旭区・瀬谷区版【11月27日(木)号】
不在表示板に手話リンクの二次元コードを掲載

交番や駐在所 手話リンクで不在対応 聴覚障害者 相談しやすく

 神奈川県警が11月1日、全国の警察に先駆けて、交番や駐在所を訪れた聴覚障害者などが勤務員の不在時でも相談や通報できるサービス「手話リンク」の運用を開始した。これに合わせて12日には瀬谷駅前交番で、導入を周知するキャンペーンが行われた。

 県警では交番や駐在所の勤務員が不在時に、備え付けの電話機から管轄警察署に連絡できる体制などを整えている。しかし、聴覚障害のある人が電話で相談・通報することが難しいため、対応時の課題とされていた。

 手話リンクは(一財)日本財団電話リレーサービスが提供しているもので、県内全ての交番や駐在所で導入された。携帯電話を用いて不在表示板の二次元コードを読み込むことで、手話通訳オペレーターとのビデオ通話を通じ、管轄警察署の署員と連絡をとることができる。

瀬谷駅前で周知

 キャンペーンは、瀬谷区の北新駐在所の田川孝詞さんが手話通訳士の資格を持ち、聴覚障害者団体とつながりがあることなどから、区内で行われることになった。当日は(一社)神奈川県聴覚障害者連盟の河原雅浩理事長や(一社)横浜市聴覚障害者協会の小島天理事長、瀬谷区聴覚障害者協会の遠山和保会長、日本財団電話リレーサービスの大沼直樹理事長に加え、衆議院議員や県議会議員、山岸秀之区長らが出席。河原理事長から田川さんに、手話リンクの二次元コードが載った不在表示板が手渡された。

 「聴覚障害者は電話をすることが難しく、さまざまな不便を感じていました。公的な支援が始まることをうれしく思う」と河原理事長。遠山会長は「これまでは困ったことがあったら、田川さんにお世話になりました。これからは安心して交番に行くことができる」と喜んだ。田川さんは「交番に来た聴覚障害者の人が電話を利用できずに諦めて帰ったという話はよく聞きます。これからは勤務員不在でも遠慮なく利用してください」と呼びかけた。

いじめ認知件数が大幅増 市教委「早期対応の結果」

 横浜市教育委員会は10月29日、2024年度の「いじめ・暴力」等の状況調査結果を公表した。いじめの認知件数は2万件超で過去最多を更新。市教委は「これまでの反省を踏まえ、『疑い』の段階から積極的にいじめと認知し、深刻化しないよう取り組んだ結果」と分析した。

 市立学校509校を対象にした24年度のいじめ認知件数は、2万1955件で、前年度(1万6263件)から約5700件増加、20年度と比べると約4倍に増えた。また、いじめが原因で命や心身、財産に被害を及ぼしたり長期欠席を余儀なくされたりするような「重大事態」の発生件数も前年度の2件から59件と大幅に増加した。

 件数の大幅増について市教委事務局不登校支援・いじめ対策担当課は「これまでの反省を踏まえ、『疑い』の段階でいじめと認知したことが件数増につながった」と対応の強化による結果と捉えている。

積極関与で解消率上昇

 横浜市では昨年3月、20年にいじめが原因で自殺した中学生の事案について、学校が基本調査の段階でいじめを認知していなかったことなどを公表。これを受け市教委では「いじめ防止対策推進法」に則った対応を徹底すべく、いじめの未然防止から要調査までを速やかに振り分け、再発防止に取り組むよう各学校に指示。同年8月にはこれまでの対応を強化する再発防止策を策定した。

 いじめの未然防止のため、例えば「ふざけあい」などから発展した「けんか」など、「いじめ」かは疑わしい初期段階の事案であっても積極的に「いじめ」と認知する方針を学校現場で徹底。今回の調査結果では、いじめ発見のきっかけは「当該児童生徒の保護者」および「本人から」の訴えが全体の6割以上を占めており、認知件数の増加は、これらの訴えを「いじめ」と捉え、より深刻化しないよう早期対応を強化した結果とみている。

