藤沢版【12月5日(金)号】
『はまかぜエール』を手にする小島さん(右)と大浦さん

ハマボウフウ×ビール 「スッキリ爽やかな味」 藤沢本町駅近ブルワリーで堪能

 海岸の砂地に自生するセリ科の多年草「ハマボウフウ」の種を使用したクラフトビールが現在、藤沢本町駅近くにあるブルワリー「オーラブルーイング」で販売されている。日本大学生物資源科学部やハマボウフウを再生させる活動を30年以上続ける市民団体「湘南海浜植物育成会」などがタッグを組み、今春から始まったプロジェクトの一環。ビールからハマボウフウの存在を知ってもらい、湘南の風景を残す狙い。

次世代につむぐ湘南の風景

 ハマボウフウは「浜防風」とも記載され、根が深く張ることで砂が風で飛散するのを防ぐ植物。枝葉が生い茂ると、津波などの被害も軽減され、防災の目的で植栽されるケースもある。

 日本大学生物資源科学部の博士で助教の小島仁志さんは、生態学分野で絶滅危惧種の研究や保全活動に取り組んでいる。「浜辺にひっそりと咲くハマボウフウの花。地味だが、海岸の草原風景を維持する重要な役割がある。次世代に残したい」と学生らとプロジェクトを立ち上げることに。

 詳しく調べて見ると、カルシウム、鉄分、カリウムなどが豊富な「健康食」ということが分かった。また全国各地で伝統的な調理法があり、市内では江戸時代から藤沢宿にある老舗和菓子店「豊島屋本店」がハマボウフウなどを使った「砂糖漬」を参勤交代の土産として提供していた記録が残っていた。

 「まずは食品開発でファンを増やそう」と小島さんは関係企業協力の下、葉の粉末を入れたジェラートを開発。試食者へアンケートを実施すると好評だった。さらに新メニュー候補に「ビールを作ってほしい」との声が上がったことから、藤沢宿にあるブルワリーの店主、大浦真琴さんに相談。快諾をもらい、開発に乗り出した。

 学生が実の皮をむいて出てきた黒い種を提供。「独特の香りとほろ苦さをどう際立たせるか」と大浦さんは種を「焙煎」「そのまま」「砕く」の3パターン用意し、ベルギー発祥のビアスタイル「ベルジャンホワイト」を採用することに。通常はコリアンダーシード(パクチーの種)などを使用するが、ハマボウフウの種で代用。試行錯誤の末、発酵は成功し、先月中旬から販売を開始した。学生のアイデアを採用し、商品名は『はまかぜエール』とした。

 常連客からは「スッキリ爽やかな味で飲みやすい」と人気なようだ。売り上げの一部は同会の活動資金に寄付される。

 小島さんは「ユニークなビールを通じ、湘南の海岸を守るハマボウフウを知る人が増えてほしい。そして今後も可能性を掘り出していきたい」と展望を語った。
配布が予定されているお守りに入った見守り端末

小型端末で児童見守り 来年度、市が新サービス導入

 登下校時の児童を守るため、藤沢市は来年4月から新たな見守りサービスを導入する。市内の全市立小学校が対象で、希望する家庭に小型端末を無償配布。児童が身につけて登下校すると、まちの中の見守りスポットを通じて位置情報が記録される。現在全国41自治体、約500校に導入されており、約15万人が利用。県内では小田原市に続き2例目。

 IoT技術を活用した見守りサービスを展開する(株)otta(福岡県)と(株)チェンジホールディングス(東京都)との連携事業。市ではこれまで児童の登下校時の安全確保のため、地域ボランティアによる見守りやスクールガードリーダー配置といった対応を取ってきたが、近年は担い手不足や活動時間の制約などの課題を抱えていた。

 これらを踏まえ、市教育委員会は先月20日、両社と登下校見守りサービスに関する協定を締結。行政、事業者、地域、保護者が一体となり、地域全体で児童を見守る環境づくりを目指す。

"お守り"配布

 事業者から無償配布される小型端末を持った児童が、まちの中に設置された見守りスポットを通過、またはスマートフォンに専用アプリをインストールした「見守り人」と呼ばれる地域住民や提携事業者のタクシーとすれ違うと、位置情報や通過時間が記録されるシステム。「子どもが帰ってこない」などの理由で保護者が希望すると、端末を検知する機器が記録した位置情報を事業者から警察に提供でき、児童の足取りや居場所の捜索、早期発見に期待がかかる。端末にはBluetooth規格(BLE)の技術を活用。6年間充電不要で使用可能だ。

 また保護者がスマートフォンなどで児童の位置情報を随時確認できる有料プランもあり、希望者は自己負担で利用を申し込むこともできる。

 先の協定に基づき、市は来年度までに各校の通学路に最大20カ所のルーターを新たに設置する他、見守り人の周知啓発に向けた取り組みも進めていく考え。導入後には、学校の負担感や保護者の安心度、端末の周知度や検知率なども検証していくとしている。

