがいマッチング事業 知識や経験、地域で活かす 都筑区もモデル事業区に

 「人生100年時代」といわれ、60歳以上の人生が長くなる中、シニア世代の経験や知識、技術を地域の活動に還元してもらおうと、横浜市が推進するシニア×生きがいマッチング事業「よこはまポジティブエイジング」。昨年度に続き今年度も都筑区がモデル区の一つに選ばれた。

 事業は、シニア世代と地域の企業・団体が行う地域貢献活動をマッチングさせ、技術や経験を生かし、社会参加や課題解決、産業振興につなげてもらおうというもの。2023年度に金沢区、西区をモデル区として始まり、昨年度、都筑区が追加された。3区に加え、今年度は新たに青葉区、戸塚区、港南区、中区もモデル区として事業が実施される。

 参加希望者はまず、基礎講座(全3回)で活動に関する基礎を学んだ後、受講者のニーズに寄り添った「スキルマッチング」や企業・団体のニーズに取り組む「チームチャレンジ」に進む。活動期間は9月から来年2月まで。

 基礎講座は9月18日(木)、25日(木)、10月2日(木)。全日午後6時30分から8時30分。会場は日本丸メモリアルパーク訓練センター第1・2会議室。定員は各回60人で抽選。9月12日(木)締切。

 チームチャレンジは、基礎講座受講者を対象に10月9日(木)に事前講座あり。時間、会場ともに基礎講座と同じ。

 また事業開始に先立ちキックオフイベントが8月27日(水)、kosha33ホール=中区=で開催される。午後6時30分から8時。参加無料。株式会社グローコムの岡本純子代表取締役社長が「つながりの力」をテーマに、話し方のスキルについて講演する。

 基礎講座、キックオフイベント共に事前申込み制で左記二次元コードから。落選の場合のみ連絡。

 問合せは市健康福祉局【電話】045・671・3464。
左から空乃さん、月乃さん、陽香さん、優斗さん

都筑区茅ケ崎中央のモリシタダンススタイル 社交ダンス 「兄姉」・「妹妹」で日本一 年長ペアは世界選手権へ

 茅ケ崎中央のモリシタダンススタイルに通う赤瀬優斗さん(15・青葉区あざみ野在住)と吉崎空乃さん(14・中川在住)ペアと優斗さんの妹・陽香さん(11)と空乃さんの妹・月乃さん(11)ペアが、7月20日に中区で開催された社交ダンス大会「第20回オールジャパンジュニアダンススポーツカップ2025」で同時優勝を果たした。

 ジュニア社交ダンス最高峰の同大会。スタンダード部門は優雅でフォーマルな雰囲気、ラテン部門は情熱的でダイナミックな動きが特徴。同性同士の出場も可能で、2回の予選と準決勝を経て、決勝では6組が一斉に約1分半のダンスを披露する。

 優斗・空乃ペアは文部科学大臣賞争奪ジュニアラテン部門に出場。今大会と同様、世界選手権の代表選考会も兼ねた4月の大会でも優勝しており、ここで結果を残せば代表の座が見えてくる一戦だった。

 2人とも予選前から緊張が隠せない様子だったが、徐々にペースを取り戻し、決勝まですべて1位通過。決勝では終盤、体力が限界に近付く中、先生や両親の顔を思い浮かべて踊り切り、優勝をつかみ取った。優斗さんは「競技中は無我夢中だったが、上位入賞者が観客の前で踊る"オナーダンス"では皆の笑顔が見え優勝を実感できた」と振り返る。

年少ペアも堂々優勝

 陽香・月乃ペアは小学生4〜6年ラテン部門に出場し、こちらも決勝まで順調に1位通過。ラテン部門の前に行われたスタンダード部門では惜しくも2位に。その時敗れたペアと一緒に決勝に残った。「後悔しないよう練習の成果を出し切った」と陽香さん。月乃さんは「優勝とわかったらうれしくて抱き合った」と喜びをにじませた。

