中原区版【10月24日(金)号】
受賞を喜ぶ太田氏=受賞式

かわさき市民アカデミー 太田氏が「みどりの文化賞」 「一般目線の活動」が評価

 市民に学びの場を提供している「NPO法人かわさき市民アカデミー」(今井南町)の理事長であり、東京大学名誉教授の太田猛彦さん(83)が「みどりの文化賞」を受賞した。「森林・林業のあるべき姿を市民目線で伝え続けている」ことが受賞理由。太田さんは「これまでの活動が評価されうれしい」と喜びを語った。

 公益社団法人国土緑化推進機構が、緑豊かな国土と新しい森林文化の創造に役立てるために、緑や森林に関し顕著な功績があった個人または団体を顕彰する「みどりの文化賞」。1990年に国民の祝日として「みどりの日」が制定されたことを記念して創設された。

 過去には森林文化を未来に引き継ぐ管理をする神宮司庁営林部(伊勢神宮宮域林)や、作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんらも受賞。太田さんの専門は森林が山崩れを防ぎ、洪水を緩和する機能の研究・教育で、この観点から森林の管理全体についても発言してきた。「学界や行政への貢献だけでなく、森林の多面的機能について市民の理解を得る活動を行ってきたことが評価された」と関係者らの支援に対して感謝した。

 森の持続可能な管理を推進する国際的組織の森林認証制度を林業家だけでなく、一般市民に知らせる活動や埼玉県で自然に対するナショナルトラスト運動の推進に取り組んできた太田さん。かわさき市民アカデミーの活動に対しては「私のような研究者が市民と交流し、関連する知見を知ってもらう重要な機会として大切にしている」と話した。

受賞記念の特別講演

 「みどりの文化賞」受賞を記念した特別講演会「今だからこそ、森林を考える」が川崎市生涯学習プラザ(オンライン受講可)で行われる。11月15日(土)は「『森林飽和』と森林の多面的機能」、22日(土)が「これからの森林管理に向けて」。午後2時から3時30分。受講無料。締め切りはそれぞれ11月9日(日)と16日(日)。

 太田さんは「1回目は日本の森の歴史を中心に、国土環境や自然災害は時代とともに変化していることを説明するので若い人に知ってほしい」といい、続けて「2回目は21世紀中葉の日本と世界の森林管理について思いを話す。木材利用に関心がある人にぜひ聞いてもらいたい」と思いを込める。申し込み、問い合わせは、かわさき市民アカデミー事務局【電話】044・733・5590。

川崎市職員の給与勧告 4年連続で引き上げ 人材・管理職不足にも対応

 川崎市人事委員会は10月6日、月給とボーナスのいずれも4年連続の増額となる市職員の給与勧告を、市長と市議会に対して行った。民間給与との月給の較差1万2694円を解消し、ボーナスについても、民間支給額に近づくよう引き上げを求めている。

 人事委員会では毎年、市職員と民間の4月分の月例給(給与)や期末・勤勉手当(ボーナス)を調査し、較差を埋めるための勧告を行う。

 今年4月時点で、市職員の月例給は民間給与43万9511円に対して42万6817円(平均年齢42・3歳)で、勧告では較差分の1万2694円の引き上げを求めている。またボーナスにあたる期末・勤勉手当は、民間支給割合の4・66月分に対し、市職員の支給月数は4・60月分。公的な引き上げ単位として定められている0・05月分引き上げ、計4・65月分にするよう求めた。

管理職への意欲を

 勧告が目指すものは大枠で3つある。民間との差額是正のほか、管理職の「なり手不足」の解消、そして人材確保だ。

 管理職の「なり手不足」回避策として、係長級から課長級の給与体系を見直し、若手社員が昇格する際の給与の「上がり幅」を増額するしくみを提案。また部長級や局長級については、いま最大70段階以上ある昇給ランクを15段階まで圧縮して昇給幅を増やす一方、昇給は「成績優秀者」のみとするなど、年功序列型からの脱却を図る。

 人事委員会事務局の担当者は「若手職員は『係長級』でも遠慮したいという傾向が強い。処遇をセットにして意欲につなげたい」とした。

東京と横浜の間で

 公務員の人材確保は全国的な課題であり、今夏の人事院勧告では国家公務員の初任給を5%超引き上げるよう求めている。市の勧告でも人事管理に関する「意見」として、多様な人材確保に向けた初任給引き上げを提言している。担当者は「横浜市と東京都に挟まれ、人材の争奪戦が激化している。川崎市という組織の魅力が伝わるよう、ブランディングに力を入れる必要がある」と話している。

