中原区版【4月11日(金)号】
新体制のスタッフ

中原市民館 指定管理の運営スタート 館長「気軽に来てほしい」

 川崎市の指定管理者制度導入に伴い、4月1日から「なかはらフューチャーデザインパートナーズ」による中原市民館の運営が始まった。市内7区の市民館で指定管理者が運営するのは、今年度からの高津市民館とともに初。土戸啓章館長は「気軽に足を運んでいただける施設にしていきたい」と意欲を見せる。

 川崎市は、民間のノウハウを活用し、市民ニーズに沿った生涯学習拠点を目指すため、市民館に指定管理者制度導入を決定。昨年10月、(株)旺栄、東急スポーツシステム(株)で構成される「なかはらフューチャーデザインパートナーズ」が中原市民館の管理者に決まった。(株)旺栄は、東京都北区の赤羽文化センターなどの社会教育施設の指定管理を行ってきてきた。東急スポーツシステム(株)も新宿区立四谷スポーツスクエアの指定管理を担うなどの実績がある。

 同団体は、昨年12月に市民説明会を開き、3月には2社の実績、今後のビジョンなどの紹介、利用者との対話の場となる「なかはらフューチャーデザイン展」を開催。区民、利用者にPRを行ってきた。

 同団体が掲げる運営コンセプトは「継承・充実・発展」。「これまでの『学びと活動を通じたつながりづくり』のバトンを引き継ぐ」としている。土戸館長は「料金やルールは変わらない。これまでの歩みを大切にし、利用される方や団体の方々としっかり対話しながら、運営していきたい」と話す。今後は、利用者懇談会や貸出備品の充実、等々力緑地や近隣施設との連携を図っていく意向だ。「働く世代を対象とした事業や親子料理教室などもやっていきたい。商店街との連携、ウオーキングイベントなども検討していく」と土戸館長は展望を語る。

 4月1日から、新しいウェブサイトを公開したほか、施設の木質化に着手。ラウンジに木製のおもちゃで遊べるキッズスペースなどを設置した。施設使用料を利用日までの支払いに変更し、現金でも支払いができるようにするなど、新しい運営が始まっている。土戸館長は「料金の支払について、これまでと変わりご迷惑をお掛けしている。ご理解いただけるよう丁寧に説明をしていきたい」と話す。

 高津市民館とともに市内最初の市民館の指定管理者となった同団体。「高津市民館と高め合い、情報共有をしながら気軽に来ていただける施設づくりに取り組んでいく」と意欲を見せた。

川崎商工会議所

川崎商議所 人材確保支援などに力 2025年度主要事業計画

 川崎商工会議所(草壁悟朗会頭)は3月28日、通常議員総会をKCCIホール(川崎区駅前本町)で開き、2025年度の主要事業計画を決めた。全5項目を重点項目に掲げ、人材確保の支援に対応する事業などに取り組む。

 同商議所によると、新年度の予算案の総額は、約11億3500万円で対前年度比約4500万円増。「地域とともに、未来を創る」をテーマに【1】政策提案・要望活動の展開【2】会員ネットワーク構築・ビジネスマッチングの推進【3】中小企業の持続的成長支援と地域活性化の推進【4】人材の確保・育成支援【5】組織・財政基盤の強化を重点方針に掲げる。「中小企業の支援、政策提言や地域文化の振興などを通しての魅力をあるまちづくりに向けた事業展開、多岐にわたるネットワークを駆使したビジネスマッチングの拡大、企業の海外展開への支援などに力を入れていく」としている。

 新規事業計画は6つ。このうち、人材確保支援では民間の求人ポータルサイトの利用を割引価格で利用できるサービスを始める。社員の育成やスキルアップでは、東京商工会議所で実施するビジネススクールの研修講座との連携に取り組む。中小企業の生産性向上を図るためのDX化支援では、ITツール導入支援を行う。JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)の跡地の土地利用転換を受け、国道357号(東京湾岸道路)の道路の早期整備を図るための要望活動を新規事業として盛り込んだ。会員事業所の新製品・新サービスの販売促進支援に力を注ぐための発表会を定期的に実施していく。

 会員に対して、事業に関するアンケート調査を行い、今後の事業運営に反映できるようサービスの提供を行う。近年の物価高騰に対しては、価格転嫁の浸透を図り、中小企業や小規模事業者の「稼ぐ力」を強化するためのセミナーも実施していくとしている。