女性の働き方に関するイベント「みなるフェス」を初開催する 大川 真弓さん 湘南台在勤 48歳

「人生が変わる転機に」

 ○…子育てと仕事の両立に悩んだ末に起業した経験から、同じように悩みを抱える湘南エリアの女性たちが自分に合った働き方や学びの場に出合える場を企画した。「在宅ワークやフリーランス、起業など『私にもできるかも』と最初の一歩を踏み出すきっかけになれば」と力を込める。

 ○…新潟県で生まれ育ち、結婚を機に藤沢市へ移り住んだ。都内でECサイトの運営などに携わる仕事に就いていたが、娘を出産後、仕事と育児の両立が困難な環境に直面し、退職。転機となったのは、あらゆる分野で自ら道を切り拓く女性経営者たちとの出会いだった。先輩から助言を受けながら、「自由な働き方の仕組みを作りたい」と4年間をかけて徐々に法人を立ち上げた。現在は、主にオンラインショップの運用代行やWEBデザインなどを手掛けている。

 ○…起業後の生活は多忙ながらも「知りたいことや会いたい人に自らアプローチし、積極的に行動範囲を広げられる」と屈託のない笑顔を浮かべる。家庭とバランスを保つため、自分でできることや協力してもらいたいことを明確化し家族に共有。充実した日々を過ごせるのは「皆の協力があってこそ」と常に家族への感謝を忘れない。

 ○…自身が手掛ける事業はオンラインで解決させることもできるが、「熱量や思いがより鮮明に伝わる」と実際の商品やクライアントに直接関わる機会を必ず設けている。みなるフェスで目指すのは、在宅ワークや独立のためのスキルを身に着けたい女性と、そうした人材を求める企業をつなぐ、オープンなリアルイベントだ。「自分に合った正しい情報、知識を得てほしい。人生が変わる転機になるような、出会いが生まれる場になれば」。
涙ながらに感謝を語る小島専務理事(左)

ライフピア専門店 「大庭は故郷」 41年の感謝伝え閉店

 湘南ライフタウンショッピングセンター内にある専門店街「ライフピア専門店」が11月30日、多くの地域住民に見守られながら41年の歴史に幕を閉じた。

 大型スーパージャスコ(現イオン藤沢店)と共に、1984年に湘南ライフタウンショッピングセンターとして誕生した同専門店街。老朽化や店主の高齢化を理由に、運営する(協)湘南ライフタウンショッピングセンターの保有区分を(株)イオンリテールに売却、イオン側は来年1月末で休業し、建て替えを発表している。

 30日に行われたファイナルセレモニーでは、神奈川県出身の津軽三味線奏者・中田誠さんが生演奏を披露。同組合の岩間保博理事長は「店がなくなり迷惑をかけるが、イオン側が地域住民が困らないよう最善を尽くすと言ってくれ、我々も決断した」と説明した。

 終盤には、24歳の時から専門店街で米屋を営んできた小島和弘専務理事が「大庭は故郷。本当にありがとうございました」と涙ながらに感謝を告げ、地域住民の温かな拍手で最後の時を迎えた。
商工会館で繰り広げられた熱い戦い(提供)

藤沢で珠算名人決定戦 全国最高峰の戦い

 (一社)日本珠算連盟(内海雅美理事長)が先月30日、珠算界最高峰の「名人位」を決める大会を藤沢商工会館ミナパークで開催した。

 大会は25回目、同連盟主催の段位認定試験で八段以上(小学生は四段以上)の選手ら99人が集い、かけ算やわり算、みとり算、伝票算などの7種目で計算の速さと正確さを競い合う。

 正答数の点数を競い合う1回戦の後、2回戦から決勝までトーナメント戦でしのぎを削り、埼玉県の辻窪凛音選手(大2)が前回名人の弥谷拓哉選手を下し、25代名人となった。
宮戸さんと愛犬の「アロハ」

元藤沢市議のベンチャー×日大 犬のがん早期発見・治療へ

 元藤沢市議会議員で藤沢在住の宮戸みつるさんがCEO(最高経営責任者)を務め、バイオ研究分野で実績を上げているベンチャー企業のISM(株)と日本大学生物資源科学部(学部長・関泰一郎氏)は今秋、犬のがん疾患における新たな早期診断法と治療法の開発について共同研究の契約を結んだ。がんにり患した犬の血漿(けっしょう)(血液の約55%を占める成分)を日大が提供し、同社が開発した治療薬で、がんの早期発見と早期治療ができるかを検証。日大側は、同大動物病院長で獣医外科学研究室教授の枝村一弥氏が研究代表を務める。

ヒトへの技術応用

 同社は先進医薬開発に取り組んでいる企業。今年6月にはヒトのがん疾患の新規早期診断法と治療法の開発で、経産省の成長型中小企業等研究開発支援事業に採択され、国の政策に位置づけられることとなった。