カモシダせぶんさん

読書普及講演会 「書店員芸人」が出演 12月5日 中原市民館

 川崎市立図書館読書普及講演会「『本を読む 本を書く』現役書店員芸人カモシダせぶんトークショー」が12月5日(金)、中原市民館多目的ホールで開催される。午後7時から8時30分。主催は川崎市教育委員会。

 『書店員芸人』としてSNSで紹介してきた本が1000冊以上あり、人気番組『アメトーーク!』にも出演したカモシダせぶんさん。麻生区出身で2007年に芸人としてデビューし、昨年9月には自身初のミステリー小説『探偵はパシられる』で小説家としても活動している。聞き手はフリーアナウンサーの竹下佳奈さん。

 参加費無料。中学生以上が対象で、定員350人。申し込みは専用の申込フォームから(定員を超えた場合は抽選)。申し込み締め切りは11月10日(月)午後5時。問い合わせは中原図書館【電話】044・722・4932。

対象設備と補助単価表

たいせつ補助金 締切まで3カ月 申請受付は12月26日まで

 川崎市が太陽光発電設備などの設置費用を一部補助する「太陽光発電設備等設置費補助金(愛称たいせつ補助金)」がこのほど、申請受付終了の12月26日まで3カ月を切った。市は「予算状況で早期終了の可能性がある。早めの申請を」と呼び掛ける。

 補助金の対象者は、川崎市内の新築・既築住宅(延床面積2千平方メートル未満)に、太陽光発電設備等を設置する人。対象となる設備は太陽光発電設備(非FIT・FIT)、蓄電池、ZEHで全7項目。9月30日現在、蓄電池(単独)やZEHは、予算執行額の7割を超えた。

 同補助金は、持続可能な脱炭素社会の構築に向けて、市域の再生可能エネルギーの普及と地産地消の促進を目指すもの。予算額は昨年度の4倍の8億円を計上している。

 予算状況は原則毎週水曜に更新。補助金の条件、申請の流れ等は、市ポータルサイト「かわさき太陽光広場」へ。

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楽しいイベントを堪能
高津区文化祭
楽しいイベントを堪能
市民館で10月31日から
高津区文化協会主催のイベント「高津区文化祭」が、10月31日(金)から11月5日(水)まで高津市民館で開催される。会期中は、絵画・書・写真・工芸の達人たちの... (続きを読む)
今年行われた消防大会で披露された記念の懸垂幕

中原消防団 地域を守り続けて100年 〜これからも郷土愛で〜

 「自らの地域は自らが守る」――。中原消防団が今年創設100周年を迎えた。10月26日(日)には、ホテル精養軒で100周年記念式典、祝賀会を開催する。第20代鹿島連団長は「消防団は連綿と受け継がれてきた。諸先輩方のつながりが地域に生かされ、今の消防団がある」と先達への感謝の思いを口にする。

 中原消防団の前身は、1925年(大正14年)、中原町誕生と共に発足した消防組織。その後、警防団となり、1947年(昭和22年)に消防団となった。戦時下の戦災、幾多の火災・災害などを乗り越え、今日に至る。今年10月1日時点で202人が在籍。179人の男性だけでなく、23人の女性団員も活躍している。

 消防団は、消防署員とは異なり、普段別の仕事を持つ地域住民が、火災や大規模災害発生時に消火活動、救助活動を行う非常勤特別職の地方公務員。火災発生時の消火活動や住民の避難誘導、安否確認などを行い、地震や風水害などの大規模災害時には、救助・救出活動、避難誘導、災害の拡大を防ぐための防御活動も行う。近年は、火災よりも風水害や地震などの自然災害への対応が増加。平時は住民への防火指導、巡回広報、特別警戒、応急手当指導など、地域に密着した活動を展開。地域コミュニティーの活性化や防災意識の向上に貢献するだけでなく、消防や防災に関する知識や技術を習得するための訓練も行っている。鹿島団長は「30年、40年前と比べて消防団の在り方も変わってきている。時代に即した消防団になっていく必要がある」と語る。

