川崎区・幸区版【11月14日(金)号】
横田拓也さんの話に聞き入る日吉中の生徒ら

日吉中生ら 拉致問題で人権学習 横田めぐみさん弟が講演

 拉致問題への若年層の関心を高め、人権について考えを深めることを目的とした「Kawasaki Youth Meeting」(主催:川崎市、市教育委員会)が11月7日、日吉中学校で開かれた。姉の横田めぐみさんを北朝鮮に拉致された横田拓也さん(57)が登壇し、これまでの経緯や思いを詳述。生徒らは真剣な眼差しで拓也さんの話に聞き入った。

 拓也さんは、めぐみさんが拉致された当時の状況や、その後の政府の対応、北朝鮮工作員の目的などを講演。48年もの長い時間、めぐみさんを取り戻せていないことに悔しさをにじませながら、「日本は主権国家。私たち一人ひとりに主権がある。その権利を行使して政治を動かすことができるかどうか、試されている」と語り、行動で示すことの大切さを訴えた。

 講演を聞いたのは、会場に足を運んだ日吉中の3年生約130人のほか、別室でライブ配信を視聴した同中学校の1・2年生、南大師中、高津中、はるひ野中の生徒など。質疑応答では、日吉中の3年生から「次の世代にこの問題を伝えていく上で、どんなことが必要か?」などの質問が飛び出し、拓也さんは「(拉致被害者の生存と救出を信じるシンボルの)ブルーリボンを付けたりして、意思表示をすること」など具体的なアドバイスを送った。

 生徒代表として発表を行った八田桃さん(15)は、「講演を聞いて胸が苦しくなった。当たり前の毎日に感謝するとともに、(人権を持つ自分が)行動しないことも罪深いのだと気づいた。友達同士で話すなど、具体的な行動に取り組みたい」と思いを述べた。拓也さんは「めぐみが拉致された年齢とほぼ同い年の子どもたちに話ができ、貴重な機会だった。自分や自分の家族に置き換えて、考えてくれれば」と願いを込めた。

「高市内閣に期待」

 拓也さんは、高市早苗総理が11月3日の全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に出席し、「北朝鮮側には首脳会談をしたいと伝えた」と発言したことにも触れ、「交渉が簡単な相手ではないが、大いに期待している」と述べた。
記者会見を行う窪田会頭

川崎商議所窪田新会頭 「中小企業に稼げる力を」 就任会見で DX推進に注力

 川崎商工会議所は11月4日、臨時議員総会を開催し、新会頭に窪田雅己氏(67)=富士通Japan(株)相談役=を選任した。任期は同日から3年間。就任会見で窪田氏は、AI導入をはじめとしたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に最も力を注ぐと強調。物価高、賃上げ、人手不足に直面する中小企業に対して「稼げる力をつけたい」と支援強化に取り組む考えを示した。

初の富士通出身

 同商議所の会頭で富士通出身者は初めて。

 窪田氏は同商議所で行われた記者会見で「川崎は大・中小企業がバランスよく発展している。人口が増えている」と指摘。日本経済が、元気がない中、活気を取り戻すためにはDXの活用が重要だとの認識を示し「川崎を日本の先進事例にしたい」と意気込む。その上で「出身母体のノウハウを生かし、推進していく」とも力を込めた。

 4期目の当選を果たした福田紀彦市長が公約に掲げた7つの循環について「関連する部分については全面的に連携する」との意向だ。

 所信表明では「商工会議所は単なる支援機関ではなく、地域の未来をともに築く『共創の場』」と位置付けた。「待ちの姿勢を脱却し『ともに動く』『ともに考える』姿勢へと転換し、会員事業所とともに実効性ある取り組みを進める」との考えも表明した。

 会見では「マサッキー」と名付けたAIアバターを使用し、所信表明や質問にも応じた。

副会頭山根氏が新任

 臨時議員総会では新任の副会頭として山根崇氏=(株)山根工務店代表取締役=が就任することも発表された。

 同商議所30期役員は次の通り。〇は再任 敬称略。【会頭】窪田雅己【副会頭】〇関進=川崎タクシー(株)代表取締役会長、〇増山雅久=(株)TOPコンサルティング代表取締役社長、〇石山一可=(株)東芝小向事業所人事・総務部エキスパート、山根崇【専務理事】〇三瓶清美=同商議所専務理事【常務理事】岩井新一=同商議所常務理事

