秦野版【11月8日(金)号】
専用サイトのトップページ

秦野市 「脱炭素」を専用HPで発信 ゼロカーボンシティ実現へ

 秦野市は脱炭素に取り組む一環として10月23日から、インターネットのポータルサイト「はだのde脱炭素」を公開。「2050年ゼロカーボンシティ」実現に向け、リアルタイムに情報を発信していく。

地球規模の取り組み

 二酸化炭素など温室効果ガスの【排出量】から、植林・森林管理などによる【吸収量】を差し引き、合計を実質的にゼロにするカーボンニュートラル。地球規模の課題である気候変動問題の解決に向け、世界的な取り組みとして「2050年カーボンニュートラル」が進められている。日本では2020年10月、この取り組みを目指すことを政府が宣言した。これを受け、秦野市は21年2月、「2050年ゼロカーボンシティ」への挑戦を表明し脱炭素に取り組んでいくことを宣言。全国で285例目、神奈川県内では12例目の自治体として承認されている。

「水とみどり」を将来へ

 秦野市は「2050年ゼロカーボンシティ」への挑戦を表明以降、地球温暖化対策実行計画を策定するなど、脱炭素の視点から都市像である”水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい都市”の実現を目指した施策を展開している。

 今回、公開されたポータルサイトも取り組みの一環。サイト内で脱炭素についての解説や関連情報がリアルタイムに発信されるほか、市内で脱炭素経営に取り組んでいる企業の紹介レポートなども予定されている。

 市環境共生課担当者は「地域脱炭素の主役となる市民や事業者に、脱炭素を”じぶんごと”として捉えていただくきっかけになれば。また、脱炭素に取り組むことへのメリットを認識していただき、ライフスタイルの変容や脱炭素経営への転換が加速していくことを期待しています」と話す。

第25回全国削ろう会秦野大会

秦野で「全国削ろう会」 9日・10日、市総合体育館

 「第40回全国削ろう会秦野大会」が11月9日(土)・10日(日)にメタックス体育館はだの(秦野市総合体育館)で開催される。主催は第40回全国削ろう会招致・実行委員会、共催は秦野市、秦野商工会議所、秦野市森林組合。

 鉋(かんな)薄削りなど、手道具や伝統技術の可能性を追求する会として1997年に設立した「削ろう会」。大工などの木工関係の職人や鍛冶、手道具や職人に興味のあるアマチュアが集まり、競い・楽しみながら技術交流し、年1回程度薄削り競技をメインとした全国大会を開催している。

 秦野市では2010年2月に「第25回全国削ろう会秦野大会」を初めて招致・開催し1万2千人が来場した。大会招致の実績や、25年1月に市制施行70周年を控えていることを踏まえ、秦野市は削ろう会から40回大会の招致依頼を受け受託。秦野削ろう会の会長・中西拓さん=人物風土記で紹介=を実行委員長に、準備を進めてきた。

五感で感じる「木」と「匠の技」

 「木」と「匠の技」を体験できるプログラムを揃えている秦野大会。メインの鉋薄削り競技は2日間かけて予選と決勝が行われる。

 9日には親子木工体験や木製貯金箱作り体験の他、午後2時からは、講演会「木のいのち 木のこころ〜技を伝え人を育てる〜」を実施。講師は現代の名工の一人であり、薬師寺などの再建に従事した小川三夫棟梁。

 10日ははだのふるさと大使の春風亭一左さんと真矢さん(LUNA SEA)が出演。春風亭一左さんは落語公演「大工調べ」を午前11時と11時45分に行う。真矢さんは午後2時から、秦野祭囃子社中と協演して和太鼓演奏を披露する。体育館前では、午前9時から午後3時まで里山まつりも同時開催。両日ともに、鉋削り体験や削り華プール、秦野グルメの模擬店コーナーなども設けられる。(問)市産業振興課【電話】0463・82・9646

第40回全国削ろう会秦野大会招致・実行委員会の実行委員長を務める 中西 拓さん 大井町在住 45歳

熟練の技「体で感じて」

 ○…「第40回全国削ろう会秦野大会」の実行委員長として準備に奔走してきた。いよいよ明日、当日を迎える。メインとなる薄削り競技には自身も選手として参加。「昨年の糸魚川大会では薄削りの記録が8ミクロンだった。今回はそれを超える記録を残したい」と職人としても意気込む。

