旭区・瀬谷区版【12月4日(木)号】

横浜市 男性専用の電話窓口新設 背景に相談件数年々増

 横浜市男女共同参画センターの「心とからだと生き方の総合相談」で近年、男性からの電話相談件数が増加している。そこで市は、生きづらさを抱える男性が一層相談しやすくなるよう、11月19日、「男性相談員による男性のための電話相談」窓口を新たに開設した。

 新設の背景には、多くの男性が抱えているとみられる潜在化しがちな生きづらさなどの課題がある。市内の男女5千人を対象に市が昨年実施し、今年3月に公表した意識調査の結果によると、「女/男らしさ」を期待されることに不都合さ、不快感、生きづらさを感じると回答した割合は女性が62・8%、男性は40・5%に上っている。

 また、男女間での暴力に関して内閣府が結果を公表した近年の全国調査によると、男性のおよそ5人に1人が配偶者から暴力を受けた経験があるにもかかわらず、被害男性の約6割がどこにも相談していないという実態が分かっている。

 同センターの担当者は「男性は我慢し、一人で悩みを抱え込みがち。まずは話を人に聞いてもらい、悩みを吐き出すという経験をしてほしい」と呼び掛けている。

 専門研修を受けた相談員が対応する市の「心とからだと生き方の総合相談(電話相談)」の利用状況をみると、男性からの相談件数は2022年度が193件(全体の8・1%)、23年度が323件(10・9%)、24年度が351件(11・3%)と年々増加。ただ全体の約1割であるため、市は同性に相談したいというニーズを考慮し、11月19日、確実に男性相談員につながる男性のための電話相談を開始した。当面は(一社)日本男性相談フォーラム(大阪市)に委託して実施。初日から多くの男性の相談が寄せられた。

 相談電話(【電話】045・443・7311)の利用は毎月第1、3水曜日の午後7時から9時まで。「勉強や仕事がプレッシャー」「家族やパートナーとの関わり方が分からない」「自分の見た目が嫌い」など、さまざまな悩みを無料で相談できる(秘密厳守、匿名可)。市男女共同参画推進課の担当者は「来年度以降は、市内で男性相談員の育成を進めていければ」としている。
専門家のアドバイスを受ける生徒たち

横浜瀬谷高校 園芸博で独自ガーデン 制作に向け構想具体化へ

 横浜瀬谷高校の未来共創ラボの生徒たちが、GREEN×EXPO 2027(国際園芸博覧会)の政府出展エリア内のガーテン制作に取り組んでいる。11月12日には専門家を招いたミーティングが同校であり、季節に合わせた花壇作りなどのアドバイスを受けた。

 これは農林水産省による未来咲きガーデンプロジェクトの一環。政府出展エリアでガーデン制作に取り組む高校生を募り、全国で5校が採択された。26年12月頃から制作が始まり、生徒は27年3月から9月の会期中に活動成果を発表する。

 同ラボはグリーンエクスポの機運醸成や瀬谷区の活性化を目指す生徒有志の団体。採択されたアイデアは花と緑の循環、人のつながり、瀬谷の魅力発信などをテーマにしたもの。地域の団体・企業と連携しながら、飲食可能な地場産ハーブや植物の植栽、県産木材を活用する高床式花壇の使用、花粉媒介者のハチを育てる養蜂箱の設置などを盛り込んでいる。

 12日は同省や全国花みどり協会、(一社)JFTD(花キューピット)の職員、東京農業大学の教授、園芸家らが来校。アドバイザーはグリーンエクスポの会期が半年に及び、時季によって見ごろの花が変わることから、植物の切り替えカレンダーを作ることなどを助言した。また、「多岐にわたるテーマを扱っているため、本当に知って欲しいことを整理すると良い」などと伝えた。

 木下遥輝さん(2年)は「植物の大きさや形、使用するハーブの種類などをより深めていく必要があると感じました」と話した。豊田悠人さん(1年)は「一人一人が持っている多様な意見を尊重しながら、開幕から閉幕まで乗り越えたい」と意欲を見せていた。

 生徒たちは今後、アドバイスを受けて、アイデアをより具体化。来年3月までにデザインパースを完成させる予定だ。

小林署長にインタビュー 「安全安心な地域へ、意識向上を」

 タウンニュース旭区・瀬谷区編集室では旭警察署と防犯・交通安全特集を企画するにあたり、小林三季警察署長にインタビューを行った。小林署長は最新の特殊詐欺の手口、交通事故や街頭犯罪の発生状況を説明するとともに、地域住民らに安全安心なまちづくりへの協力を呼びかけた。