 優斗・空乃ペアはこれまでの実績を鑑み、11月にルーマニアで開かれる世界選手権の日本代表に選ばれる見込み。空乃さんは「代表に選ばれたら初心に帰って、挑戦者として世界に挑みたい」と意気込みを語った。

 両ペアを指導した森下晃さんと奈央さんは「上の2人は胸を借りるつもりで世界へ。下の2人も兄・姉の背中を見てより進化していってほしい」とエールを送った。
作品づくりに没頭する参加者

港北 TOKYU S.C. 廃材をアップサイクル 親子でアート作品づくり

 センター南の商業施設「港北 TOKYU S.C.」で8月2日と3日、サステナブルフェア「アップサイクルアートワークショップ」が開かれた。同施設とメイドインつづきの共催。

 地元企業や館内店舗から出た廃番品や布の端切れ、発泡スチロールなどを使い、アート作品をつくるワークショップ。身近な素材が作品に生まれ変わる体験を通して、環境やものづくりを学ぶことが目的。参加者らは「GREEN×EXPO 2027」の開催にちなみ「花」をテーマに、発泡スチロールのパネルに布を押し込んでつくる「発泡キメコミアート」の工作を楽しんだ。

 今回のワークショップで使用された発泡スチロールは約3・8kg。これにより、約11・78kgのCO2が削減された。

演奏・歌・ダンスで会場を魅了する出演者たち

ジャズとダンス共演 始まりと発展を再現

 つづきジャズ協会主催の「JAZZmeDANCE」が8月2日、ボッシュホールで開かれた。

 ジャズの始まり、ダンスと共に発展してきた史実を再現する公演。中村誠一さん(テナーサックス)と紗理さん(ヴォーカル)が親子共演し、華麗な演奏や歌を披露。さらに、戸山雄介さん(スウィングダンス)が躍動感あふれるダンスで観客を魅了し、会場に拍手が鳴り響いた。

商店街プロレス

イベント満載夜店市 8/20えだきん商店会

 えだきん商店会主催の「えだきん夜店市」が8月20日(水)、荏田東郵便局前広場(荏田東3の6の2)で開催される。午後3時30分から8時。

 模擬店や豪華景品が当たるビンゴ大会を楽しめるほか、大日本プロレスによる「商店街プロレス」やえだきんアイドル「EDK」のライブパフォーマンス、一時保育・さんぽによる人形劇「手裏剣しゅしゅしゅ」などがイベントを盛り上げる。

 駐車場なし。江田駅、都筑ふれあいの丘駅、仲町台駅からバスに乗車し「荏田南バス停」で下車徒歩5分。

人形劇で防災教育 津波襲来、その時ろう者は 9/6 ボッシュホールで『稲むらの火』

 四方を海に囲まれた地震大国の日本にとって、地震の際、常に警戒が必要な津波。最近ではロシアのカムチャッカ半島近辺で発生した地震の影響で日本列島にも長時間、津波警報が出された。

 津波が発生した際の早期避難の重要性は、東日本大震災や能登半島地震で理解は深まっていると思われるが、災害弱者となりうる人にどのように対応したらよいだろう。例えば耳が聞こえない人がいたら…

 そんなことを考えさせられる防災人形劇『稲むらの火』=写真=が9月6日(土)、ボッシュホールで上演される。午後2時から約1時間。

 公演は日本で唯一ろう者と聴者で活動する人形劇団デフ・パペットシアター・ひとみ。

 『稲むらの火』は、江戸時代に発生した安政南海地震で、津波が来ることを察知した主人公が、大切な稲むら(稲の束)に火を放ち、聞く耳を持たなかった村人たちを高台に逃がしたという実話をもとにした話。戦前から防災教育で取り上げられている。

 当日は人形劇の後、実際にろう者が災害に遭遇した際、どのように対応したらよいかの説明や災害を表す手話の紹介なども行われる。

 『稲むらの火』は全席自由で大人1000円、子ども(小学6年生まで)は500円。未就学児入場可。2歳以下の膝上鑑賞は無料。チケットはLINE、窓口または電話で。予約・問合せはボッシュホール【電話】045・530・5084。

