多摩区・麻生区版【8月15日(金)号】
枡形山広場にある『輝け杉の子』像

枡形山杉の子像 学童疎開の記憶、今に残す 平和の誓い、地域への感謝

 多摩区の生田緑地内にある枡形山(標高84m)。その山頂の広場に、2人の子どものブロンズ像が立っている。向かって左には、遠方を指さす男児、右にはその先を共に見つめる女児。台座には、「『輝け杉の子』川崎市学童集団疎開四十周年記念像」と刻まれている。今から40年前に建立されたこの像は、戦争遺構の一つとして、川崎市の学童集団疎開の歴史を今に語り継いでいる。

 この像は、戦後40年を迎えた1985年、学童の集団疎開を受け入れてくれた地域への感謝と、平和への誓いを込め、川崎市教職員組合(川教組)を中心に、小中学・高校の校長会、PTA、川崎市教育委員会らで構成される学童疎開記念碑建設実行委員会により、枡形山と伊勢原市の大山の2カ所に設置された。台座を見ると男女の学童について「名状し難い困苦の中から祖国の再建を期する当時の幼い子らの姿」と記されている。

7千人が親元離れ

 学童疎開は、戦局が激化しつつあった44年6月30日に閣議決定され、全国の国民学校初等科の3年生から6年生を対象に実施された。重要な軍需工場が集中していた川崎市でも空襲が激しさを増していたため、市は7月28日に緊急校長会を開き、市内35校のうち24校、総勢7100余人の児童の疎開先を決めた。

 市外への疎開は11校約6千人。中でも、伊勢原市の大山地区には最多の9校約3200人が疎開した。大山が疎開先に選ばれたのは、緑に囲まれた立地で安全なことと、宿泊できる施設が多かったからだったという。

 一方、大島、桜本、小田、渡田の4校はそれぞれ柿生、生田、登戸・稲田、向丘・橘の川崎市北西部へ疎開。児童らは同年8月から順次地元を出発し、翌45年10月に終戦により「疎開解散」に至るまでの1年間、親元を離れ、寂しさと不安の中で疎開生活を送った。

児童の死 

 45年5月19日、疎開先の大山で悲劇が起きた。空爆を避けて疎開したにもかかわらず5年生の米須清博君が、山間部に投下された爆弾の破片を受け命を失った。この時、米須君の担任をしていた大山正幸さんは、戦後40年の節目を迎える前年の秋、「学童疎開に参加したひとりの教師として為すべきことをこの機会にしておきたい」と記念碑の建立について川教組に協力を要請。川教組が各方面に働きかけ、準備会を経て、実行委員会が組織された。

 事業を進める中で、石碑などではなくモニュメント像にする方向に。多くの児童を受け入れてくれた大山と、当時麓に桜本国民学校が疎開した鍛錬道場があった枡形山に像を設置する運びとなった。建設にあたっては、川崎市の補助金ほか、市民や教職員、各団体などから広く寄付を募り、1713万円余りが集まった。この資金を元に像を建立。8月に大山の阿夫利神社、10月に枡形山で除幕式を執り行い、同年11月には記念誌『輝け杉の子』を発刊した。像の制作を担った圓鍔(えんつば)元規さんは、この記念誌の冒頭で、「像は、疎開地にて父母を恋しく想い、故郷を遠くみつめている……一方、夢と希望を胸にいだいて未来をみつめているという、二つの想いを重ねつつ、少年の指先に思いを込めて制作しました」と綴っている。

 像の名称は、当時子どもたちが歌った「お山の杉の子」にちなんで、『輝け杉の子』と付けられた。

◆取材協力…川崎市教職員組合、諏佐裕子さん(川崎市退職女性教職員の会会長)、米田信一さん(川崎教育文化研究所顧問)

作品のコピーと賞状を手にする今村さん

生田小2年今村さん 国際児童画展で特別賞 川崎市内からは唯一

 神奈川県や海外在住、全国の外国人学校在学の子どもたちから作品を募集する「カナガワビエンナーレ国際児童画展」で、生田小学校2年の今村杏さんが特別賞を受賞した。作品は現在、横浜市内で展示中。来年3月末まで県内各所で巡回展示される予定だ。