 実際、児童や保護者がいじめのような「困りごと」が「無くなった」とする解消件数は24年度内で1万3270件に上り、過去5年で最多を記録。解消率も60・4%と上昇している。

11月29日に「白根小マルシェ」を開く、白根小学校PTA会長の 青山 雄太さん 旭区中白根在住 44歳

顔を合わせ紡ぐつながり

 ○…白根小学校のPTA会長として、地域と学校をつなぐ役割を担い、「白根小マルシェ」を軸に、商店・保護者・子どもの輪を紡いでいる。「コロナ禍で希薄になった地域と学校、保護者のつながりをもう一度結び直したい」という想いが活動の原点だ。

 ○…昨年度からPTA会長を務め、同マルシェを企画した。最大の特徴は、地域商店の商品を子どもが”店長や店員”となって販売することだ。高齢化で店舗同士のつながりが薄れつつあるなか、子どもたちが店頭に立つことで、地域と商店、保護者が自然と交わる場が生まれた。今年度は「白根朝市」に出店する店舗の協力のもと、児童たちは6月から店頭販売を経験している。「声を出せなかった子どもが、次第にバス停まで歩いて販売できるようになる。成長の瞬間を見るのが何より嬉しい」と目を細める。

 ○…希望ヶ丘小学校、南希望が丘中学校、希望ケ丘高校と生粋の旭区育ち。大学卒業後は小学校で教員を勤め、現在は葉山町で子どもたちの生きる力を育み伸ばす「ヒミツキチ森学園」でスクールリーダー兼担任を受け持つ。家庭、学校、地域を行き来する慌ただしい日々の中で、息抜きとなっているのがランニング。今年は「よこすかシーサイドマラソン」に参加。「長距離を走るのは得意ではなかったです」と笑いつつ、ハーフマラソンを走りたいという熱意で毎日少しずつ走れる距離を伸ばした。

 ○…「良い先生」との出会いに感化されて同じ道を志した経験から、人との出会いが人を育てると実感した。「マルシェから、子どもたちが主体で活動する場は地域にもあると感じた。多くの人と交流し、さまざまな取組に参加して人生の幅を広げてほしい」と願う。

指定都市市長会が「特別市」へ条文案 山中市長「機運高まっている」

 政令指定都市(政令市)の市長でつくる指定都市市長会が11月17日に「特別市(特別自治市)」構想の法制化に向けた条文案を公表した。

 特別市は、政令市が都道府県から独立し、行政サービスを一括して担う制度。横浜市など、多くの政令市が導入を主張しているが、実現には法改正が必要となる。

 指定都市市長会は、議論を前に進めるために、条文案をまとめた。この中に特別市への移行要件に住民投票を行うことなどが盛り込まれた。

 条文案が示されたことを受けて、横浜市の山中竹春市長は21日の定例会見で「(市長)就任時に比べて、特別市に関する機運は高まってきたと思う」と述べ、「都構想が議論される中、特別市という二重行政の解消の仕方があることが多く知られるようになった。地方自治のあり方や大都市の役割について、国全体で議論が進んでいく契機になると考えている」と世論の高まりと議論の進展に期待した。
功労者表彰式も行われた

40周年の歩み祝う 若葉台で式典

 若葉台連合自治会(菅尾貞登会長)とNPO法人若葉台スポーツ・文化クラブ(村田勝理事長)がともに、今年で創立40周年を迎えた。節目を記念して11月2日には、若葉台地区センター体育室で記念式典・祝賀会が開かれた。

 この日は自治会や商店会をはじめ、団地を管理する神奈川県住宅供給公社と(一財)若葉台まちづくりセンター、区役所、関連団体などから約100人の関係者が集まった。

 式典がはじまると、連合の菅尾会長と同クラブの村田理事長から40年の歩みと感謝が伝えられた。「若葉台がこれからも豊かで魅力ある街であるために前に進んでまいりましょう」、「今後もスポーツ・文化を通して街に寄与し、皆さんの健康を考えていきたい」とそれぞれ今後の活動への意欲をみせた。

