町田版【3月19日(木)号】
記者の質問に答える稲垣氏

【町田市】9日、稲垣市政がスタート 「安心して暮らせる街に」 行政経験は必要か

 耳鼻咽喉科医院の院長だった稲垣康治氏(50)=中面・人物風土記で紹介=が9日、町田市長に就任した。同日行われた記者会見で稲垣氏は「前市長の取り組みを引継ぎつつ、豊かに安心して暮らしていける街づくりを進めていきたい」と話した。

 町田市出身の稲垣氏は慶應義塾大学医学部を卒業後、大学病院勤務などを経て2013年から実家が運営する耳鼻咽喉科医院の院長に就任。町田市医師会理事などを務めてきた。

 市長選挙への出馬を表明したのは昨年12月。コロナ禍で感染予防対策を進めるうえで行政と連携することの重要性を感じたことなどを理由とし、今年2月に行われた選挙では4万4610票を獲得し初当選した。

 9日の市長就任直後の記者会見では「子ども政策などに力を入れてきた前市長の取り組みを引き継ぎつつ、人口が減少するなか持続可能な社会を築いていく。職員と協力しながら、豊かに安心して暮らしていける街づくりを進めていきたい」とした。

経験は必要?

 78歳の石阪丈一市政からの若返りに期待する声が挙がる一方で、稲垣氏に対して市長選から不安視されてきたのが経験不足。議員や公務員など、行政に関わる仕事に就いたことがない点が指摘されてきた。

 ただ、行政学を専門とする東京都立大学の松井望教授は「議会議員の経験や行政経験がないことに対して一概にはメリット、デメリットは述べられない」とする。議会や行政とのネットワークが乏しい場合は関係性を構築するために時間を費やし、議会にまったく支援する勢力がないとすると一定期間、自治体運営に苦労する可能性があるとする一方、「従来からのしがらみからは距離がある。思い切った自治体運営を試みることができるともいえる」。

 松井教授が東京都内の市長・区長の前職(元職)のデータをまとめたところ、26人の市長では市議会議員だった人が半数以上(14人)を占め、23区長では都議会議員を前職とする人が10人と一番多かったという。「議員や行政経験がない市長は3人、区長は2人だった。都内の市長、区長は議会経験者が多いといえるが、行政に関わる仕事に関わってこなかった者が首長に就任していない、というわけではない」

 そして、前職で経営・運営に関わった経験をもっていれば組織の違いがあるものの、「自治体という組織マネージャーの責任は務められるかと思う。自治体運営が良好になるか否かは前職の内容や経験の有無よりも、その方の資質と気構え、性格によるかと考えられる」としている。

【町田市】2025年出生数 東京都9年ぶり増加 町田も減少に歯止めか

 厚生労働省から2月26日、人口動態統計速報(2025年12月分)が発表され、昨年一年間の都内の出生数が9年ぶりに増加したことが分かった。町田市は前年比50人増で2011年以降で最大の増加となった。

 厚労省の速報によると昨年一年間の都の出生数は8万8518人で前年(速報値)より1142人の増加。都子供政策連携室によると2016年に前年比増となって以降、9年ぶりの増加となった。

 出生数の増加率は1・3%。区部に限ると1・4%の増加でわずかに都全体を上回るものの、区部と市町村部に大きな開きはなかった。

 これを受け小池百合子都知事はコメントを発表。「就任以降の10年間で『チルドレンファースト』を政策の中心に置き、ライフステージを通じた切れ目のない支援を展開してきた。素直にうれしく思う」と取り組みの成果であることを強調した。また増加の要因として先行指標となる婚姻件数の増加を挙げ「2年連続で大幅に増加している。この流れを確かなものにしたい」とした。都内の婚姻件数は2024年に8万1226件で前年比4531件増、25年は8万5137件で前年比3911件の増加だった。(いずれも速報値で比較)

市内50人増は10年以来

 町田市が公表している「人口動態・生命表・人口推計」によると、市内の出生数は2218人で前年比50人増。過去の推移をみると2011年以降、22年の2人増を除き毎年、前年を下回っており、15年ぶりに歯止めがかかった形だ。