 神奈川県と、県立地球市民かながわプラザが主催し、23回目を迎える同展。絵画を通じて子どもたちの夢や想像力を育み、互いの生活や多様な文化を理解してもらおうと企画され、今回は神奈川県と71の国と地域などから1万743点の作品が集まった。今村さんは特別賞にあたる(公社)2027年国際園芸博覧会会長賞を受賞。27年に横浜市で行われる国際園芸博覧会のために創設された賞で、川崎市内では唯一の特別賞受賞だ。7月に行われた表彰式に出席し、「前に出るときに緊張したけれど、賞状をもらえてうれしかった」と笑顔で振り返った。

 絵を描くのが好きな今村さんのために、母親の紗知さんがコンクールを探し、今回の応募に至ったという。募集テーマは自由で、今村さんが描いた作品は「みらいのいちごのそだてかた」。今村さんが考案したキャラクター「すごいこちゃん」がイチゴを育てているという絵で、一本の木からたくさんのイチゴが連なり、噴水や家なども描かれた色鮮やかな作品だ。「じょうろだけだと足りないから、水をあげるために噴水も描いた。おうちの屋根にはドアを付けて、イチゴが赤くなったら取りに行けるようにした」と説明する。

 生き物や動物、自然が好きで、工作も好きだという今村さん。紙粘土で動物を作ったり、その日の出来事や見かけたものを、何も見ずに絵に描いたりしているという。今年1月には、京都新聞主催の「お話を絵にするコンクール」にも入選。最近は絵本づくりなども始めた。紗知さんは「見る人をほんわかさせてくれる絵を描けるのがいいところ。好きなことをのびのび楽しんでやってくれれば」と話している。

県内を巡回展示

 作品は、8月31日(日)まで県立地球市民かながわプラザ「あーすぷらざ」(横浜市)で展示中。9月からは県庁を皮切りに県内13会場で巡回展が行われる。

 川崎市内では来年2月4日(水)から17日(火)まで、川崎市国際交流センター(中原区)で展示される予定だ。

多摩消防団の第8代団長を今春から務めている 井田 久さん 多摩区栗谷在住 62歳

感謝を忘れず、楽しい団に

 ○…生田・稲田の2分団9班167人で構成される多摩消防団を指揮する。市内で最も高い充足率を誇るが、定員の175人を目指し、目下の課題は人材確保。「団員には地域になじんで楽しく取り組んでほしい。活動しやすい環境づくりが自分の役目」と、消防機器の操作技術を競う区の操法大会を毎年から隔年実施に。競技のための訓練時間を減らすことで団員の負担を軽減し、代わりに区内で6月に初開催した総合訓練には多くの地域住民が見学に訪れ、団のPRにもつながった。

 ○…30歳の時に入団。多摩区の病院や宮前区の倉庫の大火災に出動し、弾けた危険物が飛び交う中で消火にあたったことが記憶に残る。初出動では訓練ではなく「本物の炎」と対峙し、「何とか消さなければ」という思いにかられた。「団員としての使命を感じる第一歩だった」と振り返る。

 ○…多摩区栗谷出身。工業系の高校、大学を卒業し、地元で父が興した「(有)井田博建築」に入職。現在2代目として多摩区内を中心に一般住宅の新築・リフォームを請け負っている。栗谷町会では成年部に所属し、祭りの設営や防災訓練の準備などに奔走する。生田小、中学校時代は野球少年だったが今はゴルフが余暇の楽しみ。ラウンドするだけでなく、地方に赴きご当地グルメを味わうのが醍醐味の一つだ。

 ○…若者からベテランまで顔ぶれは多種多様。「一定の規律は必要」との考えを示すが、それ以上に団の結束を支えるのは「全員が自分たちのまちは自分たちで守るという思いで活動している」こと。「一人一人がそれを理解しているから成り立っている」ときっぱり。加えて「大変な活動を楽しむには周囲の理解と協力が不可欠。団員のご家族に感謝している」と言葉に力を込めた。