警察官騙りが急増

――まず、特殊詐欺の被害状況について教えてください。

 「神奈川県内では、今年の11月3日現在で約2000件発生し、被害額は約100億円に上ります。これは去年と比較して、件数で約400件、被害額で約50億円もの増加です。特に懸念されるのは、1件あたりの被害額が大幅に増えている点です。去年の1日平均の被害額が約1800万円だったのに対し、今年は約3200万円と、ほぼ倍増しています。件数も去年の1日平均5・5件から今年は6・5件と増加傾向です」

――1件あたりの被害額が増えたのはなぜですか。

 「今、最も巧妙化し、国民が騙されやすいのが警察官騙りの詐欺です。『あなたのキャッシュカードが不正に利用されている』『あなたの口座がマネーロンダリングに使われている』などと不安を煽り、被害者を信じ込ませます。この警察官騙りの手口では、『新しく口座を作り、今持っている通帳の現金を全て移してください』などと指示し、被害者の資産を根こそぎ奪おうとします。そのため、被害額が増大しているのです」

――どうすれば詐欺を防げるでしょうか。

 「大切なのは、電話を受けた瞬間に『え、本当?』と違和感を感じたら、すぐに詐欺を疑うことです。多くの被害者は、詐欺の事例を知っていても、『まさか自分がターゲットになるとは思っていなかった』と言います。特に他の県警を名乗る電話が多いのが特徴で、もしそのような電話がかかってきたら、相手の所属と名前を聞き、一度電話を切り、自分で旭警察署などに確認の電話をしてください」

「乗れば車の仲間入り」

――続いて交通安全についてです。来年4月からは自転車の交通違反に対して反則金制度が導入されるなど、規制が強化されています。

 「自転車は今まで気楽な『足』として使われていましたが、事故が多発しているため、車と同じようにルールを決めざるを得ない状況になりました。特に、運転中に携帯電話を使用するなど、ながら運転による事故が深刻です。自転車も『乗れば車の仲間入り』という意識を一人ひとりが持つ必要があります」

――旭区の交通事情で特徴的な点はありますか。

 「旭区は住宅街が多く、道路が狭いうえに交差点が非常に多いという特徴があります。このため、二輪車の事故の構成率が県下で2番目に高くなっています。道路が狭いことによるすり抜け時の接触事故などが頻発しています。バイクの運転者には、渋滞時に焦らず、心にゆとりを持って譲り合う姿勢が特に必要です。また、すべての交通事故に言えることですが、『防衛運転』を励行していただきたい。スピードを出さず、次の交差点で子どもが出てくるかもしれない、といった危険性を常に頭に浮かべながらハンドルを握る。交通ルールを遵守し、危険性を認識することで事故は必ず防げます」

窃盗に注意を

――そのほか、区内で増加している犯罪はありますか。

 「現在、犯罪として目立って増えているのが窃盗罪です。その大半を自転車とオートバイの窃盗、そして万引きが占めています。特に自転車は、駅前や商業施設、さらには団地の駐輪場でも無施錠のまま盗まれるケースがほとんどです。自宅であっても必ず鍵をかけ、可能であれば二重ロックを徹底してください。オートバイでは、鍵の抜き忘れやつけっぱなしの状態は避けてください。

 万引きも深刻です。最近はセルフ会計において商品を支払わずに持ち去る『セルフの飛ばし』も増えています。もちろん、これらは全てカメラに記録されており、必ず報いがある立派な犯罪であることを強調したいです」

――最後に、地域の安全安心に向けてメッセージをお願いします。

 「団地の多い旭区は、特殊詐欺や事故の被害者になりやすい高齢者の構成率が高い地域でもあります。住民の皆様には、この深刻な現状を認識し、地域全体で力を合わせ、犯罪や事故を未然に防ぐ活動に積極的に参加していただくようお願いします」
大勢で賑わったボッチャ大会=提供

細谷戸でボッチャ交流会 地域で交流の輪を広げ

 瀬谷区の細谷戸地区民生委員児童委員協議会がさきごろ、細谷戸第一集会所で住民や子どもたちを対象に「ボッチャ交流会」を初開催した。近隣の横浜市立相沢小学校6年生もイベント運営に携わり、社会福祉法人愛成会や障害者地域活動ホーム「せや福祉ホーム」の施設利用者らが参加するなど大勢で賑わった。

 細谷戸ハイツ第八自治会会長で民生委員の飯野美智子さんによると、同地区では高齢化が進むなかで4年ほど、夏祭りなど地域行事の開催が難しい状況だという。今年度から会長の成り手不足により連合自治会もなくなった影響を受け、イベントはさらに縮小された。「地域で子どもと大人が交わる場がなくなってしまった」という声が民生委員にも寄せられた。