 団地の管理団体や旭区の権藤由紀子区長が来賓としてあいさつ。続く祝賀会では、鏡開きを経て乾杯。若葉台出身のメンバーも活躍する「横浜太鼓座」の力強い和太鼓演奏で盛り上がるとともに、参加者たちは食事をしつつ歓談した。

 今後は来年2月に40周年記念コンサートを計画し、引き続き節目の年を盛り上げていく予定だ。
電子機器組立とフラワーアレンジメントに打ち込む選手

障害者技能競技大会 磨き上げたスキルを発揮 清掃や縫製など多部門で

 アビリンピックと呼ばれる「神奈川県障害者技能競技大会」が11月8日に関東職業能力開発促進センター=旭区南希望が丘=で開かれ、障害のある人が職場などで培った技能を競い合った。

 アビリンピックは職業能力を向上するとともに、社会の障害者雇用に対する理解を深め、促進するために国内外で実施されている。県大会は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構神奈川支部と県の主催。15日にも相模原市で大会があり、2日間で競技13種目、デモンストレーション2種目が行われた。

 8日は機械CAD、電子機器の組み立て、フラワーアレンジメントなどの競技が行われ、選手の家族や同僚など大勢が来場。ビルクリーニングは資機材の扱い方や清掃技術を競うもので、選手たちは観客が見守るなか、16平方メートルの事務室を想定した会場でモップによる拭き作業や、自在ほうきを用いたごみ回収に真剣な表情で取り組んだ。

 ビルクリーニングに挑戦した大嶋啄巳さんと福地育人さんは「練習と異なり緊張したけれど、上手に掃除できました」「全体的に間違えずに行うことができました」とコメント。ミシンやアイロンを使い、裁断された布パーツを組み合わせる縫製に出場した丸山一也さんは「10月に全国大会に出たこともあって、かなり腕が上がりました。とても手ごたえがありました」と振り返った。

 県大会の金賞受賞者は、来年12月に愛知県で開催される全国大会に出場する予定。
地域住民が畑の管理をする(写真上)ほか、児童たちも収穫に訪れる(写真下)

旭区の不動丸ファーム 畑が育む地域交流の輪 地産地消教える場にも

 住宅街の一角にある畑。作物だけではなく、地域住民の交流も育む場となっている。

 旭区の不動丸小学校隣にある「不動丸ファーム」。500平方メートルほどの敷地では、ブロッコリーや白菜、ピーマンなどが育てられている。

 今年2月に活動を開始した同地。不動丸ファーム副代表の山田公義さんによると、それまでは雑草が生い茂るような荒れ地になっており、小学校の隣で通学路にもなっているが、見通しが悪く危ない状況だったという。

 そんな状況を変えようと、不動丸小学校や同校PTA、自治会など地元住民などが話し合い、畑としての運用を始めた。運営には、地域住民約30人のほか、白根地域ケアプラザのスタッフなどボランティアとして多くの人が参加し、種まきや作物の生育管理などに携わる。

 障害者や認知症の人などさまざまな住民が参加しており、「それぞれが得意なことを生かしながら運営に携わることができている」と山田さん。活動は毎週木曜日の午前で、雑談も交えながら作業を進めており、交流の場にもなっている。

小学校とも連携

 不動丸小学校との交流も盛んだ。敷地の半分ほどは児童たちが作物を育てる場として利用しているほか、畑で育てたジャガイモを理科のでんぷんを用いた授業に活用したという。

 10月には2年生3クラスの児童たちが、5月頃に自分たちで植え、住民らが育てたさつまいもを収穫。「大きかったり小さかったり、色々な形や種類があると感じた」、「いつも公園の砂場で触れているような土と違うなと思った」などと感想を述べていた。

 収穫したさつまいもは、同小学校の11月5日の給食でさつまいもの揚げ煮として提供され、子どもたちは舌鼓を打っていた。2年生の児童は「トロトロして甘くて美味しかった。自分たちが収穫したから、いつもの給食より美味しく感じた」と話した。

