川崎区・幸区版【11月7日(金)号】
青木GMと並ぶ小宮投手、遠藤監督(右から・上)と試合で投げる様子 学校提供

川崎総合科学高 小宮投手、プロ入り夢実現 ヤクルト育成1位指名

 プロ野球ドラフト会議が10月23日に行われ、川崎総合科学高校(幸区小向仲野町)の小宮悠瞳(ゆめ)投手=川崎区大師河原=が東京ヤクルトスワローズから育成1位指名を受けた。同校からNPB(日本野球機構)選手の誕生は初。小宮投手は育成出身からメジャーリーガーとなった「(ニューヨーク・メッツの)千賀滉大投手のようになりたい」と抱負を語る。

 27日には球団から指名あいさつを受けた小宮投手。青木宣親GM特別補佐からも声を掛けられ、プロ入りの実感を噛みしめた。

 身長180cmから最速143キロのストレートを繰り出す。2種類のスライダー、カットボール、チェンジアップ、フォークボールの球種も操る。遠藤順久監督は「胸郭と肩甲骨の柔らかさが何よりの魅力。天性のもの」といい、体ができればあと10キロは球速が増すと期待を込める。

 野球を始めたのは小5年生の時。地元の少年野球チーム「東門前ガッキーズ」に入団した。元来は左投げだが、祖母から右用のグローブをプレゼントされ、拒むことができなかった。しばらくショートやセンターを守っていた。投げづらさはあったが無難にこなすことができた器用さを持つ。その祖母が再び本格的なグローブを購入するとなったときにはじめて左投げであると明かし、左用でプレー。突然の「転向」にチーム関係者も驚いたという。

 大師中を経て、川崎総合科学高校に進学。中学時代は最速100キロに満たなかったが、下半身の使い方を徹底的に磨き上げ、高2になると130キロ台をマーク、周囲から球が速くなったといわれた。

 今春の武相高戦でスカウトの目に留まり、プロ入りを意識。育成1位で指名されると、友人・知人から200件近いお祝いのメッセージが寄せられたという。

 年明けには新人合同自主トレなども控える。「球団の迷惑にならないようやっていくしかない」と気を引き締める。
リスナーなどから届いた花の前に立つ清水代表(左)と成美さん

FM大師1周年 地域への浸透実感 好調維持し、さらに飛躍を

 川崎区のコミュニティーFM放送局・FM大師が、9月30日で1周年を迎えた。「川崎区を元気に」との思いで開局し、地域密着の放送を続けて、着々とリスナーとの交流や提供番組数を増やしている。これまでの活動や今後の展望を取材した。

 「まずは認知してもらうことが目標でした」。清水曉代表は開局当初を振り返る。福祉事業を営みながらの初めての挑戦で、まずは放送を継続することや、季刊発行のマガジン「Club DA!SH!(ダッシュ)」を発行し続けることなどを掲げた。川崎区在住・在勤を条件に募集したパーソナリティーは、1年前は発声方法もミキサーの使い方もわからない未経験者ばかりだった。

 結果、まちの人から「毎日聴いているよ」と声を掛けられるようになり、手応えを実感。1周年の日には、1時間に3〜4本も読むほどお祝いのメールが届いたという。「県外で聴いている人が帰省の度にお土産を買ってきてくれることもあって、すごく嬉しい」と妻で局長の成美さんは喜びを語る。

提供番組4倍

 右肩上がりの状況は数字にも表れている。スポンサーからの提供番組は開局当初3番組だったのが、現在は12番組と4倍の数に。番組の合間に流れるCMも当初の5本から11本と、倍以上に増えている。

 民間企業との連携では、川崎駅周辺などで開催される秋の10イベント「フェスティバルなかわさき」の実行委員に名を連ね、各イベントでリポートなどを実施。イベントの盛り上げに一役買っている。

災害への対応も

 ラジオにとって欠かせない災害情報の発信にも余念がない。7月30日に発生したカムチャツカ半島付近での地震の際には、津波注意報が解除されるまでの間、時間を延長して放送を継続。万が一の事態に備えた態勢を取った。現在、川崎区役所とは特別警報が発令された際に、パーソナリティーを区役所に派遣して即座に情報を発信できるよう、協定を結ぶ段取りを進めている。

