伊勢原版【8月29日(金)号】
斉藤プロと喜びを分かち合う松田さん(右)

松田寿夏さん 全中選手権を制覇 伊勢原ボウル教室に所属

 伊勢原ボウリングセンターの教室に通う松田寿夏(ことか)さん(海老名市立今泉中2年)が、8月2日まで愛知県で開催された「第49回全日本中学ボウリング選手権大会」で優勝。小学5年生以来、2度目の世代日本一を成し遂げた。

 5月に行われた全日本選手権の県予選会で上級生を破って優勝し、全日本大会への出場権を手にした松田さん。全日本大会には地方予選を勝ち抜いた約70人が出場した。

 大会は予選9ゲーム、決勝3ゲームの計12ゲームで競われる中、予選を勝ち抜き決勝に進んだ。迎えた決勝では2ゲーム終わって4位と出遅れた松田さん。後がない最終ゲーム、有力選手が得点を伸ばせなかったのに対し、松田さんは徐々に差を詰め、最後の10フレーム目で逆転し優勝。わずか4点差だった。

 「素直にうれしい。途中であきらめかけたが、憧れの高校生のお姉さんたちの声援に後押ししてもらい、自分の力を出すことができた」と笑顔で喜びを語る。しかし決して浮かれることなくすでに前を向き、次の戦いに目を向けている。

 今後の課題についても「今回は皆の応援のおかげで勝てた。これからは自分のポテンシャルを最大限引き出せるようにしないといけない。そのためにも、試合中どんな場面でも前向きになれるよう、メンタルを強化したい」と語る。

姉の影響で8歳から

 8歳からボウリングを始めた松田さん。現在は週に4日ほど、伊勢原ボウリングセンターに通い、斉藤琢哉プロから指導を受ける。練習では体の可動域を広げるためのストレッチも欠かさない。自宅でもストレッチやインナーマッスルのトレーニングなどが日課だという。斉藤プロは「試合に対する研究や対策、練習量は他と比べて群を抜いている。それが今回の優勝につながった。まだまだ伸びしろはある」と期待を寄せている。

頼りになる父のアドバイス

 勝利の支えになっているのは父、竜也さん(48)の存在も大きい。竜也さんは選手経験はないが、愛娘のためにボール選びやボール表面の研磨などのメンテナンスを学びサポートを行っている。仕事終わりには練習に付き添い、アドバイスを送り「ボールを約40個揃えている。その日のコンデションやレーンの状態によって使うボールが違う。試合はボール選びから始まっていると言える」と話す。

 9月にはプロも参戦する山梨レディースオープンを控える松田さん。「上位入賞し、名前を覚えてもらいたい」と意気込みを語る。
伊勢原市危機管理課の相原課長

伊勢原市 防災を「自分ごと」に 市LINE公式アカウントを活用

 伊勢原市では、地震や土砂災害、水害といった地域特有の災害リスクに対し、企業や市民と連携した防災体制の構築を進めている。9月1日の防災の日を前に、市の危機管理課の相原康一課長に、市民との連携や災害への備え、今後の展望について話を聞いた。

多様な情報伝達で「誰一人取り残さない」

 災害時の情報伝達は、命を守る上で不可欠だ。伊勢原市は、従来の防災行政無線に加え、市のLINE公式アカウントを積極的に活用している。2025年4月から、LINE公式アカウント内の防災・災害に関するコンテンツを拡充。避難所の開設状況や混雑状況をリアルタイムで確認できる避難所のマップに加え、8月からは防災行政無線の放送履歴も14カ国語に対応した。

 さらに、聴覚障がい者向けにはファックス送信にも対応。高齢者を含む要配慮者向けには電話での個別連絡など、情報弱者に配慮した情報提供体制を模索しているという。

官民連携で広がる防災ネットワーク

 伊勢原市は、災害時の迅速な対応を可能にするため、民間企業との協力協定を積極的に締結している。日産自動車関連企業との協定では、災害時に電気自動車(EV)から電力を供給する体制を構築し、避難所での電力確保を可能にする。また、(有)アサノビル(アパホテル)や(株)アマダとも、災害時の滞在施設に関する協定を結んでいる。これらの取り組みは、市の独自の連携であり、災害時の課題を民間企業の力で補完する狙いがある。