 この日はボッシュホールと隣の全天候型広場を会場に「たのしくあそぶぼうさいアートランド」が開催される。

当選確実が報じられ花束を受け取る山中氏(8月3日、中区)

横浜市長選 山中竹春氏 大差で再選 実績を強調、得票率5割超

 任期満了に伴い、8月3日に投開票された横浜市長選挙は現職の山中竹春氏(52)が約66万票を得て再選された。自民、公明、立民の各党が支援し、4年間の実績を強調した選挙戦を展開。幅広い支持を集めて新人5人を圧倒し、得票率は5割を超えた。投票率は41・64%で前回を7・41ポイント下回った。

 選挙戦は山中氏の1期4年の市政運営を中心に子育て支援策や高齢化への対応などが争点となった。

 山中氏は、この4年間で中学3年生までの小児医療費無償化や待機児童ゼロを実現したことを強調。施策によって人口の転入超過や企業進出が進んだことを「好循環」とし、それを推し進めたいと主張していた。

 選挙期間中の活動は、経済界を中心にした山中氏の後援会を軸に自民、公明、立民の市議らが日替わりでサポートして進められた。3日、当選確実が報じられ、支援者に「4年間で作ってきた実績をさらに発展させ、横浜市をもっと良くする、さらなる成長軌道に乗せていく」と述べた。

 元長野県知事で2度目の挑戦となった田中康夫氏(69)は「半数以上が投票に行かず、自分ではない候補者が選ばれた。これが民主主義の結果」、起業家の福山敦士氏(36)は「今回を起点に活動を広げたい」、前市会議員の高橋徳美(のりみ)氏(56)は「満足できる戦いができた」、元会社員の斉藤直明氏(60)は「今後も地域の役に立つ活動をしたい」、野菜卸売業会長の小山正武氏(76)は「私の政策で市民の命を守れることが伝わらなかったのが悔しい」とそれぞれ語った。

 都筑区の投票率は44・04%(男43・66%、女44・41%)で、市議の補選が同時に行われた金沢区に次ぐ2番目の高さだった。投票率は18区すべてで前回を下回ったが、都筑区の減少幅は5・98ポイントで、最も少なかった。

手話講座であいさつする市聴覚障害者協会の小島理事長(左奥)

聴覚障害者当事者団体 手話施策推進法施行で支援充実を期待 横浜市へ通訳者配置増員を要望

 手話の習得や利用、文化の継承を促進する「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」が6月に施行された。これにより、国や自治体の責務が明確化され、手話施策の推進が図られることになった。横浜市は区役所への手話通訳者配置などの支援策を行うが、聴覚障害者団体からは通訳者配置の増員など、支援拡充を求める声が出ている。

 同法制定の背景には、2011年の障害者基本法改正で手話が言語と位置づけられ、神奈川県でも15年に「手話言語条例」が施行されるなど、全国で条例制定の動きが広がったことがある。

 同法は、手話習得機会の確保や通訳者養成、教育の充実や文化継承などを規定し、それを国や自治体の責務としている。

 横浜市によると、24年度末時点で、市内の聴覚・平衡機能障害の身体障害者手帳所持者は9361人。市は聴覚障害者支援策として、手話通訳者を中区役所と戸塚区役所に週2回、各3時間ほど配置する。さらに、全区役所に手話通訳者とつながるタブレットを設置し、行政手続きや相談を受ける体制を整備。市健康福祉局によると、24年度、区役所での手話通訳の利用は88件、タブレット利用は80件だった。

 聴覚障害者の生活課題解決や手話講座などを行う横浜市聴覚障害者協会の小島天(おじまたかし)理事長は、「昨年4月に改正障害者差別解消法が施行されたこともあり、企業が研修に手話を取り入れるなど、社会の認識が変わってきた」という。