「NPO法人かわさきムーブアート応援隊」の理事長に就任した 櫻井 亨さん 鶴見区在住 64歳

信じる力が、人を集める

 ○…ロケ地の誘致など、映像とアートで川崎の活性化を目指す「NPO法人かわさきムーブアート応援隊」の理事長に就任した。これまで約30年にわたり市内企業を支援。同法人にはその経験や人脈を惜しみなく還元してきた。「櫻井さんなら」と多くの人からの後押しを受けたという。映像の分野は未開拓だが、足で得たネットワークと熟知した川崎の魅力を活かし「まずはロケ地としての誘致に努めたい」と意気込む。

 ○…青森市出身。小学2年で川崎市に移った。高校卒業後は、市内の農協で勤務。仕事柄、町工場などの内情を知るようになり、職人の持つ技術を結び付けたりと町工場の力を結集すれば、よりよい産業界になると確信。25歳で川崎市産業振興財団へ転職した。

 ○…表に出にくい技術者にもっとスポットライトを当てたいと思い始動させたのが、現在も続く「かわさきロボット競技会」。また大学の研究室のアイデアを中小企業の技術力で形にしていく「逆産学連携」にも注力。情報力を武器に普段出会わない者同士の多くの連携を生み、その功績から数多くの表彰を受けた。「人のパワーってすごいですよ」としみじみ語る。現在は技術者が結集するKSPの企業支援も担当している。

 ○…「未知の世界観や技術の革新が面白い」とSF映画好き。家族は妻と一男と一女の4人。学生時代には野球部で主将を務めたことも。その経験から少年野球チームの総監督として全国大会にも出場する強豪チームを率いるが「周りが優秀なんです」と謙遜する。日夜多様な人と会い、未来に向け時間を投資するバイタリティーと誠実さで人を呼び寄せる。「人に育っててもらった。その恩返しをしたい」。あくまで自然体だ。

1年ぶり「ブツブツ交換」 11月15日 鋼管通で

 鋼管通商栄会(阿部正弘会長)は11月15日(土)、1年ぶりに「ブツブツ交換」を同商店街で開催する。午前10時から午後2時。雨天決行、荒天中止。

 会場は斎藤自転車店付近やJFE田島会館など。自宅で使わなくなった「掘り出しもの」を持ち寄り、ポイントと交換する。品物の受け入れは9時30分から正午まで大人・子ども誰でも参加可能。ブツブツ交換所のほか、ポップコーン販売、ビンゴ大会(午後1時30分〜)、射的、バルーンアートなどを実施。いずれも子どもはイベント手伝いでポイントがもらえ、参加して楽しむこともできる。商店街店舗(仙台屋、中華家隆華、タマ無線電気商会、菅沢酒店)での優待にも使用できる。

 阿部会長は「田島支所の移転で寂しくなった商店街に活気を取り戻すきっかけにしたい」と話す。問い合わせは仙台屋【電話】044・366・7776。
実物のクロメを持つ渥美社長(中央左)と関係者ら

グリーンフーズあつみ 海藻キムチでSDGs 特許技術を活用

 キムチ専門店「おつけもの慶」を運営するグリーンフーズあつみは10月31日、新商品「クロメキムチ」を川崎信用金庫本店で発表した。

 同商品は鳥取県などに生育する海藻・クロメを用いたもので、現地ではあまり食べられていない低利用海洋資源。これを活用して廃棄を減らせば、海の環境保全などのSDGsに貢献できることから、同金庫がイベントで同店に紹介。ともにSDGsへの関心が高いこともあり、商品化が実現した。

 クロメをキムチにする際には、鳥取大学とロート製薬が保有する特許技術を活用。70℃で3時間クロメを煮詰める抽出法に基づき、食べた油が体に吸収されにくくなる成分を最も多く引き出しており、体にも良い商品となっている。

