港北区版【8月29日(木)号】

横浜市避難行動計画 先行区の作成率 5割未満 対象者多く状況把握困難

 災害時に避難に支援が必要な高齢者や障害者ごとに支援する人や避難先を記載する「個別避難計画」の市内での作成率が、先行区で5割に満たないことが明らかになった。市の担当者は「対象者の状況を手元の名簿だけで把握するのが困難なケースが多い」とした。

 個別避難計画は、2019年の台風19号など近年の災害で高齢者や障害者が被害に遭う事例が増えていることを背景に21年に法改正され、国は作成を各市町村の努力義務とした。

優先度高い人から

 国が25年度までに作成に着手することを求める中、市では風水害を対象に22年度に鶴見・港北区で先行実施。23年度には保土ケ谷・南・戸塚区で作成を進めてきた。今年度は市内18区に拡大したが先行5区での作成率は5割に満たない。市が把握する避難行動要支援者名簿は約17万人。国の指針に基づき市は洪水浸水想定区域や即時避難指示対象区域に居住する対象者のうち要介護度3以上や障害程度1級などの身体状況から約8千人を優先度が高いと位置付ける。福祉専門職などに協力を依頼し、状況確認と作成を進めてきた。

大都市ならではの課題

 こうした現状に市の担当者は「名簿だけでは対象者の状況を把握するのが難しいケースが多い。また対象者の数が多いなど政令市ならではの課題もあり、個々への対応に限界があると感じている」と話す。また、すでに多忙な福祉専門職が追加対応により負担増となっている点など負担軽減を課題とする。

 個別避難計画は、市から郵送される同意確認書により個人情報の取り扱いなどの確認が取れた人から作成されるが、確認書に対して返答が無いことも多いという。市民団体『防災塾・だるま』の理事は「災害時の備えをすることは重要。1人の要援護者の命を救うには複数人が関わる。日頃から行政と自治会町内会と住民がつながっていないと難しいのではないか」と考えを述べる。

 「庁内の関係部署との調整や他都市の先行事例を参考にしながら事業を進める」と市の担当者。

Nコン県大会で金賞を初受賞した大綱中学校合唱部

大綱中合唱部 Nコン県代表に初選出 9月7日、「ベスト尽くす」

 大綱中学校合唱部が9月7日、埼玉県の大宮ソニックシティ大ホールで行われるNHK全国学校音楽コンクール(=Nコン)関東甲信越ブロックコンクールに神奈川県代表として初出場する。部員らは「自分たちのベストを尽くし、全国大会を目指したい」と意気込んでいる。

 同部は53団体が出場したNコン神奈川県コンクール中学校の部(8月9日に開催)で、予選を突破した団体で行われた本選で上位2校に送られる金賞を初受賞し、県代表に初選出された。

 今年は初めて課題曲で混声合唱に挑戦。男声パートと女声パートのバランス等を考慮して練習し、曲の主人公がどんどん成長していく過程や心情の変化等を皆で考えながら演奏した。部長を務める関谷杏凜さん(3年)は「結果発表の時は本当にドキドキした。県内2校だけの金賞を獲れて最高に嬉しい」と喜び、顧問の西川翔教諭は「課題曲は混声合唱、自由曲は『女声合唱+バイオリン伴奏付き』という他であまり聞かない組み合せに挑戦し、大綱中学校ならではの演奏を評価していただけた」と振り返る。

 関東甲信越ブロック大会は同部の初舞台。関谷部長は「まだまだ課題がたくさんあるので、丁寧に練習し、さらに素敵な合唱にしていきたい。私たち自身で決めた目標の達成を目指し、これまでに合唱部の活動を支え、応援してくださっている方々の為にも、さらに高みを目指して”合唱懸命”に頑張っていきたいです」と力を込めた。