 同社の他、国立がん研究センター、慶應義塾大学などと研究を重ねてきたがんの早期発見から治療までを一貫で行う創薬事業。従来の検査ではがん細胞が大きくならなければ確定的な発見は難しかったが、同社の技術を用いれば微小ながんでも存在を確定でき、早期発見につながる。治療ではがん細胞のみを攻撃し、周辺の細胞への影響がないため副作用も出ない。加えて、がん細胞が発する転移の原因物質も破壊する。同センターで行われた実験では、原発がん、転移がん共に「顕著な抑制がみられた」という世界初の技術だ。

 日大との共同研究は、これらの技術を犬に応用するもの。以前から親交のあった元教授に連絡を取り、関係者につないでもらい、契約に至った。

亡き妻、愛犬へ捧ぐ

 開発のきっかけは、コロナ禍にあったおよそ4年前にさかのぼる。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、細胞間の情報伝達物質などを通じ、重症化、軽症化の判断基準を特定。その技術を活用し、がん検査、治療薬の開発につなげた。

 また、かつて妻と愛犬をがんで失った過去もあり、先の技術を世界に広めることが「供養にもなる」という思いもある。

 宮戸さんは「人間もワンちゃんも家族の一員。みんなで一日でも長く一緒に過ごせるように、たくさんの命を救いたい」と展望を語った。

 研究期間は来年8月末まで、大阪府大阪市の研究本部で進めていく。
消防庁長官から表彰された同局職員(提供)

市消防局 防災科学技術賞を受賞 UI活用が評価

 藤沢市消防局予防課が先ごろ、消防庁主催の消防防災科学技術賞優秀賞を受賞した。消防防災科学技術の高度化と消防防災活動の活性化を目的とする同表彰。消防防災機器などの開発・改良、消防防災科学に関する論文および原因調査に関する事例報告の分野で優れた成績を上げた機関、大学、メーカーなど今年度は70作品の応募があった。同局としては初めての受賞で、11月20日に東京都三鷹市で表彰式が行われ、大沢博消防庁長官から賞状が授与された。

 今回の受賞は火災調査業務における3Dデータおよび図面作成UIの活用について。これまでは火災現場の原因調査・報告をするため、職員が建物の図面を手書きしていた。その作業を360度カメラなどを使い作業時間を短縮。業務の効率化が評価された。

 実証実験は(株)リコーと共創し昨年5月から今年1月に行われ、今年度は使用するカメラを変更するなどしながら、より高精度で効率的に調査できるよう実証を続けているという。

川の中を知ろう 13日 引地川親水公園で清掃イベント

 清掃ボランティア団体「エシカリングCLUB★」(水戸将史代表)主催で清掃イベントが12月13日(土)、引地川親水公園で開催される。午前9時30分から第二駐車場付近広場で受付開始。

 当日は10時から同公園で、川のごみを拾い、重たさなどを競い合いながら流れ着くごみの種類などを学ぶ。小・中学生を中心に、個人・チームで参加でき、調査・集計の上「一番重いで賞」「びっくりごみ賞」を決める(賞品あり)。軍手・トングは各自持参。

 会場では他に、川で見つかった生物を一時的に捕まえ、観察しながら多様性を学ぶイベントも開催。講師はNPO法人ことりのおうち理事長の高見広海さん。

 また、同クラブが辻堂海岸などで拾ったマイクロプラスチックでの箸置き作りの他、野菜の摂取量などを確かめる健康チェックを開催する。

 同クラブは2021年から辻堂海岸や境川・引地川を中心に活動し、同公園では毎月第3日曜日に清掃活動を行っている。

 予約不要。雨天中止(前日公式ホームページで告知)。問い合わせは同クラブの伊藤さん【携帯電話】090・7948・6819まで。

藤沢市 優良工事事業者を表彰 土木、電気など12社

 藤沢市は28日、今年度の優良建設工事表彰(昨年度竣工工事が対象)の受賞者をFプレイス(労働会館)ホールで表彰した。表彰は市が発注した建設工事のうち、他の模範となる優れた施工を行った建設業者を表彰するもの。今回は橋の改修や道路・交差点の工事などの土木、小学校のグランド整備、電気設備、空調設備、舗装工事などを行った12社が選ばれた。

 受賞者は次の通り(順不同)。(株)門倉組(弁天橋改修工事)、門倉土木(株)(同)、(株)堀本工務店(辻堂南部放流管流入管渠築造工事)、三和工業(株)(善行長後線(六会工区)街路築造及び交差点改良工事)、(株)入内島土建(藤沢652号線道路改良工事)、(有)安場土木(本鵠沼一丁目地内管渠布設替工事)、(株)西尾建設(大鋸まちかど公園法面対策工事)、ミヤマ建設(株)(北消防署仮眠室改修工事)、(株)門倉組(大庭小学校グラウンド整備工事)、愛和電気(株)(鵠南小学校等改築工事)、(株)上原電設(同)、(有)NDS(長後市民センターコミュニティー棟体育室空調設備改修工事)、西建設工業(株)(辻堂駅初タラ線舗装打換工事)。