選手からレシーブを学ぶ中学生

NEC川崎 中学生に直接指導 市内6校から93人が参加

 川崎市を本拠地とする女子バレーボールチーム・NECレッドロケッツ川崎は8月2日、NEC玉川事業場内体育館で「中学生バレーボール教室」を実施し、同チームの選手11人が市内6校の中学バレー部に所属する93人に直接指導した。

 同教室は、2012年度から同チームが実施する地域貢献活動の一つで、現役選手やコーチが部活動に励む子どもたちに指導している。

 今回、教室に参加したのは田島中(川崎区)、西高津中(高津区)、南加瀬中(幸区)、菅中(多摩区)、宮前平中(宮前区)、平間中(中原区)の6校の部員たち。1校に2、3人の選手らがつき、見本を見せたり、個別にアドバイスをしたりながら指導した。一通りの練習を終えた後は中学生対選手らで5点マッチのゲームを実施。ハンデとして、通常6人のコートを選手側は3人で守ることに。中学生は、選手の鋭いスパイクにもくらいつき、ラリーにつなげたほか、フェイントで隙を突き、得点する場面もあり、会場は大いに盛り上がった。その後行われた振り返りでは「狙ったところにサーブを入れるにはどうしたらいいか?」などの質問に、選手は「打ちたい方向に手のひらを向ける」など、時間の許す限り丁寧に回答した。

 田島中3年の永田小夏さんは「選手がわかりやすく教えてくれて、この日だけでも成長できた」と笑顔を見せた。地元出身の長谷部奈香選手は「中学生から元気と勇気をもらえて、明日からの練習も頑張ろうと思えた」と話し、自身も中学時代に同教室に参加したことがある甲萌香選手は「この教室は上達するきっかけにもなった。今後も地域のために続けたい」と期待を込めた。

水産物部のマスコットキャラクター©あつまれ! おさかなの海

北部市場水産物部 マスコット、愛称募集

 川崎市中央卸売市場北部市場水産物部が、魚市場や水産物に親しみを持ってもらおうと、マスコットキャラクターを作成した。8月2日の「さかなの日」イベントでお披露目され、現在、キャラクターの愛称を募集している。期間は9月12日(金)まで。採用者(最優秀賞)には、タラバガニとマグロ大トロ柵セットを進呈する。

 キャラクターのコンセプトは「市場で働く人に憧れたまねっこファッション」。大きな魚の帽子をかぶり、カニをモチーフにしたサロペット風のエプロンをつけた子どもの姿で、髪の色には川崎市のロゴマークの3色が使われている。

 応募の対象は川崎市在住・在学・在勤者。市ウェブサイトの当該ページ(https://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000177302.html)にあるフォームから、またはメール(k_hokusuikyo@outlook.jp)で応募事項を送るか、市場内の管理棟1階ホールにある応募箱に、応募票または応募事項を記入した紙を投函する。郵送も可能。

 応募事項や郵送先などの詳細はウェブサイトを参照。

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夏に楽しむ琵琶ライブ
夏に楽しむ琵琶ライブ
8月23日 「隠れ家たまり」で
麻生区の飲食店「隠れ家たまり」(高石1の11の1)で8月23日(土)、「百物語 ナカムラユウコ琵琶ライブ」が開催される。2014年から毎年夏に同店で行われて... (続きを読む)

思春期の子と向き合う 講座 岡上分館で

 麻生市民館岡上分館(麻生区岡上)で9月7日、および10月5日から11月30日まで、全6回の講座「思春期と向き合う保護者のためのガイド2」が開かれる。いずれも日曜日で、午前10時から正午。

 対象は小学校高学年・中学生・高校生の保護者。第1回の9月7日は昨年の公開講座のテーマを再講義。第2回の10月5日以降は連続講座。申込みは別となる。

 参加無料。定員先着20人(7日は30人)。希望者は8月15日(金)午前9時以降に、岡上分館のウェブサイトから申込みを。詳細・問い合わせは同館【電話】044・988・0268。

