鶴見区版【4月17日(木)号】

鶴見区予算 3本柱で住みよいまちへ 自主企画事業に約1億円

 横浜市の2025年度予算が3月の横浜市会で可決された。それに伴い、鶴見区の自主企画事業も確定。事業費は昨年度よりも21万5千円減の1億945万6千円。防災や多文化共生、子育て・健康づくり施策などのほか、27年の区制100周年に向けた取組みもスタート。計40事業で「いつまでも住み続けたいまち 鶴見」を目指していく。

 区の自主企画事業は、市民局の「個性ある区づくり推進費」の中に位置づけられ、地域の課題やニーズに迅速かつ、きめ細かく対応するためのもの。予算編成にあたっては、「いつまでも住み続けたいまち 鶴見」を目指し、3つの重点施策を掲げる=表参照。

 「地域力の強化」では、主な事業として防災活動の推進や自治会町内会振興事業、鶴見・あいねっと推進事業が並ぶ。

 防災では、横浜市が新たに策定した地震防災戦略に基づき、区内で風水害や地震などの都市災害に備えるための啓発活動を拡充。中学校での防災講座などを予定する。

 「区内経済・活力の向上」では、多文化のまち・つるみ推進事業や区環境行動推進事業などの取組みを行う。

 多文化共生では、1万7千人を超える外国人居住者が暮らしやすいまちを目指し、ごみの出し方など日常生活の情報を確認できるWEBページの多言語化を行う。また、国際交流ラウンジでの学習支援を充実化させるためにコーディネーターの増員も行う。

 そして、環境では脱炭素行動推進のため、企業と連携した啓発事業や、沖縄をテーマに楽しみながら環境問題を学べるイベントも企画する。

 「子どもから大人まで安心・元気に」では、つるみDE子育て応援事業やつるみの未来を育てる保育所事業、ヘルスアッププランなどを実施。

 子育てでは、身近な地域での支援や保育所支援の充実などを図る。

 健康づくりでは、30代から50代への生活習慣病の予防啓発や、昨年度作成したウォーキングマップを地区別に作成することを検討している。

区制100周年への取組みも

 そして、2027年の鶴見区制100周年に向けての取組みも本格的に始まっていく。今年3月に自治会連合会や企業、団体らと立ち上げた記念事業実行委員会を中心に、一体となって企画などを検討していく。

 区の担当者は「27年には市内で他に4区が100周年を迎えるので、情報共有もしながら、皆さまと一体になって機運の醸成を図っていければ」と話した。

横浜市 「情報登録」で高齢者支援 孤独死などに備える

 横浜市は、身寄りのない高齢者などへの支援として、本人が緊急連絡先などの情報を事前に登録する制度を初めて導入する。スマートフォンでの電子登録を基本にしつつも、市内全区に1カ所ずつ入力支援窓口を整備する。

 市では2040年に3人に1人が高齢者になるとともに、総世帯に占める高齢単独世帯と高齢夫婦世帯の合計が3割を超える見込みだ。

 こうした背景を踏まえ、市は孤独死などの万が一に備え、希望する65歳以上の高齢者を対象に葬儀会社との契約や遺言の有無、緊急連絡先、エンディングノートの保管場所などを市のシステムに事前登録する仕組みを今年度中に導入する。病院や警察、消防などの関係機関からの問い合わせに各区役所が、システムに登録された情報を伝え、円滑な対応を取れるようにすることが狙い。

 情報登録はスマートフォンやパソコンなどで登録者本人が入力することを市はイメージしているが、不得意な人もいることを踏まえ、各区に1カ所の入力支援窓口を設置する。これとは別に、身寄りのない高齢者らが抱える将来への不安や悩みを相談する対面、電話対応が可能な窓口を今年度中に市内に開設する。

横須賀式参考に

 市が参考にしたのが横須賀市の「終活情報登録伝達事業」だ。年齢や所得などの利用制限はなく計11項目の情報を登録するもの。18年5月から実施しており、登録者は25年4月2日時点で1054人となっている。遺体が自宅で発見されたと警察から連絡があり、緊急連絡先や、これまでの相談経過を伝えたこともあるという。横須賀市担当者は「関係機関からも好評。引き取り手の無い遺体を減らすためには必要」と重要性を語る。