在津紀元さん「音楽元気講座」 懐かしの名曲語り合う 22日 鵠沼市民センター

 レディオ湘南放送「ざいつきげんの音楽鍋」で知られるラジオDJの在津紀元さんが講師を務め、60歳以上のシニアが懐かしい音楽で語り合う「音楽元気講座」が10周年を迎えた。

 音楽元気講座は、1950年代から70年代を彩った懐かしのポピュラーソングやジャズ、映画音楽、洋楽などを聴きながら、その時代の文化・風俗を語り合う。「音楽で青春を回想することで心身にエネルギーを与え、明日の活力につなげていただければ」と在津さん。

 12月22日(月)には鵠沼市民センター大ホールで20回目の講座を行う。在津さんによるおなじみのクリスマスソング選曲で会場を盛り上げる他、ギタリストの寺屋ナオさんと、音楽家の戸坂純子さんのスペシャルライブも開催。

 開場午後1時。定員100人。参加無料・申込不要。(問)同センター【電話】0466・33・2002
市役所分庁舎で行われた寄贈式

藤沢白門会 車いす3台を市社協に寄贈

 中央大学の卒業生で組織される「藤沢白門会」(遠藤主計会長)が車いす3台を藤沢市社会福祉協議会(小野秀樹会長)に寄贈し、先月27日に寄贈式が行われた。

 2000年から同会が行っている地域貢献活動。同会創立30周年を記念し、前回の2台の寄贈よりも多い台数の寄贈となり、同会が市に寄せた車いすの総数はこれで46台目となった。

 市社協では退院後などに一時的に貸し出しなどを行っており、小野会長は「寄付で成り立つ地域福祉に、継続的にご協力いただきありがたい」と話した。
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植えた花に水やりする子どもたち

花育ですくすく

 緑いっぱい市民の会は先月28日、児童養護施設「聖園子供の家」(野際良介施設長)にパンジーやストックなどおよそ2百株を寄贈した。同会は毎年同様の取り組みを続けてきたが、今回は初の試みとして子どもたちと一緒に施設内に花を植える「花育」を実施した。

 同会の大田哲夫会長は子どもたちに「植えた花がまた咲くから来年の春を楽しみにしていてね」と話した。野際施設長は「自分の手で花を植える機会は少ない。楽しい時間を共有してもらいありがたい」とした。
前田署長(右)と日本大学藤沢高校の生徒

藤沢税務署 日藤高4人を表彰 作文コンクール

 租税教育の一環として行われた「税に関する高校生の作文」コンクールで、日本大学藤沢高校の4人が藤沢税務署長賞を受賞し、11月28日同校で表彰式が行われた。

 受賞したのは、江頭花菜さん(1年)の「税と大阪万博から考える未来」、三澤百花さん(同)「カナダの税制と日本の将来」、中田知十世さん(同)の「税金と選挙」、渡邊環さん(同)の「生まれた瞬間に税が決まる社会は公平か?」の4作品。

 賞状を受け取った江頭さんは「大阪万博に実際に行って、テーマを思いついた。受賞できてうれしい」と笑顔を見せた。

 同署の前田真宏署長は「どの作品も税の重要性を十分に理解し、賛否も含めてわかりやすく書かれていた。税についてしっかり考え理解してくれていてありがたい」と話した。

 今年度、同署管内の高校からは763編の作文が寄せられ、同校の4人の他、県立茅ヶ崎北稜高校の佐藤杏樹さんの「『不要な税』は存在するか」が同署署長賞を受賞している。
ビールやチキンの写真がぶら下がるクリスマスツリー

ツリーにビールとチキン 商店街のラインナップで飾り

 南仲通り商店街の一角にビールやチキン、美容院などの店の宣伝をぶら下げたもみの木が飾られている。場所はクラフトビール醸造所「藤沢ビールハウス」の店前。

 同所を運営する(株)バイオクロマト木下一真社長が、商店街仲間の花屋からツリーを置かないかと提案を受け、「普通の飾りではつまらない」と発案し、商店街の会員や、藤沢ビールを取り扱う飲食店などに声掛け。「ツリーにクリスマスメニューや店の宣伝を飾って、みんなで売上を上げられるように」と祈願の思いも込めたという。

 飾り付けをしたのは同所のスタッフ。ビールの写真を型取るなど、写真スポットとなるよう工夫した。木下社長は「来年以降もツリーを飾り付けて、新たなまちのシンボルにしていきたい」と意気込んでいる。
【1】電動サイクルを乗りこなす女性【2】VRゴーグルを装着しながらドローン飛行の映像を見せる男性【3】「幸せ」の理解を深めるワークショップ

「幸せ」知るフェス 湘南アイパークで盛況

 地域住民が心身共に満たされた状態の実現を目指す「新湘南ウェルビーイングフェスタ2025」が先月29日、村岡東の湘南アイパークで行われた。アイパークインスティチュート、湘南鎌倉総合病院、三菱商事、横浜国立大学、新湘南ウェルビーイング協議会の共催で昨年に続く2度目。

