鶴見区版【3月20日(木)号】
表彰状を手にする早野会長=右=と岡嶋さん

鶴見小学校 文科大臣表彰を受賞 学校と地域の連携を評価

 市立鶴見小学校が、今年度の「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」に係る文部科学大臣表彰を受賞した。学校と地域の連携が評価されたもので、横浜市内では同校を含む3校が選ばれた。同校学校運営協議会の早野幹夫会長は「地域や保護者の活動が評価されて大変嬉しい。『子どもたちを地域で育てる』という思いで、今後も学校に協力していきたい」と笑顔で語った。

 同表彰は、子どもたちを地域全体で支える社会の実現を目的に、学校と地域が連携・協働し、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に実施する取組みのうち、その内容が他の模範と認められるものを表彰するもの。2022年度から隔年で実施され、今回で2回目。全国で107件の取組が表彰された。

 鶴見小学校では、地域が学校と協働して子どもたちの学びを支える取組みとして2108年に学校運営協議会を設置。そして、取組みを進めるために「教育支援隊」「学援隊」「環境支援委員会」の3つの組織を編成。「つるみっ子3部会」として学校活動を支えている。

 それぞれの組織に保護者や自治会町内会だけでなく、近隣の商店街や企業なども参加しているのが特色。校外学習では鶴見銀座商店街とのコラボイベントや、ナイス(株)と連携した鶴見川維持の生態調査などのほか、行政拠点と近い利点を活かし、区役所との防災学習や警察署、消防署とも協力関係を築いている。

 校外学習の手配などに尽力する学校・地域コーディネーターの一人、岡嶋美佐子さん=写真左=は「子どもたちの笑顔のために地域の皆さんが本当に協力的で。先生も忙しいし、少しでも協力できればと、みんなで活動しています」と話す。同校の田中昌彦校長も「地域の皆さんの気持ちは児童たちにも届いていて、総合学習でも子どもたちから『地元のまちを盛り上げたい』という話題が多い。この思いはこの学校にとって大きな柱になっています」と語る。

 部会の活動は年間90件にものぼり、今後もボランティアを増やしていきたいとする。早野会長は「学校は災害時の防災拠点にもなる大切な場所。地域の子どもたちは地域で育てるという思いで、皆でこれからも協力していきたい」と語った。

郵送されたチラシと受診券(写真左)。HPV検査の際に必要となる

横浜市 子宮頸がんに新検診 早期発見へ 支援体制強化

 横浜市では1月から、子宮頸がん検診に「HPV検査単独法」を導入した。負担軽減による受診率の向上や継続的な支援の強化、高リスク者に絞った検査を徹底することで、早期発見・治療を目指している。

 子宮頸がんの原因となる「HPV(ヒトパピローマウイルス)」は、性交経験のある人の多くが生涯に一度は感染。約90%は1〜2年で自然に排除されるが一部は感染が持続し、数年かけてがんへ進行する。そのため同検査ではまずHPV感染の有無を確認し、陰性の場合は5年後に再検査。陽性の場合はすぐに細胞を調べ、精密検査か1年後に再検査を行う。

 HPV検査の導入事例は既に他自治体でもあるが、市が個々の結果に応じて長期的に繰り返し追跡検査(HPV検査)の通知を送るなど、高リスク者へのフォロー体制を整えた上で実施するのは横浜が初めてだという。この体制強化が早期発見・治療の肝になる。

 対象は市内在住の30〜60歳女性。市によると、子宮がん検診の受診率は43・6%(国民生活基礎調査に基づく推計値)で、子宮頸がんにかかりやすいこの年代の未受診理由は「受ける時間がない」が最多だという。「従来の検査が2年に1回に対し、HPV検査は陰性なら次の検査は5年後。負担感を軽減し、受診率向上につなげたい」と市担当者。HPV検査の自己負担額は2千円で、検査方法は従来と同じ「医師の内診による細胞採取」。20〜29歳と61歳以上は引き続き、細胞診検査を2年に1回、1360円で受けられる。

