さがみはら中央区版【4月24日(木)号】
石井副市長に目録を手渡す唐橋会長(左)

(株)サーティーフォー唐橋和男会長 大船渡に100万円寄付 「この輪が広がれば」

 相模原市内に本社を構える(株)サーティーフォーの唐橋和男会長が4月17日、大規模な山林火災で被害を受けた岩手県大船渡市の市民に役立ててもらおうと、個人として100万円を寄付した。相模原市の石井賢之副市長に目録を手渡し「多くの相模原市民に実情を知っていただき、こうした輪が広がっていけば」などと話した。

 大船渡市が17日に発表した情報によると、2月26日に発生した山林火災は、41日目の4月7日に鎮火。住民1人が死亡し、住宅87棟など計222棟の建物が被害を受けた。これまで約2900ヘクタールとしていた焼失面積を約3370ヘクタールに上方修正。消防庁によると、1964年以降で最大規模の山林火災となった。

友人からの生の現地情報

 岩手県内に暮らす友人2人から「東日本大震災の時よりもひどい。においがひどく、今年は山菜は食べられない」などと被災状況を知らされた唐橋さんは「報道では伝わってきていない状況がある。何かしなくては」と思案。「大船渡市民の生活再建に役立ててもらおう」と、個人として寄付することを決めた。

 市役所を訪れた唐橋さんは石井副市長に目録を手渡し、「思っているよりも状況は悪い。相模原は昔から情に厚い人が多い。こうした支援の輪が広がれば」と話した。「思い」を託された石井副市長は「東日本大震災の時も大船渡はいち早く立ち直った。会長からのお気持ちをしっかりと伝える」と応じた。

銀河連邦の繋がり

 相模原市と大船渡市を含め、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究施設がある全国7市町は「銀河連邦」という組織を立ち上げている。交流事業を通じ友好関係を結んでおり、災害時には相互の応援活動を行ってきた。2019年の東日本台風の水害の際には相模原市が支援を受けた。

 今回の山林火災で相模原市消防局は3月3日、被災地へ緊急消防援助隊を派遣した。市第一次派遣部隊の8隊27人が3月4日から活動にあたり、6日には二次隊が派遣された。4月5日には連邦に加盟する4市2町の首長らが相模原市内に集い、大船渡市にそれぞれ100万円、計600万円を寄付した。

義援金約6億円一部配分決まる

 大船渡市は4月16日までに集まった「山林火災被災者への義援金」およそ6億円のうち、約2億8千万円の配分を決めた。30日に支給される。死亡見舞金が250万円、全壊した単身世帯に400万円(2人以上の世帯は1人につき30万円増)、半壊世帯に80万円など。東日本大震災で被災し今回も被災した世帯には、被災程度により50万円〜100万円が加算される。

「警戒区域」のイメージ

市発注の下水道工事 局地的大雨への対策強化 事故を受けルール改定

 相模原市内の下水道工事中に豪雨で作業員が流された昨年の事故を受け、市は4月1日、公共工事を受注した業者が守るべきルールなどを定めた「土木工事共通特記仕様書」を改定した。局地的な大雨による災害が激甚化する中、人命を守るためのさまざまな工夫が盛り込まれた。

 事故は昨年9月、市が発注した公共下水道管きょの耐震化工事中に発生したもので、大雨に伴う管きょ内の急激な水位上昇により2人の作業員が流され死亡した。

 市はこの事故を受け、学識経験者らで構成される安全対策検討委員会を昨年10月に設置。事故経緯と対策案をまとめた報告書を12月末に公表していた。

 今回改定された「共通特記仕様書」は工事中の具体的なケースにおけるルールなどをまとめたもの。これまでの議論を踏まえ、局地的大雨への安全対策に関する記述などが拡充された。

 これまで業者に設定を委ねていた局地的大雨時の作業中止基準を定めたほか、迅速な避難を行うために業者が気象状況を監視するべき範囲「警戒区域」を新たに設定した。作業箇所から原則半径10Kmの範囲内の降雨状況などに警戒することを求めている。

