藤沢版【11月8日(金)号】
熟成させるバナナの出来を確認する小林さん

遠藤在住小林さん 藤沢産バナナ初出荷 JAさがみ直売所で今月末まで

 遠藤で農業を営む小林俊和さん(75)が、約10年をかけて露地栽培したバナナが先月、JAさがみ(西山國正組合長)が運営する亀井野の直売所「わいわい市藤沢店」に出荷された。品種名は「アイスクリームバナナ」。市内産のバナナとしては初の出荷で、注目を集めている。

 市北部の閑静な田園地帯に突如現れる南国情緒あふれる茂みは、小林さんが2014年から育て上げたバナナ畑だ。高さ4mほどの木の幹に、1本約10cmの緑色の実がなっていく。

 花が咲き、6房ほど実がつくと花を切る。「花が養分を持っていくから」と小林さん。80日後に実を収穫し、約25℃の室温を保てる育苗用ビニールハウスで熟成を助けるリンゴとともに吊るし、色が着くのを待つ。

 「植えてから3年と100日でやっと1房ができる」。寒さに弱く、冬は葉が枯れた後、太い幹の中を巡る水分が凍らないように、ビニールを巻く。農薬は使わず、肥料の袋を幹にまとわせて生育。今年は7月中旬に開花し、徐々に実がなり始めたものの、寒暖差が激しい季節の変わり目であることもあり、毎日の見極めが難しい。

 「採算は取れない。趣味みたいなもの」と微笑むが、その食感はねっとりとし、味はさっぱりとした甘さを持つ。「冷凍庫に入れておけばそのままアイスクリームにもなる」とも。これまでは自宅や親戚、近所などで消費していたが、今年は例年より多くの花が咲き、かねてより目標としていた出荷に踏み切った。

 遠藤で代々続く農家に生まれ、JAに勤務。その後、自身の畑で農業に従事した。バナナ栽培を始めた理由は「変わったものを作りたかったから」。これまで4色のニンジンも出荷するなど挑戦を重ねてきた。「他と同じものを直売所に出しても売れない。競争しないことが大事」と話す。

 最近、偶然通りかかったベトナム出身の人が「葉を譲ってほしい」と話を持ち掛けてきた。聞けば、現地ではバナナの葉に米を包んで食べる文化があり、「『祖国の風景のようだ』と言って感動していた」という。

 出来栄えに「一度食べたらファンになる」と小林さんが太鼓判を押すバナナは、2本入り1袋400円(税込)。同直売所には11月下旬、遠藤に霜が降りるまでの出荷を予定している。

善行長後線の開通区間(2024年8月時点・市提供)

善行長後線 六会工区が開通 12月から、交通利便性向上

 都市計画道路善行長後線「六会工区」の県道403号(菖蒲沢戸塚)から北側の未整備区間約140mが12月1日(日)に開通する。これにより、周辺の交通円滑化と歩行者の安全性向上が期待される。

 開通するのは、六会日大前駅と湘南台駅の中間で、六会小学校に隣接する地点。現状、善行長後線を通過する場合は一度迂回する必要があるが、開通後は直進できるようになる。東側に並行する国道467号や、西側の県道43号の混雑緩和も期待される。

 本線の供用開始後、既存の交差点や取付道路の整備が行われ、2025年7月の完成を予定している。

 開通当日は、市民への供用開始の周知と交通安全を祈願して、午後0時30分から開通式典が開催され、鈴木恒夫市長らによるテープカットなどの式典が行われる。

 南北に長い地形の藤沢市にとって、往来の利便性向上は課題の一つ。善行長後線は小田急線善行駅と長後駅をつなぐ全長5・9Kmの交通路線として1957年に市が都市計画決定。段階的に整備が進められている。市では、今年度の関連予算として1億3256万円を計上している。

 今回の開通によって善行長後線は横浜と伊勢原を結ぶ県道22号(横浜伊勢原)「用田バイパス」から善行駅までがつながる。県道22号から北側の「長後工区」について市によると、一部用地の取得は行っているが、事業の着手については未定となっている。

eスポーツチーム「Meteor」の代表を務める 相澤 利春さん 辻堂在住 33歳

eスポーツの「居場所」作る

 ○…ゲームのキャラクターの動作と自分が重なるような感覚を持ち、時には隣に座る味方の声すら聞こえなくなるほどの集中を画面に向ける。「観客からの熱い応援がeスポーツの良さ」と話す。辻堂で2021年からeスポーツチーム「Meteor(ミーティア)」を立ち上げ、約4年で世界大会に出場するまでに成長させた。「選手が頑張ってくれたおかげ」とプレイヤーへのリスペクトを忘れない。