左から宇井萌菜さん、齋藤芽生さん、草刈夢渚さん、横川凛奏さん、柳堂みなみさん

中学女子 軟式野球 川崎出身5人、いざ全国へ

 市内で野球に励んできた女子中学生5人が、所属する軟式野球チーム「三鷹クラブW」(東京都三鷹市)のメンバーとして8月21日(木)から京都府で開催される「第10回全日本中学女子軟式野球大会」に出場する。

 5人は、麻生区・長沢中1年の柳堂みなみさん(若葉フレッシュリーブス)、同3年の横川凛奏(りんか)さん(同)、麻生区・王禅寺中央中3年の草刈夢渚(ゆめな)さん(王禅寺少年野球部)、中原区・平間中2年の齋藤芽生(めい)さん(上平間第三イーグルス)、麻生区・金程中2年の宇井萌菜(もあな)さん(みどり少年野球クラブ)。※カッコ内は出身チーム

 7月に全国へのステップとなる東京都女子中学軟式野球大会エリエールトーナメントを制した。柳堂さんはチームを「仲が良く個性を生かしながら勝つために一丸となれる」と評価。横川さんはけがで都大会では三塁コーチャーを務め、「メンバーが『絶対に京都に連れていく』と言って有言実行してくれた。すごくうれしい」と話す。草刈さんは「積み上げてきたことを出し切りチームで最後まで戦い全国制覇する」と意気込み、齋藤さんは「先輩が引っ張ってくれて波に乗ったら爆発するチーム。優勝一択」と抱負を語る。一塁手の宇井さんは「みんながつないだボールを確実に受け止める」。全国でも一丸となりウイニングボールを掴みにいく。
ライブを行う蓮見さん(左)と高橋さん

宿河原を元気に M&M 恒例のライブ

 デュオ「M&M」が8月3日、多摩区宿河原の飲食店「ポトス」で22回目のライブを行い、20人超が演奏に聴き入った。

 M&Mは、多摩区長尾で美容室杏里を営む蓮見正道さんと、ギタリスト高橋マコトさんのデュオ。宿河原のまちを盛り上げたいと、定期的にライブを行っている。

 今回は『見上げてごらん夜の星を』『男はつらいよ』など往年の名曲のほか、終戦の日を迎えることから、平和を願う気持ちを込めて選曲。加えて、郷愁を感じる曲などのリクエストにも応じ『オーバー・ザ・レインボー』や定番のオリジナルソング『M&Mのテーマ』など16曲を披露した。蓮見さんは「音楽を通じ、皆さんに元気に生活していただきたいという思いで毎回演奏している。今回も初心に帰って宿河原が盛り上がるよう気持ちを込めた」と思いを語った。

 次回のライブは12月7日(日)を予定している。
インタビューに応じる照屋さん

戦後80年 戦禍の記憶【9】宮前区平在住 照屋 真次さん(84) 沖縄戦で九死に一生 「教訓生かして」

 1945年3月末から6月末にかけて、日本軍と連合国軍が沖縄本土を中心に地上戦を繰り広げた。故郷の宮古島は地上戦こそ免れたものの、日本軍の飛行場が標的にされ、激しい空襲を受けた。

 母に手をとられ防空壕に逃げ込む際、隣を走っていた男性に機銃掃射の弾丸が当たった。「みんな自分たちのことで精いっぱい。誰も助けることができず、男性が背負っていた赤ん坊の泣き声だけが響いていた」。戦争は多くの一般市民を巻き込み、山のように積まれた死体を目の当たりにした。

 ある日、上陸作戦があるという噂が流れ、防空壕内はパニックに陥った。「米軍に発見されるのを恐れた兵隊が、泣き叫ぶ赤ん坊の命を絶とうとした瞬間、母が私の目を隠した」。5歳児にとって、戦争の残酷さは衝撃が強く、「戦後10年くらいは悪夢にうなされた」。昼夜となく相次いだ爆撃の記憶は、今も消えることはない。