 また、内閣府が開発・運用している「新物資システム」の運用が4月から開始され、伊勢原市も加入している。大規模災害時に国、地方公共団体、民間事業者などが連携し、被災者への迅速な支援の実現が期待されている。

災害ボランティア育成と「共助」の強化

 伊勢原市は、「公助」に加え、「自助」「共助」の重要性を強調し、市民の防災意識を高めるための施策を講じている。

 その一つが、災害ボランティアの育成だ。地域の防災訓練や講演会などを通じて、市民が主体的に参加する機会を増やし、災害時に助け合える関係性を築こうとしている。しかし、自治会の役員が1年で交代してしまうなど、リーダーを長期的に育成していく上での課題も残る。

 市危機管理課が懸念しているのは、「市民が防災を『自分ごと』として捉えきれていないこと」だという。相原課長は「どれだけ整備が進んでも、市民の関心がなければ意味がない。近年は、複合的な災害リスクが増加しており、地震と台風が同時に発生するなどの事態も想定される。新たな脅威に対応するためにも、市民一人ひとりの防災意識の向上が不可欠」と話してる。

 市民が防災情報を得るための身近な入り口として、伊勢原市LINE公式アカウントの登録を促し、まずはそこから防災への関心を高めてもらうことが、今後の重要な課題となっている。

いせはら観光ボランティアガイド&ウォーク協会の会長をつとめる 蔦本 明さん 岡崎在住 78歳

皆に楽しんでもらいたい

 ○…「観ボラ」の愛称で親しまれている「いせはら観光ボランティアガイド&ウォーク協会」。毎月さまざまなウォークイベントを企画し、予約不要で誰でも参加できることから、市内外から多くの参加者が集まる。現在は30人ほどの役員を中心に130人超の会員が登録。9月30日(火)には日向の彼岸花と古寺を巡るウォークを企画している。「コロナ禍で参加者が減少したが、徐々に戻りつつある。課題は会の高齢化」と話す。

 ○…長崎県佐世保市出身。地元の佐世保重工(株)に入社し2年後には東京の本社に転勤する。本社では労働組合の支部長などを任され、その後訪れる造船不況のあおりを受け、労組の支部長という立場上、人員整理問題の矢面に立つことに。「親と同世代の人の相談を受けることに苦しくなり転職した」と振り返る。

 ○…観ボラに入会したのは15年ほど前。孫の誕生を機に、娘夫婦が暮らす伊勢原に移り住んだことがきっかけ。「定年退職し時間があった。伊勢原を知りたくてウォークに参加しているうちに誘われた」とほほ笑む。5月の役員会で推薦され会長に就任。「断る理由がなくて」。ガイドのため花の名前を覚え、日向薬師や大山寺などが所蔵する仏像に興味を持ち、自ら交渉して写真に納め、ガイド資料を作成した。

 ○…雨岳ガイドの会で副会長も務めるなど多忙な毎日を送る。「現役の時より忙しい。予定がないのは月2〜3日」。取材の途中にもイベント依頼の着信が。熱中症や転倒事故など万が一に備え、ガイドのスタッフを増員。役員らに向けたAED講習会も検討中だ。「役員らの危機管理への意識が高まっているのは良い事。参加者の皆さんに楽しんでもらえるよう、会の整備につとめたい」と意気込む。

AI時代を生き抜くために 高田ゲンキさんが新刊を出版

 平塚市出身で東海大学を卒業し、現在ドイツ・ベルリンを拠点とするイラストレーター・漫画家の高田ゲンキさん(48)が、フリーランスに関する2冊の本を続けて出版。8月5日に共著で出版した『フリーランスの法律の話』に続き、9月8日には満を持して自身が執筆した『マンガでわかる!フリーランスの生き残り戦略 AI時代に20年稼ぎ続けるクリエイターになる方法』が発売される。

 高田さんは、2004年にフリーランスのイラストレーターとして活動を開始し、2012年にドイツに移住。メディアを問わず幅広く活動している。AI時代を生き抜くための戦略を自身の経験を基に語った。

 『マンガでわかる!フリーランスの生き残り戦略』は、フリーランス向けのマッチングサイトでの連載を大幅に加筆・修正した書籍。特別な才能やコネがなくても、フリーランスとして長く活躍するための実践的な知見を、漫画形式でわかりやすく解説している。