 今年10月末には役員・議員の任期が満了となることから、円滑な役員・議員改選も掲げる。

富士通・窪田氏、副会頭に選任

 通常総会では、窪田雅己富士通アドバイザー(67)=写真=を副会頭に選任した。窪田氏は1958年生まれ。横浜国立大学を卒業後、81年に富士通入社。同社執行役員常務、専務などを経て2022年富士通Japan代表取締役会長CEOに就任。24年には取締役会長を務め、今年4月から現職。

 窪田氏の選任にともない、これまで副会頭を務めてきた岩山眞士氏は3月31日で辞任した。

パーカッション奏者として、5月に音とアートのワークショップを行う 石井 あす美さん 上小田中在住 39歳

個性生かし人に寄り添う

 ○…「パーカッション(打楽器)は、言葉が生まれる前からあった原始的な楽器の一種。たたいて音を出すという本能的な部分に引かれます」。簡単に音が出せるが奥が深い。打楽器の持つ、不思議な魅力を伝えたいと活動している。5月に行うワークショップもその一つ。聞こえた音を絵にする初めての試みに、新たな可能性を見出したい。「どんな体験会になるんだろうって、今からワクワクしています」

 ○…茨城県石岡市出身。緑に囲まれた自然の中で育った。中学に入り、友人の後を追って吹奏楽部へ。誰も手を挙げなかった打楽器の担当になった。後にそれが運命の出合いだったと知る。「顧問の奥さんがプロの打楽器奏者で、演奏する姿を見て『なんてかっこいいんだ』って」。夢中になり、高校も音楽科に進み、玉川大学の芸術学部でも学びを深めた。

 ○…宮内にマリンバなどの打楽器教室を開いて15年。生徒数は70人を超える。モットーは「一人ひとりの個性を生かし、その人の気持ちに寄り添うこと」。昔の教え子が今も演奏を続け、講師として手伝ってくれていることも感慨深い。指導の傍ら、大学時代の友人ら女性4人で結成したパーカッションアンサンブルグループ「にまるく」としても活動する。

 ○…愛娘は7月で2歳になる。子育てを経験し気持ちに余裕が生まれ、子ども食堂や神社の祭りで演奏するなど、地域とのつながりも強くなったと感じる。息抜きは、娘と歩く散歩の時間。「ペットのヤモリの生餌となるクモを二人で捕まえて喜んでいる姿は人に見せられないですね」。そんなことをあっけらかんと話す性格も人を引き付ける。落ち着いたら大好きな釣りを再開したい。「多摩川で釣ったハゼの天ぷらは最高です」

2025年度・持続化補助金 診断士会がサポート

 2025年度、1回目の小規模事業者持続化補助金の情報(暫定)公開にあわせ川崎中小企業診断士会では、申請受付・採択へ向けたサポート業務をスタートする(協力・タウンニュース)。

 補助金の対象となる事業者は、商業・サービス業、製造業などで、従業員の数は20人〜5人以下(業種により異なる)。今回は、5月1日(木)公募の申請受付開始、申し込みの締め切りは6月13日(金)17時。

 診断士会では、申請書作成の支援から申請準備の助言までを、成功報酬(補助金申請額の10%)の形でサポートする。申請については、回を追うごとに難度があがっており、不備なく書類をまとめることが採択のポイントになっている。また、事業者自ら業務に向き合い、動いていくことが重要だ。事業のPRについては、WEBや紙媒体など、タウンニュース社も提案する。

 問い合わせはタウンニュース営業推進部【電話】045・913・4141まで。

春に楽しむクラシック  27日「川響定期演奏会」

 川崎市民交響楽団の「第201回川響定期演奏会」が4月27日(日)、エポックなかはら大ホール(「武蔵中原駅」徒歩1分)で開催される。午後1時30分開場、2時開演。大人千円、小中高生500円。全席自由。

 当日は、鈴木竜哉氏が指揮を務め、J・S・バッハ(エルガー編曲)「幻想曲とフーガ」、ヘンデル(ハーティ編曲)「組曲『水上の音楽』」、エルガー「交響曲第1番」を披露する。詳しくは川響お客様専用ダイヤル【電話】080・1275・1056(午後6時〜9時)へ。

「アニコムねこちゃんとの出会いルーム」に

アニマモール 譲渡猫室の愛称決定 ネーミングライツで4社目

 川崎市動物愛護センター(アニマモールかわさき、上平間)は4月1日、同センター譲渡猫室のネーミングライツパートナーが決定したことを発表した。パートナーは、ペット保険会社・アニコム損害保険(株)(東京都新宿区)で、譲渡猫室の愛称は「アニコムねこちゃんとの出会いルーム」に決まった。