市民へ正しい理解を

 一方、対応する産婦人科医からは「2年に1度の検診で他の疾患が見つかることも多く、間が空くと見逃される可能性がある」と危惧する声も。「心配な症状がある時はすぐに婦人科の受診を」と強く呼びかける。

 また、対象者へ案内書が届いたことから、市へ受診券=写真=の紛失や検査内容などについての問い合わせが増えているという。市は「新たに導入したばかりの検査。正しく理解してもらうため、普及啓発にも力を入れていきたい」と話す。

小野町のごみ拾いイベント「マチキレイ」に立ち上げから携わる 鈴木 真吾さん 汐入町在勤 48歳

地元で受けた恩を次世代へ

 ○…小野町地区で地域の防災訓練に合わせて清掃活動を行うイベント「マチキレイ」に立ち上げ期から携わる。まちの美化だけでなく、ごみを拾いながら歩くことでまちの景色や通りを知り、良さを再発見してもらうことも目的としている。「みんなで一緒にまちを巡ることで、地域のつながりや子どもたちの地元への意識を育てていけたら」と笑顔で語る。

 ○…小野町の隣の汐入町で大衆食堂を営む両親のもとに生まれた鶴見っ子。中学高校と柔道に打ち込み、警察官を志したが、視力が足りず涙をのんだ。「やりたいことが見つからなければ、大学に行って探してこい」との父の言葉に沿って大学へ。大学では法律を学んだが、「ずっと店を営む父親の背中を見て育ってきたので」と卒業後はホテルに就職して調理師に。「2、3年修行すればいけると思っていたけれど、甘かった」と苦笑するが、15年の修行を積み、両親が営んでいた食堂と同じ場所に「和食すゞき」を37歳の時に開店した。

 ○…店が休みの日曜も買い出しや翌日の仕込みとゆっくり休む日はほぼない。でも、「料理をすることが好きなので苦に思ったことはありません」とさらり。時間があれば3人の子どもの部活の試合の応援にも行くなど、父親の顔も見せる。

 ○…そんな多忙な中でも地域活動に関わるようになったのは、自身も小さい頃に地域の大人たちに育ててもらったから。「近所の人が家に上げてご飯を食べさせてくれたり、太鼓を教えてもらったり。感謝してもしきれない」としみじみ語る。当時の大人たちに近い年齢を迎え、「今度は私たちの番。子どもたちが地元に愛着を持ち、支える存在になってくれるよう見守っていきたい」と優しい笑顔で語った。

災害時の診療中を示すのぼり旗

災害時の診療は旗を目印に 三師会が掲出訓練

 災害時に診療可能かどうかを示す「災害時医療のぼり旗」の掲出訓練が3月11日、鶴見区内の各所で行われた。

 訓練は鶴見区医師会、区歯科医師会、薬剤師会の三師会が行ったもの。横浜市では震度6弱以上の大規模震災発生時に、診療・開局が可能な場合は「診療中」や「開局中」と書かれた旗を掲出することになっている。鶴見区では、大きな震災のあった1月17日と3月11日、9月1日の年3回の訓練を行っている。

 訓練は区民に旗を周知すると同時に、掲出機関を確認してもらうことが目的。区内の診療所や歯科医院、薬局でのぼり旗が掲げられた。区の担当者は「災害時に、病院の混乱を避けるため、のぼり旗の意味を知っていただき、緊急度・重症度に応じた受診にご協力をお願いします」と話した。