 会場では、「お腹の不調」をテーマに製薬会社や患者、市民が創薬に貢献できることを考えるトークセッションの他、「ペダルを漕がない」電動サイクルやVRで内視鏡やドローン飛行の映像を楽しめる催しが用意され、参加者は最新技術を通じて未来を体感した。また「ウェルビーイングって何だろう?」と銘打ったワークショップでは、自分らしい幸せや周囲と幸せな関係性を築くことなどに多世代が理解を深めた。参加した20代男性は「当たり前のことをありがたいと思うことが、日常生活で大切と気づかされた」と話した。
接客するリエゾンのメンバーら

図書館に珈琲の香り リエゾンが出張カフェ

 高校生が主体となって運営するカフェスタイルのコミュニティスペース「リエゾン」(細沼惠美子代表)が先月29日、湘南大庭市民図書館で開かれた。「図書館deカフェ」と銘打ち、普段活動を行っている湘南大庭市民センターから「出張」したかたちとなる。

 今年4月に催された同図書館の25周年記念行事にリエゾンが参加したことが、今回の開催のきっかけに。当日はメンバーらが入り口付近のテラスで珈琲を振る舞った。同図書館の担当者は「珈琲の匂いがする図書館も魅力的。館内とはまた別のくつろぎ方ができるのでは」と話した。

 またリエゾンはこのほど、屋台型臨時営業の許可も取得。以前よりも広い範囲で展開できるようになったことについて細沼代表は「学生の活躍の場がさらに広がり、より多くの市民に足を運んでもらえるようになるのでは」と喜びをにじませた。

 リエゾンは今月13日(土)と14日(日)、湘南T―SITE(辻堂元町)のクリスマスマーケットにも出張予定だ。

障害者の理解深めるフェス 6日 市役所で

 障害の有無を問わず、誰もが楽しめる祭り「藤沢ふれあいフェスタ2025」が6日(土)、藤沢市役所の分庁舎1・2階(地域福祉プラザ)と本庁舎1階で開かれる。藤沢市、市ふれあい実行委員会、市社会福祉協議会の主催。入場無料。

 障害者の活動や障害者を支える取り組みを紹介することで、障害の理解を深めてもらう企画。車いすや手話の体験、盲導犬デモンストレーション、演奏・ダンスの発表、手づくり小物・飲食を販売する福祉マルシェ、スタンプラリーなど内容盛りだくさんだ。

 時間は午前11時から午後3時。問い合わせは市障がい者支援課【電話】0466・50・3528。
踊りを披露する陽向睦

老若男女踊り歩く 妙福寺でお会式

 日蓮宗の宗祖・日蓮の命日法要「お会式」が先月23日に打戻の妙福寺で行われた。

 全国各地で行われる儀式であるお会式。同寺では法話や読経の他、6月から境内で囃子の練習をしてきた有志の「陽向睦」会員などが纏を振り、太鼓や笛の音が響く中で踊りを披露。打戻の宇都母知神社から、桜を模した「万灯」とともに行列となり、同寺を目指して県道410号を歩いた。

 境内ではキッチンカーや屋台、抽選会が行われた。園児の息子と藤沢地区から訪れた男性は「初めて訪れたが、子どもと楽しめた。自分の住む地区のお祭りの参考にしたい」と話した。

 陽向睦の甘粕正樹会長は「新型コロナ禍以降、最高の盛り上がりだった。これからも継承していく」と述べた。

働く女性を応援 6日、ミナパークで

 働く意欲を持つ女性や子育て中の母親を支援する「みなるフェスin藤沢〜女性のためのキャリア&学びEXPO」が、6日(土)、藤沢商工会館3階会議室で開催される。午前11時から午後3時30分まで、入場無料。

 子育てと両立できる働き方や副業、在宅ワークに関心を持つ女性の「最初の一歩」を後押しすることを目的に、情報交換や学び、相談の場として企画されたイベント。当日は、未経験からの起業などについて各分野の専門家6人が実体験に基づいたノウハウをセミナー形式で説明する。

 他にもウェブ制作や動画制作、システム開発など多様な業界の担当者と直接話せる「お仕事紹介企業」ブースや、キャリアコンサルタントや女性専門ライフプランナーによる無料カウンセリング(要事前予約)コーナーなどが並ぶ。在宅ワーカーとして活躍する先輩ママとの交流ブースも。子ども連れ参加可能。

 詳細は主催のみなる実行委員会のHP(https://hujisawa.minaru.org/)へ。
発売直後から多くの人でにぎわった

湘南台商店会連合会 独自の商品券、即完売

 湘南台商店会連合会(最上重夫会長)が独自に発行したプレミアム商品券が26日、横浜信用金庫湘南台支店2階の特設ブースで販売された。販売開始の午前9時30分前からすでに長蛇の列ができ、用意された3千冊は即完売となった。