さらなる「元気」のために

 とはいえ、まだまだ道半ばの同局。次なる目標には、現在午前9時〜午後6時までの放送を、午前7時〜午後10時まで拡大することを掲げる。ほかにも、川崎には沖縄にゆかりのある人が多いことから、沖縄の番組とのコラボなども思案している。「単に番組を作って終わりではなく、情報や人がしっかりと循環して『元気』が生まれるように、今後も努力を重ねていきたい」と清水代表は展望を語った。

京浜協同劇団の第99回公演「ふかい疵(きず)」で初主演を務める 渡邊 直佳(なおか)さん 幸区鹿島田在住 23歳

ひたむきに役と向き合う

 ○…11月末に始まる京浜協同劇団の第99回公演『ふかい疵』で初主演を務める。舞台は第2次世界大戦中の福島。戦争によって引き裂かれる男女の姿を描いた作品で、主人公の神林スヤを演じる。「今年で戦後80年になるけど、今も世界各地で戦争が起こっている。罪のない子どもたちの未来が奪われるのが何よりも悲しい」と嘆息し、「公演を通して事実を伝え、戦争で傷を負った人がいることを忘れないでいてくれれば」と願いを込める。

 ○…新潟県出身。高校1年生の時に宝塚歌劇団の公演を観て、演劇に憧れを抱いた。大学では演劇サークルに所属。最初は衣装や照明など、舞台に関わるすべてに興味を抱いたが、次第に演者を志すように。現在はIT系のベンチャー企業に勤めながら舞台に立つ。「まだまだ『演じ切った』と思ったことはない。役に入るためには、自分の性格やキャラクターから離れる必要がある。そこがおもしろくてやめられない」。心に宿る情熱の火は、まだともったばかりだ。

 ○…就職を機に上京し、住む場所に選んだのが幸区。「『幸』という字が入っているのが気に入って。本当は会社に近い都内に住もうと思ってたんですけど」とお茶目な一面も。だが住み始めてすぐに劇団ともつながり、縁を感じるこの頃だ。一方で「川崎は夜になっても明るく、建物も高いので、新潟みたいに星が見えない」と寂しそうにつぶやく。

 ○…旅行が趣味で、中でも三大花火や三大古泉など、「三大」と付く場所に行くのが好き。12月には北海道・函館に行くことを計画中で、日本三大夜景のうち2つ目をクリアする予定だ。「残すは長崎だけです」と気持ちは既に次なる目的地に向かっている。
川崎市全町内会連合会の幹部と市長

全町内会連合会 市へ要望書を提出 新規10件含む46件

 川崎市全町内会連合会(持田和夫会長)はこのほど、来年度の予算編成に対する要望書を福田紀彦市長に提出した。各区の代表者と共に市役所を訪れた持田会長は「大変厳しい財政状況が続いていると聞いているが、当連合会の活動もご理解の上、ご配慮いただきたい」と要望した。

 同連合会は、毎年9月に各区の町内会・自治会の要望をまとめて市長に提出している。今回はそれぞれの区から、新規10件を含む46件の要望を提出した。

 各区の代表者の要望に耳を傾けた福田市長は、「生活者視点の要望はとてもありがたい。市立学校体育館への空調設備の設置については、スピード感を持って取り組んでいく。その他の要望も関係各所と協議しながら進めていきたい」と応じた。

川崎区6件、幸区5件

 川崎区連合町内会(浦野一吉会長)は、新規1件と昨年からの継続5件を要望。浦野会長は「学校体育館はさまざまなスポーツ団体が使用する。選挙の際、投票所としても使われる。空調設備の整備は重要だと市長に伝えた」と話した。

 幸区町内会連合会(中川潔会長)は、新規1件と昨年からの継続4件を要望した。中川会長は「物騒なことが多い昨今、公園への防犯カメラの設置は急務。ただ大きな公園などでは、一つの町内会で防犯カメラを管理・維持するのが難しいので、行政に協力を仰ぎたい」と述べた。

 両区の要望は以下。

【川崎区】町内会・自治会等住民自治組織への活動支援▽国道409号(川崎縦貫道路)整備計画の早期実現▽JR川崎駅周辺の回遊性の向上と安全確保▽羽田空港の機能強化に伴う新飛行ルートへの対応▽青少年指導員、スポーツ推進委員、民生委員児童委員の推薦基準等の緩和▽(新規)市立学校の体育館における空調設備の整備