 気象情報をリアルタイムで自動配信する民間気象会社によるサービスの活用や、上流部などに雨量計を設置して降雨情報を収集する体制の整備なども盛り込んだ。

 市内の建設業関係者は「これは自分たちの命を守ること。何よりも人命が大事なので対策を進めていく」と話している。

地元Jリーグクラブ・SC相模原でキャプテンを務める 島川 俊郎さん 34歳

責任と覚悟、力に変え

 ○…J3優勝、J2昇格を目指すクラブで、年齢も国籍もさまざまな選手たちをまとめるキーマン。キャンプ中に監督から指名された。これまで10クラブでプレーしたが、主将を務めるのは10年ぶり。「戦い続ける姿勢を見せたい」。プロとして、主将として、その責任と覚悟を担う。

 ○…小学2年生でサッカーを始めた。真面目に話を聞く姿勢が指導者の目に止まり、やがて市や県の選抜に選ばれるように。中高生時代を過ごした柏の下部組織で、今も「親のような存在」と慕う恩師、吉田達磨さんに出会った。「誰よりもサッカーに生きている人」。精神が追い込まれるほどの厳しい指導に向き合い続けた経験は、「辛くて逃げ出したいことばかりだった」選手生活で一つの支えだった。

 ○…24年4月、「現役を引退」した。当時所属していた徳島で、吉田監督が成績不振から解任された直後だ。「解任の仕方に納得できなかった。してはいけない順序だった」。力になれなかった自分の力不足も悔いた。「後悔はしていない。戻ろうとも思っていなかった」。ところが、引退後の夢だった愛車での日本一周をスタートした矢先、台湾のクラブから声がかかった。「サッカーやりたい」。純粋な気持ちが湧き上がり、復帰を決めた。第2のサッカー人生が始まった。

 ○…引退後の4カ月間に試合をたくさん見た。「観客の一体感、これを楽しみに生きている人が大勢いる。すごいところにいたんだな」。悩みも苦しみも、選手だからこそだった。チーム成績は好調とは言い難いが、課題はわかっている。「本気で優勝できるチームだと思っている。目指す姿勢は間違っていない」。昇格へ導くため、重圧を力に変え自分とサッカーに向き合い続ける。

ウエルカフェの一例

ウエルシア薬局がクーリングシェルター設置 相模原市内で2回目、地域に根差した熱中症対策

 ドラッグストアチェーンのウエルシア薬局は、地域住民の熱中症対策として自治体指定の「クーリングシェルター」を設置している。

 自治体指定のクーリングシェルターとは、環境省が運用する熱中症特別警戒情報期間(2025年は4月23日から10月22日(水)まで)に熱中症特別警戒アラートが発令された際、暑さから避難できるよう市民に開放される場所のこと。

営業時間内ならいつでも利用可能

 同社では営業時間内であれば特別警戒アラートの発令に関わらず、常時利用できる。ドラッグストア内スペースの開放、熱中症予防啓発のポスター掲示のほか熱中症対策アンバサダーの資格を持つ社員が、熱中症予防に関する相談や啓発活動を行う。

 同社が会社としてクーリングシェルター事業に参加するのは今年で3年目、相模原市内では2回目。市内の12店舗で実施中だ。

 同社の担当者は「地域社会の未病改善・予防といった健康増進に貢献することを目指しており、酷暑における熱中症対策にも取り組み、熱中症被害の減少に努める」としている。

会場の千代田7丁目センター

5月5日 千代田で手作りのフェス 「食べて・あそんで・くつろいで」

 ゴールデンウィークは地元で『食べて・あそんで・くつろいで』――。子どもから大人まで楽しめる地域の催し「7(なな)フェス」が5月5日(月・祝)、社会福祉法人悠朋会・千代田7丁目センター(千代田7の12の13)で開催される。入場無料。午前11時から午後3時まで。

 昨年7月に開業した同センターは、福祉事業所でありながら無料の休憩処「喫茶去7」を併設し、地域に開かれた場所となっている。定期的にコンサートや絵画展などを行ってきた中で、「もっと千代田のまちを盛り上げたい」という思いから今回のイベントが初企画された。