 島田靖之校長は「地産地消を教えていく観点からも大切なこと。子どもたちが農業を体験する機会にもなっている」と語った。

 今後不動丸ファームでは、給食や地域食堂で使用する大根やナスなどの野菜を育てるほか、「旭オープンガーデン」への参加も見据え、花壇の整備も進めるという。

瀬谷区 社会福祉功労者 13人・6団体が受賞

 社会福祉活動に尽力した個人や団体に贈られる「瀬谷区社会福祉功労者」の表彰式が先ごろ、瀬谷区役所で開かれた。

 瀬谷区社会福祉協議会と同区役所の主催。今年度は個人13人と6団体が受賞した=写真。

 受賞者は以下の通り(敬称略)。

【個人】岩田美喜子、大場勇、加藤百合子、川崎洋子、木内等、岸野宏子、篠田一衛、秦野千代子、福本緑朗、藤原祥子、本間牧子、増田江利子、松本ミヤ

【団体】あったかハート元気会、音楽のたまてばこ、喫茶バンブー、橋戸南PINKOROクラブ、ピッコロ、三ツ境サポーターズ生活支援グループ
開催に向けて意欲を見せた(写真左から)原田委員長、渋谷会長、山中市長、河村事務総長。マスコットのトゥンクトゥンクも駆けつけ、会場を盛り上げた

グリーンエクスポ 開幕500日前を盛大に 市内各地でイベント

 旧上瀬谷通信施設(旭区、瀬谷区)で2027年3月19日に始まる「GREEN×EXPO 2027」。11月4日の開幕500日前に合わせ、発表会や機運醸成事業が市内各地で開かれた。

 横浜市は4日、「次の万博は横浜だ!」と銘打った発表会を市庁舎で開催。「大阪・関西万博」の盛り上がりを引き継ごうという取り組みで、山中竹春市長、2027年国際園芸博覧会を成功させる横浜市会議員の会の渋谷健会長、GREEN×EXPO協会の河村正人事務総長、横浜商工会議所副会頭でGREEN×EXPO協力推進委員会の原田一之委員長などが出席した。冒頭に山中市長は、米軍が長年使用してきた旧上瀬谷通信施設が、平和的利用の象徴として生まれ変わることを強調。その上で、「多くの皆さまに『何度でも行きたい』と思ってもらえる笑顔溢れる万博にしたい」と抱負を述べた。

 この日は、2種類の横浜市出展のコンセプトや構成の最新動向も明らかにされた。「Urban GX Village(ヴィレッジ)」内では、市民や企業が挑戦している新しい暮らし方を体験できる「行動変容体験ゾーン」を設けるほか、持続可能なグリーン都市を支える先端技術を展示。「SATOYAMA Village」内では花や緑にあふれる自然豊かな空間を創出し、生物多様性や資源循環の重要性を発信する。

環境と防災

 旭区の二俣川駅の東西自由通路では8日、「Life with 環境×防災」が開催された。新聞紙やダンボールを用いて防災スリッパを作成するワークショップがあり、参加者らは環境と防災の視点で体験を楽しんでいた。

 区内から1歳の子どもと夫とともに訪れた30代の女性は、防災スリッパを作成し、「初めて作ったが、子どもでもできるくらい簡単だったので、災害時でも避難所で実践できると思った。今回のイベントを機に、防災意識を高めたい」と語った。

花を再利用

 瀬谷区では「SEYA BLOOM MARKET 500」が1日に瀬谷駅の北口駅前広場と南北自由通路で開催された。

 「花×環境」がテーマのワークショップでは、結婚式場で使われた花を再利用し、バスボムを作成。参加した子どもたちは、横浜隼人中学・高校の生徒たちの指導を受けながら、オリジナルのバスボム作りに励んだ。

 近隣から親と訪れた小学校4年生の児童はグリーンエクスポについて、「珍しい花を見てみたい」と話していた。
出陣式に出席した監督、選手たちと山中市長

ラグビー横浜キヤノン 「結束」掲げ頂点へ リーグ開幕前に出陣式

 横浜市をホストエリアとするラグビーリーグワン「横浜キヤノンイーグルス」が12月のシーズン開幕を前に、「出陣式」を11月18日に横浜市役所で行った。

 会場には新たに監督に就任したレオン・マクドナルド氏をはじめ、田村優選手、中村駿太選手、ビリー・ハーモン選手、岡部崇人選手、武藤ゆらぎ選手が登場。約300人のファンが集い、ユニフォームやタオルを掲げて出迎えた。