【幸区】(新規)公園への防犯カメラの設置▽JR川崎駅南口改札の設置▽幸区域におけるかわさき多摩川ふれあいロードの延伸整備等▽鹿島田、東小倉、小倉1―1地区の地域コミュニティ活動拠点の整備▽震災発生時における日吉地区の災害活動拠点の整備
トークショーに参加する長崎美柚選手

卓球・長崎選手 一日警察署長で防犯呼び掛け

 幸警察署(山田高志署長)は10月8日、「安全安心まちづくり旬間」の一環として、卓球の長崎美柚(みゆう)選手を一日警察署長に迎えた防犯キャンペーンを実施した。

 長崎選手は川崎区を拠点に活動する卓球Tリーグ・木下アビエル神奈川に所属し、現在世界ランキング15位。

 ラゾーナ川崎ルーファ―広場で行われた出陣式には、長崎選手のほか、山口美穗幸区長、永岡敦司幸消防署長、山田署長らが参加。4人で行われたトークショーでは防犯の話題になり、長崎選手は「遠征で行くのは安全な国ばかりじゃないので、夜は外出しないように心掛けている」と回答。山田署長は「幸区では特殊詐欺の被害が増えており、対策を進めている」と話した。

 トークショーが終わると、長崎選手らは自転車のダイヤルロックや消しゴム、ポケットティッシュなどが入った啓発物を観覧者に手渡し、防犯への注意を呼び掛けた。
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「商店街の魅力発信」今年も
溝の口駅前「ポレポレ通り」
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11月9日(日)は「クラフトマーケット」 賑わい創出図る
「溝ノ口駅前商店街振興組合」(持田知介理事長)が主催する「ポレポレウィンターフェスタ2025」が開幕した。商店街に愛着を持ってもらい、まちの魅力を地域住民に広く... (続きを読む)
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「かわさきグリーンボンド」販売
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個人向け 11月14日から
川崎市はCO2排出実質ゼロに向けた取り組みの一環として個人向け市債『かわさきグリーンボンド(個人向け)』を販売する。11月14日(金)から12月5日(金)まで申... (続きを読む)
式典の参加者で記念撮影(上)/贈呈された掲示板

川崎中央RC 東田公園へ、掲示板を寄贈 情報共有で交流を深める

 川崎中央ロータリークラブ(RC/本多みちよ会長)は10月12日、まちのにぎわいと緑化向上を目的に掲示板と植物をまちびらき隊に寄贈した。

 同隊は、NPO法人姿勢教育の孝心会(溝井直孝理事長)が運営。また同会は東田公園の管理をしていることから、同公園に掲示板を設置した。

 東田公園は、川崎駅の近くでありながら掲示板が設置されていなかった。町内会のお知らせや公園の利用案内を掲示し、地域の情報拠点の役割を目指す。掲示板のサイズは横189cm、縦180cm。同クラブの担当者は「利用者が多い区域だからこそ掲示板を活用し地域のつながりを深めて」と期待を込めた。

緑化の可能性も探る

 この日は、同公園内に参加者全員で「クラピア」を植えた。この植物は、芝生に比べ二酸化炭素の吸収率が約7倍と高く、暑さや乾燥にも強い上、手入れも簡単とされている。参加した子どもたちは「今後どうなっていくか楽しみ」と話した。

 孝心会の溝井理事長は「掲示板や植物の寄付に大変感謝する。子どもたちにも貴重な経験の場を提供できた」と喜んだ。

はっけよい 土俵で熱戦 富士見で郵便局長杯

「第2回川崎区内郵便局長杯 親善相撲大会」が11月1日、富士見相撲場(川崎区富士見)で開催された。小学2年生から40代の大人まで約50人が参加。部門別によるトーナメント戦で優勝を競った。

 大相撲の幕内力士・友風を輩出するなど、川崎区は相撲にゆかりの深い地域。相撲ファンのすそ野を広げようと、区内19の郵便局が主催。勝盛屋ちゃんこ料理店、五十嵐相撲倶楽部が協力し、昨年から実施する。

 土俵上では大人顔負けの力のこもった取組が見られるなど熱気に溢れた。今井史朗実行委員長は「この大会から横綱が誕生してもらいたい」と期待を込めた。
楽しく汗を流す参加者