 同センターは、高津区蟹ヶ谷から現在の場所へ移転。2018年4月から、センター内にある8部屋で、施設の魅力向上、私有財産の有効活用を目的にネーミングライツ事業を導入。これまでに3部屋でパートナーが決まっていた。

 今回のアニコム損害保険(株)で4社目。契約期間は3年間。現在、すでに決まっていた会社との更新、契約が進んでおり、残り4部屋で継続してネーミングライツパートナーを募集している。同センターの担当者は「ボランティアや企業と連携して様々な取り組みを行っている。動物に興味があれば、ぜひ問い合わせを」と話している。

小林会長から発令通知書を受け取る新入社員

中原工場協会 合同入社式 7人が誓い 「昨日の自分より成長を」

 川崎中原工場協会(小林政男会長)の合同入社式が4月1日、ホテルKSP(高津区)で行われた。同協会に加盟する会員企業の新入社員7人が参加し、関係者らが見守る中で新社会人として新たな一歩を踏み出した。

 市内の多種多様な業種の約250社が加盟する同協会。合同入社式は毎年実施しており、今年は3社7人が参加した。

 冒頭、小林会長は「新しい職場で何ができるのかを考え、企業の発展や成長に寄与できるように力を尽くしてほしい」とあいさつし、新入社員へエールを送った。来賓として出席した川崎市経済労働局労働雇用部の井野聡部長は「一企業のホープではなく、川崎市の宝。技術を磨いて20年後、30年後の川崎市を素晴らしいまちにしていただきたい」と祝辞を述べた。その後、7人は小林会長から発令通知書を受け取り、一人ひとりが意気込みを語った。

 (株)興建に入社する何嘉川(かかせん)さんは「建築士の資格取得を目指しながら、いろいろなことを学んでいきたい」と抱負を語った。(株)末吉ネームプレート製作所(多摩区)に入社した栗田優羽さんは「しっかりコミュニケーションを取りながら、昨日の自分より成長したと思えるように歩んでいきたい」と意欲を見せた。
等々力緑地の会場でパフォーマンスを披露した出演者

ハワイフェス 緑化フェアを盛り上げ 150人が舞台に出演

 市民にハワイを伝えたいと中原区を拠点に活動している「かわさきハワイアンフェスティバル実行委員会」(遠藤久乃実行委員長)は4月6日、緑化フェア等々力会場のステージでパフォーマンスを披露した。

 総勢150人のダンサー、ミュージシャンらが午前10時から午後4時30分まで1日出演。最後は一般の観客も飛び入りで参加し、ダンスやウクレレを演奏した。遠藤実行委員長は「こうした場を通して、今後も市民に温かいハワイアン文化を伝える活動を続けていきたい」と思いを込めた。

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参加を呼び掛ける中山さん(左)と石井さん

音を絵にする体験会 5月17、18日 宮内で

 2つの打楽器の音を聞いて2枚の絵を描き、その絵を切って編み込んで1枚の作品にする「音×アート ワークショップ」が5月17日(土)・18日(日)にシェアスぺースBeBorn(宮内2の15の15)で開催される。主催はアートの力で地域をつなげるウェブサークル。

 講師は区内で活動する作家の中山美代子さん、打楽器奏者の石井あす美さん=人物風土記で紹介。二人は「珍しい楽器に触れることもできる。感覚だけで誰でもできるので、気軽に参加してほしい」と呼び掛ける。17日は午前10時、午後1時30分、4時、18日は10時、1時30分から各回定員10人(予約制)。参加費は材料費込みで300円(小学生まで100円)。5歳ぐらいから参加できる。問い合わせは【メール】miyokosakata345@gmail.comへ。

献血を呼び掛けた会員ら

巽LC 新城で献血活動 リピーターら70人が協力

 川崎巽ライオンズクラブ(巽LC/今井宏志会長)は4月5日、新城中央町内会と協力して新城中央会館で献血活動を行った。

 30年以上続ける巽LCの奉仕活動の一つ。全国的に輸血に必要な血液が不足する中、会員ら7人が参加し、武蔵新城駅前で買い物客などに声掛けした。長年の活動が浸透し、開始時間前に列ができるほどリピーターが多かったという。最終的には70人が受け付けし、基準を満たした61人が採血した。採血量は2万3200ミリリットル(200ミリリットル6人、400ミリリットル55人)。幹事の永井利宗さんは「朝からたくさんの方に協力していただき、ありがたい。地域に定着していることがうれしい」と話した。