 地元商店の活性化と市民への貢献を目的とするプレミアム商品券。プレミアム率は30%で、6500円の額面が5千円で購入できる仕組みだ。使用可能な店舗は、同連合会に加盟する飲食店や美容院など64店舗で、発行は7回目を数える。

 商品券を手に入れた子ども連れの30代女性は「物価高で買い物に行くたびに、ため息が出る。家計が助かるし、今まで足を運んだことのない店にも行ってみたい」と笑顔を見せ、最上会長は「地域が少しでも元気になれば」と話した。
開所式でテープカットをする(左から)野村さん、鈴木市長、松崎さん

譲り合いでごみ削減へ 辻堂元町にジモティー開設

 地域情報サイトを運営する(株)ジモティー(東京都品川区)が先月27日、地域で不要品を譲り合う店舗「ジモティースポット藤沢辻堂店」を辻堂元町に開設した。同日、開所式が行われ、事業開発部VPの野村康二郎さんの他、店舗を運営するユーミーらいふグループからジモティースポット湘南エリアマネージャーの松崎光さん、鈴木恒夫市長らが出席した。

 ジモティースポットは「不要になったけれどもまだ使えるモノ」を地域のコミュニティー内で有償、または無償で譲り合うサービス。提供者はリユース品を店に持ち込み、譲り受けたい人は同社のアプリや掲示板サイトで持ち込まれた品を検索し、店舗で引き取る。対象は使用可能な家具や家電、衣料品、書籍、生活雑貨などだ。

 リユース(再使用)活動を促進するため、ジモティーと藤沢市が結んだ協定に基づき開設。粗大ごみなどのリユースを促す仕組みを整えることで、ごみ削減にも期待がかかる。式であいさつに立った松崎さんは「ごみ減少に向け、貢献していきたい」と述べた。
近内工場長(左)と鈴木市長

いすゞ自動車 937個のケーキ寄贈 19日 市内の福祉施設へ

 いすゞ自動車(株)藤沢工場(近内純工場長)が19日(金)、市内の福祉施設などへクリスマースケーキを寄贈する。

 それに先立ち先月28日に、近内工場長らが藤沢市役所を訪れケーキと目録を鈴木恒夫市長に手渡した。

 同社によるケーキの寄贈は今年で19回目。937個の6号生ケーキが201箇所の福祉施設などに配られる。

 同社の近内工場長は「苦しい時代も地域の人に支えられてここまで来られた。社会貢献をし続ける」と話した。
若き日に手掛けた作品の前に立つ親松さん

みその台親松さん 「会心の作」アトリエに 6日、7日 彫刻工房展

 みその台在住の彫刻家、親松英治さん(91)による彫刻工房展が先月29日から、聖園女学院の敷地内にある親松さんのアトリエ(みその台1の2)で開かれている。

 「人生の目的は無名の殉教者のためにマリア像を作ることだった」。熱心なキリスト教徒の親松さんが島原の乱(島原・天草一揆/1637〜38年)の犠牲者への鎮魂を目的に、40年ほど掛けて制作した全長9・65mにもおよぶ木彫りのマリア像が昨年9月、長崎県南島原市にある「原城聖マリア観音ホール」に展示された。木彫り像としては世界最大級とされ、話題となった。また片瀬漁港市民交流広場にある鯛を抱え、逆さになった少年の銅像『海の詩』も親松さんによるものだ。

 工房展では、親松さんが30代の時に制作したリンゴを手に持つ『エバ』や、40代半ばで「彫刻家として最も充実していた時の会心の作」という『レクイエム(主の降架)』、日本最大の公募美術展として知られる「日本美術展覧会(日展)」に今年出展した馬の背中に竪琴が乗る『早春賦』など、これまで手掛けてきた作品大小100点以上が並ぶ。

 開催日は6日(土)と7日(日)、時間は両日午前9時〜午後4時。問い合わせは【電話】親松さん0466・54・7430。

日常活用へ検証を実施中 湘南台アートスクエア

 「湘南台アートスクエア」であす6日(土)まで、日常活用における有効性を検証するための社会実験が開催されている。

 同所は小田急線など3線が乗り入れる湘南台駅の改札前の一角にあるスペース。法律上の扱いは「道路」で、2019年に、地域の特性を生かしたまちづくりを進める「湘南台地区郷土づくり推進会議」が薄暗さなどを懸念し提言書を提出し、整備のプロジェクトが立ち上がった。23年にグランドオープンを迎え、現在までストリートピアノの設置やさまざまなイベントの実施などに利用されてきた。

 そしてこのほど、イベント時以外も有効活用するのはどうかという地域の声を受け、市が社会実験に乗り出した。

 期間中は、駅利用者や住民が自由に休憩したり交流したりできるようイスやテーブルを設置。これまで読書コーナーを設けたり大学生による音楽演奏やボードゲーム体験などが行われたりした他、きょうの午後5時からは映画上映、7時からは利用者同士の意見交換会などが行われる。
イベントのイメージ画像(藤沢市観光協会提供)