 ○…大工の道に進んだのは18歳の時。幼稚園の卒園アルバムに書いてあった「大工になる」という夢。「どうしてそう思ったのか覚えていないけど、その夢を信じてみようと思って」。高校卒業後に親方のもとで技術を磨き、一般住宅のほか、宮大工として神社仏閣なども手掛ける。2023年に独立。中西大工店を立ち上げ、現在は一人親方として秦野市を中心に仕事を行っている。削ろう会に入会したのもこの頃で、秦野削ろう会の会長も務めている。

 ○…大井町出身。自宅の近くには山も湧水もあり、夏にはホタルも見られるのだとか。「環境が良すぎて地元が大好きなんです。あ、もちろん縁の深い秦野も」とニッコリ笑う。趣味は今の時季ならではのキノコ採り。キノコといっても、秦野のソウルフード「アシナガキノコ」専門で、若い頃に親方に連れられてキノコ採りを覚えた。「最近は匂いでアシナガの生えているところが分かるようになってきたかもしれない」と自慢げな様子。一番好きなのは、蕎麦つゆに入れて食べることで、妻に作ってもらったりするそうだ。

 ○…「大工の魅力は、やっぱりお客さんからの『ありがとう』の言葉」と話す。欠かせない衣食住のうち『住』を支えるのが大工の仕事。そんな仕事の一端を見られるのが今大会だ。「職人の技術や熱量はもちろん、木の匂いや鉋(かんな)で削った木の薄さなど、ぜひ体全体で感じてほしい」

左から、小泉実副支部長、高橋市長、内藤実行委員長、小嶌猛顧問

市の文化事業へ寄付 明大マンドリン倶楽部

 明治大学マンドリン倶楽部秦野演奏会実行委員会(内藤房薫委員長)が10月24日に秦野市役所を訪れ、秦野市文化振興基金へ5万円の寄付を行った。

 同実行員会は今年4月、6年ぶりとなる「第5回秦野演奏会」をクアーズテック秦野カルチャーホールで開催。その時の収益金の一部が寄付された。

 内藤委員長は「今後、演奏会に中学生にも参加してもらうなど、若い人たちにも興味を持ってもらえる機会になれば」と話した。また、目録を受け取った高橋昌和市長は「皆さまのご意思に沿うよう、市の文化振興に関する事業に活用させていただきます」と感謝の言葉を述べた。

11月24日 タウンホールで出張コンサート 観覧予約受付中

 現在、観覧予約受付中。クアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市文化会館)の人気イベント「ティータイムコンサート」。

 プロデュースするのは幅広い音楽活動で文化振興に尽力している加藤雅彦さん。現在、文化会館の改修工事休館に伴い、"出張コンサート"として東海大学前駅南口すぐのタウンニュースホールで開催中。

 次回の開催日は11月24日(日)。観覧料は2500円。当日払い。「秋の終わりのハーモニー」と題し、栁沼満美さん(フルート)、菱沼瑞江さん(ピアノ)、加藤雅彦さん(テノール)が出演する。予定曲目は『薔薇』(トスティ)、『3つのロマンス』(シューマン)、『愛の讃歌』(モノー)ほか。

 午後2時開演(開場は午後1時30分)。午後3時30分終演予定。休憩あり。出張コンサートはデザートセットの提供なし。予約制・定員100人。自由席。

 予約は会館事務室【電話】0463・81・1211へ。午前9時から午後5時。火曜日休業。

<PR>
《関東のいずもさん》子どもたちの健やかな成長を願う「七五三」は、秦野市の出雲大社相模分祠で
《関東のいずもさん》子どもたちの健やかな成長を願う「七五三」は、秦野市の出雲大社相模分祠で
「七五三」は子どもたちの健やかな成長を願い行われる儀式。古くからの風習である、3歳男女の「髪置(かみおき)」、5歳男子の「袴着(はかまぎ)」、7歳女子の「帯解(... (続きを読む)

音楽の時間【6】 12月は声楽編 予約受付開始

 コンサートと体験を楽しめる「ランチタイムコンサートみんなで楽しむ音楽の時間」6回目は声楽編。12月14日(土)の開催。会場は東海大学前タウンニュースホール。時間は午後2時から。

 当日は飯田裕之さん(バリトン)、石井貴子さん(ヴァイオリン)、飯田麻衣子さん(ピアノ)を迎える。オペラ歌手が歌う時の声の出し方や体の使い方のレクチャーも受けられる。予約・問合せは主催のクアーズテック秦野カルチャーホール【電話】0463・81・1211へ。

会場に集った関係者らを前にあいさつをする柏木会長

市商連が市長と懇談会 電子通貨などで意見交換

 秦野市商店会連合会(柏木真一会長)は10月24日、秦野商工会議所で高橋昌和市長との懇談会を開催。市内各商店会の会長や役員、市職員ら約30人が出席し、商店会を取り巻く厳しい状況や今後の商業施策、街づくりについて話し合った。