 中原消防団では年に一度、消防大会を実施し、日頃の訓練の成果を発表する場を設けている。今年は、解体建物を使った放水訓練や、倒壊した建物の資材等を切断するエンジンカッターを使用した訓練などを実施。また神奈川県消防学校を訪れ、土のうを使った水防訓練も行うなど、実践に即した訓練に取り組んでいる。「地域を守るには、自分自身、家族を守ることが大切。救命技術を身に付けたり、震災や大災害時の対応策をも身に付けていく必要がある」と鹿島団長。

 100周年という節目を迎え、今後も郷土を守り続けていく中原消防団。鹿島団長は「100年を通過点に、これからも安全安心な地域にしていくべく、この100周年をこれからの消防団のきっかけにしていきたい。そして、後を引き継いで入ってきてもらえる組織にしていきたい」と抱負を語った。

今年はファッションショーも モトスミ・ブレーメン通り

 秋の風物詩「モトスミハロウィン」が10月26日(日)、モトスミ・ブレーメン通り商店街で開催される。午後1時から。

 参加店舗で「トリック・オア・トリート」の合言葉を伝えると菓子がもらえる(子どものみ対象)。各店舗なくなり次第終了。

 また今年はファッションショーも開催。コミュニティセンター前に設けられた「ランウェイ」を歩いて記念撮影も。午後1時集合。年齢不問。300組限定。参加者には菓子を配布(小6まで)。

 参加店舗などの詳細は同商店街ウェブサイト。問い合わせは同事務局【電話】044・422・3626。

川崎市長選立候補者アンケート〈2〉 川崎市の最も大きな課題と、それに対する施策は

 任期満了に伴う川崎市長選が10月12日に告示され、現職と新人計6人が出馬した。投票は26日に即日開票され、25日まで期日前投票が行われる。

 立候補したのは届出順に、無所属で会社員の國谷涼太氏(25)、無所属で社会福祉法人理事の野末明美氏(60)、出版社CEOで事務事業評価で税金の使い道を正す党の宮部龍彦氏(46)、無所属で現職の福田紀彦氏(53)、無所属で前市議会議員の山田瑛理氏(42)、無所属で清掃員の関口実氏(67)

 タウンニュースは最重点の政策や個人・家庭向けの経済対策、子育て支援・福祉政策、災害対策など全10問のアンケートを実施した(商会は届出順、原則として候補者の回答に基づいて掲載)。アンケートはタウンニュース社が運営する政治情報サイト「政治の村」で公開している。

◆質問 「あなたが考える川崎市の最も大きな課題と、それに対する施策を教えてください」

【國谷涼太氏】川崎市は進学や就職を機に、10代や20代で転入してくる人が多い一方、小学校入学前の子どもや、その親である 30 代、40 代については他の世代と比較して転出が多くなっています。若者や子育て世代の定着につながっていない現状を最大の課題と捉え、子育て見守り・赤ちゃん用品定期便、「アフォーダブル住宅」の供給、プッシュ型の子育てサービス等により、若者・子育て世代から選ばれるまちを目指します。

【野末明美氏】財政力指数が政令市トップの豊かな財源を持っている川崎市ですが、大規模開発優先で市民生活を支える支援策は遅れています。不要不急の大規模開発はやめ、豊かな財源は、市民の子育て・くらし・福祉優先の予算にまわします。

【宮部龍彦氏】等々力緑地や鷺沼駅の再整備事業。短期的には、物価高で事業費が増大することは避けられないので、速やかに事業を実施する。

その上で、今後の大型開発事業には、中間段階での情報公開と軌道修正の仕組みを取り入れたい。

【福田紀彦氏】高度成長期に集中して開発された市内の都市インフラや建築物が老朽化していく中、10年後には川崎も人口減少に転じます。将来に渡って地域を維持するために、先送りをせず必要なインフラ整備や市民ニーズに沿った施設の機能更新を行います。また、生活を支える交通環境を守ること、教育をはじめとした人への投資に責任を果たします。臨海部の炭素に支えられてきた産業からカーボンニュートラルなものづくりへの転換を誘導します。

【山田瑛理氏】川崎市の最も大きな課題は、後手に回ったインフラ整備です。大型開発が進む一方で、道路渋滞や鉄道混雑など、市民の暮らしを支える基盤整備が追いついていません。南武線の混雑緩和や道路の渋滞対策は喫緊の課題です。通勤・通学・物流など、都市としての機能を支えるインフラに重点投資し、「暮らしの安心と都市の力が両立する川崎」を実現します。