「尊厳ある最期のため」

 横浜市は現在、各自治体の先行事例を参考に登録項目の選定や入力支援窓口の設置場所などを検討しており、2026年1月の導入開始を目指す。市担当者は「65歳以上の高齢者は登録が可能です。尊厳のある最期を迎えるため、本人の意志を支援につなげられれば」と話す。

4月1日付で第50代鶴見消防署長に就任した 阿部 英弥さん 鶴見中央在勤 50歳

地域の力で安全なまちへ

 ○…泉消防署での署長を経て、鶴見消防署の第50代署長に就任した。「歴史ある鶴見区で署長を務めることができ光栄」と身を引き締める。「消防署も先人の方々が築き上げてきた地域の歴史の一つ。鶴見の安全のため全力を尽くしたい」と力強く意気込む。

 ○…旭区出身。幼い頃は飛行機のパイロットを目指していた。海外の方が飛行機を使った移動などが多く、仕事の需要も高いと考え、イギリスの高校に留学。「寮生活で1週間ほどでホームシックになって、何度も帰る方法を探していました」と笑顔で振り返る。パイロットの夢は様々な事情で諦め、日本の大学に進学。この時から地域の消防団にも所属し、団員と交流を深める中で人を助けることに魅力を感じ、熱意そのままに市消防局に入庁した。若手の頃、鎮火後の住宅で火災原因の調査を行った際、灰や水を被ってしまったアルバムや山積みの年賀状を見た。「火災で思い出がなくなってしまうのはとても悲しい。この時から火災予防の重要性を広めなければと強く思うようになりました」と語る。

 ○…最近はDIYがマイブーム。「自宅が老朽化してきて、家を保全する側面が強いですが」と苦笑い。先日は知人から譲り受けた太陽光パネルを日当たりの良いウッドフェンスに取り付けた。「ドライヤーくらいなら使えますが、思っていたより発電しなかった」と白い歯を見せる。

 ○…市消防局本部での8年間の勤務を経て、現場に戻ったのは昨年から。そこで改めて感じたのが防災力強化への住民や消防団など地域の協力。「署員も全力で職務にあたっていますが、限界もある。皆様のサポートがあってこそ、『安心して住めるまち』になります。ぜひ力を貸しください」と呼び掛ける。

親子そば打ち体験 横溝屋敷で子どもまつり

 みその公園「横溝屋敷」=獅子ケ谷3の10の2=で5月5日、子どもまつりと親子そば打ち体験が行われる。

 小学生以上と保護者対象で定員先着15組(以前に参加したことのある人はご遠慮を)。参加費1組2000円。

 午前10時から正午まで。当日は子どもまつりとして縁日も出店(各100円)。

 申込みは4月23日午前10時から同館窓口または電話で。(問)同館【電話】045・574・1987

釈迦立像に甘茶をかける参加者たち

建功寺 花まつりに600人 人形供養や演奏なども

 釈迦の生誕を祝う花まつりが区内各地の寺院で行われ、4月6日には馬場の建功寺で「花まつりフェスタ」が開かれた。

 花まつりは釈迦の立像に甘茶をかけて生誕を祝う仏教行事。同寺ではステージでの演奏や飲食ブースも設け、多くの人が楽しめるよう企画している。

 当日は地域住民や檀家ら約600人が来場。立像が安置された花御堂に甘茶をかけ無病息災を祈った。枡野俊明住職による法話では、釈迦の話をもとに命の尊さや個性の大切さが呼びかけられた。

 また、同寺が年間を通じて募っている人形の供養会も行われ、ひな人形やぬいぐるみなど約700体が供養された。

 そして、ステージでは多摩美術大学ジャンベ民族楽器部による演奏や、津軽三味線、和太鼓などが披露され、会場から大きな拍手が送られた。参加者の一人は「春の風物詩として、毎年楽しませてもらっています」と笑顔で話した。

昭和を彩った演歌を堪能 サルビアホールで5月22日

 人気の演歌歌手が多数出演する「ヨコハマ鶴見歌まつり」が5月22日、鶴見区民文化センターサルビアホールで開かれる。ミュージックプラザミヤノの主催。

 総勢22人が集う豪華な企画で、地元鶴見から原田ヒロシさんと美咲朱里さんも出演する。コンサートは2部制。昼の部は午後0時30分から、夜の部は5時30分開演(開場は各30分前)。