 ○…中学までは「サッカー少年」。ベルマーレのジュニアユースで練習に明け暮れる日々を送り、ゲームは趣味の一つだった。eスポーツの存在を知ったのは高校生の頃、世界大会を映像で観戦し、観客の熱気は「まるでサッカーのワールドカップのようだった」。その後は米国のチームを応援するなど、その魅力にのめり込んでいった。

 ○…チームを立ち上げるきっかけとなったのは、コロナ禍に勤めていた不動産会社でもオンライン化に即した新規事業を考え始めたことにあった。「リアルを扱う不動産業とバーチャルが舞台のeスポーツ、それぞれの良い部分を新しい時代で生かしたい」。発足後は日本で数少ないチーム用の事務所を設け、契約関係の取り決めを正確に行うなどマネジメントを徹底。業界内での評判を高め、実力のある選手が集う環境を作り上げた。

 ○…社会的な浸透を感じる一方、SNSでの誹謗中傷にプレイヤーが直接さらされるという課題も残る。「一人で対応していると嫌になる。仲間がいる居場所を守っていきたい」。自身の性格について「完璧主義」と言われることもあるというが、「固くなりすぎず、ゲームの面白さと競技の真剣さを兼ね備えた魅力を今後も守っていきたい」とeスポーツへの愛をにじませた。

歴史から知る日韓親善 ミナパークで講演会

 「湘南日韓親善協会文化講演会」が12月1日(日)、藤沢商工会館ミナパークで開催される。午後2時から。参加無料。

 当日は、駐横浜大韓民国総領事館の金玉彩(キムオクチェ)氏を講師に招き「韓日『古代交流史』の理解と真の歴史和解―百済武寧王の生涯から」をテーマに、両国の歴史から友好を深める。対象は藤沢市民及び湘南日韓親善協会会員ほか。定員80人先着順。希望者は11月11日(月)以降に電話またはメール(【メール】shonan_japan-korea_fa@ymail.ne.jp)で同協会へ氏名・電話番号を伝える。詳しくは【電話】0466・22・9474。

7士業による無料相談会 16日、藤沢商工会館で

 藤沢商工会議所では、日々の生活から事業のトラブルまで、さまざまな悩みに応える無料相談会を16日(土)、藤沢商工会館6階多目的ホールで開催する。時間は午前10時から午後3時まで。同商議所の文化サービス業部会の主催で、藤沢市が後援する。

 当日は税理士や司法書士、行政書士、弁護士など7つの専門家が対応。それぞれのプロたちが連携し、終活・相続や債務整理・過払い金といった「お金」にまつわる内容のほか、介護、土地の境界問題、交通事故、起業など幅広い相談を受けてくれる。

 参加は無料で、予約不要。先着50人には記念品の進呈もある。

 問い合わせは同商議所業務管理部【電話】0466・27・8888。

お手製法被を着てチラシを見せる小屋原さん

ファン集まれ キャンディーズを語ろう 高倉市民の家で座談会

 昭和を代表する元祖アイドルグループ「キャンディーズ」の軌跡を振り返り、思い出を語り合う座談会が16日(土)、高倉市民の家(高倉495の1)で開かれる。時間は午後1時30分から5時まで、参加無料。

 人気絶頂になりつつあった1977年夏、突如発表された解散。翌年のお別れコンサートや当時のテレビ出演映像の上映、アナログレコードの視聴、クイズ、紙テープ投げ講座など、多彩な企画が用意されている。

 昨年の「NHK紅白歌合戦」に元メンバーの伊藤蘭さんが出場し、今も変わらない声援を送る親衛隊の様子が話題になったほか、大のファンとして知られる石破茂氏が自民党総裁に選出されるなど、近ごろ盛り上がりを見せるキャンディーズ。イベントを主催する市民活動推進センター登録団体「長後アクティブシニアーズ」の代表、小屋原(こやはら)悟さんは解散当時、大学生で「ジャストミート世代」だという。かつてはただ流行りのアイドルとして見ていたが、定年退職後に「歌唱も振り付けもレベルが高い」と魅力を再発見。カラオケなどでグループの楽曲を歌うようになった。「同世代も若い世代も一緒に盛り上がり、地域のつながりを作れたら」と同志の参加を呼び掛けている。

 座談会に関する問い合わせや参加申し込みは【メール】smtkkr2nd@gmail.comまで送信する。
緑に囲まれた谷戸の景観を眺められる遠藤笹窪谷公園

遠藤笹窪谷(やと)公園 国交大臣賞に輝く 生物多様性の取り組み評価

 市内でも指折りの良好な自然環境を有する遠藤笹窪谷公園が先月25日、「第40回都市公園等コンクール」の管理運営部門で国土交通大臣賞を受賞した。同部門に10作品が寄せられたコンクールには、市と指定管理者の横浜植木株式会社が応募。生物多様性の保全と体験に特化した公園管理のほか、公園愛護会や大学などと連携した管理運営が高く評価された。