 同店の渥美和幸社長は「元々使われることの少ない野菜などで商品を作ってきたので、紹介を受けた時に『うちでやるしかないな』と思った。このキムチを通して、地域や社会を思う気持ちが世に広まってくれれば」と思いを込めた。

 11月6日〜11日まで開催された同店主催の「かわさき・かながわSDGsローカルイベント」で販売が行われた。
ワークショップの風景

さいわいテクノ塾 君もイノベーターに! 12月20日 ラゾーナ川崎

 子どもたちの発想の種を育てる「さいわいテクノ塾」が12月20日(土)、ラゾーナ川崎東芝ビル2階で開催される。主催は幸区役所と東芝HERITAGE SQUARE。

 (一社)ifLinkオープンコミュニティのオリジナルツール「ifLinkオオギリ」を使い、ゲーム感覚でアイデアの発想を行う。

 1部が午前11時〜午後0時半、2部が2時〜3時半。参加無料。定員は各部先着20人で、幸区在住・在学の小学生が対象(幸区外は要問合せ)。11月25日(火)締切。申し込みは同区役所ウェブサイト。(問)地域振興課【電話】044・556・6606

「午後の紅茶」から新商品 本紙読者10人にプレゼント

 キリンビバレッジ(株)が「キリン 午後の紅茶」シリーズの新商品「午後の紅茶FRUITS & ICE TEA オレンジとグレープフルーツ/白ぶどうとレモン」の2品=写真=をこの秋新発売。

 オレンジとグレープフルーツは、オレンジとグレープフルーツの甘酸っぱさを、爽やかな紅茶で仕立てた、すっきりした甘さ、白ぶどうとレモンはみずみずしい果汁感の白ぶどうとレモンを組み合わせ、紅茶を加えることで、爽やかですっきりとした後味がそれぞれ特長だ。

 本紙読者10人に2本セットをプレゼント。希望者はメールで受付。氏名、年齢、住所、電話番号を記載の上、kawasaki@townnews.jpへ。11月30日(日)締め切り。
仮装姿でガラポンに参加する子ども

大師本通り商店会でハロウィーン

 大師本通り商店会が10月18日、「ストリートハロウィン2025」を同商店街で開催しました。

 商店街を「トリック・オア・トリート」の合言葉でめぐり、各店舗でお菓子がもらえるスタンプラリーなどが実施されました。フォトスポットには仮装姿の子どもの姿が見られ、道路にチョークで自由に絵を描けるストリートアートやワークショップを楽しむ姿が見られました。

 多くの親子が参加し、松原章浩会長によると約1000人が来場したとのことです。各地で商店会活動自体が縮小傾向の中、イベントを通じて活気を取り戻したいとも松原会長は語ります。
クッキング体験を行う子どもたち=提供

子どもの教育考える集会 11月30日 高津小で

 子どもの教育とより良い未来を語り合う「第34回子どもの未来をひらく川崎集会」が11月30日(日)、高津小学校で開催。

 講演には、法政大学教授の児美川孝一郎氏が登壇し、GIGAスクール構想下の「教育のデジタル化と子どもの学び」をテーマに、子どもたちの成長を深く考察する。

 午後は「不登校」「読み書き算数障害」「平和」「環境気候変動」「思春期」など11の分科会に分かれ、教育や子育てについて話し合うほか「和太鼓」「クッキング」といった体験活動が行われる。

 講演中、子どもが遊べる広場が開設されるほか、昼休みにはさまざまな露店が出店される。

 参加費は一般600円(高校生まで無料)。問合せは事務局【電話】044・434・4290。
記念写真に納まる関係者

川又電機(株) 消防団へ照明器具寄贈 「夜間訓練に役立てて」

 災害時や夜間訓練に役立ててもらおうと、川又電機工事(株)(川崎区観音)が臨港消防団(清水潔団長)にバッテリー式の投光器(照明器具)4台、投光器用三脚4脚を寄贈した。

 同社は一昨年12月、消防団員の入団促進や団活動を側面からサポートする消防団協力事業所に認定。その際、同様の投光器を臨港消防団に寄贈した。消防団の献身的な活動に敬意を表するために寄贈を決めた。