 そして8月15日、終戦を迎えた。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び...」。防空壕の中で聞いた玉音放送は理解できなかったが、大人たちが笑顔で万歳している姿を見て、戦争が終わったことを悟った。「子ども心にうれしかった」と当時に思いを馳せる。

 米軍機が投下する「宣伝ビラ」を目にしたが、すぐに回収された。沖縄戦最大の悲劇「集団自決」や「対馬丸」の沈没の事実も、戦後になって初めて知った。「大本営発表は嘘ばかり。非国民と言われるので誰も反対できなかったのではないか」と回顧。沖縄戦では、多くの親戚が戦場へ駆り出された。「どうして死にに行くのに、万歳して喜んでいるのか不思議だった。時代のせいだと言えばそれまでだが、やるせない」と語気を強める。

 高校卒業後、専門学校へ進学するためパスポートを使って上京した。その後、沖縄は72年に本土復帰を果たしたが、国土面積のわずか約0・6%にもかかわらず、在日米軍専用施設の7割が集中している現状を憂う。「本土防衛を目的に捨て石とされた沖縄に、未だに多くの基地があるのはおかしい」。同胞の死を無駄にしないためにも、沖縄戦の教訓を生かしてほしいと願う。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。
県選抜大会の賞状を手に笑顔を見せる森さん

王禅寺中央中 森さん 200mで全国の舞台へ

 王禅寺中央中学校3年の森美悠(みゆう)さんが、8月17日(日)から沖縄県で行われる全日本中学校陸上競技選手権大会に出場する。

 森さんは、7月5日に行われた神奈川県選抜陸上競技大会に女子共通200mで出場し、25秒72をマーク。標準記録の25秒80を突破し、全国大会の出場資格を手にした。

 「専門の200m走での初速のコーナーのスピードは誰にも負けない」と自身の強みを話す森さん。23日に行われた全日本中学校通信陸上競技神奈川県大会では練習の疲れが溜まり、全力が出せなかったというが、「全国大会に向けてマッサージやウォーミングアップをしっかり行い、100%の力を出せるようにしたい」と前を向く。

 「指導してくださっている顧問の先生に恩返しできるよう、自己ベストを目指して頑張りたい」と意気込みを語った。

やまゆりクラブのユニフォーム姿の金井さん

女子中学軟式野球 県選抜 金井さん「日本一をとる」

 はるひ野中学(麻生区)3年の金井莉央さんが、女子中学野球の県代表チーム「神奈川やまゆりクラブ」のメンバーとして8月21日(木)から京都府で行われる「第10回全日本中学女子軟式野球大会」に臨む。

 中学に入って野球を始めた金井さん。「周りより経験も浅くセレクションでもミスをたくさんしてしまった。そんな中でも選んでくれてうれしかった」と代表入りに喜びの声を寄せる。

 右投げ左打ちで、外野を守る。持ち味は「足の速さ」。「セーフティーバントや盗塁が得意。ギリギリのフライも捕ることができる」と語る。加えて、「周りを笑顔にできるメンタル面」も自分の強みだ。

 「成功した時に全員で喜び合える。チャンスの場面で塁に出た時は、自分のことのように喜んでくれて、全員が楽しめる」と野球の魅力を語る金井さん。「全員で日本一をとる。自分の持ち味を生かして貢献する」と全国大会に向けて意気込む。

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書籍を手にする山田さん

川崎の在日コリアン史 初の通史出版 市民団体メンバーが執筆

 川崎の在日コリアンの移住から現在に至るまでの歴史をまとめた『川崎 在日コリアンの歴史-共に生きるまちを築いた人びと』(緑風出版)が出版された。市民団体「川崎在日コリアン生活・文化・歴史研究会」のメンバーが執筆。山田貴夫代表は「川崎の中で在日が差別社会を助け合いながら頑張ってきた歴史や二世、三世が反差別、人権活動を日本人と共に担ってきたことなどを書き残した一冊」と強調する。