 各商店会からは、鶴巻温泉駅南口駅前広場を利用したイベント開催の実現、8月に浸水被害に遭った東海大学前駅や鶴巻温泉駅での今後の災害対策、県道705号相互通行後のバス路線や街路灯、OMOTANコインの魅力・利用方法の周知やチャージ場所の拡大などの対応について意見を求める声が上がった。高橋市長は日頃の商業振興や地域活動への感謝を口にし「皆さんのご意見をお聞かせいただきながらにぎわいを創造していきたい」と語ったほか、「12月から始まるOMOTANコインを魅力ある制度にするため、登録店舗を増やす取り組みをお願いします」と話した。

出演・講師の猪俣昌也さん

みんなで楽しむ音楽の時間【5】 11月30日 タップダンス編  タウンニュースホール

 「ランチタイムコンサート みんなで楽しむ音楽の時間【5】〜タップダンス編」は、11月30日(土)の開催。会場は東海大学前タウンニュースホール(東海大学前駅南口2分)。時間は午後2時から(午後1時30分開場、終演予定は午後3時20分)。参加費は一般2000円(子ども1人同伴可)、子ども1人追加の場合はプラス500円。2歳以下無料。※一般=中学生以上、子ども=3歳から小学生。大人のみの参加も歓迎。

 当日は幅広い活動で注目を集めているタップダンサー・猪俣昌也さんによるコンサートと体験が楽しめる。加々美皓太さん(バンジョー・ギター・唄)、西村崇史さん(トロンボーン・唄)も出演。

 来場希望者は主催のクアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市文化会館)【電話】0463・81・1211へ。当日払い。※この公演は、改修工事休館中の同館が、他施設への出張スタイルで実施しているもの。

スイングの動作を教わる園児ら

市内幼児に運動指導 女子野球選手が講師に

 女子野球選手が幼児に基本的な体の使い方やボール遊びなどを教える「笑顔のキャッチボールプロジェクト」が秦野市内の幼稚園・保育園・認定こども園で行われている。主催は一般社団法人日本野球機構(NPB)。

 幼児の運動習慣作りのきっかけになることを目的とした事業で、事前に指導方法などの講習を受けた女子野球選手が講師となる。NPBの連携先として女子野球タウンである秦野市が手を上げ、全国で初めて実施が実現した。

 10月22日には、西幼稚園にZENKO BEAMSの田中露朝(あきの)選手と小林真夕奈選手が来園。4歳児と5歳児39人を前に、運動の基礎となる動作をレクチャーした。園児らはペアになって押し合いをしたり、新聞紙で作った玉を投げたり、ときに歓声を上げながら授業を楽しんだ。4歳児の男の子は「玉入れで入った時が嬉しかった」と感想を話した。田中選手と小林選手は「子どもたちが喜んでくれて、こちらも楽しい。秦野市以外にも活動を広げていきたい」と話した。

障害者施設の作品即売会 11月11日 イオン秦野SC

 障害者施設による自主作品等展示即売会が11月11日(月)、イオン秦野SCで開催される。午前9時から午後3時。今月は、ゆめ散歩(市内事業所自主製品など)、ちっちゃな星の会(菓子他)、弘済学園(花苗他)、くず葉学園(しいたけ・豆腐他)、秦野ワークセンター(陶芸品・手工芸品)、いんくるネット(アクセサリー・みかん他)、鶴巻工房(クリスマス商品他)の7事業所が出店。問/ともしびショップゆめ散歩【電話】0463・73・6031

親同士の情報交換 21日、ほっとサロン

 親同士の情報交換や親子遊びを目的とした「ママとキッズのほっとサロン」が11月21日(木)、本町公民館で開催される。10時から11時半。対象は3歳以下の親子20組(当日先着順)。

 問い合わせは、秦野市社会福祉協議会【電話】0463・84・7711へ。

<PR>
【LINE読者限定プレゼント】
【LINE読者限定プレゼント】
毎月15名様に抽選で『Amazonギフト券1,000円分』をプレゼント!ギフト券以外のプレゼントもあるかも!是非チェックしてみてください。 (続きを読む)

投票率最高は「湯の沢団地」 第50回衆院選・秦野市

 10月27日に投開票された第50回衆議院議員総選挙。神奈川第17区(秦野市、小田原市、南足柄市、二宮町、足柄上・下郡)では牧島かれん氏(自民)が当選、佐々木奈保美氏(立憲)が比例代表南関東ブロックで復活当選した。

