八王子版【1月23日(木)号】
「はちココ」の画面

八王子市 悩み相談に生成AI 試行開設 都内自治体で初

 市は1月17日、生成AIを活用して24時間・365日にわたり生活の悩み相談を受け付けるオンライン窓口「はちココ」を、2月から4月にかけて試行的に開設すると発表した。さまざまな理由で直接相談窓口に来ることができない人の孤独・孤立対策の一環で、AI相談員がチャット形式で話を聞き、必要に応じて最適な相談窓口を紹介する。福祉分野の相談窓口で生成AIを導入するのは都内自治体で初という。

 福祉の総合相談窓口としては市内13カ所に「はちまるサポート」が設置されているが、窓口に来ることができず潜在的に悩みを抱える孤独・孤立状態の人に支援の手が届きづらいという課題があった。また開設当初は高齢者からの相談が中心だったが、近年は現役世代の40〜50代からの相談が増えているという背景もあり、新規相談件数は2023年に1048件(前年は691件)と増加傾向にあり、対応するコミュニティソーシャルワーカーの人員不足も懸念されていた。

 生成AIの試行導入は、相談の選択肢を増やすことで課題を抱える人への早期対応や福祉窓口の認知度向上、DX(デジタルトランスフォーメーション)による効果・効率的な相談窓口の運用などについて検証し、誰ひとり取りこぼさない支援体制の充実を目指し行われる。

解決の一歩に

 はちココは、生成AI技術を活用し傾聴・共感に特化したオンライン相談窓口。パソコンやスマートホンなどからアクセスできるウェブサイトで、匿名で利用できる。実証実験の期間は2月3日(月)から4月30日(水)まで。利用者の悩みを聞いて思いに寄り添うが問題解決はせず、希望に応じて問題の解決に向けた支援窓口を紹介する。市担当課は「悩みを吐き出すだけでも気持ちが楽になることもある。抱えている問題を誰にも相談できず孤立している人が、解決にむけて一歩を踏み出すきっかけになれば」と期待する。

 名称の由来は、八王子の「はち」、あなたの話を聞きます(コミュニケーション)の「コ」、あなたとつながります(コネクション)の「コ」。

 運用はヘルスケアAIを手がける株式会社ZIAI(本社=渋谷区)と連携して行う。同社は千葉県柏市で同様の相談窓口の実証実験を行い、後に本格導入された実績を持つ会社。スタートアップ企業と地方自治体をつなげる都の支援事業「NEXs Tokyo」を通じて紹介を受けた。

 生成AIの成長につながることから3カ月の実証実験期間中は、市の費用負担はない。初宿和夫市長は「本格導入については試行期間終了後に専門家も交えた検証を経て検討することになるが、孤立していた人が一人でも救われたのであれば効果があったと評価したい」と語った。

八王子市聴覚障害者協会のロゴマーク入り懸垂幕のもと行われた記念式典=同協会提供

聴覚障害者協会が50周年 式典に市長ら150人

 八王子市聴覚障害者協会(宮本一郎会長)が昨年12月15日、京王プラザホテル八王子(旭町)で創立50周年記念式典を開いた。会員や来賓ら約150人が出席し、半世紀にわたる活動を振り返るとともに、今後の発展を願った。

 同協会は、八王子市や周辺地域の当事者で構成されている。会員は聴覚障害者、健常者あわせて約200人。コミュニケーションのほとんどは手話で、当事者と手話関係者の交流行事を行ったり、市民向けに手話講習会を開催し手話の普及を図るなど、聴覚障害者への理解促進や情報保障の充実などを目的に活動してきた。

「今後も協力を」

 記念式典には初宿和夫市長をはじめ、八王子市議会の鈴木玲央議長、八王子市社会福祉協議会の赤澤将会長などが出席。

 宮本会長が登壇し、歴代の会員たちを「先輩」として謝意を表すとともに、会場の出席者に向け「今後も聴覚障害者への理解啓発活動に協力してほしい」とあいさつした。また、余興として東京都練馬区聴覚障害者協会の「だいこん連」が阿波踊りを披露。トークショーなども行われた。

 同協会の主な活動場所は、八王子市心身障害者福祉センター(台町)など。活動は他にも、手話講習会など八王子市関連企画への協力や、八王子市障害者差別禁止条例に関する取り組みの実施、災害が発生した際の聴覚障害者の特性に合った「自助・共助・公助」を確立することなどを挙げている。同協会の上部組織には(公社)東京都聴覚障害者総合支援機構、東京都聴覚障害者連盟、(一財)全日本ろうあ連盟があり、同協会はその傘下の協会でもある。