カレー限定100食

 当日の目玉は限定100食のカレーライス(有料)。野菜販売や紙芝居、子ども服・ペット用品のお譲り会などのほか、屋上を開放し子ども向けのミニイベントも実施する。キッチンカーも出店予定。主催者は「のんびりくつろぎながら過ごしていただけます。ぜひご家族やお友達と気軽に遊びに来ていただけたら」と呼びかけている。

 雨天時は規模を縮小して開催。問い合わせはヘルパーステーション千代田【電話】042・704・0261へ。

帯状疱疹ワクチン 定期接種始まる 相模原市 4万2千人対象

 高齢になるほど発症しやすい「帯状疱疹」を予防するワクチンが、今年度から定期接種の対象になった。対象は今年度中に65・70・75・80・85・90・95・100歳になる人など。相模原市でもおよそ4万2千人を対象に接種が始まった。

 帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスが元で発症し、痛みを伴う水ぶくれが生じる皮膚の病気。厚労省によると50歳代以降で罹患率が高くなり、70歳代がピークとなる。症状が治まった後も神経痛が残ることがあり、生活の質の低下も懸念されることなどから定期接種の対象になった。

一部を公費負担

 対象年齢の人には、5月から6月頃までに市から通知が送付される。接種日時点で60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に高度の障害がある人も対象に含まれる。

 対象者の接種は本人が希望する場合のみだが、費用の一部を公費負担で接種することができる。

 接種券はなく、市ホームページから確認できる協力医療機関(4月10日時点で237施設)に直接予約することで受けられる。

 ワクチンには生ワクチンと組み換えワクチンの2種があり、選ぶことができる。市の担当者は「効果や副反応、費用がワクチンによって異なるため、医師としっかり相談して判断してください」と呼び掛けている。

五月人形、博物館に

 市立博物館(高根3の1の15)で5月18日(日)まで、五月人形のミニ展示を開催中。5日(月・祝)、6日(火・休)にはぶんぶんごま作りなどの関連イベント有。【電話】042・750・8030

アゴラ春号 特集は「原子力」 原発推進構造の解説など

 市民の手で編集されている相模原の総合雑誌「季刊アゴラ」の春号がこのほど発売された。

 今号の特集は「原子力の平和利用」。『なぜ日本は原発を止められないのか?』の著者でジャーナリストの青木美希さんの講演録を掲載し、「原発を推進する官・政・業・学・メディアの五角形」などについて解説している。

 このほかには、福島第一原発事故により避難生活を余儀なくされ、人権侵害も経験した鴨下全生さんが2023年の福島原発被害東京訴訟控訴審で行った意見陳述なども収録されている。

考えるきっかけに

 編集委員の山田広美さんはこの特集を組んだ理由について、今年2月に第7次エネルギー基本計画が閣議決定されたことで国の原発回帰路線が決定的になったことを挙げる。「3・11は終わっていない。この計画でよいのか、市民の皆さんに考えていただくきっかけにしてほしい」と話す。

 特集のほかには、相模原のPFASやごみ、リニア中央新幹線、文化芸術に関する記事が収録されている。

 定価500円(税込)。中村書店などで取り扱い。

 問い合わせは山田さん【携帯電話】090・7908・6978へ。

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地元の人にも人気の大浴場

疲労回復・健康増進に 藤野やまなみ温泉

 ゴールデンウィークのリフレッシュは藤野やまなみ温泉(牧野4225の1)へ。加水せず源泉を100%使用した泉質で疲労回復、健康増進などの効能があるという。

 大浴場、ドライサウナ、フィンランド式ロウリュサウナ、露天風呂が楽しめる。入浴後には休憩所(大広間)でゆっくりくつろげる。

 ゴールデンウィークも毎週水曜は休館。入館料は大人750円、小学生・障がい者380円。平日の午後5時からは夜間割引で大人500円、小学生・障がい者280円。営業は午前10時〜午後9時(最終受付8時20分)。問い合わせは【電話】042・686・8073。