中原区の魅力や抱負を語る沖本区長

中原区役所 庁内外で「議論活発に」 沖本里恵さん 新区長に

 中原区の新区長に、4月1日付で沖本里恵さん(56)が就任した。中原区での勤務は、3度目。新人のころに小杉こども文化センター、本庁勤務を挟んで区民課で5年勤めた。「中原区に愛着を持っている。戻ってくることができてうれしい」と区長就任の内示を受けたときの心境を語る。

 タワーマンションが建ち並び、人口も市内で一番多くなるなど、まちを取り巻く環境は、以前の勤務時代とは変わった。「区民を守る重責を感じている。さまざまな事業も行っているので、区長としていろいろなところに行って、知って、話をしていきたい」と意気込みを見せる。

 その中原区については「マンション群がありながらも等々力緑地の緑、二ヶ領用水の桜など自然が楽しめるだけでなく、商業施設も多く、個性的な商店街もある。子育て世代が住みやすい、活気があるまち」と魅力を存分に語る。

 一方で、増え続ける人口に対して区役所機能が追い付いていないことや、防災対策について課題を抱える。今年、区計画の改訂作業も進める。川崎市制も次なる100年に向けた一歩を歩み出した。「様々なことをそれぞれの部署で議論していく必要がある。職員はいろいろなところで話す機会を設けてほしい。意見しやすく、その意見を否定せずに受け止めて、議論ができる職場づくりを一人ひとりに心掛けてほしい」と職員に呼び掛ける。今年度、16人の新人が区役所に配属された。「魅力ある中原区を知って、好きになって、自分の力で良くしたいと気にしてほしい。庁内、外に出てまちの人と議論をして、関係性を良くしていい仕事につなげてほしい」と期待を込める。

 川崎生まれの川崎育ち。旅行や美術館巡り、ウオーキングなどが趣味。「区内はもちろん、庁内も見て回りたい。麻生区の庶務係長、企画課長を務めた際に、4人の区長を身近に見て学んできたので、その経験を生かしていきたい」と抱負を語る。

 区民が笑顔で暮らし、住んで良かった、住み続けたいと思ってもらえるようなまちへ。「行政だけでなく、区民の皆さんと一緒に取り組んでいきたい。ぜひ一緒にお願いします」と呼び掛ける。

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おそろいの制服で委嘱式に参加した児童ら

中原警察署 小学生13人を指導員に 交通安全啓発に期待

 中原警察署は4月4日、小学生13人を「交通安全児童指導員」に委嘱した。今後は1年間を通し、キャンペーンなどの機会に街頭や商店街で交通安全を呼び掛ける。

 委嘱式では、児童はそろいの黄緑色の制服とオレンジのスカーフ、ベレー帽姿で出席。菅健司警察署長から委嘱状、中原交通安全協会の鹿島義久会長から記念品が手渡された。

 式典で菅署長は「皆さん、制服がとても似合っている。これからは模範となり、学校の友だちや周囲の人たちに交通ルールを守ることの大切さを伝えてほしい」とあいさつ。鹿島会長は「中原区は自転車の交通事故が多い。児童指導員の声は、きっと多くの大人にも届くと思う。交通安全のため、君たち自身が率先してほしい」と話した。

 代表して宣誓した神崎明花さん(井田小5年)は「今年は2年目になる。勇気を出して、たくさんの人に声を掛けられるようにがんばりたい」と意気込みを語った。

落下防止のため整備された警告ブロック

地下街「川崎アゼリア」 警告ブロックを新設 視覚障がい者の請願受け

 川崎駅前の地下街「川崎アゼリア」の地下駐車場に通じる階段に、視覚障がい者が安全に歩行できるように警告ブロック(点字ブロック)が設置された。視覚障がい者団体から川崎市議会に請願が出ていたもので、3月末、地下駐車場へ向かう階段9カ所で工事が完了した。

 「川崎アゼリア」は、市などが出資する川崎アゼリア(株)が運営する広さ約5万6400平方メートル、約150店舗が軒を連ねる地下商店街。JR川崎駅から市役所方面へのルートでもあり、平日でものべ約27万人の往来がある。

 しかし構内にほとんど点字ブロックが整備されておらず、川崎市視覚障害者福祉協会はかねて同社に「点字ブロックが点在するだけで、つながっていない」と指摘のうえ、JR川崎駅や市役所への主要な動線をつなぐ誘導ブロックの設置を求めてきた。また、地下駐車場へ降りる階段手前に警告ブロックがなかったため、視覚障がい者が階段踊り場まで転落する事故もあった。