他大会でも快挙

 同部の部員は総勢77人。Nコンは35人の人数制限があるが、夏休み中に出場したほかの大会には部員全員で出場し、そこでも快挙を見せている。8月18日の第67回神奈川県合唱コンクールで金賞を受賞。併せて、全部門通じ最高賞となる全日本合唱連盟理事長賞と神奈川県知事賞を獲得した。県代表として9月22日に開催される関東合唱コンクールに出場する。また同月21日には第72期TBSこども音楽コンクール川崎地区大会の重唱部門、合唱部門ともに優秀賞を受賞している。

設立50周年を迎えた「港北文庫のつどい」の代表を務める 肥田野(ひだの) ゆかりさん 都内在住 73歳

読み継がれる本も大切に

 ○…設立50年の「港北文庫のつどい」。「子どもの本を通して子どもの心を考える」をテーマに活動する。ママ友に誘われたことがきっかけとなり参加して32〜33年ほど。今年から初めて代表を務めることになった。「”引っ張っていく”というよりは、支える方が性に合っている」と目を細め、「共感して認めてくれる」と団体の魅力を話す。

 ○…講演会の申込受付担当などを経験。参加希望者からは「この時を待っていた」という言葉も。「参加者の生の声を聞くことができ、期待してくれていることを実感した」と微笑む。活動で印象に残っているのは、東京子ども図書館理事長の張替恵子さんが話した「古い本でも初めて接する本は新しい本」という言葉。「『次々に新しい本が出版されるが、長い間読み継がれている本も大事にして子どもの手に届くようにしたい』という考えは正しかった。勇気づけられた」と感慨深そうに語る。

 ○…山口県出身で大学進学を機に上京。海外に滞在していた時期もあり、運転免許はイギリスで取得した。「知らない人にも笑顔で挨拶していて親切だと感じた」と国の印象を語る。現在は東京で暮らし、地域の歴史を調べて発表するサークルにも所属。「運河があった場所には幹線道路があり、普段何気なく歩いている道が昔のままの場所もある」と知る喜びを語る。

 ○…コロナ禍を除いて毎年、絵本や児童文学、読み聞かせなどについての講演会を開催している。「話を聞いてみたいという人、子育て中の親も気軽に参加できるように」と、預かり保育を実施するなど工夫を凝らす。今年も10月から全3回の講演会と交流会を企画。開催に向けての準備に勤しむ。

夜店には長い行列

2024年 夏祭りVol.2【2】 県内有数のまつりに人・人・人 綱島諏訪神社例大祭 宵宮

 綱島鎮守・諏訪神社(石川正人宮司)で8月24日、25日に、御祭礼が開催された。横浜市最大とも言われる、県内有数の夏祭り。24日の宵宮、25日の例大祭ともに、綱島のみならず近隣からも大勢の人が集まり、例年以上の盛り上がりを見せた。

 両日とも、綱島東小学校横の道路には多くの夜店が立ち並び、出店の焼きそばやからあげ、ビールなどの飲食や、射的やくじ引きなどおもちゃやゲームを求める人々が長い行列を作っていた。綱島東町自治会の吉原修会長は「神輿の宮入りが見所の祭りだが、毎年夜店もこんなに賑わうんだ」と笑顔を見せた。

 例大祭では6町会13基の神輿が集結し、町内を練り歩いた。担ぎ手も後ろをついて歩く見物人も一緒になり、熱狂。同神社総代の佐藤誠三さんは「事故や熱中症が起きないよう、細心の注意を払っている。地域の活気を感じてもらえたら」と話した。

高校生の描いた絵を見る参加者

平和願い大勢集う 港北区で原爆パネル展

 2024港北平和のつどい〜原爆パネル展が8月24日、港北区社会福祉保健活動拠点で行われた。主催は港北区原水爆禁止協議会。

 会場には、原爆投下当時の貴重な写真のパネルとともに、被爆体験者の話をもとに地元の高校生が描いた『原爆の絵』が展示された。また年金者組合「菜の花」サークルによる朗読や新婦人港北支部による紙芝居などでも戦争の恐ろしさなどが語られた。