SSA会長の内田さん

相模原スケボー協会 市スポーツ協会に加盟 五輪選手輩出が追い風に

 相模原スケートボード協会(SSA)が4月1日、市スポーツ協会(勝又修会長)に加盟した。スケートボードの任意団体が市のスポーツ協会に加盟している例は全国的にも少なく、政令指定都市では初となる。

 SSAが加盟したことにより、市スポーツ協会の加盟団体は36種目団体に増えた。勝又会長は「新しい仲間が増えたことは大変喜ばしい。36団体で当協会の理念である『する・みる・ささえる』のさらなる発展と元気な街づくりを目指していく」と話す。

 SSAは市スポーツ協会に加盟したことにより、他のスポーツ団体との情報共有を行えるようになったほか、市民スポーツの推進を同協会とともに行うことで競技の認知向上を目指すことが可能になった。

 SSAの内田耕平会長は「2人のオリンピック選手の輩出が加盟の追い風になった。若いスケーターの環境を整え、サポートしていきたい。スケボーのイメージアップや競技の間口を広げられたら」と思いを語る。

 SSAは2007年に設立された。現在の会員数は子どもと大人合わせておよそ80人。23年に開設された麻溝公園のスケートボード場の設計にも携わった。

五月人形について解説する館長の田所さん

貴重兜並ぶ「五月人形展」 5月5日まで 相模田名民家資料館で

 端午の節句に向け、相模田名民家資料館(田名4856の2)で現在、「五月人形展」が開催されている。貴重な明治〜昭和期の五月人形や兜がずらりと並ぶ、同館の恒例行事。5月5日(月・祝)まで。観覧は無料。

 地域住民の「処分できないから引き取ってほしい」という声をきっかけに、1995年に始まった催し。展示されている五月人形や兜飾りはほとんどが近隣住民の寄付で集まったもので、中には1メートル65センチの兜もある。館長の田所昌訓(まさのり)さん(86)によると、田名は土地が広く鯉のぼりを飾る家が多かったため、五月人形を持っていないという家も少なくなかったことから、現存する五月人形は貴重であるという。現在では、地域の歴史を伝える催しとして、毎年2月〜3月に開く「ひなまつり今昔展」と併せて話題を集める行事となっている。

 同館では、横浜開港当時より相模原地方で盛んだった養蚕に関する資料も多数展示されている。

 開館時間は午前10時から午後4時まで。展示期間中は休館日なし。(問)田名財産管理委員会【電話】042・761・7118

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泳げ、みんなの鯉のぼり 5月6日まで 有志が展示イベント

 「みんなをつなげる鯉のぼり、田名に残したい」――。田名幼稚園の保護者らによる有志団体「おやじの会」がGW期間中、子どもたちが作った鯉のぼりを水路に展示するプロジェクト「よみがえれこいのぼり相模川」を実施する。4月26日(土)から5月6日(火・振休)まで。会場は田名八幡宮近くの「烏山用水(新堀用水路)」(水郷田名1の1076付近)。

 「前のような規模ではできなくても、子どもたちのために鯉のぼりを」。このプロジェクトは、GW中の相模原の風物詩として長年親しまれてきた「泳げ鯉のぼり相模川」が19年を最後に終了したことを受けて昨年始まった。当時の「おやじの会」会長・篠崎孝之さんらが中心となり、同園や近隣住民の協力を得て実現した。昨年は初めての開催にもかかわらず、遠方から訪れる人もいたという。

「つながる」場に

 今年は賛同する田名幼稚園の園児たちが作った鯉のぼりに加え、友愛保育園(水郷田名)の園児の作品も展示される。同会の竹田望稔さんは「今年はより『つながり』を大事にしたい。見に来てくれる人にほっこりしてもらえたり、そこで交流が生まれたりしたらいいな」と話す。

 鯉のぼり作りに参加した園児の保護者から「なくなってさみしいと思っていた。少しずつでも復活して、田名の文化を後世に伝えたい」という声が聞かれるなど、「風物詩」の復活を願う声は多い。篠崎さんの妻・ケイ子さんは「田名のまちぐるみでできるよう、地道に続けていきたい」と展望を話している。(問)竹田さん【携帯電話】080・4868・0908