 チケットは全席自由で4000円(当日はバルコニー席券1500円も販売)。詳細やチケットの購入問い合わせは同店・宮野さん【電話】045・571・3280。

手を振り出港を見送る人々

クルーズ船 飛鳥II 最後の世界一周へ 横浜港から103日の船旅

 横浜港を母港とするクルーズ船「飛鳥II」がこのほど、横浜港を出港して最後の世界一周クルーズへと旅立った。

 郵船クルーズ株式会社=西区みなとみらい=が運航する「飛鳥クルーズ」として通算24回目、「飛鳥II」としては14回目となる。

 同日、大さん橋国際客船ターミナルで出港記念セレモニーを開催した。バルーンリリースや港中学校吹奏楽部の歓送演奏が行われ、多くの人が出港を見送った。

 今回のクルーズは、3月31日に横浜を、翌日に神戸を出港し、アジア、南アフリカ、ヨーロッパ、北米大陸、カリブ、太平洋を経て、7月11日に横浜に帰港する103日間の船旅。乗客約360人を乗せて世界各地を巡る。

 セレモニーで渡辺恒介船長は「船でなければ、クルーズでなければできない経験をして、再び戻ってくることを楽しみにしている」と話した。世界一周クルーズは今年7月20日に就航する「飛鳥III」に引き継がれ、今後は国内を中心に海外クルーズも運航する。

葉加瀬氏がテーマ曲

 飛鳥IIと飛鳥IIIの二隻運行に向け、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんが飛鳥クルーズのテーマ曲「ASUKA」を作曲した。「日本のクルーズ文化をつなぎ、日本の芸術文化、人と地域をつなぐ」というコンセプトを音楽で表現したテーマ曲は、船内や出港時に使用される。

豊作を喜ぶクラブ会員ら

横浜鶴見北RC 竹林整備でタケノコ掘り 100本以上収穫の大豊作

 横浜鶴見北ロータリークラブ(生方常明会長)が4月9日、獅子ケ谷市民の森で恒例のタケノコ堀りを行った。

 この取組みは同クラブが4年前から行っているもの。広場や遊歩道が整備され、憩いの場として親しまれている獅子ケ谷市民の森。ただ、一区画の竹林では竹が野放しになっている状況で、竹林の環境整備も兼ねて同クラブが市に許可を得てタケノコ堀りを毎年行っている。活動を通じて竹を間引くことで土壌の悪化を防ぎ、良好な環境も維持できているという。

 当日は同クラブ会員のほか、障害福祉サービス事務所・NPO法人一歩舎の利用者も参加。約20人で手分けしてタケノコを堀り、1時間ほどで100本以上を収穫した。時期が早く「あまり取れないかも」という声もあったが、予想外の豊作に会員からは「こんなに掘ったら腰をやっちゃうよ」と嬉しい悲鳴も。

 今月中にもう一度、竹林の整備も兼ねてクラブ関係者のみで収穫を行う予定。収穫したタケノコは参加者で分けたほか、定期的に食材の寄付を行っている区内の子ども食堂にも配られた。同クラブの上原良廣さんは「今年は全員が1本以上はタケノコを掘れて、子ども食堂に渡せる分も十分に確保できて良かった」と笑顔で語った。

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清掃活動団体を募集 区がごみ袋や軍手を配布

 鶴見区役所が、地域で清掃活動する団体にごみ袋や軍手を配布する「鶴見クリーンキャンペーン(第1回)」の参加団体を募集している。

 6月から7月に活動できる団体で、条件は【1】区内(公園や敷地内のみの清掃は対象外)で活動し(頻度は自由)、【2】終了後に活動報告書を提出できること。

 申し込みは5月20日までに書類を区役所資源化推進担当に提出。

 問合せは同担当【電話】045・510・1689。

盛大に行われたフィナーレ公演=提供

県民ホールで最終公演 建て替えで長期休館に

 老朽化による建て替えで4月から長期休館となった神奈川県民ホール=中区山下町=は3月31日、現ホールでの最終日を迎えた。「ありがとう県民ホール」と題した大ホールでのフィナーレコンサートのほか、パイプオルガンを備えた小ホールやギャラリーで最後のセレモニーなどが行われた。来場者はギャラリーの壁にメッセージを書き残すなど、多くの人が別れを惜しんだ。