 秦野市内の小選挙区の投票率は50・88%で、2021年の前回選挙を4・79ポイント下回った。市内37の投票区中、最も投票率が高かったのは「湯の沢団地自治会館」の63・02%、最も低かったのは「ほうらい会館」44・36%だった。

薬物依存症を考える 出前講座の参加者募集

 秦野市内の教諭や相談支援に従事している人を対象に11月29日(金)、はだのこども館で「依存症出前講座」が開催される。神奈川県精神保健福祉センター主催。

 テーマは「薬物依存症」。今増えている処方薬や市販薬の依存について、基本的な知識や相談対応などが学べる。当日は、小林千香子氏(神奈川県立精神医療センター 精神保健福祉士)が「市販薬・処方薬依存症の方への支援について」、高橋愛氏(湘南ダルク・ケア・センター 職員)が「依存症からの回復と支援者へのメッセージ」について講演。午後1時30分から3時30分。定員50人(定員を超えた場合は抽選)。申し込みは「令和6年度依存症出前講座 神奈川県精神保健福祉センター」で検索し電子申請で申し込み、または同センター相談課【電話】045・821・8822へ。11月25日(月)締切。

高橋市長と意見を交わす桐山会長(左側中央)ら西商連の役員

西商連役員が市長と懇談 電子地域通貨など

 秦野市西商店会連合会(桐山浩幸会長)は10月22日、秦野商工会議所で高橋昌和市長と懇談会を開催。桐山会長のほか、副会長の飯塚靖士さん、桐生照雄さん、安藤幸一さんが出席、秦野市からは高橋市長や関係する部課長らが参加した。

 各商店会からは、市が推進する「小田急4駅周辺にぎわい創造」の現在の進捗状況と今後の具体的な計画についてや、今冬導入される「電子地域通貨OMOTANコイン」においてデジタル事業に不慣れな事業者への手厚いサポートや経済活性化施策の実施、商店会の事務業務の外部委託費の補助など「商店会の組織持続化の支援」などを求める声が上がった。

 高橋市長は「渋沢駅周辺はハード面の整備は進んでいる、にぎわいを創出するソフト面を一緒に考えていきたい」と話し、「秦野には我々が活用できていなかった、身近な所に良い資源がある。インバウンドなど次のステップにつなげられれば」と話した。

柿の木につけられたツキノワグマの4本の爪痕

クマの出没が増加 人家近くに痕跡も

 秦野市内でツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。人里のすぐ近くで足跡のほか、フンや爪痕などの痕跡も見つかっており、市では注意を呼びかけている。

 市によると、特に10月下旬に相次いで報告があったという。羽根付近や権現山、浅間山駐車場、弘法山公園駐車場のほか、人家に近いかみくさやま公園付近(曽屋3651の15)、菩提313の1付近、戸川562の1付近でも目撃情報や足跡・フンなどの痕跡が見つかっている。

 こうした状況を受け、目撃情報があった付近では煙火による追い払いや、捕獲したクマの学習放獣などを実施。また、市教育委員会では小中学校を通じて、目撃情報があった地域に住む児童・生徒にクマ避け鈴を貸し出しした。そのほか、通称・青パトと呼ばれる青色回転灯をつけた防犯パトロール車での巡回なども行われている。

 ツキノワグマは早朝や夜間の出没が多く、市農業振興課では「単独行動や朝夕の時間帯を避ける、外出の際はラジオや鈴など音の鳴るものを携行するなど対策してほしい」と話す。クマと遭遇した場合は、クマに向き合ったまま動きを見ながらゆっくり後退することが重要。人家近くでクマを目撃した、もしく痕跡を見つけた場合は、はだの都市農業支援センター【電話】0463・81・7800(土日は市役所【電話】0463・82・5111)へ連絡を。

Pick Up 現場で輝く若いチカラ 救急隊 矢島さん「ないものを補い合える職場」

 秦野市消防では若手消防職員、女性消防職員が数多く活躍している。消防署西分署の救急隊員・矢島さん(28)もその一人だ。

 子どもの頃から看護師である母の影響を受け、医療職に就きたいと考えていたという矢島さん。大学で救急救命士の資格を取得し、これまで学んできたことを生かせること、また最前線で傷病者と接したいという思いもあり、消防を希望した。「消防というと男性が多いイメージですが、だからこそ女性の需要があるのではと思いました」。県内の消防の説明会にいくつか足を運ぶ中で、ピンと来たのが秦野市消防。「あったかい空気感があった。長く働くならこういう職場がいいと感じました」と振り返る。