 A5判219ページ、全4章で構成されている。各章の最初に設けられた概要では、在日全般が抱えていた問題について説明。その後の各節で川崎の出来事を紹介し、田島町、新田神社における朝鮮人保護収容、ドブロクを巡る川崎事件、戦後の池上町の変遷、日立就職差別裁判闘争、ふれあい館の設立などについて取り上げている。

 山田さんによると、これまでさまざまな研究者が川崎の在日コリアンについての論文を書いているものの、特定の時期や課題に絞られ、通史的に取り上げられたものがなかったと指摘。同書の出版の意義については「郷土史の中身を豊かにすることにもつながる」と語る。在日コリアンの地域通史は、大阪や兵庫に続くものとみられる。

 表紙カバーは、さくら小学校運動会で披露されるプンムルノリの演技の様子のイラストが描かれている。山田さんは「在日だけでなく日本人、ベトナム、ブラジル、中国、フィリピンの子が楽しみながら演技している。ここに多文化社会をつくるヒントがある」とも力を込めた。

 主要書店やインターネットなどで販売。価格は2700円税別。

公開講座のチラシ

音楽で鍛える免疫力 昭和音大が公開講座

 昭和音楽大学は、公開講座「モーツァルトで免疫力を鍛えるコツ」を、10月5日(日)に開催する。

 音楽療法特別講座として麻生区と共催で行われる。講師は湘南鎌倉総合病院院長で、同大客員教授の小林修三氏。モーツァルトの音楽を聴くことで、どのように免疫力が高まり、良い変化をもたらすのか、脳の構造や免疫の仕組みなどを含めて解説する。加えて、同大講師によるモーツァルトの曲目のピアノ演奏も予定。

 午後2時から4時まで。会場は同大南校舎(新百合ヶ丘徒歩4分)5階C511教室。受講料は一般1600円、麻生区在住・在勤者は1000円ほか。

 申込みは8月18日(月)から、開講の3日前まで、同大ウェブサイトなどで受け付ける。

 詳細・問い合わせは同大地域連携推進室【電話】044・953・9849。

スイカ割りに挑戦した児童

セレサモス 農にふれた2日間 体験教室に多くの人出

 JAセレサ川崎の大型農産物直売所「セレサモス」で8月2日と3日、親子向けの農業体験イベントが行われた。

 「セレサモス☆キッズサマーフェスタ」と銘打たれたイベントは、JA事業のPRや都市農業の魅力発信、地域とのつながり強化などが目的。2日に開催された麻生店では、多くの親子が、スイカ割りやエダマメすくい、多肉植物の寄せ植えなどを体験し、市内の農業の一端にふれた。ミニ縁日を楽しみ、プロのゴールでフリースローに挑戦する姿も見られた。

 来場者は「子どもが楽しめるイベントがたくさんあって、夏のいい思い出になった」と話した。

水と空気圧を利用しロケットを飛ばす参加者

少年少女発明クラブ ロケット自作 飛距離競う

 川崎北部少年少女発明クラブ(上森規光会長)の「ペットボトル水ロケット飛翔コンテスト」が8月1日、県立向の岡工業高校(多摩区堰)で開催された。工作や科学実験を通じて創造力などを養う活動に取り組んでいる同クラブの恒例行事で約40人が参加した。

 参加者は1・5リットルペットボトルの空容器を組み合わせて高さ50cm程度のロケットを製作。そこに350ccの水を入れ、6・5kgの空気圧をかけて校庭で打ち上げ、飛距離を競った。

 飛距離は同校のボランティア生徒が計測器でミリ単位まで計測。生徒により好記録が読み上げられると歓声が上がった。横浜市都筑区から初めて参加し、トップバッターで好記録を出した鈴木遥馬さん(小学4年)は、「水しぶきで一瞬ロケットを見失って、見たらもう遠くにあった。先っぽを少し重くするため、ビニールテープや針金を巻いて微調整するのが大変だった」と話した。

 この日は、台風の影響で途中から雨が降り出しコンテストは中止に。36人がロケットを作ったものの、20人は飛ばすことができなかった。同クラブの上森会長は「当クラブの会員に加え、一般募集の子たちも多数参加してくださった。雨が強くなったため、打ち上げは半分の子たちしかできず、イベントとしては無念の結果になった。打ち上げが叶わなかったロケットを飛ばす機会を検討している」と述べた。

