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旭区・瀬谷区 社会

公開日:2025.12.04

小林署長にインタビュー
「安全安心な地域へ、意識向上を」

 タウンニュース旭区・瀬谷区編集室では旭警察署と防犯・交通安全特集を企画するにあたり、小林三季警察署長にインタビューを行った。小林署長は最新の特殊詐欺の手口、交通事故や街頭犯罪の発生状況を説明するとともに、地域住民らに安全安心なまちづくりへの協力を呼びかけた。

警察官騙りが急増

――まず、特殊詐欺の被害状況について教えてください。

 「神奈川県内では、今年の11月3日現在で約2000件発生し、被害額は約100億円に上ります。これは去年と比較して、件数で約400件、被害額で約50億円もの増加です。特に懸念されるのは、1件あたりの被害額が大幅に増えている点です。去年の1日平均の被害額が約1800万円だったのに対し、今年は約3200万円と、ほぼ倍増しています。件数も去年の1日平均5・5件から今年は6・5件と増加傾向です」

――1件あたりの被害額が増えたのはなぜですか。

 「今、最も巧妙化し、国民が騙されやすいのが警察官騙りの詐欺です。『あなたのキャッシュカードが不正に利用されている』『あなたの口座がマネーロンダリングに使われている』などと不安を煽り、被害者を信じ込ませます。この警察官騙りの手口では、『新しく口座を作り、今持っている通帳の現金を全て移してください』などと指示し、被害者の資産を根こそぎ奪おうとします。そのため、被害額が増大しているのです」

――どうすれば詐欺を防げるでしょうか。

 「大切なのは、電話を受けた瞬間に『え、本当?』と違和感を感じたら、すぐに詐欺を疑うことです。多くの被害者は、詐欺の事例を知っていても、『まさか自分がターゲットになるとは思っていなかった』と言います。特に他の県警を名乗る電話が多いのが特徴で、もしそのような電話がかかってきたら、相手の所属と名前を聞き、一度電話を切り、自分で旭警察署などに確認の電話をしてください」

「乗れば車の仲間入り」

――続いて交通安全についてです。来年4月からは自転車の交通違反に対して反則金制度が導入されるなど、規制が強化されています。

 「自転車は今まで気楽な『足』として使われていましたが、事故が多発しているため、車と同じようにルールを決めざるを得ない状況になりました。特に、運転中に携帯電話を使用するなど、ながら運転による事故が深刻です。自転車も『乗れば車の仲間入り』という意識を一人ひとりが持つ必要があります」

――旭区の交通事情で特徴的な点はありますか。

 「旭区は住宅街が多く、道路が狭いうえに交差点が非常に多いという特徴があります。このため、二輪車の事故の構成率が県下で2番目に高くなっています。道路が狭いことによるすり抜け時の接触事故などが頻発しています。バイクの運転者には、渋滞時に焦らず、心にゆとりを持って譲り合う姿勢が特に必要です。また、すべての交通事故に言えることですが、『防衛運転』を励行していただきたい。スピードを出さず、次の交差点で子どもが出てくるかもしれない、といった危険性を常に頭に浮かべながらハンドルを握る。交通ルールを遵守し、危険性を認識することで事故は必ず防げます」

窃盗に注意を

――そのほか、区内で増加している犯罪はありますか。

 「現在、犯罪として目立って増えているのが窃盗罪です。その大半を自転車とオートバイの窃盗、そして万引きが占めています。特に自転車は、駅前や商業施設、さらには団地の駐輪場でも無施錠のまま盗まれるケースがほとんどです。自宅であっても必ず鍵をかけ、可能であれば二重ロックを徹底してください。オートバイでは、鍵の抜き忘れやつけっぱなしの状態は避けてください。

 万引きも深刻です。最近はセルフ会計において商品を支払わずに持ち去る『セルフの飛ばし』も増えています。もちろん、これらは全てカメラに記録されており、必ず報いがある立派な犯罪であることを強調したいです」

――最後に、地域の安全安心に向けてメッセージをお願いします。

 「団地の多い旭区は、特殊詐欺や事故の被害者になりやすい高齢者の構成率が高い地域でもあります。住民の皆様には、この深刻な現状を認識し、地域全体で力を合わせ、犯罪や事故を未然に防ぐ活動に積極的に参加していただくようお願いします」

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