リアルな宝探し 冬季は辻堂で

 宝の地図に描かれている暗号を解読して宝を探す体験型イベント「フジサワトレジャー」が、きょう5日(金)から来年2月1日(日)まで行われる。今回の舞台は辻堂。参加費無料で、捜索・発見報告は午前10時から午後5時まで。期間中に参加冊子を対象店舗に提示し、500円以上の飲食や買い物をするとオリジナルミニタオルの参加特典もある。

 イベントのもとになっているのは、江の島を舞台に20年以上にわたり、開催されてきた「エノシマトレジャー」だ。スマートフォンを使いまちに散りばめられたヒントやクイズの答えを下に宝を探すリアルなストーリーや描写が好評な同イベント。経済効果も絶大で、前年度に弥勒寺エリアで実施した際には、約約1400万円を超える効果があり、一人当たりの平均消費額は1704円とされている。

 エノシマトレジャーは2月6日(金)から開催を予定している。詳細は市観光協会公式ホームページから確認。
インタビューを受ける亀井さん

市内若手農家が語る JA主催の視察開催

 JA神奈川県中央会とJA全農かながわは先月26日、視察を通じ報道関係者に県内農業の現状や課題を伝えることを目的とした懇談会を藤沢市内で実施した。

 当日は県農協青壮年部協会書記長で菖蒲沢の野菜農家・亀井尋仁さん(31)の農園を報道各社が訪れた。トマトやキャベツなど約50品目を育てる亀井さん。JA全中と同全青協が連携し運営するYouTubeチャンネルで「農Tuber」としても活躍する。

 亀井さんは報道各社に、生産コストなどの高騰など現場を取り巻く問題を紹介するとともに、昨今の野菜の価格高騰に関し「市場では農家の希望小売価格は存在せず、相場によって決められる。ただ高騰しているというだけでなく、背景も知ってほしい」と呼びかけた。

 その後はJAさがみ本店(湘南台)で報道各社や農林水産省関東農政局の職員を交えた意見交換会が開かれ、新規就農を呼び掛ける取り組みの在り方や、耕地面積の減少・就農者の高齢化が進む県内農業についての意見が交わされた。

江の島・湘南の宝石 日本三大イルミに初認定

 江の島周辺を彩るイルミネーションイベント「湘南の宝石〜江の島を彩る光と色の祭典」が、あしかがフラワーパーク「光の花の庭」(栃木県)、ハウステンボス「光の王国」(長崎県)とともに「日本三大イルミネーション」に認定された。同ブランドは全国のイルミネーションを対象に(一社)夜景観光コンベンション・ビューローが主催しているもので、江の島の認定は初。藤沢市民会館で先月27日に行われた「夜景サミット2025in藤沢」で発表された。

 同ブランドは、イルミネーション文化の発展と夜間エンターテインメントの魅力発信を目的に、2017年に創設された。エンターテインメント性やオリジナリティー、発展性、運営側の熱意などの7項目について、全国の「夜景観光士」による検証、投票で決定され、これまで2回の再認定が行われた。

 今回は6768人の夜景観光士に加え一般投票も行われ、「光の花の庭」と「光の王国」が継続、湘南の宝石は「さっぽろホワイトイルミネーション」(北海道)と入れ替わる形で初認定された。

 同サミットでの認定発表後、湘南の宝石の主催元で、観光事業者などで組織されている「湘南藤沢活性化コンソーシアム」の二見将幸会長は「あしかがフラワーパークさん、ハウステンボスさんとは肩を並べられた訳ではなく、まだまだ目指すべき目標。我々もエリアの特色を最大限生かしながらお客様に色々な楽しさを提供できれば」とコメントした。

 湘南の宝石の実施期間は来年2月28日(土)まで。

湘南台駅に冬のお祭り 7日 ワクワク広場

 子どもから大人まで楽しめるイベント「湘南台ワクワク広場」が7日(日)、湘南台アートスクエア(地下鉄「湘南台駅」改札前)で開催される。午前10時から午後4時。

 12回目の開催となる今回は、クリスマス仕様に。当日は湘南台拠点のスタジオによるフラダンス披露やストリートエレクトーンの演奏、海外でも活躍する篠笛・能管奏者岸田晃司さんによるパフォーマンスなどの豊富なステージイベントが催される。名物の「大きならくがき」コーナーの他、フリーマーケットや湘南台地区の商店によるフードコートの出店も多数用意されている。

 問い合わせは同実行委員会【携帯電話】090・1500・0064
昨年初開催された「遊行の光」

荘厳な光、今年も 6日から遊行寺ライトアップ

 開山700年を迎えた西富の時宗総本山遊行寺で6日(土)から、市指定天然記念物「大イチョウ」の見頃に合わせ、ライトアップが施される。昨年初開催され、好評のうちに幕を閉じた催し。国登録有形文化財である本堂を含む境内一体が荘厳な光に包まれる。