日本伝統の和装を体験

5月4日〜6日 きものフェス 横浜市内で

 GW恒例の「きものフェス」が5月4日(日)〜6日(火)に横浜市内のシルクセンター(山下公園前)で行われる。10時〜17時半(6日は〜16時)。入場無料。

 プロが目利きした「リユースきもの」が市場価格の80〜95%引きで販売されるほか、「きもの何でも相談会」を開催。

 5・6日の「きもの撮影会」では七五三や十三参、振袖、小紋、紬、袴、男性用きものなどを用意。レンタル・着付け込で一律7千円の格安で体験できる。家族の記念や卒業式の前撮りにも人気だ。30日までに要予約【電話】03・5875・8812(平日10〜17時)。

撮影会に招待

 家族1組を5月6日13時30分〜の撮影会に招待。4月27日まで件名に「きもの撮影会応募」、氏名、住所、年齢、連絡先を記しnaka-nishi@townnews.co.jpへ。

2人合わせて100歳の坪井結さん(手前)と坪井タカさん(写真上)、同社敷地内の池でも鯉が泳いでいる(同下)

巨大鯉のぼり 初節句と白寿祝う

 田名にある有限会社坪井企業の敷地内で、今年も大きな鯉のぼりが揚がっている。長さは13m。掲揚を行った同社の坪井俊一さんによると、市販されている赤い鯉のぼりの中では日本最長だという。

 同社では昨年も巨大鯉のぼりを飾り、地域住民から注目を集めていた。俊一さんは今年、姪・結さん(1)の初節句と祖母・タカさん(99)の白寿を祝うため、「鯉のぼりのまち」埼玉県加須市に自ら赴いた。「喜んでほしい」という一心で同社敷地内にスコップで穴を掘り、購入した1匹の巨大鯉のぼりを掲揚した。

 結さんの父・卓郎さんによると、結さんは大きくて色の濃い鯉のぼりを見て、すぐに指をさしていたという。

 鯉のぼりは雨や強風の日を除いて、5月上旬頃まで揚げられる予定。

広い座敷で遊ぶ子どもたちとゆっくり食事を楽しむ保護者たち(写真上)と桑茶パスタ(同下)

水郷田名 子連れでゆっくりランチ 老舗旅館に親子カフェ

 相模原は座敷の食事処が少ない、子育て世代にゆっくり食事を楽しんでほしい--。市内在住の保育士5人が今年2月、水郷田名の老舗割烹旅館「旭屋」で子どもとゆっくり過ごせるカフェをオープンした。子どもたちは広い座敷で保育士と遊び、保護者たちは安心して食事を楽しむことができる。営業時間は平日の午前11時から午後3時まで。

親子に優しい場所を

 カフェの名前は「あそびこ」。「ちょっと遊びに行こ」と気軽に立ち寄ってほしいとの思いが込められている。

 運営メンバーの5人は全員子育て中で、「市内でくつろげる場所が少ない」と悩む当事者でもある。中心メンバーの加藤貴子さんは「日々やることがいっぱいあるので外食したいけど、子どもがゴロンと寝っ転がれる場所があまりない。子どもと親に優しい場所をつくりたかった」と話す。

 メニュー開発はメンバー自ら行い、相模原産の食材と親目線での工夫にこだわった。メインメニューは「子どもの世話をしながらだと伸びちゃうので普段食べにくい」パスタ。麺には相模原産の桑の葉が練り込まれており、鉄分などの妊婦が気にかける成分が含まれている。

 取材で訪れた4月16日のお昼頃は3組が同店を利用していた。SNSで同店の存在を知り、横浜から来たという1歳児の母は「子どもを遊ばせながらゆっくり食べられるのがいいと思って来た」と話す。

 市内在住で80代の4人組も訪れていた。「近所に子どもがいないし、今の時代やたらに声をかけられないので子どもを見ることができていい」と笑顔で話していた。

「資格生かしたい」

 運営している5人は同じ保育園で働いていた同僚で、勤め先の閉園を機に「保育士の資格を生かしたい」とカフェオープンに至った。平日昼間の営業をしていなかった「旭屋」を間借りし、同館の支援を受けながら営業している。