 2018年に入庁。本署で消防隊・救急隊を経験し、3年前に西分署の救急隊へ。「入る前はやっぱりゴリゴリの体育会系のイメージがあったけど、先輩方は優しく、いい意味でギャップがありました」とニコリ。「今の職場は、男性隊員も女性隊員も、互いにないものを補い合える環境だと思います」

 仕事のやりがいは、やはり命を救えること。「女性傷病者に『女性の救急隊員さんが一緒に乗ってくれて良かった』と言われるのも、この仕事に就いて良かったと感じる瞬間」と話す。「まだ経験はありませんが、いつか妊婦を運ぶことがあるかもしれない。救急で唯一『おめでとう』と言える現場なので、力を入れて勉強をしています。今後も経験を重ね、女性隊員としてまちの救急を支えられるようになりたい」

警備第一課救助第一担当救助小隊 小林さん(26)

秦野市曽屋出身の小林さん。小さい頃から消防本部で働く消防士を見て「格好いいな」と憧れていたという。生まれ育ったまちへの恩返しという意味合いも込め、2017年に入庁。消防隊を経て、現在は救助隊で活躍する。「事故や救急、災害など最前線で仕事をする職業はあまりない。人命を救えた時はうれしいし、やりがいを感じる」と話す。「入庁当初からなりたかったのが救助隊なので、これからも仲間と共に研鑽を積み、目一杯まちに貢献したい」

警備第一課西第一担当消防小隊 江藤さん(22)

「説明会で生き生きと楽しそうにしていた女性の先輩に憧れ、消防に入りました」。体を動かすことが得意だったこともあり、2021年に入庁した。現在は西分署で火災現場等に出動する。「訓練の内容が現場に直結するので、仲間と一緒に真剣に取り組んでいます。きつい時もあるけど、訓練後は和気あいあいとしていてそのメリハリがいいです」と江藤さん。今は消防車を運転する機関員を目指しており「現場にガンガン出たい」と話している。

入賞作品のスタンドと佐藤さん

佐藤慎司さん 組子細工で10回連続入賞 全国建具展示会

 秦野市栄町在住の佐藤慎司さん(58/佐藤建具工房)が「第55回全国建具展示会」で10回連続となる入賞を果たした。

 同展示会は10月11日・12日に東京都浅草で行われた「2024全国建具フェア」内で開催されたもので、佐藤さんは「シリンダリカルライトスタンド(円筒形行灯)」を出品。全国から101点の出品があった中から、(一社)日本木材輸出振興協会会長賞を受賞した。

 佐藤さんが制作した行灯は、現代の家にも合うように一般的なルームランプ型にしたほか、今回は試行錯誤を繰り返し、新しい技術を取り入れた作成を行っている。「通常、円柱型を作る場合は16角形を作ってから角を削って丸くしますが、今回は紙を丸めるように、1枚の組子細工を円柱状にしました」と佐藤さん。そのほか、以前に顧客から「玄関に置きたいけど、コンセントがない」という要望があったこともあり、使い勝手なども考え、どこでも置けるコードレスを採用したという。

 佐藤さんは「10回連続入賞を頑張りたいというのは、前から意識していたので良かった。ひとまずの区切りとなった」と話した。

消防本部・署、消防団を特集 9日から火災予防運動

 11月9日は「119番の日」。消防に対する正しい理解と認識を深めると共に、防火防災意識の高揚、地域ぐるみの防災体制の確立を目的に1987年に制定された。11月9日(土)から15日(金)までは「秋季全国火災予防運動」も行われる。今回、「119番の日」を前に、火災予防運動に関する啓発、秦野市消防本部・消防署の取り組みや職員、消防団などについて取材した。

秦野市の状況

 火災が発生しやすい時季を迎えるにあたり、火災予防思想の普及を図る「秋季全国火災予防運動」。秦野市の火災状況を見ると、出火件数はここ数年で増加傾向にある。

 2024年は、9月末現在で総出火件数が32件。昨年同月と比べると1件減とほぼ横ばいとなっている。内訳を見ると、建物火災が23件、車両火災が1件、その他の火災が8件。「空気が乾燥している」「暖房機器などのほか、火を使用する機会が増える」といった出火につながりやすい冬季を迎えるにあたり、これからの時季は特に注意が必要となる。

住警器の点検を

 建物火災でカギとなるのが「住宅用火災警報器(住警器)」だ。住宅用火災警報器は、火災によって発生する煙を感知し、音や音声で警報を発して火災を知らせる機器のこと。新築・改築の住宅では2006年から、既存住宅では2011年から設置が義務付けられている。