 寄贈式は10月20日に川崎臨港消防署で行われ、川又健太郎同社常務取締役から清水団長に手渡された。返礼として清水団長が市長名の感謝状を贈った。
優勝を決め、記念写真に納まる末長クラブのメンバー

JOB NEXTが準V 全川崎選抜野球大会

 川崎野球協会が主催する「全川崎選抜野球大会」が11月3日、等々力球場などで行われ、川崎区の川崎平和連盟代表のJOB NEXTが準優勝した。優勝はシルバー・リーグ野球愛好会代表の末長クラブ(宮前区)。主管は同実行委員会(長谷川智一委員長)。

 同大会は、アマチュアの社会人を対象とした川崎市内各区の連盟・リーグを勝ち上がった代表と前年優勝チームの7チームで争われ、今年で49回目を迎えた。

 初戦から激戦を勝ち上がった、末長クラブとJOB NEXTで決勝が行われた。JOB NEXTは先制したものの末長クラブの猛打にあい、10対3で敗れた。末長クラブは2010年以来の優勝を決めた。

 最優秀賞選手には同クラブの佐藤快さん、敢闘賞にはJOB NEXTの石川純一さんが選ばれた。
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みんなの花壇を作ろう さいわいふるさと公園で

 新川崎ふるさとづくりの会主催による、花壇を作るイベントが11月16日(日)、さいわいふるさと公園内のコミュニティガーデン(幸区新川崎)で開催される。午前10時半〜正午。雨天決行。

 持ち物は手袋、飲料水。主催者は「汚れてもいい服装でお越しを」と参加を呼び掛ける。

 参加希望者は【携帯電話】080・9460・2822(千葉さん)へ電話で申し込むか、LINEのオープンチャットから。

8千人超の戦没者追悼 120人が出席、献花捧ぐ

 戦争で命を落とした川崎市出身者を悼む「川崎市戦没者追悼式」=写真=が11月6日、中原区の川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)で執り行われた。

 川崎市と川崎市遺族連合会(程塚伸秀会長)の主催で毎年企画されている同追悼式。戦後80年の節目を迎えた今年は福田紀彦市長、程塚会長をはじめ、遺族や関係者ら約120人が出席し、献花を行った。

 式辞で福田市長は、戦争犠牲者へ哀悼の意を捧げ、「戦争の惨禍を二度と繰り返さないために、悲惨な戦争の記憶を風化させず、過去の歴史から学んだ教訓を深く心に刻み、次の100年を担う若い世代に戦争の悲惨さを語り継ぎ、失われた命の尊さと平和の大切さを伝えていくことが我々の使命」と述べた。その後、慰霊式も行われ、慰霊法要も営まれた。

 川崎市によると、川崎市出身者の戦没者は、戦災死者400人を含む8167人になるという。

県仏教青年会 青年僧の未来を語る 創立50周年記念し講演

 神奈川県仏教青年会の創立50周年記念講演「青年僧の未来〜これからの寺院とご縁〜」が11月25日(火)、横浜ベイホテル東急地下2階クイーンズボールルームAで開催される。午後2時から4時。参加無料。

 青年僧が抱える不安や課題を共有しながら、様々な分野で活躍している4人の講師・コーディネーターを招き、それぞれの立場から見た「仏教と現代社会のつながり」「お寺のこれから」についてのパネルディスカッションを行う。

 講師はジャーナリストで浄土宗僧侶の鵜飼秀徳師、一般社団法人お寺の未来代表理事の井出悦郎さん、仏像好きフリーアナウンサーの久保沙里菜さん。コーディネーターに久保山光明寺住職の石田一裕師。フォームかメールから申し込みを。【メール】kanagawabutusei.50th@gmail.com。(問)同会事務局【電話】090・7241・6289
のりものフェスタのチラシ

いろいろな乗り物大集合 11月22日 カルッツなどで

 バスや電車、タクシーなどの乗り物が集まる「かわさきのりものフェスタ」が11月22日(土)、カルッツかわさき、富士見公園、川崎競輪場(川崎区)で開催される。午前10時から午後4時。荒天中止。