「全区役所に配置を」

 同協会は毎年、市に聴覚障害者支援に関する要望を出しており、特に区役所への手話通訳者配置拡充を求めている。小島理事長は「通訳者がいることの安心感は大きく、全区に配置してほしい」と説明し、同法の施行を受けた対応に期待する。これに対し市側は「利用状況などを踏まえ、毎年協議している」という。

 市は通訳者の配置以外にも職員向けに聴覚障害者対応のガイドラインを示すほか、「市障害者プラン」の次期計画(27年度以降)にも施策を盛り込む方針で、法の施行を受けた対応を進めていく。
応募者全員にプレゼントされる下じき

市営地下鉄・バスのポスター募集 乗車マナーの向上に

 一般財団法人横浜市交通局協力会は小学生を対象にした「市営地下鉄&市営バス乗車マナーポスターコンクール」の作品を8月31日(日)まで募集している。

 募集テーマは「市営地下鉄・市営バスの乗車マナーを守ろう!」「緑あふれる未来にしよう。地下鉄・バスに乗って地球に元気を!」などから選び、標語は必ず入れる。

 応募用紙は市営地下鉄の各駅事務室、横浜市電保存館で配布中。八つ切りサイズの画用紙(各自で用意)を横向きに使用する。作品を市営地下鉄各駅か同館に持参すると、記念品として応募者全員に「市電写真&館内ガイドマップ下じき」をプレゼント。入賞作品は10月下旬頃に同会ホームページで発表され、地下鉄やバス車内などに掲示される。問い合わせは同会企画推進課【電話】045・315・6266。

6月の研修会の様子

横浜市医師会 看護師の復職をサポート 8月21日に研修会

 看護師・准看護師の復職を支援する研修会が8月21日(木)、横浜市医師会聖灯看護専門学校(JR鶴見小野駅1分)で行われる。主催は市医師会。

 10時〜12時30分の「技術編」は患者の訴えにあわせた症状観察について学ぶ「フィジカルアセスメントの基本」、13時30分〜15時30分の「キャリア編」は復職経験者の講話などを実施する(1講座のみの参加も可)。

 6月の研修会には延べ約30人が参加し「復職後を具体的にイメージできた」「不安や悩みが相談できてよかった」と好評だった。同研修会は10月23日(木)にも実施予定。

 市医師会の担当者は「医療現場の看護師不足は喫緊の課題。受講をきっかけに復職を前向きに考えてもらえたらうれしい」と参加を呼びかけている。

 参加無料、事前申込制で各回10人程度。(問)【電話】045・201・7362(平日9時〜17時)

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葡萄の匂いの防弾ガラス 川和町・平林功男さん

 1934年生まれの平林功男さんは、東京都大田区出身で現在90歳。7人きょうだいの3男。父は軍関係の仕事をしていおり、「軍功の『功』の字を付けたので、軍人にしたかったんじゃないのかな」と斟酌する。

 戦火が激しくなった1944年6月、静岡県の磐田村(現磐田市)に学童疎開した。小学6年生を班長に4年生まで約30人がまとまって親元を離れた疎開。平林さんは「楽しかった」と振り返る。

 寺の本堂で寝泊まりし、裏の学校へ通った。「木造の校舎だったがピカピカに輝いていた」という。磐田村は農業も盛んで食べ物も豊富。「人の気持ちも鷹揚で豊かだった」。砂糖がない時代だったが、村では当時サトウキビの栽培をしており、「おやつ代わりにしゃぶっていた」と懐かしむ。授業の後はチャンバラごっこで夜遅くまで遊ぶ毎日。「墜落した米軍機の防弾ガラスの破片をこするとぶどう味のドロップの匂いがした」と懐かしそうに手をこする真似をした。

 磐田には戦闘機のパイロットを養成する飛行場があり、通称「赤とんぼ」と呼ばれた練習機が、朝から晩まで飛行訓練をしており、それを眺めるのも日課だった。飛行場では、子どもは「日本の将来の宝」として見学や戦闘機への搭乗、お菓子を振舞ってくれることもあった。