多摩市民館 市民自主学級 定年後、どう過ごす 8月15日から募集開始

 多摩市民館の市民自主学級「人生100年時代元気で楽しいシニアライフ講座」が10月4日(土)から11月29日(土)まで、全6回の日程で開かれる。午後1時30分〜3時30分。実施は多摩市民館。企画運営は多摩シニアライフ研究会。

 人生100年時代にふさわしいシニアライフについて学び、活動実施の機会づくりとする。受講生を8月15日(金)午前10時から募集する。参加費無料。定員先着30人。

 問い合わせ・申込みは同館【電話】044・935・3333。

川崎市子ども会議 夏合宿で楽しく議論 「時間かけて話し合えた」

 川崎市の課題を子どもたち自身が考える「川崎市子ども会議」の夏合宿が、8月2日と3日の2日間、「川崎市青少年の家」(宮前区)で開催され、小学4年生から高校3年生までの計23人が参加した。

 子ども会議の夏合宿は、毎月の定例会議よりもリラックスした雰囲気で議論し、レクリエーションを通じて子ども同士が交流を深める場として毎年開催されてきた。コロナ禍の間は中断したが、一昨年に再開した。

 今年度の子ども会議では、かねて市職員などの大人が決めてきた会議の進め方や議題などを、できる限り子どもたちが決めることに。今回の合宿も、議題やレクリエーションの内容を、子どもたちが考えて決定した。

 話し合いの時間では3チームに分かれた。「本音を言えない子が発言しやすくなる方法」を話し合う「交流チーム」と、子ども会議のテーマ候補だった「きれいなまちづくり」に取り組む方法を考える「環境チーム」、そして子ども会議の拡大版「カワサキ☆U18」の今後の進め方を考える「U18チーム」が、それぞれ白熱した議論を展開した。

 「環境チーム」は会場となった「青少年の家」の職員に、「ごみのことで一番困ること」をインタビュー。通行人のポイ捨てやごみの分別など、職員からの具体的な回答をホワイトボードに書き出し、対処方法を話し合っていた。

 最も人数が多かった「交流チーム」に参加した中学1年の女子生徒は、約2時間の議論を終え、「かなり時間がかかったけれど、みんなで細かいことも意見を出し合って、しっかり話し合えたと思う」と満足げ。中学1年から子ども委員を務める高校3年の女子生徒(麻生区)は、「子ども会議に参加できるのも今年で最後。みんなをリードしつつ、合宿の楽しい雰囲気を楽しみたい」と話した。

ふるさと納税寄付受入額 川崎市 過去最高の26億円 流出額も拡大、138億円に

 川崎市は8月1日、2024年度のふるさと納税寄付受入額が過去最高の約26億円に達し、全国の自治体中91位となり、初めて「トップ100入り」したと発表した。一方で継続的な課題だったふるさと納税制度経由の市税減収額も歯止めがかからず、約138億円と過去最大だった。

 市によると、24年度のふるさと納税寄付受入金額は23年度より約10億円多い26億円となり、全国の自治体1741市町村の納税寄付受入額の順位でも91位と、前年度の153位から大きく順位を伸ばした。

市長「奪還」を表明

 ふるさと納税の返礼品競争の激化に伴い、川崎市は「市税流出額」にあたる市税控除額が全国トップクラスとなる一方で、寄付受入額が伸び悩んでいた。そのため福田紀彦市長は昨年4月の記者会見で「本格的に取り組み、流出分を取り返したい」と述べ、「税収奪還」に向けた決意を表明した。

 24年度から市ではふるさと納税関連の担当者を増やして全庁的な取り組みを続け、ふるさと納税ポータルサイトを3サイトから14サイトに増やし、いわゆる「4大サイト」も網羅した。返礼品も約400品から倍以上の約850品に増やし、「藤子・F・不二雄ミュージアム」(多摩区)の来館者を登戸駅から運ぶ直行バスだった「バス小型車」を返礼品とするなど、話題づくりにも力を入れた。