 同ホールは1975年1月17日、山下公園や横浜港、中華街に隣接する恵まれた場所に、全国屈指の大型文化施設として誕生。最大2493人収容可能な大ホールやパイプオルガンのある小ホール、ギャラリー、会議室、レストランなどを備えた。2023年に累計入場者数は3千万人を突破。半世紀にわたり文化芸術の拠点として親しまれてきた。

 施設老朽化のため、神奈川県は昨年11月に建て替えによる再整備の方針を表明。市内臨海地域にはない本格的なオペラやバレエの公演ができる施設を念頭に置き、誰もが使いやすいバリアフリーを意識した施設を目指すとしている。

 今年度は基本構想を策定するため委員会を立ち上げ、新たなホールが目指す方向性や求められる機能、施設の規模などについて検討していく。

「千載一遇の機会」

 総支配人の眞野純さん(76)は建て替えを「千載一遇のチャンス」と捉え、「県内各地で様々な事業を展開していく計画を進めている」と話す。

 4月は19日・20日に県立青少年センター紅葉坂ホールでリーディングドラマ「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」が行われる。眞野さんは「神奈川県はそれぞれの地域に独自文化があり多様な活動団体がある。休館が空白期間にならないように、33市町村でもれなく公演をやりたいんです」とにっこり。それぞれの市町村が求めることを協力して作りあげることで、心を通わせ繋がりを強めていきたいと考える。「休館は7〜8年、もしかしたら10年はかかるかもしれない。だけど、その間に水平的に各施設が繋がっていけば、その年数は無駄ではないはず」。今以上の役割が期待されるであろう新施設開館に備え、可能性の幅を広げる。

ドクダミ茶づくりを体験 三ツ池公園 野草の解説も

 県立三ツ池公園で5月11日、ドクダミ茶・ドクダミチンキづくり体験が行われる。

 チンキは、ハーブをアルコールに漬けて成分を抽出したもの。除菌や虫よけスプレーなどに活用できる。

 当日は、自然観察指導員の松田照之さんが指導。春の野草や里山についても解説してくれる。

 午後1時30分から3時30分。参加費500円(保険、資料代)。定員先着10人(小学生以下は保護者同伴)。

 申込み・問合せは同園【電話】045・581・0287。

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桜のもとで演技する出演者たち

桜まつりでステージ盛況 馬場 約1千人が来場

 寺尾第二地区連合会が主催する「遊水地桜まつり」が4月6日、馬場の入江川遊水地スポーツ広場で開かれた。

 毎年恒例の祭りで、今年は約1000人が来場。会場では各自治会町内会が焼きそばなどの飲食ブースを出店。どの店も行列ができ、午前中にほぼ完売となる人気だった。

 また、ステージでは地域で活動する団体がフラダンスや太鼓などを披露。集まった住民から大きな拍手が送られた。

 ただ、昨年までは広場に15本あった桜が老木化などを理由に伐採されて3本に減ったこともあり、惜しむ声も聞かれた。同連合会の宮野昌夫会長は「桜が減ったことに寂しさもあるが、皆さんの協力のおかげで地域の恒例行事として多くの方に楽しんでもらっている。今後も継続していければ」と語った。

過去の展示会の様子

鶴見書人会 書人展が23日から サルビアホールで

 「第57回鶴見書人展」が4月23日から27日まで、鶴見区民文化センターサルビアホール3階ギャラリーで開かれる。

 主催の鶴見書人会は、区内在住者や在勤者など、鶴見にゆかりのある書人、書道愛好家が所属する団体で、発足から50年以上の歴史を持つ。

 同会は毎春の同展と秋には役員展を行っている。一流一派にこだわらず、楷書や篆刻など大小様々な作品が並び、今回は会員46人が1点ずつ作品を出展する。

 各日午前10時から午後5時まで(初日は1時から、最終日は3時まで)。同会の阿部跳龍会長は「様々な書を見ることができますので、鶴見駅前にお立ち寄りの際はぜひお越しください」と呼び掛けている。

稲作の所作を演じる演者ら(写真は過去)