鶴見室内管弦楽団が演奏会 4月13日 サルビアホールで

 鶴見室内管弦楽団による「第15回定期演奏会」が4月13日、サルビアホールで開かれる。

 鶴見区周辺在住の弦楽器愛好家が中心となって結成する同楽団。

 曲目は、メンデルスゾーン序曲「美しいメルジーネの物語」、ベートーベン交響曲第6番「田園」など。指揮・碇山隆一郎、オーボエ・杉原由希子。

 午後2時開演。全席自由1000円。未就学児入場不可。

 申込み・問合せは同楽団【携帯電話】090・5318・0543。

過去の展示の様子

22日から春の茶華道展 サルビアホールで

 鶴見区茶華道協会(土居雪松会長)が主催する「春の茶華道展」が3月22日と23日にサルビアホールギャラリーで開かれる。入場無料。

 同展は、茶道、華道の各流派の会員が腕前を披露する場として毎年春と秋に開催している。

 今回は各流派の合作や個人の作品約30点のほか、子どもたちの作品も展示される。

 時間は午前10時から午後5時(23日は4時)まで。茶席は両日とも3時まで(1席500円)。鶴見区役所、区文化協会が後援。

 同協会の担当者は「桜やユキヤナギ、こでまりなど春の草花が多くあしらわれています。ぜひご覧ください」と呼び掛けている。

紙飛行機を飛ばす参加者たち

多世代・多文化の交流楽しむ 潮田公園でフェス

 潮田公園で3月8日、多世代・多文化交流をテーマとしたイベント「つながりの街 うしおだフェスタ」が開かれた。

 潮田中央地区あいねっと推進委員会が主催したもので、今年で3回目。

 当日は潮田中学校マーチングバンド部による演奏で盛大に開会。多文化交流のインターナショナルカフェでは、スリランカやネパールのお茶が提供され、ほのかに甘い風味が子どもから大人気。

 多世代交流では、ぶんぶんゴマ作りやゴム鉄砲などに多く人が参加。紙飛行機作りでは、「よく飛ぶ飛行機を作りたい」との子どもの願いに大人が応える場面も。最後は全員で紙飛行機を飛ばして距離を競って楽しんだ。その他にも様々なスポーツ体験や防災、環境、健康コーナーなどがあってにぎわった。

 地元の向井町一・二丁目町会の鶴内洋会長は「国籍や世代の違う人たちが一緒に楽しむ様子を見ることができてよかった」と笑顔で語った。
カルタを制作した児童たち

矢向小学校5年4組 矢向の魅力を独自のカルタに ネットに頼らず情報収集にも奔走

 市立矢向小学校5年4組の児童がこのほど、自分たちの暮らす矢向のまちの魅力をまとめたオリジナルのカルタ作りに取り組んだ。

 これは、同クラスが今年度の総合的な学習の時間で取り組んできたもの。まち探検の中で矢向地区センターなどにあた「ワッくん鶴見カルタ」を発見して、「自分たちもまちの魅力を伝えるカルタを作ってみたい」と盛り上がった。

 制作にあたっては、ワッくん鶴見カルタに携わった八木幹雄さんから話を聞き、他にないカルタを作るためにみんなで意見を出し合いながら一生懸命考えた。そして「ネットで調べた情報では誰でも作れるカルタになってしまう」と、独自の情報集めを企画。地元住民にインタビューしたり、自分たちの目で実際に確かめるなどしてオリジナルのカルタ作りに取り組んだ。

読み札も全て考案

 そして作成したカルタの読み札には「矢向湯は気軽に行ける温泉だ」「みんな大好き自然豊かな新鶴見公園」など、地元愛あふれるものが並び、絵札も手作り感や温かさを出すために絵と写真を織り交ぜた作りになっている。

 完成後には授業参観で保護者らにカルタを披露したほか、近隣の矢向幼稚園の園児と一緒に遊ぶ企画も行われた。児童たちは「一つひとつの読み札の文章を考えるのは大変だったけれど、地元の魅力が少しでも多くの人に伝われば嬉しい」と笑顔で語った。

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鉄道と寺院の関係学ぶ 潮田地区センターで講座

 潮田地区センターで4月19日、講座「鉄道と街の歴史 お寺参りの鉄道」が開かれる。

 鶴見鉄道倶楽部の間口健一さんが講師を務め、川崎大師や大本山總持寺、池上本門寺などの寺院と鉄道との関係、その発展などの話を楽しく聞ける講座となっている。

 間口さんは「調べると面白いお寺と鉄道の関係。一緒に楽しく学んでみませんか」と呼び掛けている。午後2時から3時30分。成人対象で定員20人(応募多数抽選)。参加費300円。申込は3月22日午前9時30分から窓口(電話は翌日から)。(問)同館【電話】045・511・0765