 同公園は、浅い谷状の地形にある遠藤笹窪緑地(約24・3ヘクタール)の一部を整備し、2022年7月に開園した。約2・5ヘクタールの園内には遊水地機能を持つ湿地や水田、カキツバタ田、小川と草地などが復元・創出されている。藤沢市の鳥カワセミをはじめ、約680種の動植物が生息する。

 市が公園の大部分を「生きものの生息環境を優先するエリア」に設定。横浜植木は、バッタやカヤネズミなどのすみかや鳥の巣作りに配慮しながら、草を刈る時期や草むらの密度、草丈を調整するなどして管理を行っているという。

 また、管理棟を兼ねた「生物多様性サテライトセンター」が設置されており、園内の植物や昆虫、野鳥などに関する展示コーナーもある。園全体が自然体験・環境教育の場として活用されていることが特長だ。夜の観察会や土壌動物の観察会といったイベントも抽選になるほど人気が高い。

 同公園では「生きものファーストで管理に努めている。どのような種類が現れるか、びっくり箱のような公園をぜひ歩いて、さまざまな発見を楽しんでほしい」と話す。

心臓の説明を生徒から受ける来場者

看護体験に200人が来場 専門学校祭 地域と絆づくり

 看護の体験を通して地域とのつながりを作ることを目的とした湘南看護専門学校(大庭)の「湘南看護朴の花祭」が2日に開催された。当日は雨模様だったが、市民ら200人が訪れた。

 10回目を迎えた今年はリラックス効果のある手浴や血圧測定といった看護体験ブースや、脳トレ体験、ステージ、バザーなど多彩な催しを用意。地元から訪れ聴診器体験をした親子連れは「ふじキュン♡が来たり、子どもと楽しめると思って訪れた」とし「聴診器に初めて触った。生徒さんはさらに音を聞き分ける授業をしていると聞いてびっくりした」などと話した。

 多くの来場者を迎えた2年生の生徒は「体験を通じて地域の方々と会話ができたり、色々と知ってもらうきっかけになって良かった」と笑顔を見せた。

チームのポーズをとる相澤代表(左)、Kuroton選手、鈴木市長

辻堂拠点「Meteor」 eスポーツで世界へ 市役所で意気込み語る

 辻堂を活動拠点とするeスポーツチーム「Meteor(ミーティア)」が、来年1月から札幌市の大和ハウスプレミストドームで開催される世界大会「ALGS Year4 Championship」への出場を決めた。同チームの相澤利春代表(33)=人物風土記で紹介=と同所属のKuroton選手が5日、藤沢市役所を表敬訪問し、大会への意気込みを語った。

 同大会は予選を勝ち抜いた世界40チームが、年間王者の座と賞金総額200万ドルをかけシューティングゲーム『Apex Legends』で競い合う。世界各国で配信され、Meteorは今回が初の出場となる。

 Meteorは「流星」を意味する。2021年から発足した新興チームで、プロ選手のほか、ゲーム配信者やⅤtuberなど18人が所属する。全国的に活躍するほか、市内の地域イベントでのeスポーツ体験や小学校訪問などを行っている。

 世界で戦うことにKuroton選手は「夢みたい」と喜びを示し、「全チームがライバル。初参加でも優勝を狙いたい」と話した。相澤代表は「市民の方にぜひ応援いただき、eスポーツの良さを体感していただければ」と呼びかけた。

表彰状を手にする3人の受賞者ら

プログラミングコンテスト 市の魅力、ゲームで表現 小中学生11人が受賞

 市内の小中学生が自作ゲームで発想力や表現力を競う「第1回 ふじさわプログラミングコンテスト」の表彰式が4日、アイクロス湘南6階で行われた。藤沢市と(公財)湘南産業振興財団(増田隆之理事長)の共催。

 同コンテストはプログラミングを通じ、子どもの理論的な思考力・判断力などを磨こうと、市が取り組む「ふじさわプログラミングプロジェクト」の一環。参加した小中学生はプログラミングソフト「スクラッチ」を使い、市の魅力をPRするゲームを作成した。応募総数96作品の中から、最優秀賞とアイデア賞、企業賞など合わせて11人が選出された。