 秦野市消防本部予防課では「みなさんの家に設置されている火災警報器がいつ設置されたものか、この機会に確認してほしい」と話す。警報器は火災を感知するために常に作動しているため、その寿命は10年とされている。設置後10年を経過した警報器は本体の交換が推奨されており、同課では「いざという時に『あなたとあなたのご家族を守る』ためにも、正常に作動するよう適切な維持管理をしてほしい」と呼びかける。

死傷者が65%減少

 同課によると、住宅用火災警報器を設置している住宅と設置していなかった住宅では、被害状況が明らかに異なるいうデータがあるという。

 警報器の設置状況別に見た秦野市の住宅火災の被害状況は、2023年から過去10年間を分析すると、警報器を設置していなかった住宅火災1件当たりの建物損害額は10年平均で約384万6000円。これに対し、警報器を設置していた場合は約94万6000円で、設置されていなかった住宅と比べて、損害額は約75%減少している。

 また、死傷者の発生状況においても同様に、設置済みの場合は、未設置の場合に比べて死傷者の発生が約65%減少するという結果が出ているという。

取り付けを支援

 秦野市消防では、65歳以上の高齢者や障害者世帯など、自分で警報器を取り付けることが難しい場合、消防職員が設置を手伝うという取り付け支援を行っている。

 取り付け費用は無料だが、住宅用火災警報器の用意は申込者自身が行う。申し込みは同課【電話】0463・81・5240(平日午前9時から午後5時)へ。

※詐欺に注意/消防職員が取り付けを行う場合は事前連絡の上、消防職員である身分証明書を携帯している。不審な場合は身分証の提示を求めるか、同課へ連絡を。

医師・看護師が同時出動 派遣型救急ワークステーション

 秦野市は救命率の向上をめざし、2020年から「派遣型救急ワークステーション」を運用している。これは消防本部に救急車の要請があった際に、重症の傷病者が予想される場合は、東海大学病院から派遣された医師と秦野赤十字病院の看護師が救急車に同乗し、現場に向かう取り組み。これにより搬送途中の救急車の中で医療行為を行うことが可能で、救命率の向上や後遺症の軽減が期待できるという。

 ワークステーションの拠点は秦野赤十字病院に設置。月〜木曜日の週4回、消防から救急車と救急隊が派遣され、待機時には病院内で実践的な実習も行われている。

 運用開始からこれまでの出動実績は1006件(24年9月末現在)。過去には農作業中に意識を失い大量輸液が必要となった熱中症患者や肺が破裂して呼吸状態が悪化した傷病者、大血管が割けてしまった高血圧の傷病者、首の神経を痛めて呼吸困難に陥った傷病者といった事例があった。消防によると、これらの事例では「消防の救急隊員だけの搬送では医療行為ができず、非常に危険であったと思われるが、医師や看護師の同乗により傷病者が良好な状態で日常生活に戻れた」という。

 秦野市ではワークステーション出動の効果が存分に発揮されているとし、今後も出動した症例についても検討を重ね、現場活動へのフィードバックをしていく。

消防団員の(左から)太谷さん、入野さん、猪狩さんと消防職員

学生・女性団員が活躍 東海大学で広報活動も

 東海大学で10月12日に行われた「グローカルフェスタ2024」に3人の消防団員が参加し、広報活動を行った。この日集まったのは、それぞれ主婦、学生、女子学生という肩書を持つ団員。消防本部によると、昨今は学生や女性消防団員の入団も増えてきているという。3人にそれぞれ入団のきっかけや、やりがいなどを聞いてみた。

 ▽猪狩智子さん(49)/第1分団第2部所属

 「子どもと一緒に行った消防団フェスティバルで女性も団員になれることを初めて知り、子どもが大きくなったら入団しようと思っていました。地域の人とのつながりもでき、AEDの使い方を学べるなどメリットは大きいです」

 ▽入野結衣さん(20)/第3分団第2部所属

 「消防士を目指しているので、消防団に入ることで現役の方の仕事を見ることができると思いました。今年火災の現場に2件出動し、ホースを持って消火活動をしましたが、『命を助ける』という消防士の仕事がより具体的になった気がします」

 ▽太谷拓人さん(21)/第6分団第6部所属

 「救急救命士を目指しているので、消防ではどんなことをしているのか知りたくて入団しました。僕も火災現場に出動しましたが、やっぱり恐怖心はある。そんな中でどう行動すべきか、最近わかるようになってきました。市民や仲間を守るため、規律を守ることも大事だと感じています」