 そうした状況から、「年齢関係なく集まることのできる地域行事を」と企画されたのが同イベント。当日は障害の有無や年齢、性別、国籍に関わらず、一緒に参加し楽しむことが出来るボッチャの大会を中心に、福祉施設の製品販売やゲーム・ワークショップ、あてくじコーナー、子ども向け体験遊びなど多彩な催しが並んだ。

児童も運営に参加

 相沢小学校6年生は授業の一環で地域の課題を学ぶなか、「子どもと地域の人が触れ合う場が少ないのでは」と問題意識を持ち、民生委員らに協力を申し出た。

 ボッチャ大会や会場の運営に参加した平野碧菜さんは「人も多く、盛り上がって楽しかった」、山中嘉人さんは「次回があれば、ほかにも誰とでも楽しめる競技やゲームを考えたい」とそれぞれ感想を述べた。

 企画した飯野さんは「想定以上のにぎわいに地域の人が集まる場を求めていたことを実感した。また来年も開催できれば」と地域交流へ意欲をみせる。

横浜市の瀬谷支援学校 地域交流深めるフェスタ 12月13日 飲食・雑貨販売やボッチャなど

 横浜市瀬谷区の北部にある組織・団体が協力する「2025 交流フェスティバル」が、12月13日(土)に神奈川県立瀬谷支援学校=瀬谷区竹村町28の1=で開催される。午前10時から午後1時。雨天決行。

 地域と福祉事業所、支援学校の連携・交流を深めようという同フェス。障害福祉への理解啓発を進める目的もある。

 当日は、地域団体による太鼓演奏、ダンス、ボッチャ大会などのステージイベントに加え、校内各所での企画展示や体験コーナーも実施。同校、上瀬谷小学校、大門小学校の生徒による製品展示、瀬谷北部地区社会福祉協議会による野菜・芋煮販売、住まいの工夫の展示、防災クイズ、ビッグシャボン玉など、幅広い年代が楽しめるプログラムが並ぶ。

 バザーコーナーでは、福祉作業所によるハンドメイド製品をはじめ、カレーやピザ、弁当、焼き菓子などの軽食販売も行われる。

 上履きを持参し、公共交通機関で来場とのこと。急遽中止となる場合は、瀬谷支援学校ホームページで発表される。(問)瀬谷支援学校【電話】045・302・5374

横浜市の瀬谷中地域防災拠点で新たな試み 身を守る行動、子どもに指南 親子の訓練参加を促す狙いも

 避難所機能を持つ地域防災拠点の運営訓練がさきごろに横浜市瀬谷区の瀬谷中学校で行われ、子ども向けの防災教室が開催された=写真。

 小・中学校などが指定されている同拠点では、地域・学校・区役所で組織される委員会が運営を担う。瀬谷中学校地域防災拠点の山家(やまが)正裕運営委員長によると、同教室は初の試み。発災時に身を守る方法などを学んでもらうとともに、子どもがいる家庭の訓練参加につなげたい考えだ。

 教室には20人弱の子どもが参加。講師を務めたボランティア団体「瀬谷区”みんなかつやく”ネットワーク」の高階美穂さんは、登下校中に地震が起きた時の危険なポイントとして、電柱や窓ガラスなどを紹介。また、家族とあらかじめ避難場所を決めておくこと、発災時に困ったら、地域防災拠点である瀬谷中学校に避難することを呼びかけた。

 山家運営委員長は来年度の訓練について「より多くの人に参加してもらえるよう、子ども向けの防災教室も含めてバージョンアップしていければ」と話していた。
作品がラッピングされた建物の前に立つ、左から竹田代表、後藤さん、八重樫さん、門傳さん、渡邊さん

横浜市・大気測定局のネーミングライツ事業者 旭区の都岡小で、環境問題考える絵画コンクール 児童4人の作品を表彰

 大気常時監視測定局のネーミングライツ事業者である株式会社デスポ=横浜市神奈川区/竹田孝代表取締役社長=がこのほど、測定局が設置されている旭区の横浜市立都岡小学校5・6年生を対象とした「みらいのよこはま」絵画コンクールを開催。優秀賞に渡邊陽大さん、佳作に後藤暉登さん、門傳央祐さん、八重樫凌太さん(いずれも5年生)の作品が選ばれ、測定局の壁にラッピングされた。

 児童をはじめとした市民が環境について考えるきっかけとする目的の同コンクール。受賞作品には「豊かな自然の中で生き物が増えてほしい」「横浜の自然を守りたい」「生き物が暮らしやすい綺麗な海になって欲しい」などの思いが込められている。