 最優秀賞に輝いたのは、クイズを解きながらゴールを目指す「藤沢電鉄〜スゴロククイズゲーム」を作成した下村宗大さん(低学年の部)、クイズやガチャなどの要素を取り入れた「藤沢PRアプリ」を作成した増田龍之介さん(高学年の部)、江の島を舞台にした謎解きゲーム「江の島の事件の解決」を作成した池田琳さん(中学生の部)の3人。受賞者は、増田理事長と中山良平副市長から賞状と記念品を受け取った。池田さんは「江の島をイメージした背景画像の描写に苦労した。ゲーム内では藤沢の特産品がアイテムとして登場するので、見つけてほしい」と力作の見どころを語った。

 入賞作品は今後、コンテストHPで公開予定。

藤沢北教会チャリコン アンサンブル演奏

 フィリピンの子どもたちを支援することを目的としたチャリティーコンサートが16日(土)、藤沢北教会(亀井野1の25の3)で開かれる。午後2時30分開演、2時開場。

 出演はユーオーディア室内アンサンブル(クラリネット・柳瀬洋さん/バイオリン・池田実結さん/ピアノ・加賀都喜乃さん)。曲目は『このうるわしき大地に』(J.ラター)、『ハンガリー舞曲第6番』(J.ブラームス)、『アメイジング グレイス』ほか。

 入場無料だが、会堂に募金箱が設けられ、現地へ寄付される。問い合わせは同教会【電話】0466・81・0893。

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インタビューにこたえる石井理事

11月8日は「いい歯の日」 歯と口の健康維持は全身を守る 藤沢市歯科医師会 地域健康部理事 石井宏知さん

 毎日の美味しい食事は健康の基本。そのために大切なのが歯と口腔環境だ。11月8日の「いい歯の日」にあわせて、藤沢市歯科医師会の地域保健部理事の石井宏知さんに、近年の歯科医療の現場や歯と口を健康に保つためのポイントについて話を聞いた。

 近年は医療技術の進歩や歯に対する意識の向上などから、虫歯(う蝕)の患者数は減少傾向にあるという。一方で、歯を失う原因で最も多い「歯周病」による来院者は多く、石井さんは「歯周病の影響が歯だけでなく全身に及ぶことが広く周知されるようになり、気にされる方が増えています」と話す。

 歯の汚れから出る毒素が歯ぐきの炎症などを引き起こす歯周病。初期は痛みが少なく静かに進行するため、放置したり我慢したりする人も多いが、進行すると歯を支える骨が破壊され、気が付いたら歯がグラグラして抜けてしまうことも。

 そして、歯を失うだけでなく、歯周病は糖尿病や心臓病などと深い関わりがあることが判明している。

 石井さんは「さまざまな研究の結果、歯周病が全身に大きな影響を与えていることが分かっています。健康な方と比べて、糖尿病の方は抵抗力が下がっており、感染に弱い状態といえます。歯周病と糖尿病が共に体に悪い影響を与え続け、互いに悪化させていく相関関係があるのです」と警鐘を鳴らす。

 また、手術前や妊娠期なども歯科医療が大切になるという。「最近では脳や心臓、整形外科など、大きな手術の前に歯周病治療をすることが一般的になってきています。それだけ、歯周病のリスクが大きいということです」と解説する。

毎日の歯磨きとプロのケアを

 歯周病は特に40代から急増するといわれる。自分では気づきにくい歯ぐきの異常を早期に発見するために、大切なのが歯科健診だ。

 「もちろん毎日の歯磨きは歯の健康の基本ですが、歯ブラシだけでは汚れを完全に除去することはできません。いつの間にか蓄積する歯と歯茎の間の歯周ポケット内の汚れなどは、簡単には除去できないのです」と石井さん。「毎日のブラッシングとプロのケアは、歯と口の健康を守るための車の両輪のようなもの。どちらも欠かせません。定期的な健診をおすすめします」と呼びかける。

 市内185人の歯科医師が会員となっている同会では、毎年藤沢市の成人歯科健診に協力している。「痛くなる前の早期発見と治療は、何よりの対策です。私たち歯科医も、もっと身近に感じていただけるよう、患者様に寄り添った治療に取り組んでいきたいですね」と笑顔をみせる。

電動アシスト付き車椅子に試乗する黒岩知事

「未来感じる新拠点」 藤沢駅前にロボリンク開所

 ロボット企業交流拠点「ロボリンク」が3日、藤沢駅から徒歩2分に立地する角若松ビル(藤沢559)6階にオープンした。同日、駅北口ペデストリアンデッキ上芝生広場で開所式が行われ、黒岩祐治県知事や藤沢商工会議所の増田隆之会頭らが出席。テープカットで新たな門出を祝った。

 藤沢市を含む10市2町は、国指定の「さがみロボット産業特区」として生活支援ロボットの実用化や普及活用を推進。県支援のもと、今年5月には相模原市緑区橋本にあるイノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO(ファンタステックラボ)」に、ロボット企業交流拠点が設置された。ロボリンクは県内2カ所目となる施設で、県は南北に拠点を整備することで、特区全体の活性化を図りたい考えだ。