 協会は昨年10月に川崎市議会に「アゼリア地下街の点字ブロック等の整備に関する請願」を提出。全会一致で採択された。これを受けて市側も点字ブロック整備を支援する「整備負担金」2100万円を2025年度予算に計上。同社は「緊急性が高い」との判断から、まず商店街フロアから地下駐車場に降りる階段の手前9カ所に警告ブロックを設置した。

 同社の担当者は、「今後は市役所やJR、京浜急行の川崎駅をつなぐ点字ブロックの設置について、視覚障がい当事者の方々の意見を取り入れながら検討を続けていく」と話している。

調達協議会のメンバーと江口政喜さん(中央)

まもなく緑化フェア終幕 祭典支えた「裏方」たち 生産者「無理だと思った」

 川崎市で4月13日まで開催の「第41回全国都市緑化かわさきフェア」では、秋開催と合わせて累計約500種類もの花が会場を彩ってきた。華やかなイベントの裏では、苦労して花を育てた生産者や、数万株の花を同時に管理するチームなど、多くの「裏方」たちが祭典を支えていた。

 今回の緑化フェアは川崎市制100周年を記念し、これまで定番だった春開催に先立つ秋開催も加わった。そのため全会期を通して必要な花の量が多く、生産者たちは初めての品種に挑戦したり、開花時期を調整したりする必要があった。

 高津区の花卉農家、武笠康浩さんは、秋開催に向け9月にガーデンシクラメンを1740株、春開催の準備のため11月下旬にパンジーを3万株納品した。ガーデンシクラメンは7月から育て始めたが、連日40度を超える酷暑から苗を守るため、遮光カーテンなどで工夫したという。それでも「何度も『無理!』と思った」と武笠さん。パンジーやビオラも展示デザインに合わせた色彩を持つ種類と株数が指定されたため、難しい対応の連続だったという。

10万株が一堂に

 「かわさきフェア植物調達協議会」の植物調達実務統括部長を務める江口政喜さん(56)によれば、緑化フェアの全期間で必要となった花の量は約38万株。春開催だけで約12万6千株が、3会場のイベントや設営デザインに応じて植栽された。

 これらの花苗は市内を中心とした神奈川県全域と、千葉県や埼玉県から集められた。すべてをいったん等々力緑地会場に隣接する「バックヤード」で集約し、多種多様な花を適切に管理したうえで、3会場のイベント設営の時期に合わせて正確に届けることが、調達協議会の任務だった。

 バスケットコート1面分ほどのバックヤードに、一時は最大約10万株の花苗が集まった。混乱を避けるためにトレーや苗の入れ物に、品種と「行き先」が分かるシールを貼って管理した。

 江口さんが「最も難しかった」と語るのが、寒さ対策だ。バックヤードも場所によって温度が異なり、花の種類ごとに耐寒性も異なる。「昨年のクリスマスイブの朝なんてマイナス5・8度。花苗の天敵は『霜』。メンバーで夜な夜な動画で霜について学び、対策を練った」。ビニールシートや木材などで「軒」を作り、苗を霜から守ることができたそうだ。

 緑化フェア成功のために、人知れず汗を流し続けた裏方たち。江口さんはこう振り返る。「生産者や造園業者などの職人気質の方々が協力して作業を続けたことで、横のつながりが生まれた。これは今回のフェアが残した宝物の一つだと思う」

ベトナムでの川崎フロンターレサッカースクール

GO!GO!!フロンターレ

スポーツ庁長官から感謝状

 サッカーJ1・川崎フロンターレがこのほど、スポーツ庁が実施するスポーツ国際交流・協力事業「SPORT FOR TOMORROW」で、室伏広治同庁長官から感謝状を受け取った。

 スポーツを通じた国際交流などを行った団体に贈られるもの。同クラブは他団体と共同で主催する「ベトナム日本国際ユースカップU-13」での活動が評価された。同カップ戦は両国のジュニアユース世代が交流し、サッカーを通じて友情を育む貴重な機会を提供している。

 ベトナムでの活動は2013年、ビンズン省で開催された「東急ビンズンガーデンシティカップ2013」にトップチームが参加し、国際親善試合を行ったことから始まる。その後、同国の子どもたちを対象としたサッカー教室の開催や、川崎フロンターレU-13のベトナム遠征など、サッカーを通じた交流活動を継続的に実施している。2025年12月には、7回目となる同カップ戦が開催される予定。

画像はいずれも川崎フロンターレ