 11月10日には同校で表彰式が開催され、渡邊さんは「横浜市をもっときれいにしたいという思いで描いた。自分も、ゴミをポイ捨てしないように意識する」と述べた。

 竹田代表は「環境問題の改善に寄与したい思いで、コンクールを開催した。児童たちがもっと環境に興味を持つきっかけになれば」と語った。
昨年の感謝祭の様子

横浜市旭区の白根学園 地域に感謝伝える祭り 12月6日 食品販売やよさこい演舞など

 社会福祉法人白根学園=横浜市旭区白根7の10の6=は12月6日(土)、恒例の「感謝祭」を同園の園庭会場で開催する。午前10時から午後3時。雨天決行。

 当日は、同法人や地域の福祉事業所による自主生産品の販売をはじめ、協賛企業による食品販売など多彩なブースが並ぶ。ステージでは、太鼓の演奏やダンス、バルーンショーのほか、よさこい演舞などが披露され、来場者を楽しませる。また、旭区のマスコットキャラクター「あさひくん」も来場予定だ。

 企画担当者は「地域の皆さまに楽しんでいただける企画を用意しています。多くの方の来場をお待ちしています」と呼びかける。来場は公共交通機関の利用を。(問)同園【電話】045・951・2669

横浜市瀬谷区の瀬谷センター サクソフォンの音色楽しんで 12月13日 恒例のクリスマス演奏会

 横浜市瀬谷区の瀬谷センター=瀬谷3の18の1=で12月13日(土)、クリスマスコンサート「サクソフォンで奏でる聖夜の音色」が開催される。時間は午後1時30分〜2時10分。

 サクソフォン奏者・田村哲さんを中心とした四重奏を披露。田村さんは国内外で活動するプロ演奏家で、当日はクリスマスに合わせた音色を届ける。

 参加無料。誰でも来場可能で、先着200人。予約不要。当日は来場者に、同センターから焼き菓子のプレゼントも用意されている。(問)同センター【電話】045・303・4400
(左から)渡邉氏、中谷氏、横浜商工会議所の上野孝会頭、山中竹春市長、上野氏、犬飼氏、加藤氏

横浜市産業功労者に神奈川トヨタ・上野相談役ら5人

 横浜市内の経済活性化や地域貢献の功績が顕著な事業主を表彰する「横浜市産業功労者」の表彰式が11月28日に市庁舎で行われた。

 表彰は今回で8回目。受賞者は、50音順に犬飼邦夫氏(エルテックス=保土ケ谷区=取締役会長)、上野健彦氏(神奈川トヨタ自動車=神奈川区=取締役相談役)、加藤光雄氏(黒澤フィルムスタジオ=緑区=代表取締役社長)、中谷忠宏氏(旭広告社=中区=代表取締役社長)、渡邉一郎氏(渡辺組=中区=代表取締役)の5人。

 犬飼氏は1985年にエルテックスを設立。神奈川県情報サービス産業協会理事として情報産業の育成に寄与し、横浜商工会議所では「よこはまITフェア」の開催に尽力した。

 上野氏は神奈川トヨタ自動車で社長、会長を歴任し、横浜商工会議所副会頭として横浜環状北線・北西線の整備などに取り組んだ。

 加藤氏は2001年から黒澤フィルムスタジオの社長として国際園芸博覧会の横浜招致に尽力し、地域物産展の開催にも貢献した。

 中谷氏は87年の歴史を持つ旭広告社を20年以上率い、初夏の風物詩である「ザよこはまパレード」の企画・宣伝で中心的役割を担った。

 渡邉氏は1916年創業の渡辺組を23年以上経営し、建設業の課題をテーマとした講演会の実施や税制改正要望に尽力した。

 表彰式では横浜商工会議所創業百五十年・創業百年会員企業顕彰も実施された。受賞企業は次の通り(創業、50音順)。▽150年...鈴幸商事=港北区=▽100年...テクノステート=保土ケ谷区=、徳永ビル=中区=、二葉横浜支店=鶴見区=、イワサワ=神奈川区=、笠原工務店=港南区=、福屋尾崎商店=保土ケ谷区=、森永製菓鶴見工場=鶴見区=、渡商会=神奈川区=
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横浜市、小児医療費無償化を18歳まで拡充へ 12月補正に準備費5千万円 2026年度早期に開始

 横浜市は11月27日、市会定例会に提出する12月補正予算案の概要を公表した。この中で、小児医療費の無償化対象を2026年度中に18歳まで拡大するための準備経費として、5千万円を盛り込んだ。

 現在の無償化対象は中学3年生までだが、周辺自治体の多くはすでに18歳まで拡大しており、市会や市民から拡充を求める声が上がっていた。

 補正予算案には、システム改修や事務処理センターの設置、広報準備などを進める事業費として5千万円が計上された。山中竹春市長は21日の定例会見で、開始時期について「26年度の早い時期に開始したい」と述べている。

 補正予算案の総額は、これらを含め8億1500万円となった。