市や町会、地元生徒らと不要ゆずを使ったビールの製造に取り組んでいる 池田 周平さん 初沢町在勤 44歳

ビール介して交流創造

 ○…サルやイノシシに荒らされないよう、地域の学校に通う生徒らが収穫した「不要ゆず」。今春の発売を目指し、ゆずを使ったビールを製造中だ。以前から八王子産の果樹などでビールを造っているため、製造自体は慣れているが、今回は少し心持ちが違う。「ビール造りの過程だけでなく、自分のような職業があるということを知ってもらえたら」と同事業を引き受けた経緯を話す。

 ○…北海道出身。デザイン会社や広告会社でエンジニアやプロデューサーをしていた。都心に住んでいたが、山歩きが趣味で、休みには高尾山や南アルプスなどの山に出かける日々。そのうち、往復の時間すら惜しく感じ、ついに高尾地区に引っ越した。今から10年前の話だ。

 ○…いざ住んでみると、高尾駅周辺には一杯呑める店が少ないことに気づいた。出かけたあとや、登山帰りに気軽に立ち寄れる場所。「無いならつくるか」。それがビール工房立ち上げのきっかけだった。仕事を続けながら、アメリカの大学のオンライン授業で醸造所の運営方法などを習得。数年後には下恩方町に醸造所を構え、酒類製造免許も取得した。「高尾山のふもとの町のローカルビール」として、自店舗では生ビールを提供し、缶・ボトルビールを市内の飲食店などに卸すようになった。

 ○…昨年には、高尾駅前の京王電鉄が手がける商業ビルに出店。店内に新たに醸造所を構え、その場で出来立てを味わえるように。脱サラして、ビール業界に飛び込んで8年。「両親がサラリーマンだったこともあり、いろんな職業が世の中にあることに気づくのにだいぶかかった」と話すが、『ビールを介して人と人とが交流する拠点を作る』という目標は、着実に叶いつつある。

創立40周年を迎えた八王子市中央図書館

中央図書館が40周年 時代に合わせサービスも進化

 千人町の八王子市中央図書館が、今年1月に創立40周年を迎えた。年間入館者数30万人、図書貸出数67万冊(2022年度)。市内にある市立図書館9館の中で最も開設年度が古く、八王子市における図書館業務の基幹を担う施設として幅広い世代に利用されてきた同館の歩みを振り返る。

 中央図書館は1985(昭和60)年1月27日に開館。当初24万冊余りだった蔵書数は、現在では85万冊になった。2003年にホームページでの蔵書検索、翌年に図書館予約サービスを導入するなどウェブサービスを拡充し、18年に電子書籍も始めた。24年10月にはセルフ貸出機を導入。さらに書籍や雑誌の貸出数を従来の10冊から20冊に増やす一方で、予約の取り置き日数を2週間から1週間に改定するなどのシステム変更を行い、利用者が快適に資料を借りられるようにした。

 時代に合わせて新たな仕組みを導入するなか、役割を終えるものもある。資料の老朽化や貸出数の減少などを受けて、1月31日(金)をもって約1万5000点あるカセットテープの貸し出しを終了することが公表されている。

26年に10館目も

 市が子安町の医療刑務所跡地に2026年10月オープンに向けて工事を進めている「(仮称)八王子駅南口集いの拠点」内にも、ライブラリが整備される。開設されれば市内10館目の図書館となる。敷地内のカフェや公園に本を持ち出し、好きな場所で読書を楽しめる「どこでも図書館」を目指しているほか、自習スペースやグループ学習に利用できるスペース、乳幼児向けの「こどもひろば」なども備えている。

 中央図書館の堀内栄史館長は、40周年を迎えられたことについて利用者に感謝を述べ「これからも来館者サービスの向上に努めていくとともに、電子書籍や音楽配信などの非来館型サービスの充実にも力を入れていきたい」と展望を語った。

「八王子魂2025」開催決定 市内出身3人アンバサダーに

 一昨年の秋に初めて開催され大好評だった「八王子魂Festival&Carnival」の第2回開催が決定。狭間町のエスフォルタアリーナ八王子で6月14日(土)と15日(日)の2日間にわたり、音楽とお笑いの力で八王子を盛り上げる催しが行われる。主催は八王子を盛り上げる会(樫崎博会長)。