 今年はエリアを拡大。放生池では、水面に映る幻想的な煌きを楽しめる他、大書院や中廊下では、湘南工科大学主催イベント「湘南邸園文化祭」も同時開催。AR技術を駆使し、枯山水庭園を演出する。正午〜午後5時。また7日(日)には本堂で西村宏堂氏が講師を務める文化講演会も行われる。午後1時30分開場、2時開演。先着120人。

 ライトアップの点灯期間は14日(日)まで。各日午後4時30分〜8時。荒天中止。

 問い合わせは同寺【電話】0466・22・2063。
映画『ゴンドラ』©VEIT HELMER-FILMPRODUKTION,BERLIN AND NATURA FILM,TBILISI

予告篇の映画鑑賞 川名で20・21日

 第18回湘南予告篇映画祭が20日(土)と21日(日)、KIKI BASE FUJISAWA(川名1の11の42)で開かれる。

 NPO法人湘南遊映坐の主催で、映画予告篇の紹介を切り口に多様な映画に出合える場を創出する映画祭。予告篇大賞として映画約500本の中から予告篇ナンバー1を決める他、昨年度大賞に輝いた映画『ゴンドラ』の本編上映、建築家・隈研吾氏の15年間を追ったドキュメンタリー映画『粒子のダンス』の岡博大監督が完成までの道のりなどを報告する。

 予約・問い合わせは同法人のメール(info@trailerfes.jp)。
鋭い眼差しと集中力で1本を狙う

湘南S.C 櫻井一雄さん スポチャン世界大会で金 短刀の部制す

 湘南台や六会を練習拠点とするスポーツチャンバラ教室「DREAM WAY湘南S.C」で講師を務める櫻井一雄さん(45・寒川町在住)が、先月23日に横須賀アリーナで行われた「第49回 スポーツチャンバラ世界選手権大会」の短刀の部を制し、見事金メダルを獲得した。世界選手権での部門優勝は、20年以上の競技歴の中で初。

 櫻井さんは8月に行われた全日本選手権でも短刀の部門に出場し3位に入賞しているが、「あまり満足していない。次に活かす試合だ」としていた。

 世界選手権当日、同部門には各国から約30人が参加。櫻井さんは「大変な試合になる相手が多くいた」としながらも、順調に勝ち進み決勝へ。対戦相手は今までも一緒に練習してきたことのある日本人選手だった。2本先取ルールの下、相手に右胸上へ決められ先に1本を奪われたが、その後櫻井さんが反撃。胴で1本を取り返すと、続く3本目も同じく胴で決めて、合計2本を連取し優勝を決めた。

 櫻井さんは「先月初旬から体調が優れず、調整に気を遣いながら自主練習をしていたので、その結果を出すことができた」と振り返る。しかし、「1試合1試合、いかに自分で納得できる内容かが重要なので、次の試合をどうするか常に考えている。」と、1つの勝利にこだわらず、さらに鍛えていく心持ちを示した。

ベルマガ通信(Jリーグ湘南ベルマーレ:戦評) クラブが変わる時が来た、のか? 11月30日J1第37節 ホーム湘南1-0清水

 新潟に大勝した前節から3週間、シーズン終盤の熱狂が冷めてしまうインターバルはどうなのだろうか。すでにJ2降格が決まり、山口智監督の退任も発表されていたので、湘南ベルマーレは伸び伸びとしたプレーで、開幕戦以来のホーム完封勝利。連勝を飾った。監督会見もこれまでになく明るく、饒舌だった。いつもこのくらいのしゃべりをして欲しかったのが本音だが。

 そして、この3週間の間にクラブに激震が走った。選手からクラブの営業に転身した島村毅氏の退社・独立の発表を皮切りに、長年クラブを支えて来た眞壁潔会長と、クラブのレジェンド選手でもあった坂本紘司社長の代表取締役退任が発表されたのだ。

 J1に上がって8年、万年J2からのエレベータークラブと揶揄された湘南ベルマーレが長くJ1に留まった功績もさることながら、近年の停滞への責任を追及する声が上がっていたのは事実。

 サポーターの声を聞くと、J2降格、監督交代もあり、経営陣の交代を支持する声もありながら、来季以降の経営体制に不安を覚える声も多い。

 他クラブを見ると、神戸、町田など、カリスマ社長が採算度外視の力を注いだことでの躍進も目に付く。しかし、ベルマーレの規模、親会社の体力、市民クラブの成り立ちなどを踏まえると、不安を覚えるのもやむを得ない話だ。果たして、親会社がクラブ運営に前のめりになって躍進していくのか。それとも規模を縮小して、売却などの道に進むのか。

 J2降格、すでに報道されている実績ある監督の招へい、これらを機に改めて、ベルマーレの反骨心、地域密着なども含めた、着実な一歩を歩むのかを見つめていきたい。

(ベルマガ編集長 有坂玲)