 初めて参加したという日吉本町在住の主婦は「言葉だけでなく、こうして絵をみることで、よりリアルに感じられる」と感想を述べた。高田西から来た女性は「悲惨な状況だったことが生々しく描かれていて、戦争は本当にひどいと改めて思う」と怒りをにじませていた。

 同協議会の田中登喜夫事務局長は「たくさんの人が訪れて、何か感じてくれている。現在のウクライナやガザ地区での戦争を見てもわかる通り、武器で国を守る事が本当に大事なのか、改めて問いかけていきたい。今後も展示を続け、平和への思いを訴え続けていく」と語った。

 

4年3組による「バルーンアート」ブース

2024年夏祭りvol.2【1】 3者連携し盛り上がる 太尾小学校ふるさとまつり

 太尾小学校で8月24日、第14回太尾小学校ふるさとまつりが開催された。同小運営協議会(竹崎理浩会長)が主催。

 同イベントは、学校を核として自治会町内会、保護者の3者が連携し、毎年同小夏休み最後の土曜日に行われている。今回は暑さ対策として屋内で実施。各町会や学童、地域の信金などが飲食店やワークショップを企画した。さらに、数年前から「子どもも主体的に携わろう」として、42人からなる実行委員や希望したクラスも出店。各ブースの売り上げは全て、学校経営を支えるための基金に充てられる。

 実行委員を務めた藤井駿宙さん(小6)と吉沢航世さん(同)はそれぞれ、「みなさんに楽しんでもらえて良かった」「チームで意見を出し合い頑張ったことが報われた」と嬉しそうに話した。来場していた朝倉玲碧さん、杉崎愛子さん、川内理央さんは同校マーチングバンドの卒業生。3人は「友人やお世話になった先生にも会えて嬉しい」と笑みを浮かべた。

 同校の館雅之校長によると、まつりには例年1000人以上来場するという。卒業生の来場も多く、「”学校を大事にしよう”という気持ちが育っている」と語った。

 竹崎会長は、「完全ボランティアにも関わらず、みなさん、暑い中実施に向けご協力いただきありがたい」とした。

完成したお手玉を披露する参加者ら

"何か始まる"交流の場 ミニ・ギャラリーコジマ

 箕輪町にあるミニ・ギャラリーコジマには、いつも地域の人が集い、にぎやかな時間が過ぎゆく。オーナーの小嶋陽子さんが交流の中からさまざまな企画を立案し、実行している。小嶋さんは「『こんなことをしたい』というと、『私、それできる』という人が出てくる。みんなの得意なことで、どんどん輪が広がって楽しい」と笑顔で話す。

 8月24日には「地域の子どもたちに昔遊びを継承したい」と、お手玉づくりのワークショップが開かれた。

 同ギャラリーでクロスステッチ教室の講師を務める加藤佳子さんと、手芸と花が好きで港北オープンガーデンを期に同ギャラリーの常連となった野村栄子さんが講師を務め、近隣から4人が参加。皆、同ギャラリーの魅力に惹かれ、それぞれ常連となったメンバーだという。

 小嶋さんを含めた7人は、昔話のおしゃべりをしながら、着物のハギレを縫い、お手玉を作っていった。完成したお手玉は、それぞれ孫や近所の子どもたちに渡し、遊び方を教えてあげるという。「秋には前回好評だった竹細工を企画している」と小嶋さん。

認知症治療と予防の話 9月7日、講師は精神科医

 認知症について知り、考えるオレンジの輪プロジェクト2024〜誰もが安心して暮らせる町 新羽〜の一環として9月7日(土)、講座「精神科医による最新の認知症治療と予防の話」が新羽地域ケアプラザ3階・多目的ホールで行われる。

 講師は、横浜市総合保健医療センター精神科の木谷卓矢医師が務める。参加費は無料。時間は午後1時30分〜3時。定員は会場、オンライン視聴とも先着50人。

 申し込みは同地域ケアプラザの窓口か下記電話、または下の二次元コードから。

オレンジカフェも 

 イタリアンカフェからふるでは9月17日(火)午後1時30分〜2時30分、「話そう!認知症」をテーマとしてオレンジカフェが開かれる。認知症や介護について、おしゃべりする内容。薬剤師も参加する。定員は20人程度で申し込み不要。