【関口実氏】川崎市の課題はいろいろあるだろうが、「国政問題」「国際問題」ときりはなして川崎だけの問題が存在するとは考えない。不勉強な部分も多く存在するだろうが、市民と市民、市民運動・住民運動・労働運動などの話し合いで、施策を前にすすめていきたい。

川崎市長選立候補者アンケート〈1〉 有権者に訴える最重点政策は

 任期満了に伴う川崎市長選が10月12日に告示され、現職と新人計6人が出馬した。投票は26日に即日開票され、25日まで期日前投票が行われる。

 立候補したのは届出順に、無所属で会社員の國谷涼太氏(25)、無所属で社会福祉法人理事の野末明美氏(60)、出版社CEOで事務事業評価で税金の使い道を正す党の宮部龍彦氏(46)、無所属で現職の福田紀彦氏(53)、無所属で前市議会議員の山田瑛理氏(42)、無所属で清掃員の関口実氏(67)

 タウンニュースは最重点の政策や個人・家庭向けの経済対策、子育て支援・福祉政策、災害対策など全10問のアンケートを実施した(商会は届出順、原則として候補者の回答に基づいて掲載)。アンケートはタウンニュース社が運営する政治情報サイト「政治の村」で公開している。

◆質問 「市長選に立候補した最大の理由と、あなたが有権者に訴える最重点政策を教えてください」

【國谷涼太氏】私は、「若者・子育て世代から選ばれるまち」、「ビジネスのまち」、「いつでも、いつまでも安全・安心のまち」を目指し、それらを最短距離で着実に実行するための組織づくりとして「市民のために働く市役所」に取り組みます。今後は川崎においても人口減少が進むことが予測されている中、30年後も現役世代の私だからこそ、強い責任と覚悟を持ってさまざまな課題に挑戦するため、立候補を決意しました。

【野末明美氏】川崎市をいつまでも住みたいまちに変えるために立候補を決意しました。物価高騰などで暮らしが大変です。さらに川崎市民にとっては、川崎市政の子育て・市民のくらし・中小事業者への支援策の遅れは深刻で、東京との『多摩川格差』は広がる一方です。私は、市民の声を聞き、市民生活に寄りそう市政の実現を目指しています。税金のムダづかい、不要不急の大規模開発をやめ、市民の子育て・くらし・福祉優先の政策を提案します。

【宮部龍彦氏】最重点政策としては、事務事業評価を活用して税金の使い道を正します。例えばSDGs、男女共同参画関連の理念先行で実績が伴わない啓発事業は、大小問わず整理の対象として、確固たる意思を示します。最大の理由という点では、最終的にはヘイトスピーチ禁止条例の廃止が目的です。まずはふれあい館の社会教育事業の中立化を行います。市が主体となり、在日コリアンの方々に謂れのない非難が向かない環境を作ります。

【福田紀彦氏】この10年で川崎は着実に発展をしてきました。市内中小企業の黒字法人数は倍増し、女性の就業率は約3割増加、税収も3割以上増えました。この成長を市民・企業の皆さまと共に、更なる安心と魅力的な都市へと取り組みを進めるべく挑戦を続けます。子育てや高齢者・障がい者福祉、制度の狭間で生きづらさを感じている方に支援が届くようしっかり取り組みます。これからも様々な分野で前例に捉われない好循環を生み出していきます。

【山田瑛理氏】市長選に立候補した最大の理由は、「川崎の今に応えたい」と思ったからです。市民の暮らしには「今、どうにかしてほしい」ことがたくさんあります。市議として2期6年、市民の声を現場で聞く中で、多選による市政の硬直と、市民の声が届きにくくなっている現実を感じました。私の最重点政策は、子どもも大人も挑戦をあきらめない環境づくり。新しい風で、川崎の今に応えます。

【関口実氏】イスラエルによるパレスチナ人の大量虐殺、ロシアによるウクライナ侵略、ミャンマーの軍事政権による民衆の殺りく。沖縄における繰り返される米兵による女性に対する性暴力。在日の女性に防刃チョッキを着させて生活させる。最後は川崎の話だ。一方で、戦後安保政策の右翼的大転換が進む。これらを他人事とすることは人間としてどうなのか。川崎市民として何が出来るか。ともに考えていきたい。