2度目の疎開

 45年に入ると浜松の飛行場が標的になり、艦載機からの攻撃が激しくなった。麦踏みの手伝いをしていた時、米軍機が「地面に突き刺さるのでは」と思うほどの低空を飛行し、薬きょうをバラバラと落としながら通り過ぎていったことを強烈に覚えている。

 戦況の変化に伴い、学童疎開は再考を余儀なくされ、平林さんらは一度東京へ戻ることに。しかし、東京へ戻ると家は焼け、裏の小学校も燃えてなくなっていた。「疎開先に居てまったく思ってもいなかった。家族はどれほど怖い思いをしていたのか」と申し訳なさそうに述懐する。

 家族は近所の家を間借りして暮らしており、親戚のいる長野へ疎開することが決まった。その間も矢継ぎ早に空襲に見舞われる。磐田から戻ってから3度目の空襲のあった翌日、長野へ向かうため最寄りの蒲田駅へ向かったが駅は全焼。ただ電車は奇跡的に動いており、蒲田から東神奈川、八王子を経て、長野へ向かうことが出来た。

 長野では、手旗信号や伝令、足にゲートルを巻く訓練などを行い、雑草の中から食べられる草を探すことも教わった。戦況の悪化を肌で感じる毎日だった。終戦は4カ月後だった。

屋根を貫いた焼夷弾 新栄町・青木かな子さん

 現在85歳の青木かな子さんは1940年、長崎県佐世保市で5人きょうだいの3番目、次女として生まれた。

 海軍技師だった父の転勤で、佐世保から平塚の火薬工廠を経て、広島の呉に移り住む。父に出征の知らせが届いたのは44年の秋。「見送りのため、軍服を着た父と一緒に港へ向かう長い石段を歩いた。階段を一段降りるたび、腰にぶら下がっていたサーベルがぶつかる小さく鋭い音がしたのを今でも覚えている」。それが父との最後の思い出になった。その年の12月30日、空の骨壺を届けてくれた人から、フィリピンのマニラで帰らぬ人になったと知らされた。

 「お国のための名誉の戦死」を遂げた父のために、泣くことも許されず、毅然としていなければいけなかった時勢。「みじめな正月だった」と悲し気に振り返る。

 父の出征後に生まれた四女を含め母子6人は、母の実家の横須賀へ身を寄せることに。「凍えるほど寒かった」2月、汽車に乗って呉を離れた。「車内も寒く、窓に張った薄い氷を玩具で削って外の景色を眺めた。友人が持たせてくれた大きな玉子焼きを皆で食べた」ことなどを今でも覚えている。

「お芋は嫌い」

 横須賀では海軍施設のドックとガスタンクの威容さに度肝を抜かれた。「軍人一家だった」という横須賀の実家には、母のきょうだい一家も逃れてきており、多い時には30人ほどが身を寄せていた。

 東京や横浜に比べると大規模ではなかったものの横須賀も空襲の被害を受けている。焼夷弾が屋根を突き破り、畳廊下に着弾。すぐに家人が手当てをして、幸いにも火が燃え広がらず、事なきを得た。「今思うとぞっとする」

 母は固い生地のリュックを背負い、農家を戸別訪問し、着物などをジャガイモやカボチャなど食べ物と交換してもらった。「とにかく食べるものがなく、カボチャは種まで食べた。ひもじかった」と述懐。当時の反動で「今でもお芋は嫌い」と苦笑いする。

 8月15日。大人たちが電波の悪いラジオの前に集まり、耳を傾けていた。夏空を見上げ青木さんは「B29の飛ぶ音がせず『なんて静かな空なんだろう』と思った」という。戦争が終わったことを知り、素直に喜んだ。