 川崎市や公共交通事業者らで構成される同実行員会主催。運転手不足によるバスの減便などの課題を抱えていることや、公共交通をより利用してもらうことを目的に昨年、初めて企画され好評を博した。

 第2回となる今回、会場では連節バスの試乗会、自動運転バスの車内探検、市バスとの綱引き、ミニ電車の乗車体験、飛行機を誘導するマーシャリングやアナウンスを体験できる航空教室、パイロットや客室乗務員の制服着用体験など、さまざまな企画が用意されている。

 詳細は公式サイト。
望遠鏡で星を観察する子どもたち

冬の星空を観察しよう 12月5日 マリエンで

 親子で楽しめる「ほしぞら観察会」が12月5日(金)、川崎マリエン中公園(川崎区東扇島)で開催される。主催は川崎港振興協会。

 多摩区にある「かわさき宙と緑の科学館」から講師を招き、大きな望遠鏡を使って、星空を観察する。

 午後6時30分〜8時。対象は小学生と保護者で、定員は25組50人(応募多数の場合は抽選)。参加無料。申し込みはメールの件名に「ほしぞら観察会 申し込み」と入力し、氏名、年齢、住所、電話番号を記載の上、adbs.event_m7u@keikyu-group.jpへ。氏名と年齢は小学生・保護者ともに必要。11月25日(火)締切。

 問い合わせは同協会会館事業係【電話】044・287・6009。
(上)円形に並ぶ「横丁」の模擬店(右)船山さんたちの模擬店

子ども夢パーク恒例 20周年の「ゆめ横丁」盛況 友兼所長「当たり前の存在」

 川崎市子ども夢パーク(高津区)の秋のイベント「こどもゆめ横丁」が11月3日に開催され、約2千人の来場者が子どもたちの「仮想商店街」を楽しんだ。

 「こどもゆめ横丁」は、市子どもの権利条例が子どもたちに保障する「子どもの権利」を体感できるイベントとして2006年に始まり、今年で20回目。今年は4歳から18歳までがチームを組み、雑貨店やゲームコーナーなど多彩な31店舗の模擬店を出店した。

 子どもの「やってみたい」を実現しようと始まった「ゆめ横丁」。第一回は14組が模擬店を出店し、来場者も約450人だったが、徐々に知名度が上がり、参加者も来場者も増え続け、最大で49店舗が並んだ年も。

 今年は子どもたちの事前協議「横丁会議」の中で、模擬店の配置をぐるりと「円形」にし、中央に出し物のステージを置くことを決めた。その結果、来場者の動線がスムーズになり、模擬店に立つ子どもたちも出し物を見られた。

 高津区内の小学2年生の船山和花(のどか)さん(7)は、学校の友達に誘われて3人で雑貨店を出店。だが準備途中で中心となる友達が体調を崩し、この日は急きょ2人でお店を切り盛りした。店の脇で見守っていた父・和輝さん(37)は「手伝いたい気持ちをこらえるのが大変。でも、2人でよく頑張っていて感心する」と安どの表情を見せた。

 夢パークの友兼大輔所長は「20年の間に『こどもゆめ横丁』が特別なことではなくなり、子どもたちの中に当たり前にある存在になったと感じる」と話していた。
川崎市役所

インフルエンザ感染拡大 川崎市 「流行発生警報」を発令 小中学校で学校閉鎖も

 川崎市内でインフルエンザの患者数が急速に増え始め、市は11月5日、「流行発生警報」を発令した。10月28日に「注意報」を発令したばかりだが、10月27日〜11月2日の期間の患者報告数が爆発的に増え、「警報基準値」を超えた。

 市は感染症発生動向調査のため、市内61施設を「定点医療機関」に指定し、1週間ごとにインフルエンザと診断された患者数の報告を受けている。この調査で今年の第44週にあたる期間に、流行発生警報の基準値である定点施設あたり「30人」を超える37・83人の患者が確認された。前週の第43週(10月20日〜26日)には昨年より6週早く「流行発生注意報」の基準値10人を超えていた。