 昨シーズンは12チーム中8位でプレーオフ進出を逃したイーグルス。新監督のもとで巻き返しを図る今シーズンは「結束」をテーマに掲げ、プレーオフ進出、日本一に挑む。マクドナルド監督は「これまでの良さを継承しながら、情熱を持ってフィジカルでエキサイティングなプレーを約束します」と力強く宣言。駆け付けた山中竹春市長も「市民皆で結束して、一緒にイーグルスを応援しましょう」と呼び掛けた。

 開幕戦は12月14日。静岡ブルーレヴズを日産スタジアム=港北区=に迎える。午後2時30分キックオフ。
神奈川文化賞と未来賞、スポーツ賞の受賞者ら

神奈川文化賞 声優・野沢雅子さんら4人 未来賞は2人

 神奈川の文化の向上発展に尽力した人を県などが表彰する「神奈川文化賞」の贈呈式が11月3日、県立音楽堂=西区=で行われた。同賞は県と神奈川新聞社が共同で主催し、今年度で74回目。

 今年度は社会学者の江原由美子さん(73)=横浜市=、美術評論家の酒井忠康さん(84)=逗子市=、コーエーテクモホールディングス代表取締役会長の襟川陽一さん(75)、声優の野沢雅子さん(89)=横浜市=の4人が受賞した。今後の活躍が期待される若い世代に贈られる「神奈川文化賞未来賞」には、小説家の辻堂ゆめさん(32)と脚本家・小説家の吉田恵里香さん(37)の2人が選ばれた。

 アニメ「ドラゴンボール」の孫悟空の声などで知られる野沢さんは、約40年前から横浜市内で暮らしている。贈呈式は欠席したが、ビデオメッセージを寄せ、「たくさんの縁に恵まれた。支えてくれた人に感謝したい」と語った。

 同時に「神奈川スポーツ賞」の贈呈式もあり、車いすバスケットボールチーム「神奈川VANGUARDS」=藤沢市=、国民スポーツ大会スポーツクライミング競技少年男子神奈川県チーム、湘南工科大学附属高等学校テニス部男子団体チーム=藤沢市=、桐蔭学園高等学校ラグビー部=横浜市=、横浜高等学校硬式野球部=横浜市=が選ばれた。
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感謝状を受け取った担当者ら

三井住友信託銀行二俣川支店 詐欺防止し旭警察署から感謝状 担当者らが連携、「典型的な事案」

 横浜市の旭警察署(小林三季署長)は11月14日、三井住友信託銀行二俣川支店が特殊詐欺被害防止に多大な貢献をしたとして、感謝状を授与した。

 10月16日、高齢女性が100万円出金のために来店し、同店担当者は、多額の出金は警察へ連絡する旨を説明した。すると女性は「警察には絶対に連絡しないで欲しい」と要望し、半額を出金。違和感を持った担当者が窓口係と連携して用途を聞いたところ、「娘が車との接触を起こし、100万円を要求されている」などと焦った様子だったため通報し、詐欺事案と発覚した。

 同店では、詐欺防止のためにチェックリストの活用や事例の勉強会を実施しているという。感謝状を受け取った担当者は「日頃から詐欺防止を意識している。今回は典型的な事案で、阻止できてよかった」と語った。

横浜市旭区の白根小PTA本部 世代超え楽しむマルシェ 11月29日 児童が地元商店の商品販売

 白根小学校=横浜市旭区中白根1の9の1=のPTA本部は11月29日(土)、同校体育館と第4校舎1、2階を会場に、「第2回 白根小マルシェ」を開く。正午から午後2時。地域住民や保護者、児童が一緒に楽しめる恒例イベントとして企画された。

 会場では、児童が店長や店員として地域商店の商品を販売するコーナーをはじめ、パンや団子、コーヒーなど多彩な飲食ブースが並ぶ予定。「今年はどんなお店が来るのかお楽しみに」と企画担当者は話す。