ラテンエクサ開講中 かわQホールで

 ラテンダンスの基本的な動きを取り入れたラテンエクササイズ教室が富士見公園・かわQホールで毎週木曜日開講中。

 ラペラ・オスメル講師と一緒にリズムに乗りながら、楽しく美しいボディーラインを目指す。時間は午後2時から3時10分。申込方法は当日受付。持ち物は屋内シューズ、飲み物、タオル。参加費は700円で都度払い。

 問い合わせは同公園パークセンター【電話】044・276・9133。詳細は富士通スタジアム川崎ウェブサイトで確認できる。

消費者トラブル講演会 11月28日、市総合自治会館で

 川崎市は、「防災」と「消費者トラブル」をテーマにした講演会を11月28日(金)、川崎市総合自治会館ホール(中原区)で開催する。

 「知って安心、備えて安心! 災害時に役立つくらしの知恵」と題し、かながわFP生活相談センターの左右木伸也氏が「わが家の防災対策」、全国消費生活相談員協会の鈴木春代氏が「災害時の消費者トラブルから身を守る」方法について講演する。

 時間は午後2時30分から4時15分。市内在住・在勤・在学の100人。参加費は無料。申し込みは先着順。電話044・200・3864または申込フォームで受付。

卒業生のつどい 旭町小で

 旭町小学校同窓会は、創立100周年を記念し、11月29日(土)、同校体育館で「卒業生のつどい」を開催する。午後2時から3時30分まで。

 当日は同校で教壇に立った山田兼充氏、永田輝雄氏、田中さくら氏、伊藤彰子氏、大内紀子氏、小野瀬美智子氏が出席。事前申し込みは不要で、主催者は多くの卒業生の参加を呼びかけている。詳細はフェイスブックを参照。
おいしそうに食べる子どもたち

すき家の牛丼で食育 日進町こども文化センター

 クイズを通じて牛丼チェーン「すき家」や食に関する理解を深めるイベントが10月14日、日進町こども文化センター(川崎区堤根)で開かれました。

 イベントは同店を展開するゼンショーホールディングスなどの従業員が組織する「ZEAN」が協力。小中高生や乳幼児親子らが参加し、「すき家の牛丼の牛肉の産地はどこ?」といったクイズに挑戦し、食の大切さなどを学びました。すき家の牛丼、おしんこ、みそ汁も振る舞われ、子どもたちから「おいしい」という声が聞かれました。
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作品を鑑賞する人たち

趣ある作品ずらり 大師 押し花教室が作品展

 押し花アーティストとして活躍する石渡美彌子さんが主宰する「押し花サロンシンフォニー」(川崎区大師駅前)の秋の作品展が10月20日から24日まで、川崎信用金庫本店(同区砂子)で開かれた。

 石渡さんは川崎信用金庫の100周年を記念した押し花作品や「牧野標本と現代の作家たち展」(日本ヴォーグ社主催)に特別出品した「爛漫」と歌川広重の浮世絵「東海道五拾三次之内川崎六郷渡舟」を題材にした押し花アートを展示。会場にはまた、同サロンのインストラクターや生徒の趣向を凝らした作品も並び、期間中、多くのギャラリーが足を運び作品に見入っていた。選挙運動の最中に行われたこともあり、選挙関係者の姿もあったという。

 石渡さんによると、近年、全国のコンテストで受賞する同サロンのインストラクターが増えつつあるという。「うなるような趣のある作品が並ぶようになった」と目を細める。6年ぶりに開催し、多くの人が喜ぶ姿を見て「作品展を開催してよかった」としみじみ実感した石渡さん。「今後もできる範囲で活動していきたい」と語る。

教員向け遊び体験会 新しい表現の作曲法

 神奈川県立音楽堂は、「先生のためのアウトリーチ」と題した音遊び・音楽づくりイベントを11月19日(水)、ラゾーナ川崎プラザソル ホール(幸区堀川町)で開催する。午後4時から5時30分。受付は3時45分から。

 「アーティスト発、先生経由、子ども行き。ひらめきと笑顔をつなぐ楽しさのバトン」をテーマに、教員を対象に新しい音楽づくりを体験してもらう。講師は作曲家の宮内康乃氏が務める。