 増加の要因の一つは転入人口の多さによる。転入者数から転出者数を引いた「社会増減」は2021年以降、+3000人前後で推移。10年代後半から20年の+1000人台から大きく増えている。

 中でも若年層や子育て世代の流入が顕著だ。24年の転入超過数で最も多くを占めるのは0〜14歳で、全国でも4位。特に0〜4歳に限ると全国最多となる。市担当者は「14歳以下の転入が多いことはその親も含めた子育て世帯の転入が多いことを示す。実際に30〜40代の転入超過数も全国上位だ」とし、子育て世代に選ばれる街になってきているとみている。

 子育て世代を呼び込むことは市の基本計画にも定められている。「赤ちゃんに選ばれるまちになる」を掲げ、魅力ある子育て環境づくりや、多様な保育サービスを提供。さらに、子どもの「やりたい!」を応援する取り組みも行っているという。また、シティプロモーションサイトはメインターゲットを20代〜40代と設定し、市の魅力を内外に発信している。こうした取組が転入者の増加の要因となっている可能性がある。

 市担当者は、「1年だけの動向では市の施策との関連を評価することは難しい。ただ、子育て世帯の転入超過の傾向から暮らしやすさが評価され、出生数増加の一因になっているのではないかと推察する」と話した。

町田市長に就いた 稲垣 康治さん 町田市在住 50歳


「人のため」自分の幸せに

 ○…26年にわたって務めた医師からの転身。9日に初登庁すると関係各所へのあいさつ回りや市議会での所信表明など、市長としての分刻みの日々が始まった。多忙な点は開業医の時と変わらないが、「質が違う。毎日が新鮮に感じられる」。自分に対する周囲の接し方が変わったことに街のトップになったことを自覚する。

 ○…幼い頃から「優等生」。いつの間にか学級委員長などのリーダーに推されることが多かった。任されると断らず、責任をもって務めてきたが自ら進んで任を果たす意識は薄かったのが正直なところ。それは勤務医時代も変わらなかったが、実家の耳鼻咽喉科を引継ぎ、町医者として地域に目を向けるようになると意識は変化。コロナ禍で医師として生まれ育った街を守りたいという思いが強くなったことが今につながる。

 ○…「逃げない」を信条としてきた。幼少期から続けた剣道を通じて育まれたと考える心。一度決めたことは困難なことがあっても逃げずに取り組んできたからこそ、望む道を切り開いてくることができた。初志を貫けるのは何事もシンプルにとらえるから。「余計なことを考えると言い訳が浮かび、行動がぶれると思うんです」。市長としての強みになると信じている。

 ○…市長選挙の頃から、「経験がないのはどうか」と言われてきたが、声に耳を傾け問題を見つけて解決にあたる医師の仕事と市長が果たす役割は同じと思っている。そのなかで大切にするのが座右の銘である「知足利他」の考え。人のために尽くすという意をもつこの言葉。影響を受けた「経営の神様」と呼ばれる稲盛和夫氏の著書では自分の幸せにもつながる考えとあった。残りの人生の指針とする。

国立音大同期3人が集結 「史上最も贅沢な企画」

 国立音楽大学の同期で、オペラ界の第一線で活躍する3人の共演が4月20日(月)、町田市民フォーラムで行われる。

 主催は町田イタリア歌劇団。「17年の歴史の中で、これほど贅沢な企画はない」と主催者が興奮を隠さない公演だ。テノール・海道弘昭さんは、イタリア声楽コンコルソで優勝し、ローマ留学を経て研さんを積んだ実力派。現在は日本オペラ協会や藤原歌劇団で頻繁に主役を務め活躍している。同じくテノールの前川健生さんは、昨年の町田公演でその美声を響かせ聴衆を魅了した。国際コンクールでの優勝経験に加え、先月の二期会本公演では主役を見事に演じ切り、絶賛を浴びたばかり。バリトンの小林啓倫さんは、日本音楽コンクール優勝、日伊声楽コンコルソ2位という輝かしい経歴の持ち主。二期会本公演での主役経験もあり、今秋も主役が決まっている。