 新施設は、(公財)湘南産業振興財団が県から委託を受けて運営。少子高齢化や人口減少といった社会課題を解決に導くロボット産業に関わる企業同士の交流のほか、あらゆる生活支援ロボットの展示や地域住民に向けたロボット体験イベントなどを今後行っていく。

 開所式の冒頭あいさつに立った黒岩知事は「県央エリアには、キラリと光る技術を有する中小企業が数多く点在する。福祉×ロボ、宇宙×ロボなど、それぞれのポテンシャルをどう生かすか。新拠点は未来を形づくる可能性を秘めている」と期待感を示した。その後、電動アシスト付きの車椅子や歩行補助機を使用したり、自立移動型サービスロボットとコミュニケーションを図ったりした黒岩知事は「非常に快適。使っていて面白い」と関係者らに機能性の高さを伝えた。

 またドローンや月面VRの体験ブース前では、来場者が長蛇の列をなしていた。ダンスや配膳、人の手指を模したロボットなどを興味深げに見て、触れていた小学4年の男子児童は「すごくリアルに動くし、少しかわいいかも」と笑みをこぼしながら感想を述べた。
植え込みのごみを拾う会員たち

「きれいな藤沢に」 建設業協会が清掃活動

 藤沢市建設業協会(村上進会長)は1日、藤沢駅南口周辺で毎年恒例の清掃活動を行った。加盟企業41社から約50人がボランティアで参加。路上や植え込みに捨てられた空き缶やたばこの吸い殻、マスクなどを拾い集めたり、側溝のグレーチング(蓋)の目に詰まった泥や落ち葉などを取り除いたりした。

 10年以上にわたり実施している社会貢献活動の一つ。村上会長は「きれいな藤沢のまちづくりに向けて今後も継続していきたい」と話した。

桂歌助師匠(提供)

村岡地区交通安全対策協議会 60周年祝う落語会

 村岡地区交通安全対策協議会が、60周年を迎えた。11月19日(火)には、記念式典と落語講演会が村岡公民館(弥勒寺1の7の7)1階ホールで開かれる。午後1時30分から(開場30分前)。無料。

 交通事故撲滅を目指し、村岡地区住民の自主活動によって発足された同協議会。日頃の活動に理解を示す賛助会員への感謝を込めた式典のほか、交通安全に協力する人々と共に愉快な時間を過ごそうと、落語講演会を企画した。

 高座に上がるのは、2018年7月に亡くなった故・桂歌丸さんの2番弟子として知られる落語家の桂歌助師匠。「交通安全落語」と題し、持ち前の話芸を披露する。

 参加希望者は、村岡地区ポータルサイト内にあるURLから申し込む。定員80人、先着順。問い合わせは同館【電話】0466・23・0634。

左から森元支社長と酒井会長、重田博章運営委員長

明治安田 市民まつりに寄付 「地域に元気を」願い込め

 先月26、27日に湘南台駅周辺を会場に行われた藤沢市民まつり湘南台ファンタジア(酒井一二実行委員会会長)に、明治安田が開催支援として23万円を寄付した。

 27日、実行委のもとを訪れた大船支社の森元敦士支社長から酒井会長に目録が手渡された。

 寄付は同社が全国で展開する地域活動支援の一つ。「皆さまが愛し、誇りに思う地元が、さらに元気で満ちあふれますように」との願いを込め、進められている。

 酒井会長は「毎年、ご援助いただき大変感謝。ファンタジアは本当にたくさんの方々に支えられていると実感している」と話した。

 同イベントは今年で24回目。今回の来場者は、昨年を超える約17万人が訪れたという。

環境フェア今年も 9日、藤沢市民会館で

 藤沢市民会館(鵠沼東8の1)であす9日(土)、「第27回 ふじさわ環境フェアEco2(エコエコ)まつり2024」が開催される。時間は午前10時から午後3時で、雨天決行。市と同実行委員会が主催する。

 当日は、海洋プラスチックを使ったキーホルダー作りやせっけん作り、ごみ収集車積み込み体験などワークショップのほか、環境にまつわるクイズ大会や展示などが行われる。また、来場先着150人にはエコバッグも進呈される。

 問い合わせは市環境総務課【電話】0466・50・3529。

子ども向け職業講話 美容師・医師が登壇

 藤沢市内の小学3年から6年までの児童を対象とした職業講話「週末子ども塾〜明日に輝く未来のキミたちへ〜」が23日(土)、藤沢市労働会館(Fプレイス)2階多目的室1で行われる。午前10時から正午。参加無料。