白幡神社で桜祭り 29日 お楽しみ抽選会も

 東寺尾の白幡神社境内で3月29日、「白幡公園桜祭」が開かれる。

 地元商店街や自治会による春恒例のお祭り。

 模擬店が多数出店するほか、子ども、大人部門別のカラオケ大会やビンゴゲーム、日本舞踊の披露や歌謡ショーなど様々なイベントを実施。お楽しみ抽選会(午後4時30分から)や、先着200人に甘酒の無料サービスも。

 午前11時30分から午後5時まで。雨天時は30日に順延。

絵本を手渡す日産の古川さん=右

日産自動車横浜工場 絵本98冊を区に寄贈 地区センターや保育園へ

 日産自動車(株)横浜工場=神奈川区=は3月10日、絵本98冊を鶴見区役所に寄贈した。

 寄贈した本は、日産が毎年主催しているアマチュア作家を対象とした「日産 童話と絵本のグランプリ」の第40回大賞を受賞した2作品。

 童話部門で大賞に輝いたのは『今日にかぎって』(樺島ざくろさん作)。小学生が自転車の鍵を失くしたことをきっかけに同級生との新たなつながりが生まれる物語で、1490編の中から選ばれた。277編の中から絵本部門で大賞を受賞したのは『さんにんだけの ないしょのはなし』(スージィさん作)。幼馴染のおばあさん3人組が、夢の世界で子どもに返るストーリーだ。

 今回寄贈された絵本は区内の地区センターやコミュニティハウスで活用されるほか、一部の保育園にも届けられる。

 寄贈式で本を受け取った区地域振興課の中島知昭課長は「次世代に向けた取り組みとして毎年寄贈していただき大変ありがたい」と感謝を述べた。同工場の古川太さんは「沢山の子どもたちに見ていただけたら嬉しい。今後も多様な地域貢献に努めてきたい」と笑顔で語った。

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笑顔で販売する児童たち

市場小4年5組 サーターアンダギーを販売 地域に感謝の気持ち届ける

 市立市場小学校4年5組の児童が3月8日、校内で地域住民らにオリジナルのサーターアンダギーの販売会を行った。

 これは同クラスが今年度の総合的な学習の時間で取り組んできた「みんなを笑顔に 〜市場4-5 サーターアンダギー大作戦〜」活動の一環として行ったもの。

 児童たちはこの1年間、家族や先生、学校の仲間に感謝の気持ちを伝えるために何をしたらよいか考え、沖縄の文化や料理について調べてきた。その中でおきなわ物産センター=仲通=の下里優太さんと一緒に活動することになり、感謝の気持ちとしてサーターアンダギーを作って販売会をすることにした。

 販売会に向けてオリジナルの商品づくりに挑戦してきた児童たち。シークヮーサーやパイナップル味など様々な意見が出たが、最終的にみんなの好きな揚げパン味に決まった。

 当日は販売のほか、沖縄の文化などについて調べてきたことをパンフレットにして配布。サーターアンダギーは1時間で約450個が売れるほと好評で、協力した下里さんは「店で1日で売れる量が1時間でなくなってしまうとは」と驚きを語った。販売を行った児童の1人、池野谷光さんは「多くの人が笑顔で持ち帰ってくれる姿を見て、すごく嬉しかったです」と笑顔で話した。

ごみ拾いに励む参加者たち

小野町地区 防災訓練後にまちを清掃 「地元を知り、関心持つきっかけに」

 地域の防災訓練と合わせてまちを清掃するイベント「マチキレイ」が3月9日、小野町地区で行われた。

 これは、小野町地区自治連合会の防災訓練後に昨年から行われているもの。炊き出しや救命処置など災害への備えを学んだあとに清掃活動を行うことで、ごみのないまちづくりと、子どもたちにもっと地域行事に参加してもらいたいとの思いで行われている。企画発案者の1人、鈴木真吾さん=「人物風土記」で紹介=は「細い道まで丁寧に清掃することで改めてまちを知り、地元に関心を持つきっかけになれば」と思いを語る。昨年は鶴見小野駅から東エリアを清掃したので、今年は西側の小野町第二自治会やクリオレジダンス横浜鶴見自治会周辺を清掃した。