 問い合わせ等は、同地域ケアプラザ【電話】045・542・7207へ。

通行人に呼びかける署員ら

盗撮防止呼びかけ 発生最多駅の通行人に

 港北警察署は8月23日、市営地下鉄ブルーライン新横浜駅の新幹線側の改札・エスカレーター付近で「盗撮撲滅キャンペーン」を実施した。

 薄着の季節に合わせて行い、岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校の学生が昨年制作したデザインをブラッシュアップしたチラシ等200部を通行人に配布。チラシには「被害者防止だけでなく、被疑者の歯止め、目撃者が傍観者にならないように」と工夫が凝らされている。また、統計上、同駅の新幹線側改札・エスカレーター付近は区内で盗撮等の犯罪発生最多の場所。「スカートをはく時は手で押さえて」と防止策を呼びかけた。同署生活安全課の橘健斗さんは「誰もが被害者、被疑者、目撃者になる可能性がある」と啓発活動の大切さを語った。

「チョイオドナイト」で一体となった会場

ダンスでつながる 拍手・歓声で会場湧く

 障害者スポーツ文化センター横浜ラポールで8月24日、「Dance Partyチョイワルナイト2024〜ダンスで架け橋を〜」が開催された。ダンスやエンターテインメントを通じて障害の有無に関係なく、さまざまな人と共創する集団「SOCIAL WORKEEERZ」(=SWZ)によるイベント。

 ダンスパフォーマンス、ダンスバトル、ファッションショーなど11のステージを企画。以前、横浜ラポールが主催のダンスコンテストで最優秀賞を受賞した、横浜市を拠点に活動するHariboooも出演。同チームの島田結斗さん(11)と坂井陽治さん(11)は踊る前、「緊張するけど頑張りたい」「見ている人の思い出に残るように楽しませたい」と目を輝かせた。ランウェイに出演したJaneさんは「楽しんだ者勝ち」と意気込み、”パワフル”をテーマにしたメイク・衣装で観客を魅了。ステージごとに拍手や歓声が湧き、企画の一つである「チョイオドナイト」ではSWZらがダンスをレクチャーし、参加者も一体となってダンスで盛り上がった。

 SWZの代表、DAIKIさんは「人と人をつなぐ架け橋になれば」と期待を込めた。

記念品を贈呈する様子

マリノスケが広報活動 21日「献血の日」に

 8月21日の「献血の日」にサッカーJ1の横浜F・マリノスの公式キャラクター「マリノスケ」が横浜SKY献血ルーム(西区)の1日ルーム長に就任した。献血を受けた人へ水分補給のペットボトルや記念品を贈呈し、県の献血広報大使としてPR活動を行った。

 同ルームは横浜駅の西口と東口にあった2つの献血ルームが移転統合し、今年3月に開所した。「空港ラウンジ」をコンセプトとし、シックでモダンな内装や眺望の良さが特徴。リラックスして献血できる空間を目指す。

 4月から7月までの献血者数は2万1205人と昨年比で878人増加した。一方、少子高齢化や在宅医療での使用量の増加で医療機関で必要な輸血用血液製剤の供給量は急増しており、目標採血数には達していない。

 担当者は「SNSでの発信やさまざまな団体とのコラボなどで認知度を高めていきたい。若い方にも来てもらいたいです」と話した。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)
同太陽電池の効果を試す参加者ら

次世代太陽電池 夏休みの親子が体験 マクニカら主催

 新横浜に本社を構える株式会社マクニカ(原一将代表取締役社長)は8月17日、18日の2日間、足柄上郡の未病バレー「ビオトピア」で親子参加型のぺロブスカイト太陽電池体験プログラムを実施した。次世代の太陽電池と呼ばれる、「軽い・薄い・曲がる」といったペロブスカイト太陽電池の特長を体験できるこのイベントには、両日で計23組の親子が参加し、同電池や太陽光発電の仕組みを学んだり、色素増感太陽電池の制作実習をしたりした。