 藤沢公民館と藤沢地区郷土づくり推進会議の共催による事業。

 当日は、現役の美容師で市が極めて優れた技術者を匠として認定する「藤沢マイスター」の川部智文さん、元湘南鎌倉総合病院で院長を務めた高野良裕さんの2人がゲスト登壇。実技を交えながら、子どもたちに仕事の理解を深めてもらう。

 参加希望者は21日(木)までに市電子申請システム(e-kanagawa)から申し込む。定員30人。問い合わせは同公民館【電話】0466・22・0019。

歌川国貞『題名不詳(弁才天と北條時政)』(藤澤浮世絵館提供)

弁財天と不動明王 絵で見る江戸の信仰 浮世絵館で13日から

 辻堂神台の藤澤浮世絵館で11月13日(水)から企画展「江戸の祭神 弁財天と不動明王」が開催される。午前10時から午後7時まで。

 江戸時代に流行した江の島の弁財天や成田山の不動明王への信仰にまつわる作品を64点展示する。東海道コーナーでは「江戸の祭神」をテーマに、不動明王が描かれた「御影(おみえ)」と呼ばれる当時のお札や二代目歌川広重の『江戸名所四十八景』のうち寺社の描かれた作品が並ぶ。藤沢宿コーナーでは、平安時代に描かれた寺社の縁起やご利益など描いた絵巻物を、明治時代の画家・猪飼嘯谷(いかいしょうこく)が写した作品が展示され、当時の信仰の様子を読み取ることができる。

 江の島コーナーでは、弁財天の開帳を見に訪れた群衆を緻密に描いた初代歌川広重『相州江之嶋弁才天開帳参詣群集之図』や『江の嶋弁才天開帳詣』を展示。企画展コーナーでは船橋市が所蔵する歌川国郷『成田山開帳参詣群集之夕景』や歌川国貞『七代目市川団十郎成田山参詣の図』などが並ぶ。

 12月15日(日)まで開催。月曜と11月28日(木)から29日(金)は一部で展示替えのため休館。学芸員による解説は11月16日(土)と12月8日(日)に同館で開催。両日午前11時からと午後3時から。定員は各回30人で当日先着順。
ユニットメンバー(提供)

シナリオ作家集団トキワ 名店ビルで朗読劇

 「トキワ・ラブストーリーズin藤沢」と題したリーディングイベントが12月7日(土)、フジサワ名店ビル6階ホールで行われる。プロ第一線で活躍する気鋭の演劇ユニット「シナリオ作家集団トキワ」による企画。開演は午後1時からと5時からで、2回公演する。

 2027年夏をめどに営業終了予定の名店ビル、ダイヤモンドビル、CD(プライム)ビルのある一帯「391地区」に、舞台芸術家の活動拠点をつくる「391シアタープロジェクト」の一環。藤沢にまつわる話も盛り込んだラブストーリーで、5人の脚本家が書き上げた。終演後には、役者と交流できる時間も設けている。同ユニットの一人、田中悠平さんは「施設の終焉に”物語”を残すことで、地元民が建物の思い出をつくる機会を創出できれば。お気軽に来場を」と呼び掛けている。

 チケットは1千円。公演内容の詳細は同ユニットHPで確認。問い合わせは【メール】tokiwa.kikaku.2024@gmail.com。

市役所で開かれた寄贈式で、ふじキュン♡のぬいぐるみに囲まれる(左から)松井さん、鈴木市長、平山さん

ふじキュン♡だらけ 市民2人がぬいぐるみ寄贈

 手作り雑貨店「Waku Waku Garden江ノ島」オーナーの平山直美さんと、辻堂在住の松井洋平さんは先月30日、市公式マスコットキャラクター「ふじキュン♡」のぬいぐるみ22体を市に寄贈した。

 ふじキュン♡をこよなく愛する2人。「藤沢市をもっと有名にするため活躍してほしい」とぬいぐるみを手渡された鈴木恒夫市長は「まちがふじキュン♡だらけになったら面白い」と感謝した。

 寄贈品は今後、市内の公民館や図書館、病院などに飾られるという。

母が残した思い出の品々に囲まれながら、著書を手にする谷光さん=2日、くじら館で

鵠沼橘在住谷光さん 天真爛漫な母の生涯、一冊に 湘南くじら館で企画展

 鵠沼橘在住の映画監督、谷光章さん(79)は今夏、母親の生涯を紹介した著書『103歳”好き”に生きたわ 千江子流 人生アルバム』を上梓した。その出版を記念する企画展が「Art&Cafe 湘南くじら館」(片瀬目白山1の3)で開かれている。24日(日)まで。