 ステージ発表もあり、有志によるダンス、ピアノの連弾、地域団体による和太鼓演奏や読み聞かせも行われる。また、6年生たちによるワークショップと企画が多数準備されている。

 持ち物は上履き、下足袋、飲み物、現金、マイバッグ。問い合わせは同校PTA本部【メール】shiranesyo.pta@gmail.comまで。
14人が参加したフューチャードクタースクール

聖マリ横浜市西部病院 「医療に興味持って」 医師体験や見学ツアー実施

 横浜市旭区矢指町の聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院で11月8日、「2025 健康まつり」が開催された。

 同イベントは、地域への健康啓発などが目的。当日は、中学生が参加し、電気メスや腹腔鏡などの操作を体験する「フューチャードクタースクール」のほか、CT室や心電図検査室など、普段は入れない場所を見学する「バックヤードツアー」などを実施した。

 フューチャードクタースクールに参加した、瀬谷中学校2年の小峰碧桜さんは「医師の仕事に興味があり参加した。腹腔鏡実習などで仲間と協力できた」と振り返った。健康まつりの実行委員長を務めた内藤正規副院長は「子どもたちに、医師の仕事への興味を持ってもらうことが目的。将来の地域医療を担う人が出てきてくれれば」と期待を込めた。

 バックヤードツアーに参加した南希望が丘在住の11歳児童は「病院の裏側が気になって参加した。冷蔵庫内に大量の薬が入っていて驚いた」と語った。
「大山道への分かれ道」と山崎さん

横浜市・第32回旭美展 鶴ケ峰在住の山崎洋二さんが最高賞 鉛筆画で影の濃淡表現

 横浜市の旭美術協会(井口由多可(いのくちゆたか)会長)が主催する「第32回旭美展」が、旭区民文化センターサンハートで10月21日から26日まで行われた。150点以上の応募作品から、旭区鶴ケ峰在住の山崎洋二さん(82)の「大山道への分かれ道」が最高賞である旭美術協会賞に選ばれた。

 同作品は、秋口に散歩に訪れたというこども自然公園での風景が題材。「道路に映る影が印象的だった」ことから、約9年前に始めたという鉛筆画で描き上げた。

 旭美術友の会に所属し、研鑽を重ねている山崎さん。3回目の出展で初の協会賞受賞に「こんなに早く最高賞を頂けるとは」と喜ぶ。今後は「賞に恥じないように表現を追求していきたい」と意気込んだ。

 井口会長は「展示では油絵が主体のなか、鉛筆画や水墨画などさまざまなジャンルも増えている。山崎さんの作品は特に優れており、熱心に研究を重ねている点も評価しての選出となった」と語った。
活躍が目立った横浜高校野球部(写真は夏の県大会優勝時)

市民が選ぶ「横浜10大ニュース」投票受付開始 横浜高校センバツV、公園全面禁煙化など

 横浜市は市内関係の出来事から市民に今年の大きなニュースを選んでもらう「2025年横浜10大ニュース」の投票受付を11月21日に始めた。

 「10大ニュース」は毎年行っており、出来事や市政ニュースの中から市民投票で決めるもの。

 今回は横浜高校が春のセンバツ高校野球で優勝したことや公園の全面禁煙化、現職が再選した市長選挙など、36のニュースから5項目以内を選ぶか、項目にないものを記入して投票する。

 投票できるのは市内在住者。市のサイトから12月12日(金)まで投票できるほか、区役所広報相談係、地区センター、図書館などで配布するチラシに付いている専用はがきでの投票も可能。

 投票者の中から抽選で670人にありあけの「横濱ハーバー」やセンターグリルのナポリタン無料券など、企業や施設が提供するプレゼントが当たる。問い合わせは市民局広聴相談課【電話】045・671・2335。
田中直樹さん

ココリコ田中さんらと海の生物多様性・暮らしを考える 横浜市が12月22日に講演会

 横浜市は、海の生物多様性と暮らしの関わりを考える講演会を12月22日(月)に開港記念会館=中区=で開催する。

 講演会のテーマは「海の生物多様性と私たちの暮らし〜エシカルな選択が未来を変える〜」で、「エシカル」とは、人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方のこと。