 これは同社と神奈川県、ぺロブスカイト太陽電池の開発者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が代表を務める会社の三者連携によるもの。

 ワークショップでは桐蔭横浜大学の学生が子どもたちをサポート。1日目午後には宮坂特任教授も参加し、子どもたちとふれあった。参加者からは「作るのが楽しかった」「この太陽電池をいつもの生活に使えたら」などの感想が聞かれた。

児童文学を考える講演会 港北文庫のつどい

 港北文庫のつどい(肥田野ゆかり代表=人物風土記で紹介)が第47回秋の講演会(全3回と交流会)を開催する。

 設立50年の記念回。戦後の児童文学を支え発展させた瀬田貞二氏、長谷川摂子氏たちの業績を振り返り、児童文学のこれからを考えていく。

 【1】菊名地区センターで10月2日(水)、作家の高橋源一郎氏が「『読む』って、どんなこと?」をテーマに講演する。【2】港北公会堂で10月17日(木)、哲学者であり学習塾教師の長谷川宏氏による「子どもと絵本と文学と」。【3】菊名地区センターで11月9日(土)、山口学芸大学客員教授の村中李衣氏による「哀しみの中で光を抱く〜ものがたりの力を見つめ直す〜」。交流会は11月15日(金)に港北図書館で。

 各回午後1時〜3時(交流会は午前10時〜正午)。定員80人。保育有。資料代3500円。申込は8月30日(金)午前10時〜。申込・問合せは、斎藤さん【電話】045・544・8335、小久保さん【電話】045・401・3023、【メール】k.bunko@gmail.com。

参加した生徒や講師らの舞台=提供写真

躍動感溢れる作品披露 第1回発表会

 バレエやジャズ、ヒップホップ等のスタジオ「プティパフォーミングアーツ」(箕輪町)が8月18日、神奈川県立青少年センター(西区)で第1回発表会を開催した。

 代表の伊坂文月さんは世界的バレエダンサーの熊川哲也さんに師事。熊川さん主宰のプロバレエ集団、K―BALLET認定校の10校目として昨年開校した。現在は約130人の生徒が在籍。

 発表会は生徒と講師約100人が出演。今回は関係者のみを招待した。2部制で『赤ずきん』や『くるみ割り人形』等、ストーリー性のあるオリジナル作品を披露。「踊りは自身と見る人の心を動かす」と話す伊坂さん。作品ごとに客席からは拍手が沸き起こった。

 伊坂さんは「発表会まで一人ひとりにドラマがあり積み重なって歴史が築かれる。踊りを通して成長し人生をより豊かに」と願いを込めた。

横浜市の障害者雇用率 法定をやや下回る2.72%

 横浜市は6月1日時点の市役所などの障害者雇用状況を公表した。雇用率は2.72%で法定雇用率の2.8%を下回った。

 市役所、区役所などの市長部局の障害者雇用率は3.10%だったが、教育委員会が1.94%、市民病院などを管轄する医療局病院経営本部は1.46%にとどまり、横浜市全体では2023年度の2.62%から0.1ポイント増の2.72%だった。

 市総務局は「採用の機会を増やしながら、雇用後も研修などを通し、やりがいが感じられる職場を作り、障害者雇用率を上げたい」としている。

 同時に市外郭団体(35団体)の障害者雇用状況も公表され、国への報告義務がある雇用労働者40人以上の23団体はすべて、法定雇用率の2.5%(市住宅供給公社は2.8%)を上回った。

指定管理者は3割未達

 指定管理者(215団体)のうち、雇用労働者40人以上の125団体では、法定雇用率達成が85団体で未達成は40団体だった。市は「団体が障害者雇用に課題などを感じている場合は、障害者就労支援センターなどの相談窓口を紹介し、支援を進める」としている。