 「注意報」発令時の状況を地域ごとに見ると、高津区が26・11人で最も多く、多摩区24・13人、川崎区20・75人の順だった。市によると、市内の小・中学校では10月中旬以降にインフルエンザの影響とみられる学級閉鎖や学校閉鎖が相次いでいるという。市の担当者は、「早めのワクチン接種や手洗い、うがい、体調不良時のマスク着用などの徹底を」と呼び掛けている。

 今年はインフルエンザの流行が早く、神奈川県は10月30日に昨年より2カ月早い流行発生注意報を発令した。

第54回川崎市文化賞 茶華道協会などが受賞 スポーツ賞に甲斐選手

 川崎市の文化芸術や福祉、スポーツなど各分野での功績をたたえる「市文化賞」など各賞が決定し、11月5日、川崎市役所で贈呈式が開かれた。2025年度の文化賞は、茶道や華道の活動を通して伝統文化を継承してきた市茶華道協会、昭和音楽大学理事長の下八川共祐さん、川崎沖縄県人会名誉会長の比嘉孝さんに贈られた。

 市文化賞は川崎市が政令市となった1972年に創設され、91年の第20回を契機に「文化賞」「社会功労賞」「スポーツ賞」の3部門に。さらに若手を応援する「アゼリア輝賞」と「特別賞」も加わった。

 文化賞を受賞した市茶華道協会は1925年(大正14年)に「華道六合会」として発足し、71年に「川崎茶道会」と合併。100年にわたり市民が茶華道に触れる場づくりに尽力した。下八川さんは、昭和音楽大学でクラシックやジャズなど幅広い音楽教育に取り組み、「音楽のまち・かわさき」推進協議会を会長としてけん引してきた。比嘉さんは、一般財団法人川崎沖縄県人会の会長として沖縄文化の普及と、川崎市と那覇市の交流事業を推進した。

 市茶華道協会の徳安興理事長は受賞のあいさつで「先人が築いた礎の重みを痛感する。これから先も川崎から世界に向けて日本人の心を力強く発信していく」と述べた。

 「社会功労賞」には、アートを通した共生社会を目指す取り組みを続けるNPO法人「studio FLAT」理事長でアーティストの大平暁さんと、川崎市看護協会で副会長などを務めた高橋恵さんが選ばれた。

 国内外の大会で卓越した成績を残した人物に贈られる「スポーツ賞」には、男子バレー日本代表選手で専修大学4年生の甲斐優斗さんが選出された。文化芸術分野で今後一層の活躍が期待される個人や団体に贈られる「アゼリア輝賞」は、洗足学園音楽大出身の声楽家・川崎麻衣子さんと、昭和音楽大学を23年に卒業したピアニストの田久保萌夏さんが選ばれた。

 福田紀彦市長は主催者側を代表し、「みなさんそれぞれの道で長年にわたり貢献され、社会に変革を起こされてきた。次の百年に向けて新たな道標を付けて頂きたい」と祝辞を述べた。

226点の書が勢ぞろい かわさき教育書道展

 佳珠教育書道会( 野口 佳珠会長)が「かわさきの教育書道展」を川崎市教育文化会館で10月24日から3日間開催し、約500人が訪れた。

 会場には4歳から75歳までの計106人、226点の書が展示された。

 お題が自由なことが同展の特徴。小学4年の中山竣太さんは、今年から始めた大好きなスポーツに思いを込め『野球がすき』と書いた自身の作品を母親らと共に鑑賞。「緊張したけど、上手く書けた」と感想を口にした。

 野口会長は「家族で訪れた子どもたちが誇らしげに楽しんでおり、開催してよかった」と喜びを語った。

心と体が喜ぶ食堂を開店 キングスカイフロントで

 国際戦略拠点キングスカイフロントの川崎生命科学・環境研究センターLiSE(川崎区殿町)の1階に「殿町食堂 KING SKYFRONT BASE」がオープンし、10月30日にランチ試食会が行われた。

 同エリアに構える企業の代表者ら10人が試食に訪れ、サバの味噌煮定食を味わった。川崎市産業振興財団の鈴木毅理事長は「とても美味しかった。日々多忙な研究者の方々が健康的な食事が摂れるようになり、素晴らしい」と語った。