 対象は小中学校、特別支援学校の教員。楽譜が読めなくても、音楽が苦手でも参加可。プログラムは「歌うのではなく『声』を使う」新しいアプローチの音楽づくり。宮内氏独自の声や身体といった始原的な表現で、楽譜を使わずコミュニケーションで音を紡ぐ作曲法を体験できる。

 参加費は無料。先着30人で事前申し込み制。専用フォームで受け付けている。
VR機器を使用して幻視を体験する参加者

幻視も症状、認知症を学ぶ 川崎区役所で

 川崎区役所5階で10月23日に認知症の啓発イベントが行われた。9月の認知症月間に合わせたもので今回は若年性認知症がテーマ。会場には約50人の参加者が訪れた。

 会場では、360度映像が見渡せるVR機器を使用して、認知症の症状の1つである幻視を再現したコーナーも。体験者は「すごくリアルな見え方で驚いた。こういった症状があると勉強になった」と話した。

 また色と記号を映像通り正確に答えて記憶力や注意力を判断する脳体力を測定するコーナーや将来に備えて相談窓口が設けられていた。

 区の担当者は「若年性をテーマにしたことで若い世代も興味を持って、来場して頂き嬉しく思う」と話した。
会見で共同メッセージを発表する黒岩知事(中央左)と右から山口会長、吉田会長、(1人おいて)鈴木会長

県と医療団体 病院経営危機訴える 共同でメッセージ発表

 神奈川県と県病院協会、県医師会、県精神科病院協会の4者は10月27日、県内の病院が深刻な経営危機に直面していることを訴える共同メッセージを発表した。

 メッセージは「『いのち』を守る病院を、地域のみんなで支えるために〜『Save Our Hospital!』〜」と題したもの。

「立ちゆかなくなる」

 同日、県庁の記者会見で黒岩祐治知事は「病院の約7割が赤字経営で病院の経営は苦しい状況」と現状を説明。県病院協会の吉田勝明会長は「病院は内部留保が少なく、銀行からの融資で経営がつながっている状態。最新の医療機器を買えず、県民に迷惑がかかってしまう」と苦しい状況を訴えた。県医師会の鈴木紳一郎会長は「診療報酬が上がらず、このままでは地域の病院も診療所も立ちゆかなくなる」、県精神科病院協会の山口哲顕会長は「物価高で経営危機が加速している」とそれぞれ危機感を示した。

 高市首相は24日の所信表明演説で診療報酬の改定に物価高を反映させ、改定を待たずに医療機関へ補助金を出す方針を明らかにしている。

 黒岩知事は「診療報酬改定の議論が大詰めということもあり、メッセージを出した」と意義を説明。県民に▽病院は経営危機に直面し、医療資源には限りがあることへの理解▽救急医療の適正利用とかながわ救急相談センター(♯7119)の活用▽医療事務職や看護補助者としての勤務――への協力を求めた。

集まれ!幸盛大博覧会 20超のブースが出店

 NPO法人 幸区盛り上げ隊のメンバーが大集合する「幸盛大博覧会」が11月8日(土)、梅園幼稚園(幸区南幸町)で開催される。同法人主催。

 当日はカプセルキーホルダー作りのワークショップや、季節の野菜・果物の販売、足つぼマッサージなど、20を超えるブースが軒を連ねる。ステージでは、じゅんじゅんとオカリナの仲間たちによる演奏や、じゃんけん大会などが行われる予定。

 午前10時〜午後4時。入場無料(一部体験有料)。駐車場駐輪場がないため、徒歩や公共交通機関の利用を。詳細は幸盛HOUSE【電話】044・276・6526、または同法人ウェブサイト。
軽妙な演奏に合わせて踊るハルモニ

プンムルノリで街に活気 桜本で50人パレード

 桜本(川崎区)で11月2日、韓国・朝鮮の伝統芸能、プンムルノリ(農楽)のパレードが行われた。民族衣装を着用した幼児から大人までの約50人の演者たちが伝統打楽器のチン、ケンガリ、チャンゴ、プクを叩き、掛け声を織り交ぜながら商店街を練り歩いた。