 母の千江子さん没後、藤沢の実家で遺品を整理していた谷光さん。屋根裏部屋の物置で発見したのは、兵庫県から引っ越してきたまま全く手付かずに仕舞われていた段ボール箱の山だった。一つ一つ丁寧に梱包された品々を開けてみると、20歳で結婚してから書き続けた日記や家計簿などが出てきた。それらを手に取って読み進めていくうちに、戦争や水害、泥棒との対面、交通事故など苦難を経験しながらも、持ち前のユーモアと天真爛漫さで大正から令和まで激動の時代を生き抜いた証を如実に示す貴重な物ばかりだった。晩年には「オレオレ詐欺」の被害に遭ったり、認知症になったりもしたが、日常に小さな喜びを求めて常に笑顔で乗り越えた母のことを、谷光さんは一冊にまとめることにした。

 また、5年前には千江子さんとの介護生活をドキュメンタリー映画『99歳 母と暮らせば』の制作を通し、広く発信。現在全国80カ所近くで上映され、話題を呼んでいる。

 本の発売について谷光さんは「長寿で自分らしく生きるヒントをつかんでもらえれば」と話す。

 会期中は同書が販売されるほか、千江子さんが残した書や短歌、手芸品など約50点も展示。開館は金・土・日曜の正午から午後5時。問い合わせは同館【電話】0466・21・9262。

素早く鋭いキックを放つ湘南格闘倶楽部に所属するしょーい選手(右)と創心會の佐野貴信選手

湘南ファイトチャレンジ 渾身の一打に観客熱狂

 藤沢チャリティーキックボクシング大会「湘南ファイトチャレンジ(SFC)2024」が4日、秩父宮記念体育館で行われた。鵠沼東にあるジム「湘南格闘倶楽部」の代表で、格闘技ファンの間で今なお語り継がれる名勝負、魔裟斗選手と故・山本”KID”徳郁選手の試合でレフェリーを務めた岡林章さんの主宰。アマチュア・プロ約130人が、リングの上で熱戦を繰り広げた。

 地域に密着したスポーツの発展と親交を目的に、8年前から開かれている格闘技の祭典。会場に詰め掛けた観客は、それぞれ応援する選手が渾身の一打を放つたびに大きな声援を送っていた。あいさつに立った岡林代表は「湘南から世界で活躍する選手を出したい」と意気込みを語った。

 チケット売り上げの一部は、藤沢市スポーツ振興基金に寄付される。

初企画、湘南フォトコン 豪華ギフトが当たる

 湘南地域で撮影した写真を募る初企画「ぶらり湘南フォトコンテスト」が、先月18日から始まった。藤沢を含む湘南地区3市3町と神奈川県、県観光協会でつくる湘南地区観光振興協議会と、(株)ブランジスタメディアによる連携事業。入賞者には豪華景品が贈られる。

 湘南のPR活動に取り組む同協議会。都心からアクセスしやすく、海風とリゾート気分を味わえる湘南の魅力を発掘して広く周知しようと、Webメディア「旅色」を運営する同社と共同で、コンテストを企画した。

 藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市・寒川町・大磯町・二宮町で撮影した景色や穴場スポット、グルメなど被写体のジャンルは問わない。主催者側は「見る人が思わず行きたくなるような素敵な写真」をイメージしている。

 応募写真は、同協議会と旅色編集部による審査を経て、入賞者を決定する。大賞1人に海産物からスイーツまで3市3町の名物詰め合わせセット約5万円分、副賞6人に各市町から特別ギフトのほか、藤沢賞(岩本楼ペア宿泊券)など各市町1人ずつ景品を贈呈する。

 応募期間は12月22日(日)まで。インスタグラムで同協議会と旅色の公式アカウントをフォロー、市町と場所を投稿文に明記するなど、応募方法は特設サイトで確認。

 投稿写真は、来年2月に発行される湘南観光ガイドブック「SHONAN SLOW TRIP」に掲載予定。

音声版のタウンニュースと再生機

耳と手で読む 点字図書館に潜入

 10月27日から11月9日は「読書週間」。先日記者は取材先で、視覚障害のある男性から「いつも楽しく読んでいるよ」と声を掛けられた。どうやら湘南台にある藤沢市点字図書館で情報を得ているとのこと。早速現地へ向かい、話を聞いた。



 案内してくれたのは、同館の倉田岳(がく)さん。点字図書館は藤沢のほか、横浜、川崎、相模原、横須賀の県内5カ所にあり、電話で貸し出し受付を行い、郵送することで、利用者は来館せずに図書を受け取ることができる仕組みだという。同館には点字図書が約2220タイトル、文章が音声として収録されているカセットテープ図書と音声デイジー図書が計6400タイトル蔵書されている。音声デイジー図書は、音声データを30時間分収められるCD-ROMを使用した図書で、再生には専用機器が必要になる。