 未亡人となった母が教師の職を得て、定期収入が入るようになったのは、終戦から5年が経過した頃だった。

 結婚し、2人の子どもに恵まれたが、戦争の話は学校の課題として孫に請われるまで、一切しなかった。孫には戦争経験者として「世界のすべての国々が戦争を放棄すれば、平和が実現するのではないか」とのメッセージを伝えている。

土足で上がり込んだ特高 新栄町・馬場史子さん

 新栄町の馬場史子さんは、1941年生まれの83歳。大阪・都島区で長女として生まれた。一家はその後、戦火が激しくなり、布施市(現在の東大阪市)に転居。45年1月には妹が誕生した。

 戦争は「凄く怖かった」体験が心に残る。

 空襲警報のサイレンが鳴ると家族は電気を消し、茶碗を伏せ、防空頭巾をかぶり、非常食代わりの炒り大豆を入れた袋を肩から掛け、防空壕へと急いだ。大人たちは防空壕の前に立ち、B29の行方を見守っていたが、戦火が激しくなり、民家の近くの防空壕も危険と判断すると畑の中で伏せ、布団を被ってやり過ごすこともあった。

 大阪も何度も空襲を受けた。特に淀川の支流をはさんだ反対側は激しい爆撃を受け、火の手が上がるのが見えたという。「今のうちにロウソクを用意しておかないと」と母はまだ4歳にもならない史子さんにロウソクの買い物を頼む。燃えさかる炎の方へ向かって出かけねばならず、玄関にしがみついて泣いていたら隣のおばさんが助けてくれ、出かけずに済んだ。

 父は、馬場さんが生まれる前の1930年代に、労働運動や反戦活動などで検挙され、6年半もの間、獄中生活を送ってた過去があった。そのため特別高等警察(特高)に目を付けられていた。特高は夜、突然家に押しかけてくることがあり、「父が留守だと、『帰るまで待たせてもらう』と上がり込んできた」という。馬場さんが夜、トイレに起きると、見知らぬ人が靴を履いたまま畳の部屋に上がり込み、火鉢の前に座っていることが。「母に『この人誰?』と聞くと、特高に『いいから子どもは寝てなさい』などと言われて。とても怖かったし、ショックでした」と幼い日の恐怖を語る。

父の思い

 馬場さんの名は「歴史を作り変える女性に」の思いを込めて名付けたと聞かされた。「父は『女性は大和撫子などといって淑やかに暮らすのが良いというが、本当の淑やかさとは、人の言いなりにならず、女性でも自分で考え、意見を言い、行動できることをいう。そういう女性になって欲しい』」と言ってくれた」。父の教えは「その後の自分の生き方に影響していると思う」と力強く語った。

 馬場さんは戦後、自分の子どもが小さい頃には8月15日になると夕方家の中の電気をすべて消し、戦争当時の思い出話を聞かせた。子どもたちは平和行進に参加したり、折り紙で鶴を折り、広島に届けてもらう活動なども行っている。
広島、長崎の原爆被害を伝えるパネル写真=提供写真

被爆の実相に触れる 8月14日から原爆パネル展

 新日本婦人の会都筑支部は8月14日(木)から都筑区役所1階ロビーで「原爆パネル展」を開催する。20日(水)まで。午前8時から午後10時。初日は正午から、最終日は午後3時まで。

 同支部は一日も早い"核のない地球"の実現を目指し、被爆の実相を忘れないでほしいとの思いで毎年パネル展を開催している。パネル展には広島の高校生が被爆者からの話をもとに制作した「被爆の絵」も多数展示される。

被爆ピアノを保管する矢川さん

県倫理法人会 「被爆ピアノ」で平和訴え 8月28日 港北区のホール

 (一社)神奈川県倫理法人会が、広島で被爆したピアノを使用する「ピースコンサート」を東急新横浜線・新綱島駅直結のミズキーホール(横浜市港北区)で8月28日(木)、開催する。午後5時〜8時。横浜市教育委員会後援。