 在日コリアンが集住する同地区では毎年秋になると、商店街イベントや小学校の運動会でプンムルノリが披露されている。同イベントは地域住民有志が昨年から実施している。

 パレードは桜本商店街を出発し、桜川公園まで練り歩いた。在日大韓基督教会川崎教会前では在日高齢者クラブ「トラジの会」のハルモニ(おばあさん)がチマ・チョゴリ姿で出迎えた。プンムル隊が到着し演奏を奏でると、軽妙な音色に合わせて手をゆらゆらさせながら踊る姿も見られた。

 パレードを観覧した商店街で商売を営む女性は「桜本に秋が来たと実感する」と語った。

 6歳の長女と3歳長男がパレードに参加したという文世賢さん(53)は「この地域には日本人、在日コリアン、さまざまな国からやってきた外国人がいる。多文化地域の中で韓国・朝鮮の伝統芸能が行われることに意義がある。こういう環境の中で子どもたちが多文化共生を身につけられることも素晴らしい」と誇らしげに話した。
講師の森篤史准教授

秋の夜長にジャズを 11月26日 ミューザ川崎

 ジャズの演奏と講演が楽しめる生涯学習講座(川崎市教育委員会・大学等高等教育機関連携事業)が11月26日(水)、ミューザ川崎4階市民交流室で開催される。主催は米山ファッション・ビジネス専門学校。

 海外公演の経験もある昭和音楽大学短期大学部の森篤史准教授を招き、ICTの活用や地域連携を取り入れた最新の音楽教育などについて学ぶ。ジャズの演奏は、同大学の学生や卒業生が行う。

 午後6時45分〜8時15分(6時半開場)。参加費500円。11月17日(月)締切。申し込みは同校【電話】044・233・0025、またはメール:info@yoneyama.ac.jp。

県の不登校等の調査 いじめ、初の6千件台 不登校も増加傾向続く

 川崎市内の市立小学校と中学校で2024年度に確認されたいじめの件数が初めて6千件を超えたことが分かった。神奈川県が実施した24年度の「児童・生徒の問題行動・不登校等調査」から、市教育委員会が市内の状況をまとめた。不登校の状態にあった児童・生徒数も前年度より多い3451人だった。

 調査によれば、小学校でのいじめの認知件数は6335件で、前年度より1143件増加し、中学校での件数は321件で41件増加した。ただし今年7月時点の追跡調査の結果、24年度内にいじめが「解消された」と確認できた件数は、小学校で98・3%、中学校で94・7%だった。

 小学校のいじめの内容(複数回答)は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が3539件で圧倒的に多い。「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が1484件で続いた。「パソコンや携帯電話などで誹謗中傷や嫌なことをされる」も638件あった。「暴力行為」は小学校で356件、中学校で210件だった。

 不登校の状態にある小学生は1579人で前年度より144人増加し、中学生では1872人で46人増加していた。1000人当たりの不登校児・生徒数は、小学生で21・7人、中学生で62・4人となっている。

 不登校の状態を把握した理由としては、「不安・抑うつの相談があった」がいずれも最多で、「学校生活に対してやる気がない等の相談があった」「生活リズムの不調に関する相談があった」などが続いた。

 市教委ではまずいじめに関して「迅速かつ適切な対応が組織的にできる各学校の体制づくりへの支援に努める」とし、不登校に関しても「昨年策定の『不登校対策の充実に向けた指針』に基づき、関係部局と連携を図りながら総合的な対策を進めている」とした。
今年9月の井田病院でのコンサート(市消防音楽隊提供)

川崎市消防音楽隊 応援サポーターを募集 楽器の老朽化など課題

 川崎市消防音楽隊が協賛金で活動を支える「応援サポーター制度」を2025年度から創設し、10月29日から26年度の募集を開始した。金額に応じた特典があり、集めた協賛金は楽器や衣装の更新などに充てる予定だ。

 市消防音楽隊は、消防活動の広報を目的に1962年に創設された。消防職と兼務の音楽隊員17人と、演奏に合わせたダンスなどの表現パートを担う「カラーガード隊」など計33人で編成されている。

 公式イベントでの演奏に始まり、区民祭りや小学校、幼稚園での演奏など活動の幅は広く、出演回数は年間約170回にのぼる。今年9月には市立井田病院(中原区)で、音楽隊として初の院内コンサートを開催。ベッドや車いすの入院患者も生演奏を楽しんだ。