防災減災を楽しく学ぶ 今週末、トレッサ横浜で

 「防災の日」に合わせてトレッサ横浜(師岡町)で8月31日(土)・9月1日(日)に開催される「防災フェア2024」に、港北区役所、市下水道河川局、建築局、消防局の4区局が出展する。防災に関する日頃の備えや防災意識を醸成する取組みで、様々な展示や参加型イベントを企画した。

 北棟2階では8月31日、「川の安全について親子で学ぼう!考えよう!」を開催。動画を視聴後、クイズに解答してオリジナル缶バッジを作る。定員あり。また同じ会場で9月1日、体験型防災アクティビティに参加し、防災知識を楽しく学べる「防災ヒーロー入団試験」を開催。午前10時〜午後3時。

 ほか、防災ベッドの実物展示や水難事故防止などのパネル展示、消防車両の展示などが行われる。「防災減災を親子で楽しく学べる機会です。皆さまお越しください」

えがおまつり 楽しんで交流 9月7日、港北公会堂で

 港北公会堂(大豆戸町26の1)で9月7日(土)、第6回えがおまつりが開催される。高齢者に楽しんで交流してもらおうと、港北えがおまつり実行委員会が主催する。

 スタートは正午。ステージでは、港北あわ連による阿波おどりに続いて、1部(午後1時〜)に南京玉すだれやフラダンス、合唱、ピアノ弾き語りなどが行われる。2部(同3時〜)では囃子連、琴演奏、健康ヨガなどが披露される。それぞれ20分ごとの予定。

 1階ロビーでは各種無料相談会を実施する。司法書士や税理士による相談会、血管年齢測定、医療・介護相談のほか、東洋占術人生相談など。また地域の作業所の販売コーナーも。さらに、小児がん支援のための寄付活動を行うレモネードスタンドが初開催される。

 2階、第1会議室での企画は、港北区民美術会の作品展示、絵手紙の展示・体験、将棋の対戦コーナー。第2会議室では、洋裁・手編みの相談、美容相談やメイク指導デモ、ネイルと爪の相談・体験、写真撮影体験、若返りカラー相談などが開催される。

 入場無料。問い合わせ等は、同実行委員会【電話】090・8305・1006へ。

マイコプラズマ肺炎の基幹定点の推移(横浜市衛生研究所の発表資料から)

マイコプラズマ肺炎 1カ月で4倍に急増 横浜市がマスク、手洗いなどの対策呼び掛け

 感染した自覚がないまま出歩き、細菌を広げてしまうことから「歩く肺炎」とも言われるマイコプラズマ肺炎が全国的に急増している。横浜市衛生研究所が8月22日に発表したデータによると、直近1週間(8月12日から18日)の市内の1医療機関当たりの患者報告数は2・0人で、7月第1週(7月1日から7日)の0・5人から4倍に増えた。

 マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症。患者の約80%が14歳以下だが、成人でも罹患する。

しつこい咳が特徴

 市衛生研究所の担当者によると、症状は発熱、倦怠感、頭痛、痰が絡まず軽い渇いた咳。「咳は熱が下がっても3〜4週間程度、しつこく続くのが特徴」という。

 「4年周期、ちょうどオリンピックの年に流行すると言われている」とのことで、今年は流行が懸念されていた。

 日本全国、海外、特に中国でも患者数が急増中で、市内でもさらなる流行が予想されている。

タオルの共有避けて

 咳の飛沫や患者との身近な接触により感染すると言われており、同担当者は「マスクや手洗い、咳エチケットといった基本的な感染対策が大切。家庭内ではタオルの共有は避けて」と注意を呼び掛けている。

大勢で実施したシェイクアウト訓練(昨年)