伝統の「田祭り」29日に 鶴見神社 万灯神輿渡御も

 鎌倉時代から鶴見神社(金子剛士宮司)に伝わる横浜市地域無形民俗文化財「鶴見の田祭り」が4月29日、同神社境内で行われる。

 田祭りとは、神寿歌(かみほぎうた)といわれる節に合わせ、一年の稲作の所作を演じる伝統芸能。明治初期に国から廃絶命令を受け一度途絶したが、先代宮司や鶴見歴史の会らが尽力し、1987年に再興した。

 メイン会場となる神社境内では、午前11時30分から地元自治会町会などによる模擬店や縁日が開かれる。舞台では午後0時30分から鶴見中学校吹奏楽部の演奏や、鶴見小と豊岡小児童によるソーラン節、鶴見邦楽連盟による日本舞踊や横浜雅楽会の管弦などが披露される。

 そして、「田祭り祭典」は4時30分から。6時から「神寿歌」が開始される。また、鶴見駅東口では5時半から、鶴見神社氏子青年会を筆頭に汐田竜神、末吉会、愛宕連、生麦獅友会による万灯神輿渡御が行われる。

 観覧無料。雨天時は同神社参集殿で実施。(問)鶴見田祭り保存会(鶴見神社内)【電話】045・501・4122

スタッフ一同で見送った

横浜ロイヤルパークホテル 4月から一時休業 再開は28年度予定

 みなとみらいのシンボル・横浜ランドマークタワーの高層階に位置する「横浜ロイヤルパークホテル」が設備の大規模修繕工事のため、3月31日の最終営業をもって一時休業となった。再開業は2028年度を予定。

 当日は正面玄関で休館セレモニーが行われ、別れを惜しむ人たちが集まった。同ホテルの雄城(おぎ)隆史総支配人は、1993年9月の開業からの約32年を振り返り「多くのお客様やこの地域の皆様と共に歩んでこられたのは誇り。結婚式や記念日など思い出の場所としてご利用いただけたことに心から感謝しています」とあいさつ。「再開の日に向けてしっかり充電し、また皆様にお目にかかれる日を心待ちにしています」と力を込めた。

 最後の宿泊客として夫婦で花束と記念品を受け取った岩村晃秀さん(53)=千葉県=は、数年前から週末ごとに泊まって仕事の活力にしていたといい「ここからの景色が見られなくなるのはさみしいけれど、3年後の再開を楽しみにしています」と話した。セレモニーの最後にはスタッフが並んで深くお辞儀をし、休業前のフィナーレを飾った。

 休業中はランドマークタワー内に今秋オープン予定のレストランで、ホテルの味やサービスを提供していくという。

 再開業後は米国マリオット・インターナショナルとフランチャイズ契約を結び、客室やレストラン、スパなどをフルリニューアル。インバウンド需要などに応えるため、ラグジュアリーホテルにリブランドする。

なかよし広場のイメージ=市提供

横浜市 動物園と図書館を改装 野毛山地区 22日オープン

 横浜市は、野毛山動物園のふれあいコーナーと中央図書館の親子向けフロアを4月22日にリニューアルオープンする。エリア全体でまちづくりを進める「のげやまインクルーシブ構想」の第1弾。誰もが分け隔てなく学び、楽しみ、やすらげるインクルーシブな野毛山地区を目指す。

天候左右されず体験

 野毛山動物園では、モルモットやハツカネズミなどの小動物とふれあえる「なかよし広場(ふれあいコーナー)」に新たに屋根を設置。天候に左右されずに体験ができるようにした。広場近くの屋内休憩棟とトイレ棟も新しくなる。

 市の担当者は「小さいお子様連れに人気のエリア。雨の日や暑い日、寒い日でもより快適に過ごしてもらえるようになった」と話す。

AIで絵本探し

 中央図書館は、喫茶店が入っていたレストランフロア部分の約300平方メートルを未就学児と保護者を対象とした「おやこフロア」に改装。白木の本棚が並び、絵本のほかにおもちゃも置かれ、本を読むだけではなく、休んだり話したりできるようになっている。

 また、AIを活用した絵本推薦システムを導入。子ども向けの端末では、ロボットと連動して楽しく本を探せるようにする。フロアに設置する自動販売機には、紙おむつや液体ミルクを扱う予定だ。同館の担当者は「『赤ちゃんが声を出すので、図書館に行けない』と思っていた方にも安心して来ていただきたい」と話す。