 主催者は「世界で通用する3人が町田に集結する二度とないチャンス。本来3千円で聴けるメンバーではありません。ぜひ早めのご予約を」と呼びかける。午後2時開演(1時30分開場)。チケット3千円。会場は同館3階ホール。予約・問い合わせは主催者・柴田さん【携帯電話】090・1734・8116へ。

公演の告知

「中世イタリア」味わう 4月12日 本町田でコンサート

 中世イタリアの世界観を楽しむことができるコンサートが4月12日(日)、本町田の桜美林芸術文化ホールで開かれる。フランスを拠点に活躍するグループ「レ・タンブル」と国内外で活動する実力派の「ハルモニア・レニス」が融合し「古楽アンサンブル」を披露。西洋絵画の古典技法「テンペラ」を用いた森花枝の作品もかけ合わせたコンサートになるという。

 時間は午後2時(開場は1時15分)から。一般は2千円、学生(6歳から25歳)は千円で未就学児入場不可。事前予約制で全席自由席。申し込みは専用フォームまたは電話のほか来館して。支払いは当日現金で。問い合わせは同ホール運営事務局【電話】042・739・0071(平日/午前10時から午後4時)。

ケアマネ、ヘルパーつなぐアプリ開発  課題解決へ町田市内介護事業者ら

 町田市内の訪問介護事業者らで構成される団体「町田介護事業所協働ネットワーク」が現在、介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるように調整するケアマネジャーと、高齢者の生活援助を行うホームヘルパーが情報共有できるアプリケーションソフトウエアの開発を進めている。

 町田介護事業所協働ネットワーク設立の発起人で株式会社ポートエモーション(森野)の高橋豊さんによると訪問介護業界では年々ケアマネがヘルパーを探す負担が増しているといい、「最近も20件以上電話してようやくヘルパーを探すことができたという話を聞いた。連絡手段が電話中心であることを含め、変革が必要と考える。スムーズに情報共有する仕組みをつくりたい」と話す。

 現在開発中のアプリはケアマネ、ヘルパー双方が介護を希望する人の情報を共有することができ、ヘルパーがアプリ内で対応可能であることを連絡できる仕組みになっているという。「十分に情報共有できていない問題は町田に限ったことではないと思う。課題解決ツールとして確立し、町田モデルとして浸透させていければ」と高橋さん。近く試行的にスタートさせる計画といい、「所属先に関係なく、みなが無料で活用できるものにする。説明会を実施する予定。参加してもらいたい」と話している。このアプリについては町田介護事業所協働ネットワーク【携帯電話】070・5020・5844まで。

仲間とパスをつなぎ、果敢にゴールを狙う園児たち

57人がコートで躍動 こばと幼稚園でバスケ大会

 町田こばと幼稚園(本町田)で先ごろ、恒例の年長児によるバスケットボール大会が開催された。全12チーム57人が出場し、日頃の練習の成果を競い合った。

 同大会はチームプレーを通じて個々の得意分野を生かし、仲間と協調する心を育むことを目的に毎年行われているもの。試合前には各チームが円陣を組んで気勢を上げ、一致団結。「がんばれ」「パス、パス」と元気な声が会場に響き渡った。敗退した園児や保護者らも身を乗り出して声援を送り、決勝戦が同点によるフリースロー対決にもつれ込むなど、どの試合も最後まで目が離せない白熱した展開となった。

 同園の神蔵かおる園長代理は「負けたときのくやしさを体験して、それを乗り越える力を育む貴重な機会となった。大会を経て、年長児がたくましく育ってくれてうれしい」と振り返った。

里山で聴く本格ジャズ 28日下小山田で

 アルトサックス奏者の矢野沙織さん率いる「矢野沙織カルテット」によるジャズライブ「里山 Special Jazz Live」が3月28日(土)、多摩丘陵病院近くの大谷里山農園(下小山田町1532)で開催される=画像。時間は午後2時から4時まで(開場は1時30分)。

 矢野さんは16歳でデビューし、テレビ番組『報道ステーション』のテーマ曲への起用やニューヨークでのライブ活動など国内外で活躍する実力派奏者。今回のカルテットには、ピアニストの熊谷ヤスマサさん、ベーシストの若井俊也さん、ドラマーの山崎隼さんが名を連ねる。主催の里山ジャズライブ実行委員会は「初春深まる里山の風景の中で、ジャズの生演奏を楽しみませんか」と呼びかける。