 前回アンバサダーを務めたヒロミさん=写真右=はスペシャルアンバサダーに、新たにLITTLEさん=写真中央=とファンキー加藤さん=写真左=がアンバサダーに就任。2人が所属する「KICK THE CAN CREW」と「FUNKY MONKEY BΛBY'S」の出演も決定している。

 主催者は「開催までの残り5カ月間で、出演者を続々と発表いたしますので、ぜひ続報にご期待ください」としている。同会はヒロミさんの「八王子のうた」を全国に広め、地元を盛り上げようと結成された有志の会。市内企業や行政に加え、八王子市出身の著名人で結成された「八王子会」が協力している。

 1月17日から八王子市民限定でチケットの先行販売が開始された。期間は2月6日(木)まで。チケットの詳細は公式ウェブサイトへ。
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釈迦涅槃図を絵解き
釈迦涅槃図を絵解き
2月7日、ねはん会の集い
お釈迦様の法要である「ねはん会の集い」が2月7日(金)、八王子市学園都市センターイベントホール(オクトーレ12階)で開催される。主催は八王子市仏教会。全席自由、... (続きを読む)

「やさしい日本語」で学ぶ防災 八王子国際協会

 外国の人や外国にルーツがある人にもわかりやすい「やさしい日本語」で防災標識やAEDについて学ぶ「多文化防災研修」が2月23日(日)、JR八王子駅近くにある八王子オクトーレで行われる。主催はNPO法人八王子国際協会。共催するのはKokohanaやさしい日本語でつながる八王子の会と日本応急手当普及員協議会。参加費無料。

 興味のある人なら誰でも参加可。参加する日本語話者にとってはやさしい日本語で外国人に説明する機会に、外国語話者にとっては日本人と多く話す機会となる予定。

 午後2時から4時まで。定員は抽選で25人。会場は八王子オクトーレ(旭町9の1)12階 第1セミナー室。参加希望者は同協会へメールまたは電話で▽名前▽電話番号を伝えて申し込みを。締切は2月15日(土)。

 (問)八王子国際協会【電話】042・642・7091/【メール】event@hia855.com

講師の松本榮一さん

写真家が見たチベット 大善寺で文化講座

 大善寺(大谷町1019の1)が開く毎月恒例の文化講座「お寺の学校」が、2月15日(土)に開催される。今回は「私のチベット物語」と題し、写真家の松本榮一さんが講演する。

 松本さんは1948年神奈川県生まれ。フリーランスカメラマンとして仏教をテーマにインドやネパール、ブータン、シッキム、中国などを取材。チベットのラサでポタラ宮の内部を精緻に撮影した実績を持つ。元日本写真家協会会員・西蔵学会会員。著書に写真集『印度』『西蔵』 (毎日コミュニケーションズ)、『チベット世界』(小学館)など。

 講座ではダライ・ラマ法王やチベット巡礼、ポタラ宮などの写真を大画面モニターに映しながら松本さんが現地について語る。

 午後2時から3時まで。参加費300円。事前申込制で定員50人。問い合わせは同寺【電話】042・642・0716。

シュートを決めるチャールズ・アレン・ギル・ジュニア選手

ビートレインズ 新年ホーム戦、初勝利 山口に1勝1敗

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズが1月18・19日の2日間、2025年初のホーム戦を狭間町にある本拠地エスフォルタアリーナ八王子で開催。1つ上位の山口パッツファイブと対戦し1勝1敗となった。

 18日は、チャールズ・アレン・ギル・ジュニア選手が27得点を決めるも75―83と敗戦。19日は、第3クォーターまで同点と厳しい状況だったが、副キャプテンのタレン・サリバン選手が28得点を挙げる活躍で92―80と辛勝。今年初のホーム戦で勝利を掴んだ。

 第17節となったこの試合は東京天使病院と「はちおうじピンクリボン」が冠スポンサーだったため、選手たちは乳がんの早期発見・早期診断・早期治療のシンボルであるピンクリボンにちなみピンク色のユニホームを着用し試合に臨んだ。

 来場者数は18日が2283人、19日が1827人で合計4110人。これまでホーム戦を14試合消化しており、総来場者数は2万4696人。

 2026年から革新する新BリーグでB2にあたる「B.LEAGUE ONE」に参入するため、目標としている今季総来場者数3万9000人まであと、約1万4300人となった。