 この形態で本紙も蔵書。毎週、図書館ボランティアによる「音訳」と呼ばれる収録作業を経て、貸し出されている。「音訳は朗読とは違う」と倉田さん。読み方次第で利用者の読後感を左右しないよう、感情を込めずに読み上げる。

 また音訳する中で苦慮するのが、人名の読み方だという。「読み方が複数ある漢字の人名はルビをつけてほしい」と指摘を受けた記者は、はっとさせられた。音声版を含む全ての読者の方にとって読みやすい紙面づくりを心掛けていきたい。

藤沢公演の様子(製作・松竹株式会社)

市民会館で松竹大歌舞伎 伝統の美技 観衆を魅了

 藤沢市民会館で先月31日、「松竹大歌舞伎藤沢公演」が開催され、日本を代表する歌舞伎役者が伝統美技を披露し、会場を魅了した。

 この日の公演では、中村錦之助さんや中村隼人さんらが出演。昼の部と夜の部で合計1500人が来場した。

 中村隼人さんによる「ご挨拶」で始まり、続く『双蝶々曲輪日記 引窓』では、中秋の名月を翌日に控えた京都を舞台に互いを思いやる親子の苦悩と情愛を描く物語で来場者に歌舞伎の魅力を伝えた。さらに、『身替座禅』では大の恐妻家でありながら浮気性の大名の山蔭右京と奥方玉の井の夫婦のやりとりをユーモアたっぷりに演じた。

 公文協大歌舞伎藤沢公演実行委員会では「昨年に続き、大盛況で終えることができ、ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。『来年もぜひ』という声をいただいているので、ご期待に応えられたら」と話す。

漆喰塗りに挑戦する親子

キッズデイ盛況に 多彩な体験も

 辻堂海浜公園で3日、「湘南キッズデイ」が開催され、多くの親子連れや家族らでにぎわった。

 晴天に恵まれたこの日は、公園内で「まなぶ」「あそぶ」などカテゴリーごとのブースが並び、電気自動車の展示やクラフト体験、フリーマーケットなどさまざまな企画が行われた。

 「大きなパネルに漆喰塗り体験」では、地元工務店のサンキホーム(株)が協力し、参加者が日本の伝統的な建築素材に触れた。高さ2m程の大きなパネルに漆喰を塗った小学1年生の女の子は「難しかったけれど面白かった」と感想を話した。

あいさつする小林名誉隊長

結束強化へ20周年式典 鵠沼おやじパトロール隊

 鵠沼小学校と鵠沼中学校、鵠洋小学校に在籍する児童生徒と卒業生の保護者でつくる防犯ボランティア団体・KFP鵠沼おやじパトロール隊が4日、藤沢市民会館で設立20周年記念式典を開催した。3校の歴代校長などの来賓と隊員ら約100人が出席。名誉隊長の小林昭二さんが「継続は力なり。子どもたちの安全・安心を守るために、孫の世代まで末長く続いていくKFPであってほしい」とあいさつした。

 活動の歩みを紹介する自主制作動画の上映や鵠沼に関するクイズ大会、警察関係者の隊員による防犯講話が行われた。

 同団体は2004年、鵠沼小学校でおやじパトロール隊が結成されたことを始まりに、3校のパトロール隊とOB組織が連携。約200人が登録し、「できるときにできることを」をモットーに、登下校時の子どもの見守りや合同パトロール、学校行事への協力などを行っている。

 前日の3日にはFプレイス(藤沢公民館)で藤沢市の教育文化貢献者感謝会が開催され、KFPを含む団体と個人が表彰を受けた。

周防亮介さん©JUNiCHIRO MATSUO

周防亮介が奏でる2大協奏曲 チケットプレゼントも

 「周防亮介 協奏曲の調べ」と題したコンサートが11月24日(日)、茅ヶ崎市民文化会館大ホールで開催される。午後1時20分開場、2時開演。

 数々のコンクールで入賞し、国内外のオーケストラとも共演を重ねる注目の若手バイオリニスト周防亮介さんが、メンデルスゾーンとチャイコフスキーという「2大協奏曲」を渡邊一正さん指揮の東京21世紀管弦楽団と圧巻の演奏で届ける。「タイスの瞑想曲」(マスネ)など小品の演奏も。

 同公演のチケットを本紙読者5組10名様に。希望者はハガキに〒、住所、氏名、年齢、電話番号を記入し〒253-0054茅ヶ崎市東海岸南1の14の9茅ヶ崎市楽友協会へ。11月13日(水)必着。当選は発送をもって。(問)【電話】0467・82・3744