施設間連携も

 リニューアルを機に、野毛山動物園の休憩棟に動物に関する本を設置する。記された二次元コードを読み込むことで、中央図書館の予約状況が分かり、興味を持った本は図書館に寄って借りることができる。「のげやまインクルーシブ構想」で掲げるエリア内の施設間連携の取組の一つだ。

 市は今後も、誰もが利用しやすい施設となるよう、動物園と図書館のバリアフリー化を進める。駅からエリアまで楽しく歩ける工夫をするなど、アクセス環境を良くし、都心臨海部との回遊性向上、横浜全体の魅力向上につなげていくという。また、2028年に医療的ケアを必要とする重症心身障害児者と家族の暮らしを支援する多機能型拠点の開所を目指す。

横長のビジョンが特長の横浜BUNTAI(C)B-CORSAIRS

横浜BC 5月のホーム戦で優待 横浜BUNTAIが会場

 プロバスケットボールB1リーグの横浜ビー・コルセアーズ(横浜BC)は、横浜BUNTAI=中区不老町=で行うホーム戦でタウンニュース読者向けの優待を実施する。

 対象試合は、5月3日のファイティングイーグルス名古屋戦(午後2時5分開始)。席種は3階サイド(指定席)。通常より2000円安い大人3500円、小学生以下1500円で観戦できる。抽選で20組40人。

 申し込みは専用フォームから。締め切りは4月21日。締め切り後、当選者へチケット購入専用URLが送付される。

寺尾の3合唱団が公演 28日にかなっくホールで

 寺尾の3つの合唱団が4月28日、神奈川区民文化センターかなっくホールで「ほっとハーモニーコンサート」を開く=写真は合唱団の練習風景。

 出演団体は、寺尾地区センターで日頃練習するコールムジカ、コールはまなす、コールシリウスの3団体。曲目は「荒城の月」「いい日旅立ち」「春よ、来い」など来場者も一緒に口ずさめる曲を披露。公演の最後には、5周年記念で作ったオリジナル曲「歌声を希望にのせて」を3合唱団合同で歌う。

 午後1時30分開場、2時開演。入場無料で、当日受付。「誰でも一緒に歌って楽しめますのでぜひ気軽にご来場ください」と関係者。問合せは松下さん【携帯電話】080・5692・9624。

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自殺防ぐ知識をWEBで 市がポータルサイト開設

 横浜市がこのほど、自殺対策ゲートキーパーポータルサイト「つむぎ」を開設した。

 ゲートキーパーは、自殺の危険を示すサインに気づき、悩みを聞くなど適切な対応で自殺を防ぐ役割を果たす人のことで、全国で育成が進められている。特別な資格は必要なく、個々の立場でできることから進んで行動してもらうことを目指している。横浜市では、2019年から23年までの累計で2万1569人が養成講座を受講した。

 今回のサイトでは、ゲートキーパーとしての知識を学び、悩んでいる人を支援するためのスキルを身につける養成研修をWEBで受けることができる。4つのレッスンで15分ほどで受講でき、修了証も発行される。より詳細な知識を学びたい人向けに関連サイトも紹介している。

 その他にも、本人や周囲が相談できる窓口を検索できたり、ゲートキーパーに関する情報なども掲載。市は今後さらに掲載情報や機能拡充を図っていきたいとしている。

(問)市健康福祉局【電話】045・671・4455

横浜市が中小企業を支援する助成金の募集開始

 横浜市は市内中小企業の競争力強化と成長・発展を支援するため、新たな技術開発や製品開発、販路開拓に取り組む企業を対象とした2つの支援制度の募集を始めた。

 「中小企業新技術・新製品開発促進助成金」は、新技術や新製品の研究開発にかかる経費を助成。応用研究や試作品の商品化開発などが対象で、助成限度額は1千万円、助成率は対象経費の2分の1となっている。

 「販路開拓支援事業」は、優れた商品を持つ事業者を認定し、販路開拓を多角的に支援するもの。市の行政現場での試用や、展示会出展費などへの助成(上限15万円、助成率3分の2)、工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ」への無料出展などが提供される。