次のホーム戦は1月24・25日

 次回のホーム戦は1月24日(金)、25日(土)の2日間。24日は午後7時、25日は2時、試合開始。京王線狭間駅から徒歩1分のエスフォルタアリーナ八王子のメインアリーナで行う。現在15位の金沢武士団と対戦する。先着1000人限定で、2階自由席に無料で招待する「39000プロジェクト」も継続中。希望者は記事内二次元コードから申込みを。

市役所本庁舎1階に設置された「(仮称)八王子駅南口集いの拠点」の模型

親しまれる「愛称」募集 八王子駅南口集いの拠点

 市は子安町の医療刑務所跡地に2026年10月のオープンに向けて整備を進めている「(仮称)八王子駅南口集いの拠点」の愛称を募集している。

 対象は市内在住、在勤、在学の人。愛称の基準は【1】おぼえやすく親しみやすいもの【2】近隣の施設名と類似しない【3】公園、ライブラリ、ミュージアム、交流スペースの全体を包括するもの。封書やはがきでの郵送、または専用のWeb応募フォームで「愛称名」「愛称の意味や理由、願いなど」「氏名」「住所」「電話番号」「年齢」「(市外在住の場合は)勤務先または学校名」を記入して応募する。2月10日(月)締切。

 応募作品の中から施設にふさわしい愛称を、3月に実施する市内の小中学生によるWeb投票の結果を踏まえて決定。オープン予定日(26年10月1日)の500日前にあたる25年5月20日に市のホームページなどで発表する。

 市は1月17日に「集いの拠点」の500分の1スケールのミニチュア模型を市役所本庁舎1階ロビーに設置。担当課は「模型を見て完成イメージを膨らませてほしい。この施設が100年先まで市民に親しまれ、誇りと愛着を持っていただけるシンボル施設となるような愛称を付けてもらえれば」と期待する。初宿和夫市長は「八王子に新しいランドマークが出来上がる。ぜひ多くの市民の皆様に足を運んでもらいたい」と話している。

 問い合わせは集いの拠点整備課【電話】042・620・7348。

2024年火災件数 過去11年で最多に たこ足配線などに注意

 八王子消防署によると、2024年に市内で発生した火災の件数は201件(前年は163件)で、13年の226件以降の11年間で過去最多となった。同署では火の取り扱いやテーブルタップ等の許容電流を超えた電気機器の使用(いわゆる、たこ足配線)などに注意を呼びかけている。

 24年の焼損床面積は1185平方メートル、火災による死者は2人(自損を除く)、負傷者は41人。火災種別を見ると、建物火災が106件、車両火災が11件、林野火災が2件、その他が82件となっている。前年に比べて、畑や公園、空地で枯草やごみが燃えたり、電線などの工作物が燃えるといった「その他」の火災が増えたという。

 建物火災の原因別では「電気設備関係」が最も多く51件、次いで「ガステーブル等」、「たばこ」、「放火」の順となっている。出火原因1位の「電気設備関係」について同署は「テーブルタップ等の許容電流を超えた使用が原因となる火災が散見されている。機器の使用可能な電力量を今一度確認し、適切な使用を心がけて」と話す。

乾燥に注意

 同署によると、年明けから1月17日現在までの火災件数は前年とほぼ同じペースで推移しているという。大規模な火災は発生していないが、放火や電気設備のトラブル、裸火が原因の火災が発生。枯草を焼却中に周囲に火が燃え移った火災もあり「空気が乾燥しているので、燃えやすいものを家の周囲に放置しないで、火の取り扱いにも十分注意してほしい。また野焼きは原則、禁止されているため、行わないで」と注意を促す。

 また最近の火災の例で、電気ストーブを使用しながら就寝中、寝返りをうった際に掛け布団がストーブに接触し火災が発生したケースもあった。この時は住宅用火災警報器が鳴動して、住民が火災に気が付くことができたという。同署では「火災の発生を早期に知らせる住宅用火災警報器と、被害を抑える住宅用消火器などの設置や維持管理をしましょう」と家庭でできる火災予防策をアドバイスしている。

 住宅用火災警報器は煙や熱を自動で感知し、火災の発生を音声等で早期に知らせる機器。消防法ですべての住宅に設置が義務付けられている。

昨年12月に上恩方町で生徒らによって収穫された不要ゆず

不要ゆずをビールに 地元醸造所が協力

 獣害を予防するため、収穫予定のないゆずを収穫して活用しよう--。

 八王子市では一昨年から、学校や町会と協働して、不要ゆずを収穫し、学校給食などに活用する取り組みを行っている。昨年12月にも上恩方町のゆず畑で収穫会が行われ、聖パウロ学園高等学校(下恩方町)の生徒らが参加。たわわに実ったゆずを約50人でもぎ取った。このゆずは、初沢町にある高尾ビール株式会社(池田周平代表取締役=人物風土記で紹介)によってオリジナルビールに加工される予定。今春の販売を目指している。