 当日は広島市在住の調律師で被爆ピアノを保管する、矢川光則さんが参加。全国で平和の重要性を伝えるコンサートを行う思いを語る。また、同会に加入する県内音楽関係者などが多数ステージにあがり、明るく喜びに満ちた音色を響かせる。

 参加費3000円。定員400人(事前申込制/当日参加も可)。(問)同会【電話】045・315・2433(※14日〜17日は受付休み)

戦後80年ミニ展示 区図書館で17日まで

 都筑図書館では8月17日(日)まで、ミニ展示「戦後80年平和について考える」を実施。「戦争と平和」に関する本の展示を行っている。場所は児童書フロア。(問)同館【電話】045・948・2424

1回戦を勝ち、スタンドにあいさつする横浜クラブの選手や監督、コーチら

全日本少年軟式野球大会 横浜クラブが初戦突破 横浜市内中学の選抜チーム

 「中学生の甲子園」とも呼ばれる「第42回全日本少年軟式野球大会ENEOSトーナメント」が8月11日に横浜スタジアムで始まり、12日に登場した開催地代表の「横浜クラブ」は1回戦で静岡県の東海大学付属静岡翔洋高校中等部と対戦し、2―0で初戦を突破した。

 大会は全国12ブロックの予選を勝ち抜いた16チームによるトーナメント戦で争われている。神奈川県からは、相模原市の「相陽クラブ」と開催地代表の「横浜クラブ」が出場。横浜クラブは市内150校の中学野球部から選抜された選手で構成されている。

2投手の完封リレー

 試合は初回に横浜クラブが小島直輝選手(市場中3年)のタイムリーで1点を先制。4回にも相手のエラーで1点を追加。守っては先発の青木佑真選手(丸山台中3年)が東海大翔洋打線を5回3安打無失点に抑え、捕手の渡部海翔選手(市場中3年)が2、3回に続けて盗塁を阻止するなどして流れを作った。6回からマウンドに上がった2番手の仙水幸人選手(横浜隼人中3年)は最終回(7回)に満塁のピンチを招いたものの、最後までホームを踏ませず、完封リレーで勝利をつかんだ。

 横浜クラブの福元博紀監督(上永谷中教諭)は「戦術が浸透し、早い段階から準備ができていた」と語り、日頃は異なるチームで練習している選手たちの適応力を評価した。

2回戦は優勝候補の星稜と

 13日の2回戦の相手は石川県の星稜中学校。春の全国大会を制した今大会の優勝候補で、12日の1回戦は山口県の周南クラブを相手に13―0で大勝。球速140キロ以上を投げるエースの服部成選手は、相手打線を4回無安打に抑えており、福元監督は「服部投手の映像を見て研究してきた。相手も同じ中学生。無失点でいければ」と語り、2023年大会に続く優勝へ意欲を見せた。

横浜市教委 事件受けて設置した第三者委員会のサイト開設

 横浜市教育委員会は8月8日、市立小学校の教諭が性的な画像の撮影などで逮捕された事件を受けて設置した「児童生徒性暴力等の防止等に関する対策検討委員会」のウェブサイト(https://www.city.yokohama.lg.jp/kosodate-kyoiku/kyoiku/sesaku/jinji/fushoji/kentoiinkai/iinkai.html)を開設したと発表した。

 検討委員会は、子どもの心理や犯罪学、教育専門家ら5人の有識者が委員を務めている。サイトで委員会の概要や検討状況を市民に公開していく。

中学校長、盗撮疑いで書類送検

 市教委は同日、市立中学校の校長(65)が電車内でスマートフォンを使って女性を動画で撮影したとして、7日に戸部警察署から横浜地方検察庁に書類送検されたことを発表した。

 下田康晴教育長は「教育委員会として、教職員の不祥事の防止に取り組んでいる中、学校経営の責任者である校長がこのような事件を起こしたことは極めて遺憾であり、大変申し訳なく思います」とのコメントを発表した。

 小学校教諭の逮捕を受けた不祥事防止対策として、8月26日に校長を対象にした研修を行うことが予定されている。