 AI技術の発展により、「今まで曖昧だったプロとそうでない人の境界線が明確になった」と高田さん。AIに代替されないためには、一つの分野に特化する「専門性」と、複数のスキルを掛け合わせる「シナジー」が重要だと強調。「自分の場合であれば、イラストという軸を持ちながら、漫画、動画と発展させていくことで深みが生まれ、新たな仕事を生み出す」と、動画配信をきっかけにAdobeのチュートリアルを担当するなどキャリアを発展させている。

 また、フリーランスは自ら仕事を取りに行く「営業」が不可欠だと語り、自分から積極的に売り込むことの重要性を説き、「黙っていても仕事は来ない」と断言する。

日本人ならではの強み

 高田さんは、日本人の「好きなことと仕事を結びつける才能」についても言及。ドイツと比べて、日本人は仕事を通して喜びを感じたいと考える国民性があり、「喜びの循環」が強いという。「コロナ禍などを経て、日本の挑戦する風土に面白さをより感じるようになった。フリーランス、そしてクリエイターとして長く活躍するための助けになれば」と話した。

市民大学今年も 9月6日開講 全15回

 いせはら生涯学習ボランティア協会が、伊勢原市立中央公民館で第21期いせはら市民大学を9月6日(土)に開講する。

 今期の講座は全15回(補講含む)。「楽しく、仲間づくり、活き活きと」、をテーマに長寿・健康時代、多世代交流、ボランティア活動に活かせる講座が用意されている。各講座では大学教授、市職員、郷土史家、観光ボラ役員など多彩な講師陣が登壇する。受講料は全15回で1500円。1科目は300円。出席者には修了証が交付される。

 開校式は9月6日、午後1時開場、1時30分から。中央公民館3階会議室A。開校式の後、講座説明会、交流と親睦会などあり。問い合わせは同会【電話】0463・95・0807三上さんへ。

パネル展の様子

「香害」について考えよう 伊勢原市役所でパネル展

 伊勢原市役所ロビーでは、9月5日(金)まで、「不安虫ちゃんの参加型パネル展 香害ってなあに?」が開催されている。午前8時30分〜午後5時(土日祝は休み)。主催/くらしの環境を考える会。パネル提供/過敏症・香害を正しく知る委員会。身近に潜む「香害」について、「知って、調べて、考えよう」をテーマに、地球レベルの環境汚染を考えるきっかけを提供するものとして企画された。

 香害とは、日用品に含まれる香料や消臭・抗菌成分などのVOC物質(揮発性有機化合物)が原因で引き起こされる健康被害。シックハウス症候群のように、めまい、頭痛、咳、吐き気などの体調不良を引き起こすことがある。特に、香りが長時間持続する柔軟剤などに使われているマイクロカプセルが化学物質過敏症の原因にもなりうるという。

 パネル展では、化学物質過敏症の当事者からのメッセージの展示や伊勢原市内で活動する化学物質過敏症発症者の会「いせはらCSの会」の案内もある。主催者らは「香害は『イノセントポリューション』(悪意なき汚染)。知らぬ間に加害者になったり、言い出せずに被害者になったりする可能性がある。体調不良を感じたら我慢せず伝えることも必要」と発信している。

真っ暗な中、鳥居をくぐってお化け屋敷に入っていく児童ら

お化け屋敷が復活 石田小でふれあい祭り

 石田小学校で8月23日、石田小ふれあい祭り・花火大会が開催された。地域の父親たちによる「ポパイ倶楽部」(岸圭介代表)が運営する同祭り。今年で26年目を迎え、地元自治会や団体、企業の協力のもと実施している打上げ花火も19年目を迎えた。

 今年は、かつてふれあい祭りで大人気だった「お化け屋敷」が復活するとあり、話題を集めていた。コロナ禍以降中止が続き、運営側の保護者も減少、復活が難しいと誰もが感じる中、同小学校卒業生の高校生が「自分たちで復活させたい」と提案。文化祭のお化け屋敷経験を活かし、地域に再び笑顔を届けたいという思いが大人たちを動かした。

 この日は校庭で焼きそばやかき氷などの模擬店が出店。同校の教員によるバンド演奏も会場の盛り上げに一役買っていた。夕方6時から教室に作られたお化け屋敷がスタート。怖いもの見たさに児童らが長蛇の列を作り、あっというまに100m近くの列ができていた。その後皆が持ち込んだ手持ち花火を一斉に行い、約10分間の打ち上げ花火も行われた。岸代表によれば、倶楽部のメンバーが花火師の資格を取得し打ち上げを行っているという。