 講師に地球温暖化防止などの活動を行うWWFジャパンの滝本麻耶さんと海洋生物を愛するタレントの「ココリコ」の田中直樹さんを迎える。2人の話から暮らしの中で未来をより良くするためにできることを考える。

 午後2時から3時30分。定員350人。専用フォームから、12月12日(金)まで受け付ける。多数の場合は抽選。申し込みに関する問い合わせは受付事務局(エグザ株式会社)【電話】045・565・5078。

医師に症状どう伝える? 横浜市が来年1月に実践講座

 横浜市は市民が医師に上手な聞き方や伝え方を考えてもらうためのイベント「もっと知りたい!医師への聞き方・伝え方」を来年1月12日(祝)に市役所1階で行う。

 市と医師の団体「やさしい医療のカタチ」の共催。市は10月、患者と医療者が対等に対話できる場を広めている同団体と連携協定を結び、市民が安心して受診できる環境作りを目指している。

 イベントは午前10時から午後4時まで、5つのセッションで構成される。国立精神・神経医療研究センター部長の松本俊彦さんが市販薬による若者の依存症問題を取り上げ、薬の過剰摂取への対応を解説。「やさしい医療のカタチ」の医師が医師への質問方法や症状の伝え方などの会話法を伝えるほか、子どもの救急医療や受診前に知っておくと得をする医療制度や知識も語られる。

 ほかに、医療マンガ『Dr.アシュラ』などで知られるマンガ家のこしのりょうさんによる「お絵描き教室」も開催される。

 参加無料。市電子申請サービスから各セッションごとの申し込みで、定員はそれぞれ先着200人。問い合わせは市医療局医療安全課【電話】045・671・3654。
体験談を語る教員と話を聞く学生ら

横浜市の教員と志望者が座談会 旅行会社から転身、マンガで対話など 体験語る

 横浜市教育委員会は11月17日、市庁舎で教員と教員志望の学生が語り合う座談会「地上の星に聞く!」を行った。

 市教委は、学校現場で働く教員を「地上の星」と例え、教員志望者に横浜市の教員として働くことを具体的にイメージしてもらおうと直接語り合える座談会を企画。8月に続いて2回目の開催となった。

 現地とオンラインを合わせて約40人が参加。今回は、市教委が学校や教員の取り組みの情報発信に使うメディアプラットフォーム「note」に登場した5人の校長や教員が「地上の星」として登場した。

 南吉田小=南区=の八木浩司教諭は、旅行会社で働いた後、ウズベキスタンで日本語を教えるボランティアを経験したことをきっかけに横浜で教員になった。多くの子どもと関わる中で「この通りにやれば、絶対に成功するというものはない。情熱を持って子どもに接すれば、それは伝播する」と力説した。

マンガで生徒とコミュニケーション

 仲尾台中=中区=の小田原誠教諭は、毎日の学年の出来事をマンガにして発信し、生徒とコミュニケーションを図っている。描くのは生徒と教員の何気ない会話の様子などだが、「海に流れ着いた物を拾い集めるようなもので、それを大切な宝と思えるかどうか」だと語り、「自分はマンガという形だが、毎日一つでも子どものためになることを続けてほしい」と教員志望者に訴えかけた。参加者からの「デジタル化が進む中で、なぜ手書きのマンガにこだわるのか」との質問には「現物を手にしないと見られない。生徒と対話できる関係だからこそマンガにすることができる」と答えた。

 参加した女子学生は、横浜市の教員採用試験に合格し、来年度から学校現場で働くことが決まっているという。教員の「生の声」を間近で聞き、「試行錯誤を楽しむことや毎日何かを続けるといった話が心に残った」と感想を語った。さらに、「不安と楽しみが半々だが、AIの活用など、先進的な取り組みをしている横浜市の教員として頑張りたい」と刺激を受けた様子だった。

 市教委は12月にも1、2年目の若手教員が体験談を語る企画を行う予定。今後も仕事の魅力を発信しながら、教員志望者の支援を続けていく。