共同消防指令センターの建物が完成した

秦野市×伊勢原市 消防指令センター始動間近 119番通報を一元化

 秦野市と伊勢原市は、消防行政の効率化と市民サービスの向上を目指し連携を強化している。その柱となるのが、2025年4月に運用を開始する秦野市・伊勢原市共同消防指令センターだ。

 これまで秦野市と伊勢原市はそれぞれが指令センターで業務を行い、応援要請が必要な時に電話で対応していた。高齢化による救急需要の拡大や、頻発する災害対応など迅速かつ広域的な対応が求められている状況を受け、両市は20年8月11日に消防指令センターの共同運用に関する協定を締結。これに基づき、秦野市消防本部に共同指令センターの建設が始まり、今年2月に建設工事が完了した。来春4月から、本格的な運用が始まる。

 消防指令センター始動後は、両市からの119番通報をセンターで一括受信。市境に面した地域などは、互いの消防本部に直接出動指令を出すことが可能になる。広域的な災害発生時にも、両市の消防資源を効果的に活用することで、より多くの市民の安全を確保できる体制の構築が期待できる。

本格運用に先立ち新システム導入

 秦野市消防本部と伊勢原市消防本部は、消防指令センターの本格運用に先立ち24年5月から新しい映像通報システム「Live119」を導入した。Live119は、119番通報時に通報者がスマートフォンなどで撮影した現場の映像をリアルタイムで消防指令センターに送信できるシステム。消防隊員は送られてきた映像を通して火災や事故の状況をより正確に把握することができる。これにより、必要な人員や資機材を迅速に判断し、現場に派遣することが可能となる。また、通報者がパニックに陥っている場合でも、映像を通して状況を把握することで、より的確な指示やアドバイスを与えることができる。

 秦野市・伊勢原市の消防指令センターの統合とLive119の導入など、消防体制の強化と効率的な運用が進められる。

西地区を管轄する、第6分団の訓練

頼れる地域の防災リーダー 秦野市消防団

 秦野市内を7区域に分け、1団本部7分団36部で組織される秦野市消防団(諸星徹団長)。「自らの地域は自らで守る」という精神に基づき、災害時の消防活動だけでなく、平常時の訓練・警戒・防火活動などに取り組んでいる。

 地域の防火・防災リーダーとして、地域住民の連携を強め、防災体制づくりを推進している団員は、18歳から69歳まで360人(10月1日現在)。組織をまとめる諸星団長は「団員は正業の傍ら、非常勤の特別職として24時間出動できる体制でいます」と活動の難しさを話す一方、「『自分たちの街を自分たちで守る』という誇りを持って取り組んでいます」と地域への思いを口にする。同消防団への加入の問い合わせは、市消防本部警防課【電話】0463・81・7992へ。

学生消防団を応援 秦野市が認証制度

 秦野市は消防団活動に積極的に取り組んだ大学生などに対し、「学生消防団活動認証証明書」を交付している。

 対象は市内在住の大学生など(大学、大学院、高等専門学校、専修学校)、または卒業から3年以内の人。在学中に秦野市の消防団員として1年以上継続的に活動し、市民の日や出初式、総合訓練、各運動などの消防団業務に従事するといった地域社会への貢献が認められることが条件。交付された証明書は、就職活動の際に企業や採用担当者に提出することで、地域への貢献実績をアピールすることができる。詳細は「秦野市学生消防団」で検索、または市消防総務課【電話】0463・81・7992へ。

実車両を使って解体訓練を行う消防職員

高速事故を視野に訓練 セクメットが車両提供

 秦野市消防は、新東名高速道路の全線開通を機に交通事故の増加も懸念されることから、月2回、実車両を使った救助活動訓練を行っている。

 迅速で確実な救助活動ができるよう行っている同訓練。消防によると、月2回という頻度で実施できるようになったのは、自動車解体を主事業とする戸川の(株)セクメットの協力があるという。

 これまでは、消防で訓練用車両を購入していたが、物価高騰などの影響もあり購入が難しくなったほか、台数が少ないため訓練できる職員の数も限られていた。こうした中、2024年5月に自動車関連企業から成るエートス協同組合と協定を締結。同組合に加盟する地元のセクメットから車両と訓練場所の提供が受けられるようになった。訓練に関わることができる消防職員も増え、スキルアップにつながっているという。

 「セクメットから解体に関する知識を学べるのも大きい。スライドドアや電気自動車など、これまで扱ったことがない車種も解体できるようになり、あらゆる現場に対応できる力がついている」と市消防。「27年度に予定されている新東名の全線開通に備え、今からより一層の救助技術の向上に努めたい」と話している。