日向の彼岸花散策 観ボラがウォーク企画

 いせはら観光ボランティアガイド&ウォーク協会(通称/観ボラ・蔦本明会長=人物風土記で紹介)が9月30日(火)、ウォークイベント「日向の彼岸花と古寺めぐり」を開催する。

 午前8時20分伊勢原駅北口に集合、午後1時頃日向薬師バス停解散。予約不要、参加費500円(資料代ほか)で当日集金。行程中の交通費や施設入場料などは各自で負担する。飲料水、タオル、昼食、健康保険証を各自で持参する。雨天中止で、当日朝に同協会ホームページで確認可。

 日向地区の鎮守「日向神社」を出発し、彼岸花の散策路を巡り、「浄発願寺」「伝大友皇子の墓」「石雲寺」などを巡る約4Kmのコース。石雲寺では住職の説話もある。

 問い合わせは同協会事務局【携帯電話】080・7382・8217へ(午後5時〜7時)。

準優勝に輝いたAチームのメンバー(左が麻生日香さん)

クラブレリーフ 昨年に続き準優勝に 全国中学ビーチバレー

 伊勢原市内を拠点に活動するクラブレリーフ(中野剛監督)が、8月16日、17日に藤沢市の鵠沼海岸で開催された中学生の4人制ビーチバレーボール全国大会「湘南藤沢カップJVA第16回全日本ビーチバレーボールU15選手権大会4人制」女子の部で準優勝に輝いた。

 全国から予選を勝ち抜いてきた43チームが出場した同大会女子の部。同クラブからはA・B・Cの3チームが出場し、それぞれ予選リーグを戦い、AチームとBチームが1位で突破した。

 予選1位グループのトーナメントで決勝に進んだAチームは、昨年3位の強豪SSBⅤC(兵庫県)と対戦。強風の中、序盤はリードを奪うも中盤で追い付かれ、以降はスパイクやレシーブなどのミスが重なり点差を広げられる。終盤に反撃はしたものの、終わってみれば22対28と惜敗。悲願の頂点には一歩及ばなかった。

 Aチーム唯一の1年生、麻生日香さん(伊勢原市立山王中1年)は「自分に来たチャンスを得点に活かすことができず、悔しかった。優勝は目の前に見えていたが逃してしまったので、悔しさをバネに、来年は絶対に優勝したい」とリベンジを誓う。

 中野監督は「選手たちは本当によく戦った。もう少し攻めるバレーができていれば展開は変わったかもしれない。来年こそは3度目の正直で頂点を狙いたい」と語った。

 クラブは2022年に優勝、昨年準優勝の雪辱を果たすべく、優勝奪還を目標に今回の大会に臨んでいた。

平和作文の表彰式の様子

「当たり前の日常に感謝」 戦後80年に平和イベント

 伊勢原市が平和の大切さを次世代に継承することを目的に、8月22日から24日まで市民文化会館で「平和を祈念するパネル展示」を開催。また、今年戦後80年を迎えるにあたり、会期中の8月23日に「戦後80年事業 平和のつどい」も同時開催した。

 小学生から高校生までが体現する「平和だからこそできること」をテーマに行われた二つの催し。平和のつどいでは向上高校吹奏楽部による演奏でスタート。戦時下の統制で不自由な青春時代を過ごした若者に思いを巡らせ、今ある平和への感謝などを込めた演奏を披露した。

 ほかにも中学生平和作文の表彰式や市立中学校生徒による合唱、長崎市内で被爆した市内在住者による被爆体験の講話なども行われた。

 パネル展示では、伊勢原市が保存している戦争資料などを展示。また市内の小学生が作成した折り鶴を用いた鶴文字や、VRゴーグルによる原爆被害の疑似体験ができるコーナーなども新たに設置され、多くの来場者がさまざな展示に足を止めていた。

 平和のつどいであいさつに立った萩原鉄也伊勢原市長は、会場に訪れた多くの中高生などに向けて「自分らしく過ごせる今は、決して当たり前の日常ではない。平和だからこそのものであることを忘れないで」と呼びかけていた。
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