シェイクアウト訓練実施 自分の身を守る3動作

 今後30年の間に、港北区で震度5強以上の揺れが起こる確率は95%以上と言われている(地震ハザードステーションJ―SHISによる)。区では、いつ起きてもおかしくない大地震に備え、地震発生時の安全確保行動を身に着ける「シェイクアウト訓練」を、9月1日から30日の間、各家庭や職場、自治会・町内会館等で実施するよう、呼び掛けている。

 シェイクアウト訓練とは、地震から身を守るための3動作、その場で【1】まず体勢を低く、【2】頭を守り、【3】動かない、を実践するもの。参加者は事前登録のうえ、当日、それぞれがいる場所で訓練用音源を再生し、実施することができる。使用する音源は区のウェブサイトに掲載。地震についての資料や備えに役立つ情報、子ども向けサイトなども紹介している。事前登録(外部サイト)もここから。

 さらに、避難訓練や家具の固定、備蓄の購入・更新、自宅・職場の安全性のチェックなど、シェイクアウト訓練に「プラスワン」の取組みも呼びかけている。総務課危機管理・地域防災担当係長の森崎健さんは「地震が起きた際、まずは自分の身を守る事が重要。そのために必要な訓練です」と話している。問い合わせは総務課防災担当【電話】045・540・2206へ。

会見で謝罪する市教委の幹部ら

横浜市教育委員会 いじめ自死対応と傍聴動員問題で幹部職員ら処分

 横浜市立中学校の生徒がいじめを受けて自死し、その後の対応に問題があった件と教員による性犯罪事件の公判に市教育委員会の職員を動員していた問題に関し、市教委は8月23日、それぞれに関わった職員の処分を発表した。

 いじめ自死問題は、2020年3月に生徒が自死し、学校の対応が不十分でいじめの認知がなされなかったもの。その後の基本調査でも市教委が遺族への報告原稿から「いじめ」の文言を削除していたことも問題視されている。

 発表された処分では20年度の市教委の人権教育部長ら2人が減給とされたが、同部長はすでに退職している。ほかに、生徒が通っていた中学の校長など計8人が対象となったが、5人は退職している。

 傍聴動員問題では、動員の協力依頼を行った学校教育事務所長など6人に戒告、依頼を受けて動員に関与した19年度の総務部長など12人を教育長文書訓戒とした。計18人のうち6人は退職している。

鯉淵前教育長が減給相当額を返納へ

 両方の問題が起きた当時に教育長を務め、24年3月末に退任した鯉渕信也前教育長について、市教委はいじめ自死問題では管理監督者としての組織のマネジメントが不十分、傍聴動員問題では意思決定を行った責任があると判断。いじめ自死問題では文書訓戒に相当するとして厳重注意、傍聴動員問題では減給10分の1、3カ月相当の行為とした。

 市教委は鯉渕氏を直接処分することはできないが、23日に市役所で山中竹春市長が処分相当の内容を記した文書を手渡した。市教委によると、鯉渕氏は減給相当額の28万2千円を自主返納する意向を示したという。いじめ自死問題については、「至らない点を反省している」、傍聴動員問題に関しては「(動員は)誤った判断に基づき開始したものと受け止めており、意思決定は私の責任のもとで行われたもので、深く反省している」とのコメントを市教委に伝えた。

 市教委が23日に行った会見は約3時間に及んだが、下田康晴教育長は出席せず、処分が出たことについてのコメントを発表するのみだった。

港北警察署管内 特殊詐欺3件のほか、自転車盗9件、万引き3件など発生、不審者情報は3件 2024年8月12日〜8月18日の犯罪発生件数

 港北警察署は8月20日、2024年8月12日〜8月18日の同署管内における犯罪発生件数を発表した。

 それによると、3件の特殊詐欺が発生したほか、9件の自転車盗、3件の万引きなどが発生した。不審者情報は3件寄せられた。

 同署によると、区内において、警察官をかたる犯人から「あなたの名義のカードが詐欺の犯人に使われている」等の詐欺の電話が入電しているという。

 9件の自転車盗のうち、4件は無施錠で被害に遭った。発生地区は高田東、樽町、菊名、大倉山、小机、箕輪町、新羽町、日吉、綱島西だった。

 万引きは8月12日〜15日にかけて篠原町、新羽町(2件)で発生した。店舗内に陳列していた化粧品(2件)や食料品が盗まれた。

 不審者情報は、いずれも8月15日に大倉山(2件)、新吉田東から寄せられた。女性が知らない男から声をかけられる、女性が不審な動きをする男を目撃する、また、帰宅途中の女子生徒が下半身を露出した男を目撃する事案だった。