 同社は池田代表が2017年から始めた醸造所で、『森は生きている』や『oh! mountain』などのクラフトビールを製造。市内に2つの醸造所を所有している。販売に向け、ゆずを漬け込んだ麦汁を発酵させ、香り高いビールがつくられる。

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4つの日本遺産認定団体が連携して開発された製品

「繊維」の日本遺産一堂に 新製品も続々展示

 東京たま未来メッセで1月12・13日、「日本遺産桑都フェスタ2025〜繊維でつながる”織物のまち”」と題したイベントが初めて開催された。主催は日本遺産「桑都物語」推進協議会。

 全国から「繊維」をテーマにした日本遺産が集結し、それぞれブースを出展。染物屋のワークショップや桑の葉を使ったお菓子販売などが行われた。中でも注目は、2つの新しい織物製品。1つは日本遺産地域が連携して製作したストールやスカーフなどの製品。群馬の絹糸を使い、山形の紅花染めと徳島の藍染めで染め上げ、八王子で1枚の織物に。藍色と紅色が特徴で、滑らかな手触りで各地の伝統工芸の魅力が詰まった商品となっている。

 2つめは「ottary(オッタリー)」と題した新しいテキスタイルブランド。織物のまち・八王子の魅力を発信するため、日本遺産「桑都物語」推進協議会と八王子市内の織物・染物事業者が協力して開発。第1弾としてトートバッグとタオルを展示した。担当者は「まだ製品ができたところで価格は決まっていない。さしあたっては販売開始を目指したい」と話していた。

VRゴーグルを装着して工場見学の動画を見る参加者ら

八王子織物展 仮想現実で丸ごと工場見学 迫力の映像を体験

 八王子織物工業組合(樫崎亮一理事長)が1月12・13日の2日間、東京たま未来メッセを会場に「千百年を紡ぐ八王子織物展」を開催。目玉企画だったVRゴーグルによる織物工場見学には約230人が参加した。

 VRでは、北野町にある(株)成和ネクタイ研究所の工場内を撮影した360度動画を約8分間観賞。糸から織物になるまでの工程を紹介する内容で、複雑な柄を織りあげるジャカード織機やドビー織機を間近で感じることができる迫力の映像となっていた。

 家族で体験した八日町で暮らす岡崎さん一家の子どもたちは「機械の動きが速かった」「天井が見えたりして、後ろも振り返れて面白かった」「近くで見えて人も大きく見えた」と口々に感想を話した。このほか、市内7社の織物企業がブースを出展したほか、昔ながらの手織り体験、歴史紹介などが行われた。

ネクタイコンペ入選・表彰式も

 12日には同会場内で「2024マルベリーシティーネクタイデザインコンペ」の入賞・入選者表彰式も行われた。今回のテーマは「星からの便り〜News from the stars」で、宇宙や星座などユニークなモチーフのデザイン274点の応募作品が集まった。その内、20作品が入選。表彰式では経済産業大臣賞など、6点が入賞した。

ランチを食べながら説明を聞く参加者

まちの駅八王子CHITOSEYA めぐって魅力を再発見 まち歩きツアーが盛況

 八日町にある「まちの駅八王子CHITOSEYA」(ちとせや)主催の「まち歩きツアー」が、人気を呼んでいる。八王子の歴史や甲州街道周辺にある老舗の魅力を再発見することを目的に、1月から3月にかけて全5回の日程で開催。市内外から応募が殺到し、ほとんどの回が定員に達し、キャンセル待ちになっている。

 開催のきっかけは、同店が市の「まちなか魅力づくり支援補助金」を活用して昨年6月に発行したリーフレット『ちとせや手帖』。甲州街道周辺にある昔ながらの専門店を紹介しつつ、まち歩きの楽しみ方を伝授する内容で、好評だったことから、実際にまちを歩きながらその魅力を体感してもらおうと今回のツアーが企画された。