 同館女将の江成深雪さんは「昼間の時間に息を吹き込んでくれたのが嬉しい。江戸末期から続く旅館の歴史の重みがあるだけでなく、今の時代に馴染んでいけることを感じた」と話す。
バンダナを巻いた隊員犬=田名地区社協提供

たなワン隊員315匹に 犬の散歩がパトロール

 犬の散歩をしながら飼い主が地域の見回りを行う、田名地区の防犯活動「たなワン安心パトロール」の登録隊員犬数がこのほど、315匹に到達した。隊員犬の証として配布される犬の首元に巻くバンダナや散歩用のトートバッグが目印となり、飼い主同士の会話から隊員犬の登録数が増えているという。

 この活動は、犬の散歩を通じて小学生の登下校時の防犯や交通安全のパトロール、高齢者への声掛けを行うというもの。青色防犯パトロールのドライバーの高齢化が進む中、市民が参加できる防犯活動として2018年に始まった。主導するのは、田名地区地域社会福祉協議会と田名自治会連合会。

 活動の指揮を執る田名地区社協内の独自組織、福祉ねっとわーく推進部会長の山本倫也さんは「散歩中、犬を中心としたコミュニケーションが自然と生まれ、高齢者への声掛けにもつながっている」と効果を実感している。隊員犬の登録をしている柴崎芳江さんは「散歩をすることで知らないうちに地域と協力できるので背負わず気軽に取り組める」と話す。

 今後は活動の認知を向上させるため、公式LINEを活用した会報誌の配信を検討している。

ふれあい科学館 淡水エイ、上から観察 「水上散歩水槽」も特別仕様

 相模川ふれあい科学館アクアリウムさがみはら(水郷田名)にある「水上散歩水槽」で現在、アマゾン川などの淡水に生息する「タンスイエイ」が展示されている=写真。現在開催中の特別企画展「世界一周!淡水魚展〜世界の川をめぐる旅〜」に合わせた企画。6月8日(日)まで。

 ガラス張りの「水上散歩水槽」は、表面張力を利用することでぎりぎりまで水を満たしているため、普段は見ることができない角度からすぐ近くで生き物たちを観察することができる。展示を担当する同館職員の西田征晃さんは「エイのお腹や顔、からだの作りや毒針などを観察してみてほしい」と話している。

地域とつながる職業体験 5月10日、上溝で

 地域とのつながりを深めながら様々な職業を体験できる子ども向けのイベント「まちの大人とつながる―おしごと体験会」が5月10日(土)、上溝で開催される。参加無料。対象は相模原市内の小学生(要事前申し込み)。会場は上溝小学校と上溝公民館。午前11時から午後3時まで。相模原青年会議所(JC)の主催。

 同JC「心の繋がり構築委員会」による企画で、子どもの居場所づくりに向けた事業の一環として行われる。体験できる職業は、Vtuberやプログラマー、看護師、カメラマンなど21種類。上溝商店街振興組合の協力で、商店街の店舗もブースを出店する。子どもたちは地域の大人とふれあいながら、会場内に並ぶ各職業のブースを自由に回って体験することができる。

 担当する河合優輝委員長は「大人との交流を通じて、地域に信頼できる大人がたくさんいるということを子どもたちに感じてもらうと同時に、将来への可能性を広げるきっかけになれば」と話している。

笑い話を交え講演した尾花氏

ロータリークラブ 具体的な目標が結果に 記念講演で尾花氏が熱弁

 相模原市内の6つのロータリークラブ(相模原、相模原グリーン、津久井中央、相模原橋本、相模原ニューシティ、相模原おださが)からなる国際ロータリー第2780地区第5グループによるインターシティ・ミーティング(IM)が4月12日、杜のホールはしもとで開催され、約120人が交流を深めた。