 当日は約100人の地域住民が参加。3人1組で行動し、30分という制限時間内でどれだけごみを回収できるかを競うゲーム形式で清掃活動を行った。

 最終的に集まったごみの総重量は約10kgにもなり、たばこの吸い殻が多かった。参加者からは「細かいごみが多くて見逃しそうになったけれど、少しでもまちがきれいになって良かった」と喜ぶ声が聞かれた。

 鈴木さんは「みんなで活動することで住民同士が顔の見える関係を築き、地域のつながりを強めるイベントとして、今後も続けていきたい」と話した。

3〜5月号の表紙

文化芸術情報を一冊に 県内イベントを紹介

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の3月〜5月号をこのほど発行した。

 文化芸術の魅力で人を引き付け、地域のにぎわいをつくり出すマグネット・カルチャー(マグカル)の取組みを推進している県が発行する冊子で、毎号、県内文化施設の公演や展示情報などがカレンダー形式で紹介されている。今号の特集はピアニストで、初代マグカル大使を務める熊本マリさんのインタビューや、音楽やダンス、大道芸などが自由に発表できる空間「マグカル解放区」を紹介。チケットが当たるプレゼントも実施している。冊子は県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料で受け取ることができる。

▲横浜アリーナで歌うゆずの北川悠仁さん(左)と岩沢厚治さん。約2年ぶりとなる全国アリーナツアーは、昨年10月から12カ所30公演が行われた©SENHA

ゆず 横浜アリーナで「最多公演」 84回で記録更新

 横浜出身のアーティスト「ゆず」の全国ツアーファイナルとなる『YUZU ARENA TOUR 2024-2025 図鑑 Supportedby NISSAN SAKURA』の公演が2月18日から5日間にわたり、地元・横浜アリーナで行われた。24日の最終日をもって同会場での公演日数が84回目となり、横浜アリーナにおいて「歴代最多公演アーティスト」の記録を更新した。ゆずの北川悠仁さんは、初めて横浜アリーナ公演を行ったのが1999年だったと振り返り「こんな広い会場で俺たちにできるのかな、とドキドキしていたのを思い出す。今もステージに立つ前は相変わらずドキドキする」と話した。

 ライブの中では「『栄光の架橋』の曲ができた時は、いい曲ができたなぁと嬉しくなって(デビュー当時まで路上ライブを行っていた)伊勢佐木町にギター1本持って歌いに行った」と、地元ならではのエピソードが語られたり、メンバー紹介の間奏で「横浜市歌」のメロディーが挟み込まれる場面もあった。

日産ギャラリーで特別展も

 西区の日産グローバル本社ギャラリーでは、同ツアーファイナルを飾るコラボレーション企画として「ゆずサクラ展」を3月31日(月)まで実施している。会場では全国の公演会場の最寄り駅で掲出されたポスターを1つにつなげて展示しているほか、ゆずや松たか子さんも登場する特別映像の放映、10カ所に隠されたステッカーを探す企画など、ファン以外も楽しめる内容が盛りだくさんとなっている。

作成したチラシを手にする下水道河川局の職員

「水辺愛護会」もっと知って 市がチラシ作成

 水辺の清掃活動などを行うボランティア団体「水辺愛護会」の制度を知ってもらおうと、横浜市はチラシを作成し、3月から駅などで配架を始めた。水辺愛護会は現在、市内に99団体あるが、会員の高齢化などで活動継続が難しいという課題を抱えており、市は「まずは制度を知ってもらいたい」としている。