 いずれの制度の申請も市担当者と事前相談が必要。相談は「中小企業―」が5月30日、「販路開拓―」は5月23日まで。問い合わせは市経済局ものづくり支援課【電話】045・671・2567。

「土木事業者・吉田寅松」59 鶴見の歴史よもやま話 鶴見出身・東洋のレセップス!? 文 鶴見歴史の会 齋藤美枝 ※文中敬称略

寅松の息子たち

 吉田寅松には三人の息子がいた。長男の真太郎と二男の銈次郎は、明治二十三年に慶應義塾大学に進学したが、二人とも二年で退学。明治十五年生まれの三男の勝三は、二十四年に寅松の実家である北寺尾の鶴田家を継いで鶴田勝三となった。

 寅松の長男真太郎と二男銈次郎は、慶應義塾を二年で退学したが、自転車に乗っている外国人教授に憧れ、自転車乗りになっていた。

 自転車乗りの仲間には、森村財閥の森村開作、鐘ヶ淵紡績の日比谷新次郎、三井財閥の中上次郎吉・三郎治兄弟、天狗煙草の岩谷鷹蔵、古川財閥の古川虎之介など、一代で財を築いた財閥の御曹司たちがいた。

 三男で寅松の生家を継いだ鶴田勝三は、兄たちの影響をうけて、十三歳の時から横浜居留地のトラックで外国人たちと一緒に走り、外国人に負けない実力派の自転車乗りになっていた。

自転車は文明開化の花形

 日本に自転車が渡来したのは慶応年間(一八六五〜六八)のミショー型自転車といわれている。慶応二年一月の田中久重の(『長崎日記』に自転車(三輪車)と一人乗り蒸気三輪車のスケッチがあり、明治元年には「田中久重(からくり儀右衛門)、自転車を作る」とある。

 一八六九年(明治二年)一月一日の『ジャパン・パンチ』の挿絵「Ópening Of Yedo(江戸の開市)」には、ラントン型自転車を手足で漕いで颯爽と走る外国人の姿に江戸市民が驚いている様子が描かれている。

 小さな前輪が一つ、大きな後輪が二つを手と足を使い体全体の力で動かして走るラントン型自転車は、平坦な道なら時速十五キロぐらいのスピードが出た。同年三月六日の世界最古の一般向け科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』に「横浜居留地に住む外国人の一人は、最近自転車で横浜〜江戸間を何の支障もなく往復した」と紹介された。

 明治三年頃から歌川芳虎の「東京日本橋風景」「東京往来車盡」「東京日本橋繁栄之図」や五雲亭貞秀「横浜鉄橋之図」、三代目広重の「江戸日本橋繁栄之図」などの錦絵にもラントン型自転車が描かれている。

 明治五年九月刊行の『維新 御布告往来』(沖志楼主人著)には、「志を立て、恥を知る心を残し、自分自身の心を奮い起こし豊かな暮らしを営むために、人力車や自転車の牽夫、馬車の御夫、蒸気車、火輪船(蒸気船)の火丁や水夫、電線・電信機・電信局、郵便急脚、鉄道造営・造築、建築営繕、土木の土工などの職業について不惜身命、努力し節約倹約して貯蓄をする」ことをすすめている。

 自転車は、横浜開港後に上陸した馬車や新橋・横浜間に開通したばかりの蒸気機関車と並ぶ文明開化の花形の乗物だった。明治八年ごろには貸自転車業者も現れた。

 明治九年三月の「花の都新聞」には、「下谷広小路の山本と云える水茶屋にて三輪の自転車を貸しますが、広小路を一返乗廻す賃は一銭五厘だと申します」とある。

 明治十年、横浜元町の石川孫右衛門が貸自転車業をはじめた。明治十年三月ごろから、東京下谷の大工野口茂吉など自転車の試作をする日本人が現れた。野口は自転車に工夫を加え、明治十一年一月に丸の内に開場したばかりの勧工場(東京府営の良質な商品を扱う共同店舗)に出品している。

 三月十八日の静岡新聞には「沼津宿で自転車が流行し出して往来が危険な位」、六月一日の朝野新聞に「発句と自転車は大流行」とある。大型自転車や新案自転車などいろいろな改良型などで、自転車が大流行。明治十二年には各地に貸自転車業者も現れた。