ファン増やしたい

 1月11日と18日には「開運福招き『ポールdeウォーク』ツアー」が開かれ、7歳から80歳代までの各回約20人が参加した。全日本ノルディック・ウォーク連盟所属の指導員らがガイド役を務め、ポールを使って健康的に歩く方法を指導しながら、八王子七福神めぐりの寺院のうち4カ所や老舗の食品店などを見て回り、最後にちとせやで八王子の食材を使ったランチに舌鼓を打った。子安町から参加した75歳の女性は「普段、自分では行かないような場所を訪れ、解説を聞くこともできて、50年住んでいても知らなかった八王子の魅力を知ることができた」と笑顔で感想を語った。

 ちとせやの佐藤明子店長は「多くの人にまち歩きを楽しんでもらい、八王子のファンを増やしていきたい」と話している。問合せは同店【電話】042・621・2901。

新成人、門出祝う 高市選手からエール届く

 2004年4月2日から05年4月1日生まれの7258人を対象に「八王子市二十歳を祝う会」が1月13日、J:COMホール八王子を会場に行われた=写真。

 恒例企画となっている市内出身者によるビデオレターには、パリ五輪柔道混合団体で銀メダルを獲得した高市未来さんが登場。浅川でトレーニングをしたエピソードなどを披露し、自身の20歳を「世界一を目指して柔道漬けの毎日だった」と振り返った。新成人には「世界一にはなれなかったが、銀メダルはとれた。自分のやりたいことに挑戦しつづけてよかったと思っている」と話し、最後に「やまない雨はない。辛いことや苦しいことはあるけれど、この言葉を胸に秘めてほしい」と門出へメッセージを寄せた。

 現在は中野区在住で、中学生まで高尾や元八王子で暮らした女性は「大人になっちゃったんだな、ついにお酒が飲める歳になったなと思った。学生時代の友人の近況はSNSで知っているけれど、直接会って話すのが楽しみ」と話した。

 横川町から参加した男性は「一昨日誕生日で20歳になったけど、何も変わらない。今日の様子を写真に撮って親に送ろうと思う。さしあたっての目標は大学卒業と就職」と抱負を語った。

八王子学習センターを代表して二十歳の決意を述べる野島さん

星槎国際高校 卒業生の二十歳祝う オンラインで全国つなぐ

 星槎グループを卒業した生徒が二十歳を迎えたことを祝う会が1月18日に全国各地にある校舎をオンラインでつないで合同で開かれ、元八王子町にある星槎国際高等学校八王子学習センターからも卒業生が参加した。

 卒業後も母校とのつながりを持ち続けてもらおうと、2019年から毎年開催されている祝典。不登校などを理由に入学した生徒もいることから、地元で行われる二十歳の集いの代わりに母校へ集まり門出を祝う機会にもなっている。

 当日は27校舎から300人を超える卒業生が参加。全国親の会などによる祝辞の後、各校舎の新成人代表が二十歳の抱負や将来の目標などを語った。同センターを代表して登壇した野島健龍さんは「中学2年の苦しい時期を支えてくれた母にとても感謝している。自立した大人になり、これまで支えていただいた人たちに恩を返していきたい」と力強く語った。

裕次郎さんのコレクションを愛でながら語り合うファンら

裕次郎よ 永遠に 三崎町バーで生誕祭

 三崎町にある昭和の大スター石原裕次郎をテーマとした大人の社交場「yu'sBar八王子店」。2024年12月28日、石原裕次郎さんの誕生日にちなみ、生誕90周年を祝う会が同店で行われた。

 裕次郎さんゆかりのテイチクエンタテインメントの元ディレクターが司会進行役として参加し、当時の思い出や裕次郎さんの生前最後のレコーディングとなった「北の旅人」の秘話など、ここでしか聞けない話を披露。テイチクレコード所属で歌手の半田浩二さんが『港町・涙町・別れ町』『赤いハンカチ』など6曲を熱唱し、会場を盛り上げた。

 オーナーの町田典子会長は「裕ちゃんの話をしていると若いころの気持ちを思い出して元気になる。ファンが集える場所もコロナ禍を経て、少なくなってしまったので寂しい」と話していた。

ペルー料理で国際理解

 国際理解講座「ペルーの家庭料理『エンパナーダ』に挑戦してみよう」が、2月16日(日)に市生涯学習センター9階で開かれる。午前10時から午後2時。費用1800円。

 定員12人。応募多数の場合は抽選。申込みは▽講座名「ペルー料理」▽住所▽氏名(ふりがな)▽年齢▽電話番号を明記しメール(【メール】kouza-create@city.hachioji.tokyo.jp)で。1月29日(水)必着。(問)同センター【電話】042・648・2231。