 水辺愛護会制度は市民が水辺とふれあい、親しめるようにと市が1997年に創設。現在は市が維持・管理する水辺施設がない中区、西区、南区の3区を除く15区で99団体が活動。自治会町内会や商店会、学校、企業などに所属するメンバーが河川や水路、せせらぎ緑道などで清掃や除草活動を行う。団体の特色に合わせ、花壇づくりや生き物調査、小学校の学習に協力する団体もある。清掃や除草活動には水辺の規模や回数に応じて市から補助金が交付される。

担い手不足課題

 制度を所管する市下水道河川局によると、団体の中には会員が高齢化し、活動の担い手が不足しているところも多いという。新たな会員や団体を発掘しようと、市は制度を知らせるA4判のチラシを作成し、駅などに配架した。また、今年度から水辺愛護会の活動を支援する専門職員を配置。市内公園の約9割に設けられている「公園愛護会」と同様に、愛護会が整備されていない水辺にも活動を広げられるように取り組んでいる。

 同局は「まずは水辺愛護会について知ってもらい、多くの河川に活動が広がれば」と話す。水辺愛護会に関する問い合わせは同局【電話】045・671・4215。

2024年大会のスタート時の様子

「横浜マラソン2025」4月9日受付開始 フル化10周年、新種目「湾岸ハイウェイラン」も

 10月26日(日)に行われる「横浜マラソン2025」のエントリー受付が4月9日(水)に始まる。

 横浜マラソンは2015年にそれまでのハーフマラソンをフルマラソン化し、今年で10周年を迎える。今回はフルマラソン、ペアリレー(約21.8km)、みなとみらい7kmラン、ファンラン(約2.7km)に加え、主に首都高速道路を走る「湾岸ハイウェイラン」(約21.8km)を新設した。

 フルマラソンでは女性ランナー優先枠(6千人)、横浜市民枠(2千人)、神奈川県民枠(1千人)と一般枠(1万600人)など合計2万2300人の枠を用意。優先枠、一般枠の参加費は1万8500円。申し込みはインターネットで受け付ける。

 詳細は公式サイトまたは横浜マラソン組織委員会事務局【電話】045・651・0666。

横浜市役所(資料写真)

横浜市内30代女性がはしか感染

 横浜市は3月13日、市内の30代女性がはしかに感染したと発表した。

 発表によると、女性は6日に発熱し、10日に発疹が出現。12日に医療機関ではしかと診断され、13日に市衛生研究所の遺伝子検査で陽性が確定した。

 感染可能期間中の6日、市営バス326系統(午前8時12分神明社入口乗車→8時21分片倉町駅前下車)と36系統(午前9時30分〜10時10分頃片倉町駅前乗車→神明社入口下車)を利用していた。市保健所は、同じ時間帯にこれらのバスを利用し、10日前後経ってからはしかを疑う症状が現れた場合、事前に医療機関へ連絡した上で受診するよう呼びかけている。

 女性に予防接種歴はない。今年2月以降、市内ではしかの感染確認が相次いでいる。

 はしかは空気感染、飛沫感染、接触感染するウイルス性疾患で、感染力が非常に強い。感染すると10〜12日間の潜伏期間を経て、風邪のような症状から39度以上の高熱と全身の発疹へと進行する。市は、はしかの予防には2回のワクチン接種が有効であり、接種歴が不明または1回のみの場合はワクチン接種をするよう勧めている。

 夜間・休日の医療機関案内は、かながわ救急相談センター(♯7119)(直通ダイヤルの場合は【電話】045-232-7119または【電話】045-523-7119)へ(24時間、年中無休)。

3月17日「2025国際女性デー in 横浜」、住まいテーマに市民と考える 市庁舎1階でイベント

 女性の住まいに関する課題をテーマにしたイベント「2025国際女性デー in 横浜」が3月17日(月)正午から横浜市庁舎1階アトリウムで行われる。3月8日の「国際女性デー」に合わせた企画で、主催は「2025国際女性デー in横浜」実行委員会。横浜市男女共同参画推進協会、横浜市、横浜市会女性議員有志が共催。