生田緑地ばら苑 再整備前の最後の公開 26年度から一時閉園へ

 秋バラが出迎える「生田緑地ばら苑」(多摩区)で、施設の再整備前としては最後となる一般公開が10月16日から始まった。11月3日(祝)まで。

 「生田緑地ばら苑」は1958年に小田急向ヶ丘遊園内の施設として開園され、2002年3月末に遊園地が閉園した後は川崎市が整備・運営を引き継いだ。約1・2haの敷地に800品種3300株が植栽されており、秋は620品種2900株が開花する。

 多くの株が開園から残るため希少な種類が多い一方で、病気や老化で衰えが目立つ株も少なくない。そのため市では市民ミュージアムの移転計画と合わせ、ばら苑全体の再整備を含む管理運営方針を策定中だ。今年度内に方針をまとめ、26年度から整備事業が始まるため、現状のバラ園の公開は今回が最後となる。

 公開初日は雨模様だったが、翌17日は汗ばむほどの晴天に恵まれ、開園直後から多くの来場者が訪れた。相模原市から来た70代の男性は、昨年秋と今年春に続き、夫婦で3度目の来場という。妻の誕生日にバラの花束を贈るほどの「バラ好き」という男性は、「お目当ての株があったのに今日は見つけられなかった。最終日までにもう一度来たい」と話していた。

 杉本秀男園長によると、全体的な見ごろは会期後半の見通しという。園長は「今回の公開後はしばらくの間、バラをご覧いただけなくなる。ぜひお越しいただきたい」と話している。

 開園時間は平日は午前10時、土日祝日は午前9時で、閉園時間は午後3時半(最終入園時間は2時半)。問い合わせは「ばら苑」【電話】044・978・5270。

川崎市職員の給与勧告 4年連続で引き上げ 人材・管理職不足にも対応

 川崎市人事委員会は10月6日、月給とボーナスのいずれも4年連続の増額となる市職員の給与勧告を、市長と市議会に対して行った。民間給与との月給の較差1万2694円を解消し、ボーナスについても、民間支給額に近づくよう引き上げを求めている。

 人事委員会では毎年、市職員と民間の4月分の月例給(給与)や期末・勤勉手当(ボーナス)を調査し、較差を埋めるための勧告を行う。

 今年4月時点で、市職員の月例給は民間給与43万9511円に対して42万6817円(平均年齢42・3歳)で、勧告では較差分の1万2694円の引き上げを求めている。またボーナスにあたる期末・勤勉手当は、民間支給割合の4・66月分に対し、市職員の支給月数は4・60月分。公的な引き上げ単位として定められている0・05月分引き上げ、計4・65月分にするよう求めた。

管理職への意欲を

 勧告が目指すものは大枠で3つある。民間との差額是正のほか、管理職の「なり手不足」の解消、そして人材確保だ。

 管理職の「なり手不足」回避策として、係長級から課長級の給与体系を見直し、若手社員が昇格する際の給与の「上がり幅」を増額するしくみを提案。また部長級や局長級については、いま最大70段階以上ある昇給ランクを15段階まで圧縮して昇給幅を増やす一方、昇給は「成績優秀者」のみとするなど、年功序列型からの脱却を図る。

 人事委員会事務局の担当者は「若手職員は『係長級』でも遠慮したいという傾向が強い。処遇をセットにして意欲につなげたい」とした。

東京と横浜の間で

 公務員の人材確保は全国的な課題であり、今夏の人事院勧告では国家公務員の初任給を5%超引き上げるよう求めている。市の勧告でも人事管理に関する「意見」として、多様な人材確保に向けた初任給引き上げを提言している。担当者は「横浜市と東京都に挟まれ、人材の争奪戦が激化している。川崎市という組織の魅力が伝わるよう、ブランディングに力を入れる必要がある」と話している。

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中原区 中高の吹奏楽部が出演 11月3日 エポックで

 「第36回中原区青少年吹奏楽コンサート」が11月3日(月・祝日)、川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)で開催される。午前11時30分から午後4時30分。主催は同実行委員会。

 音楽を通じた青少年の健全育成、世代や地域間の交流、文化の薫り高いまちづくり推進が目的。区内の中学9校、高校5校の吹奏楽部が出演する。10校の有志による合同演奏や、ゲストの男群(おぐん)によるコンサートも。

 入場無料。問い合わせは区地域振興課【電話】044・744・3160。

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