 一方で予算配分上、消防音楽隊の楽器や衣装などの更新費用が不足しがちな状況が続く。吹奏楽の楽器は20年に一度程度の更新が推奨されているが、市の消防音楽隊の楽器は30年以上経過したものも多く、市消防局では打開策を模索。「クラウドファンディング型ふるさと納税」を利用して費用を調達する横浜市の事例を参照し、今回の「応援サポーター制度」を創設した。

 協賛ランクは5万円〜100万円の6段階。毎年1月の定期演奏会の観覧席や、協賛企業の主催イベントでの特別コンサートなど、協賛金に応じた特典がある。

 サポーターの募集期間は2026年2月20日(金)まで。申込や問い合わせは市消防音楽隊【電話】044・975・0119。
おにぎりの作り方を学ぶこどもたち

おにぎりキャラバン 食事を通じて、地域と交流 小規模多機能ホーム緑(ゆかり)で

 おにぎりを通じて子どもたちの自立心を育む「おにぎりキャラバン」が10月11日に小規模多機能ホーム緑(ゆかり)で開かれた。

 主催は川崎区社協。参加した26人の子どもたちは、大島地区の民生委員や市立川崎高校から参加したボランティアスタッフたちと約8kgお米を使って、計り方からごはんの握り方など一連の流れを教わった。

 今回は親子だけでなく、友達同士、また外国籍の親子の参加も見られた。イベントでは、栄養について学べる〇×クイズも行われ、賑わいを見せていた。

 区社協担当者は「さまざまな世代の交流の場になってきて嬉しい。継続していきたい」と思いを述べた。

笑いの風を楽しむ 笑吉・風林火山の2人

 社会人落語家として活躍する喜楽亭笑吉さんと二松亭風林火山さんの2人による「第10回笑風会」が開催される。

 日時は11月16日(日)、午後1時30分開演(0時30分から整理券を配布する)。場所は東海道かわさき宿交流館(川崎区本町)。

 川崎っ子である笑吉さんは「首堤灯」と「反対俥」。千葉の爆笑王の異名を持つ風林火山さんは「六尺棒」と、年末の人情噺として人気の「文七元結」を披露。またこまつ奈さんと俺亭きらりさんも公演を支える。定員100人(先着順)、木戸銭(参加費)無料。問い合わせは笑吉さん【携帯電話】090・4619・8675。
コンサートの様子

まちの縁側 伝統の音色に酔いしれる 尺八奏者、篁竜男さん演奏

 地域住民が楽しく交流できる場として川崎区内で親しまれている「まちの縁側」。10月17日にニューチロル(川崎区藤崎)で開催された同イベントには、市内在住でNHK「のど自慢」に25年以上出場し、映画音楽や海外での演奏経験もある尺八奏者の篁竜男さんが出演し、21人の観客が雅な音色に聞き入った。

 コンサートでは「コンドルは飛んで行く〜花祭り」、「城ケ島の雨」などを演奏。「紅葉」、「赤とんぼ」など秋の童謡も演奏し、来場者全員で歌う場面も見られた。

 母親が尺八を吹いていたという参加者は「久しぶりに母を思い出し、涙した」と話した。
小林悠選手とハイタッチを交わす参加者

GO!GO!!フロンターレ

誰もが観戦を楽しめるように

 川崎フロンターレは、10月18日の清水エスパルス戦(J1)で「2025 えがお共創プロジェクト」を実施した。この取り組みは、発達障がいなどの特性のある子どもや家族が安心してサッカー観戦を楽しめるよう、音や光、においなどに配慮した環境を整え、誰もが笑顔で過ごせるスタジアムを目指すもの。

 スタジアム6階の会場に、外のにぎやかな音を和らげて落ち着いて観戦できる「センサリールーム」を設置。参加者からは「子どもが自分から『外でサッカーを観てみたい』と言ってくれた」「こんなにリラックスしてスタジアムにいられたのは初めて」といった喜びの声が聞かれた。

 ハーフタイムには、選手たちと直接交流する時間もあり、サイン会や写真撮影を実施。この日限定でハロウィーンの仮装をしたマスコットのふろん太とカブレラも登場し、会場全体が笑顔であふれる一日となった。

 担当者は「サッカー観戦が特別なイベントではなく"日常の楽しみ"として広がっていく、そのきっかけを生み出せたことが何よりの喜びです」と手応えを語った。

画像はいずれも川崎フロンターレ