 定員は55人。入場料は4500円。申し込みは氏名、人数、メールアドレス、駐車場の使用有無を明記して、メールnotoro1970@gmail.comへ。

ジョギング×ごみ拾い「一人じゃない」と感じられる時間を 町田emoプロジェクト

 「無理に話さなくてもいい、走れなくてもいい。今のあなたのままで大丈夫です」。そう穏やかに語るのは、「町田emoプロジェクト」を立ち上げた宇野敬さん(50)です。忠生公園を拠点に、プロギング(ジョギング×ごみ拾い)や自然観察会などの活動を通して、人と人、人と自然をゆるやかにつなぐ取り組みを続けています。笑顔で話す宇野さんですが、その言葉の背景には、長年抱えてきた「生きづらさ」や、人生の節目で向き合った葛藤がありました。※こちらの内容は町田市シティプロモーションサイト「まちだで好きを続ける」に公開されたものの一部です(2月26日更新)

 「ごみ発見!」「グッジョブ!」。小学生から高齢者まで幅広い年齢層の8人の参加者が、市道沿いの歩道を走りながらごみ拾いをしていきます。リーダーである宇野さんの声かけを合図に、参加者たちは声を出し合い、寒空の下でもテンポよく進んでいきました。片道およそ30分の距離を往復し、集まったのは紙くずやビニール袋、段ボールなど。回収量は、ごみ袋数袋分にもなりました。

 「ごみ拾いって、実はすごく感情が動く行為なんです。つまり『emo(エモ)』ですね。誰かに声をかけてもらえるだけで、承認された気持ちになりますし、一緒にまちをきれいにできたという達成感もあります」

 町田emoプロジェクトの活動の柱となっているのが、この「プロギング」です。プロギングは、スウェーデン発祥のフィットネスで、ジョギングやウォーキングをしながらごみ拾いを行う取り組み。宇野さんはプロジェクト立ち上げ初期、メンバーとの何気ない雑談の中で「ごみ拾いをしたい」という話題と、ランニングが趣味のメンバーの話からプロギングを知り、興味を持ったといいます。

 「現在は月1回程度のペースで開催しています。走る人、歩く人、それぞれが無理のないペースで進みます。身体を動かす爽快感と、心が温かくなる感覚。その両方を味わえるのが、プロギングならではの魅力だと思っています」

 宇野さんは、町田市内の障がい者福祉施設で25年間働いてきました。日々、利用者一人ひとりと向き合い、支援を続ける中で、多くのやりがいや喜びを感じてきたといいます。一方で、50歳という人生の節目を迎え、「この先、自分は何を大切にして生きていきたいのか」と、改めて自分自身に問いを投げかけるようになりました。

新百合ヶ丘総合病院 赤ちゃんの肌ケアを学ぶ 4月 育児セミナー

 新百合ヶ丘総合病院(川崎市麻生区古沢都古255)は、育児クラス「もう迷わない!赤ちゃんの服選び&スキンケア」を4月25日(土)に開催する。午後1時〜3時。

 季節で違う赤ちゃんの肌の守り方。肌トラブル防止のための洋服や肌着の選び方、スキンケアについて学べる。赤ちゃんの体重測定や座談会も予定。産後〜6カ月頃の赤ちゃんと母親が対象で、定員20組(要予約)、参加無料。会場は同院3階STRホール。申込み、問合せは【電話】0800・800・6456。

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住民流福祉の発見 木原孝久著/筒井書房

 タイトルに「経済」とついていますが、ビジネス書ではないです。人と人との関係をどう築き、どのようにとらえて生きたら幸せを感じられるか、西国分寺で「クルミドコーヒー」というカフェを営みながら考察し提案している本。大手コンサルティング企業やベンチャーキャピタルで働いていた著者が、それまでいた世界とは異なる気づき(「テイクよりもギブから始める」「仕事に人をつけるのではなく、人に仕事をつける」など)を見出していく姿には深い説得力を感じます。「お手紙コーヒー」というしくみにも心が躍りました!出版されたのは10年前ですが、なんだか最近ちょっと窮屈だなあと感じている方にもおすすめです。