会場を盛り上げた仮装コンテスト

規模拡大し初開催 ハロウィン屋台村盛況

 鶴巻温泉駅北口広場で10月27日、鶴巻温泉活性化協議会主催の「鶴巻温泉ハロウィン屋台村」が開催され、多くの来場者で賑わいを見せた。

 地元の活性化を目的に、2021年から実施している「秋のにぎわいフェア」と、翌22年から屋台村という形式にしたハロウィーンイベント「鶴巻温泉ハロウィン屋台村」。今年はこの2つの催しを合体し、「秋のにぎわいフェア鶴巻温泉ハロウィン屋台村」という形で規模を拡大し初開催された。

 当日、会場には飲食物のブースが多数出店。2021年から鶴巻エリアでまち興しの一環として力を入れているジビエ料理も軒を連ねた。

 また、仮装し来場した子どもへの菓子プレゼントや、子ども部門・大人部門の仮装コンテスト、ハロウィーンパレードなど、ハロウィーンらしい催しも。にぎわいフェアを盛り上げたカラオケ王座決定戦や、ライブなどステージイベントも行われた。

小野瀬さん(右から2番目)、清水さん(左端)、大志さん(右端)が市役所を訪問

台風道路被害に寄付 市民有志が秦野市に

 秦野市民の有志一同が10月28日に市長応接室を訪れ、高橋昌和市長に台風の影響による道路被害復旧のための募金18万5511円を手渡した。

 これは、市内菩提で飲食店「味乃大久保」を経営する小野瀬幸弘さんが呼びかけ集めたもの。8月末の台風10号の影響で市内各地に大きな被害が出たことを知った小野瀬さんは、すぐにSNSを通じ募金を呼び掛けた。

 これに呼応した18の個人や団体が9月1日から1カ月間募金を実施。市内の中学生マジシャン大志さん(本名・川瀬大志さん)もSNSを見て協力を決め、マジックを披露し集まった金を募金に充てたという。

 当日は有志を代表し、小野瀬さんとエスタミネ・コゼット(曲松)の清水朋也さん、大志さんとその母親である川瀬和美さんが市長を訪問。寄付を受け高橋市長は、「ありがとうござます。皆様のご意思に沿うよう使わせていただきます」と謝辞を述べた。

一生懸命に芋を掘る園児たち

ゆりかご保育園 元気いっぱい「お芋掘り」 鶴巻の畑で

 NITTANパークおおね(おおね公園)そばの畑で11月1日、ゆりかご保育園(串田博美園長)の園児18人が、サツマイモ掘りを行った。当日は天候に恵まれ、園児たちは元気いっぱいに芋掘りを楽しんだ。

 畑を管理するのは、市内に住む北村光弘さん。鶴巻温泉駅北口で毎週土曜に行われている「つるまき駅土曜朝市」に野菜を出品している北村さんは、知人から同保育園がマイクロバスなどを使い遠方まで芋掘りに行っていることを知った。

 北村さんの畑は園から徒歩で行ける距離にあるため、「それならば」と自身の畑での実施を園に打診。今回、初めて北村さんの畑で実施することとなった。

 当日、北村さんから説明を受け、芋掘りを始める園児たち。立派に育ったベニアズマを掘り出した園児は「大きい!」「いっぱい取れた!」とはしゃいでいた。

2007年に使っていたかかしの看板を使い準備が進む会場

15年ぶり かかしまつり 上地区 生き物の里で

 秦野市柳川にある「生き物の里」とその周辺の田んぼを会場に、「上地区かかしまつり」が15年ぶりに復活する。11月10日(日)の午後から23日(土)の午前まで、18の個人・団体が制作したかかし25体が展示される。

 地域の人たちが子どもたちを見守り、さまざまな体験をしてもらおうという上自由学校の一環として行われていた催し。2001年から09年まで実施され、当時は農作業体験の延長にあった収穫祭とともに行われていた。

 しかしメンバーの高齢化に加え、多い時で最大50体のかかしが寄せられるなど徐々に規模が大きくなり負担が増したことが要因で一時休止に。15年の時を経て、地域活性化を含め再開を望む声が上がったことから、上地区青少年育成部会内にかかしまつり実行委員会(和田稔委員長)を9月頭に発足し、開催する運びとなった。

 当時の中心メンバーが残っていたこと、先人たちが再開する時のために当時のものを残してくれていたことなどから、わずか2カ月で準備。回覧板や自治会の掲示板を通し作品を募集し、今回はかかし展示のみ実施する。「いろいろなアイデアのかかしが集まっているので、ぜひ楽しんでほしい」と和田さんは話している。

 問い合わせは和田さん【携帯電話】090・3008・6126まで。