 同食堂を運営するのは、食を通じてまちを元気にすることを掲げる美遊JAPAN有限会社。

 同社の岩篤志代表は「食事をするだけでなく、企業同士の交流も生まれる場所を目指したい」と抱負を語った。
写真は過去のクラフトマーケットの様子

溝の口駅前「ポレポレ通り」のクラフトマーケット 雨天順延、11月16日(日)に開催 プログラム内容、実施時間(10時30分〜16時)は、ほぼ変更ナシ

 「溝ノ口駅前商店街振興組合」(持田知介理事長)が主催し、11月9日に予定されていた「クラフトマーケット」は、雨天のため翌週16日(日)に順延となった。開催時間(10時30分から16時まで)や、プログラム内容等に大きな変更はない予定。イベントの問合せは溝ノ口駅前商店街振興組合【電話】044・822・6277(午前10時〜午後4時受付)へ。

音楽で誰もが幸せに ミューザで「はぴこん」

 誰でも気軽に音楽が楽しめるコンサート「はぴこん」が11月16日(日)、ミューザ川崎1階ガレリアで開催される。主催は幸区役所。

 出演者は風蘭(ドラムとギター)、YCCゴスペルラヴァーズ(ゴスペル)、じんかる(サックス)のほか、ゲストとして難病を抱える歌手の癒シンガーKeikoを迎える。

 午前11時30分開演で、午後1時終演予定。申し込み不要、観覧無料。問い合わせは同区役所地域振興課 はぴこん係【電話】044・556・6606。

緑と愛犬に親しむ 11月23日 大師公園で

 緑に親しみ、犬の飼い主のマナーアップを目指す「ゆるっとまるっとパーク大作戦」が11月23日(日)、大師公園で開催される。午前10時から午後3時まで。雨天時は24日に延期。

 緑に関するイベントでは、花苗や園芸用品を販売するガーデンショップやアロマの手ごね石けん、アロマバスソルトづくりに挑戦するワークショップが開かれる。こども文化センターでは大師公園の落ち葉でステンドグラス作りを行う。

 ペット関連では、一日限定のドッグランを開設。災害救助犬デモンストレーションやペットと一緒に避難訓練、公園での散歩マナーやしつけ教室も開かれる。

 園内で絵画や写真の展示を行う「あおぞら美術館」もオープン。不要品を持ち寄るリサイクルマルシェでは、園芸用品や植物、リードやおもちゃなどを販売する。同マルシェに向け不要品を11月21日まで大師公園管理事務所で受け付けている。収益は同公園で活動するボランティアの活動資金に充てる。

 入場無料で有料プログラムあり。詳細は大師公園ウェブサイトで確認できる。問い合わせは大師公園管理事務所【電話】044・276・0050。
富士通グループの3つのプロスポーツチームと「Sports for Nature」のロゴ

GO!GO!!フロンターレ

国内初!スポーツで自然保護を

 川崎フロンターレと富士通は10月15日、スポーツを通じた自然保護を推進する国際的な枠組み「Sports for Nature(S4N)」のフレームワークに署名した。同クラブのほか、富士通フロンティアーズ、富士通レッドウェーブも名を連ね、国内のスポーツチームとしては初の取り組みとなる。

 S4Nは、国際自然保護連合や国際オリンピック委員会などが共同で立ち上げた構想で、スポーツ界全体で自然保護や生態系の回復に向けた行動を推進し、スポーツを通じた環境保全への貢献を目指すもの。以前から富士通グループ全体で地球環境問題の解決に取り組んでいることから、今回の署名に至ったという。

 同クラブは今後、古着の回収による衣類リサイクルや、ホームゲームでの廃棄物削減に取り組むほか、ファン・サポーターとともに河川の水質改善を目的とした清掃活動も予定している。

 担当者は「サッカーは試合やトレーニングで、一定の環境負荷を掛けている。今回の署名を契機に、一人ひとりの行動変容を促す存在を目指したい」と話している。

画像は川崎フロンターレ