 市によると、物価高の影響でトイレットペーパーや洗剤などの日用品を返礼品として選ぶ納税者が急増したことに加え、新規に返礼品に加えた電化製品が、増収額を支えたという。中国の家電メーカー「ハイセンス」の日本法人「ハイセンスジャパン」(幸区)の家電製品を返礼品に加える際には、製造拠点が海外でも企画や設計が市内であれば「地場産品」として返礼品にできる仕組みを利用した。

「さらに体制を強化」

 一方で、ふるさと納税制度で市外に流出した市税減収額は、前年度から約15億円増の約138億円。寄付受入額との差額は5億円増の約112億円となり、こちらも過去最高額だった。

 市は「受入額の増収は体制を強化し、返礼品の充実に取り組んだ結果。今年度はさらに組織体制を強化し、市場分析や中長期的な戦略検討を進めていく」としている。

文化公園のイメージ(上下とも。DeNA提供)

アーバンスポーツ新拠点 「文化公園」9月に始動 スケボー用設備を新設

 川崎市が「若者文化創造発信拠点」として京急川崎駅前に整備した「カワサキ文化会館」の閉館に伴い、新たな拠点となる「カワサキ文化公園」が9月21日(日)にオープンする。バスケットコートやダンススタジオなど「文化会館」の機能に加え、BMXやスケートボードの設備など、機能を拡充するという。

 バスケットボールやダンスなどを楽しめる空間として地域に定着した「カワサキ文化会館」は、地域の再開発事業のために9月の閉館が決まっている。そのため川崎市は昨年6月に新たな拠点として幸区内の国道用地への移設を決め、今年6月には新拠点を運営する事業者を(株)ディー・エヌ・エー(DeNA、本社・東京)に選定。同社が新施設の整備を進めていた。

著名選手も練習に

 DeNAの担当者によると、「カワサキ文化公園」は約1660平方メートルのスペース内に、屋根付きのセンターコートなど3種類のバスケットエリアと、1度に3人がスケートボードを楽しめる専用設備「ランプ」などを整備する。

 ダンスやブレイキンなどの練習ができる屋内ダンススタジオは大、小3種類の空間を整備し、大スタジオは一部をガラス張りにするため、中の様子が見られる。担当者は「『文化会館』には著名選手もよく練習に来るので、施設全体のアピールにつながると思う」と期待を込める。

 同社は現在、男子バスケットボール・Bリーグ1部の川崎ブレイブサンダースのアリーナを中心とする複合施設の開業を目指す「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」に関しても、京急電鉄と共に事業を推進している。担当者は「5年後の新アリーナの開業を見据え、バスケはもちろんBMXやダンスなど、川崎のアーバンスポーツカルチャーを醸成する拠点にしていきたい」と話している。

国境を越えて楽しくプレー

GO!GO!!フロンターレ

ベトナムでサッカー教室開催!

 川崎フロンターレは7月4日〜6日、ベトナム中部の都市ダナンで行われた「ダナン市日越文化交流フェスティバル2025」に参加し、サッカー教室を開催した。

 サッカーの普及と、アジアにおける同クラブの認知度向上を目的としたもので、今回で7回目。5日に行われたサッカー教室には、地元の小学生75人が参加。同クラブのスクール・普及コーチの指導のもと、ドリブルやパスといった基礎技術の練習や、試合形式のトレーニングで汗をかいた。同日の夕方には、ベトナムプロサッカーリーグ所属の2チームなどとフロンターレのコーチ・スタッフが、7人制の日越サッカー親善試合を実施し、交流を深めた。

 6日はダナン市内にある児童養護施設「SOS村」を訪問。1週間前から同クラブの訪問を楽しみにしていたという30人の子どもたちと、試合を行った。現地の担当者は「これからもベトナムの子どもたちが少しでも笑顔になるような取り組みを継続していきたい」と力強く語った。

画像はいずれも川崎フロンターレ