 イベントは4部構成。正午からの第1部では開会式と女性議員によるトーク、午後0時40分からの第2部では、後藤晃さんによるフラメンコギターや東京パラリンピック開会式で演奏した岩崎花奈絵さんらによるコンサートが行われる。

 第3部は午後3時から「誰もが住みやすい都市・横浜の実現に向けて〜女性の住まいの困難を考える」と題した基調講演とパネルディスカッションを実施する。認定NPO法人女性と子ども支援センター「ウィメンズネット・こうべ」代表理事の正井禮子さんが「ハウジングファーストから始まる女性の回復支援〜夢を実現!六甲ウィメンズハウス誕生」について講演する。続くパネルディスカッションでは、NPO法人全国ひとり親居住支援機構代表理事の秋山怜史さん、瀬谷区を拠点に活動する認定NPO法人さくらんぼ理事の坂本左織さんが母子ハウスや若年女性の居住支援について報告する。

 第3部終了後にはミモザの苗木が配布され、午後5時30分からは第4部は女性ジャズユニット「Sonance」の演奏が予定されている。

 参加無料。申込不要。当日は各種販売ブースも出展される。

マイスターを紹介する動画もある

熟練技能者「横浜マイスター」を募集

 横浜市は優れた技能を持つ職人を市が認定する「横浜マイスター」の募集を開始した。横浜マイスター制度は1996年度から始まり、これまでに71人が選ばれている。

 対象は、手作業か手作業で制御する機械によってものづくりやサービスを提供する職種。応募には市内在住で15年以上の実務経験があり、その職種で生計を立てていることが条件。技能検定1級や公的資格の保有、各種コンクールでの入賞実績など卓越した技能を持ち、後進の育成や技能振興に意欲があることも要件となっている。

 近年では建具製作、鉄道模型製作、美容師、活字鋳造、表装(壁装)などの職種がマイスターに選ばれている。

3月18日から説明会

 募集説明会は3月18日から28日まで(土日祝除く)横浜市役所で開催。マイスターへの応募は4月1日から18日まで。選定は書類選考、実地調査を経て最終選考が行われる。選ばれた横浜マイスターは技能伝承や体験教室、講演などを通じて手仕事の大切さを広める活動を行う。

 詳細は市のサイトで確認できる。問い合わせは経済局雇用労働課【電話】045・671・4098。

主演を務める森下洋子さん

休館前の県民ホールで松山バレエ団が「新『白鳥の湖』」 3月29日、森下洋子さん主演

 建て替えのために4月から休館する神奈川県民ホール=中区山下町=で3月29日(土)、松山バレエ団が「新『白鳥の湖』」全幕を上演する。

 松山バレエ団は世界的バレリーナの森下洋子さんが団長を務める。県民ホールでは、開館翌年の1976年からこれまで「くるみ割り人形」や「ロミオとジュリエット」など、74公演を行ってきた。

 新「白鳥の湖」は、1994年に松山バレエ団総代表の清水哲太郎さんが新演出、振付をして初演した作品。主演を務める森下さんは、昨年秋に旭日重光章を受章するなど、第一線で活躍を続ける。公演を前に「今、世界中で戦争や災害など、困難な状況が多々起こっていますが、人は美しい未来を描き出すことができる、そのもととなる根源的な魂の美を多くの方が信じることができるよう、全身で命の輝きを奏でたく思います」とコメントしている。

 午後3時30分開演。チケットは学生2千円、一般5千円から各種。問い合わせは松山バレエ団【電話】03・3408・7939。

「土木事業者・吉田寅松」58 鶴見の歴史よもやま話 鶴見出身・東洋のレセップス!? 文 鶴見歴史の会 齋藤美枝 ※文中敬称略

莫大な富を築く

 明治三十年代の吉田組は、岩城鉄道、官営八幡製作所建設のための八幡村海面埋立て・石垣工事、常磐炭田入山採炭鉱工事、常磐線、九州鉄道、関西鉄道、長崎線、舞鶴軍港、近江鉄道、京都鉄道、奥羽線、臨時台湾鉄道、北海道炭鉱鉄道、佐世保港埋築など、全国各地の土木工事を請け負っていた。最上川に築いた吉田堰は、庄内平野を美田に変えた。