 そのほか、8月16日午前1時30分〜10時50分には鳥山町で部品ねらいが発生した。店舗敷地内に駐車していたバイク5台のブレーキアジャスティング等を窃取された。

市薬剤師会のブース

横浜市薬剤師会がそごう横浜店前の新都市プラザで薬物乱用防止キャンペーン実施

 第13回薬物乱用防止キャンペーンin横濱(8月22日〜11月15日)に合わせた啓発イベントが8月22日、そごう横浜店前の新都市プラザ=西区=で行われた。横浜市薬剤師会、横浜薬科大学らによる共催。

 同キャンペーンは政令指定都市の薬剤師会が中心となり実施。7月20日にはキャンペーンの一環である、うちわ配りが各地で行われた。

 神奈川県警によると、2023年の県内の大麻事犯検挙者数は548人で、そのうち70%以上が30歳未満。大麻や覚醒剤などの違法薬物の不正利用のほか、咳止めや市販薬を過剰摂取する「オーバードーズ」など、薬物乱用の危険性を若者に呼び掛けることが急務だという。

 新都市プラザで行われたイベントには、市薬剤師会などが参加。同会の坂本悟会長らが通行人に薬物乱用の危険性を訴え、特設ブースでは「肌うるおい度チェック」や「こども調剤体験」などを行った。横浜薬科大学は漢方入浴剤を作るワークショップを開催。学生が対応し、参加者と交流を図った。

 坂本会長は「薬は本来、人の健康に貢献するもの。薬の専門家としての責任を持って、行政や自治会町内会などと連携し、薬物乱用防止を呼び掛ける啓蒙活動に取り組んでいきたい」と今後の方針を語った。

 市薬剤師会は能登半島地震の被災地支援のため、災害時対策医薬品供給車両(モバイルファーマシー)を派遣するなどの社会貢献活動にも取り組んでいる。

社員に見守られ塗装を体験する選手

エストレーラFC アネスト岩田を見学・体験 働く姿勢、モノづくり学ぶ

 港北区内を拠点とするサッカークラブ、エストレーラフットボールクラブ(奥村良玄代表兼総監督)は8月20日、新吉田町に本社のある産業機械メーカー、アネスト岩田株式会社で、クラブとしては初めてとなる職業体験を行った。

 職業体験は、企業で働く人の姿勢やモノづくりの取組みを体感し、将来に生かしてもらおうと実施された。同クラブからのオファーに対し、社会貢献の一環として同社が受け入れ実現した。同社ではまた、定期的にサッカー大会、アネスト岩田カップを開いており、同クラブも参加していた。

 同社を訪れたのは、中学2年生の選手33人とコーチら。同社経営管理本部人事総務部部長の和田真志さんは事業説明をするとともに、「サッカーも企業も組織の中で自身の役割があり、主体性を持って多くの情報を収集することが大切。(今日の経験は)今後の挑戦にも生きるので一つでも吸収して帰ってほしい」と呼びかけた。

 その後、3組に分かれた選手たちは同社社員の指導のもと、スプレーガンの組立や操作を体験したほか、オフィスやショールームを見学して回った。水を塗料に見立て実際にスプレーガンで塗装を体験した選手は「楽しかった」などと話していた。

 奥村さんは「サッカーに努力する中でも、会社があって社会が成り立つこと、親が働いてくれて毎日の生活があることを感謝してほしい。また、この経験が人生を決めてくうえでの参考になれば」と話していた。