 吉田寅松の吉田組は、藤田伝次郎の藤田組、鹿島岩蔵の鹿島建設と肩を並べる土木請負業者として全国の大規模な土木工事をいくつも請負っていた。古今に類を見ない女傑と言われた妻の芳子は、満州に進出した軍隊内の酒舗を引き受け采配していた。莫大な富を築いていた寅松は、大倉財閥の大倉喜八郎に並ぶ五万円もの多額納税者になっていた。

 寅松は、明治三十年には日清戦争時には戦役費一千円を献納し賞勲局から銀牌を、軍用品献納で賞状と木杯が下賜された。明治三十一年には、日本赤十字社東京支部に大倉喜八郎や安田善次郎、渋沢栄一らと同額の一千円を寄付し特別会員に列せられている。現在の貨幣価値に換算すれば一千五百万円から二千万円、多額の寄付である。

東洋のレセップス

 吉田組が請負った工事は難工事が多かったが、損得抜きで、公共に資することを第一義に取り組む吉田寅松は、スエズ運河をしたフランスの実業家レセップスにもたとえられていた。

 『立身叢談信用公録』に「土木家吉田寅松君及び令夫人 芳子君」が収録されている。

 「土木を以て長く世を利し、名を得たる英雄は少なくないが、フランスのレセップスがスエズの地峡を開削し、欧亜二大州の交通に利便を与えたことは最も偉大なことである。もし、吉田寅松が欧州の大陸に生まれ、文明開化の気風に浸漸していたなら、アフリカの大砂漠にニールの河水を潅がいして肥沃の新世界を造り、中央アメリカの地峡を切断して、欧亜の新航路を開き、またユーラシア大陸と北アメリカの間にあるベーリング海峡に橋梁を架け、南北地球の両大陸を連結してシベリア鉄道を北米鉄道会社の線路に接続するような偉大な人物である。

 しかし、不幸というべきか、アジアの東端の島国日本の農家に生れ、鎖国圧政の徳川幕府の時代に成長したため、知見を開き活用する機会が少ないなか、高邁な稟性から横浜全市の水運を完成し、市街の一半を埋立て、港湾ふ頭を開築し、滋賀県疎水の大工事に関係し、舞鶴軍港敷地の開鑿、官線・私設を問わず全国数十の鉄道工事を竣工し、港湾造築、道路開通、橋梁架設など、世の大工事は、君の手腕を借りなかったものはない」「幾多の困難を経て土木業吉田組を設立し、業務を繁昌させて全国屈指の大商店になし、今日の大名誉を博しているのは、慈母かく子の訓戒と、快闊明敏の天性の資質をもつ令夫人芳子の内助の功によるものである」

 寅松が志を立てて、家を出るとき、母かく子は涙ながらに訓戒した。

 「お前の不羈独立、大業を起こそうとする志はまことに嬉ばしい。私は、お前が必ず大業を成し得る人間であることを知っており、信じている。しかし、世の中すべての物事や人間には繁栄と衰退がある。すべてを失ってしまうこともある。この道理をわきまえて、進むべきときには大いに進み、退かなければいけないときは、その機会を見失わず、守るべきことは固く守り、手放すべきときには千金を惜しんではならない」

 寅松は、母の教えを一生涯胸に刻み、公正無私の志で国家的事業に挑みつづけ、多額納税者になっていた。

 明治三十年一月二十日、新橋花月楼で吉田寅松の還暦を祝う大宴会が開かれた。鉄道局長井上勝子爵の乾杯の音頭で開宴した宴会は三日間つづき、朝野の名士千人以上が来会した。祝電祝文、祝いの品々が次々届いた。吉田組の社員たちからは金杯が贈られた。祝宴に先立ち、寅松は、還暦を記念して東京慈恵医院に一千円を寄付した。