 今年のテーマは「新時代のリーダーシップ」。記念講演には、横浜ベイスターズの元監督で現役時代はヤクルトで投手として活躍した尾花高夫氏が登壇した。尾花氏はリーダーを「未来を示し、進むべき方向を明示する人」とし、リーダーシップを「リーダーが持っている力・持っている技術を発揮し、人を動かすこと」と定義。自身の経験を基に目標設定の大切さについて熱弁した。千葉ロッテのピッチングコーチ時代はシーズン開幕から1カ月で最下位だったチームを2位まで引き上げた。その要因を「優勝争いから逆算して3勝2敗のペースでローテーションを組み直したらどんどん結果が出始めた。どうしたら優勝争いができるか具体的な未来を示したことが結果につながった。目的、目標、計画、実践こそが成功へのステップになる」と話した。尾花氏の興味深い内容に、うなずきながらメモを取る人が多く見られた。

 IMを終え、第5グループガバナー補佐の森田正紀さんは「素晴らしい講演をいただいた。今後どのように進んで行くべきなのかリーダーシップを改めて考え直すきっかけになったのでは」と振り返った。

感謝状を手にする田中社長(右)と本村市長

社会福祉のために (株)永田屋が市に寄付

 相模原市を中心に11拠点を構える葬祭業の株式会社永田屋(田中大輔代表取締役/緑区)は4月11日、社会福祉に役立ててほしいと相模原市と社会福祉協議会に寄付を行った。

 同社は1993年から市と社協に対して継続的に寄付を行っている。今回は市の暮らし潤いさがみはら寄附金に30万円、市社協などに40万円を寄付した。さらに、岩手県大船渡市で発生した大規模火災に対しても10万円の支援金を拠出した。

 市役所を訪れた田中社長が本村賢太郎市長に目録を手渡すと、本村市長は「本当にありがたい」と感謝状を贈呈した。田中社長は「この寄付は地域への恩返しの思いで続けているもの。地域でより良い循環をつくっていくために、引き続き貢献していきたい」と意欲を示した。

協力を確認

 同社は今年3月、市と包括連携協定を締結した。贈呈式でその話題に及ぶと本村市長は、「企業を良くするためには自治体も良くならないといけないという考えや永田屋の相模原市に対する愛情を感じており、相模原市を代表する企業だと思っている」と思いを述べた。一方の田中社長は市と包括連携協定を結ぶ企業に日本を代表する企業が名を連ねていることに触れ、「その中に入れてとても光栄なこと」と話すと、「我々が持っているものをシェアし、社会課題の解決に取り組んでいけたら」と応えた。

出品作品『I was a weapon.』(サウンドアート/音声3分30秒/ワインボトル、アクリル板、PETG、電子部品、ロッシェル塩、アルミホイル、銅etc)=本人提供

相模原市出身倉持さん サウンドアート作品が入選 やまなしメディア芸術アワード

 次世代を担うアーティストの育成と芸術文化のプラットホーム形成を目指し開催されている「やまなしメディア芸術アワード2024―25」(山梨県主催)の受賞作品がこのほど発表され、相模原市出身のアーティスト・倉持清香さん(34歳・ドイツ在住)の作品『I was a weapon.』が入選に選ばれた。

信念や美学を追求

 出品作品は「ロッシェル塩」を使ったスピーカーと、その歴史を綴った詩からなるサウンドアート。ロッシェル塩はワインに含まれる酒石酸から化合できる結晶で、力を電気に変換する特性を持つ。日本では太平洋戦争で潜水艦のソナー(水中の物体や魚群を探知したり深さを測る装置)などに使われた。倉持さんは「忘れ去られた技術を再構築し、AIブームの今、再提示すること」に意味を見い出し、「近代技術の目まぐるしい進歩とその背後の消費、喪失への言及を試みた」という。審査員からは「ロッシェル塩の結晶を自ら生成、ワインボトルを用いたスピーカーにして一人称の物語を語らせるという完成度に感銘を受けた」などの講評を得た。

 初参加で入選に輝いた倉持さんは「ロッシェル塩は科学の分野では既に研究されなくなっている素材。美術だからこそできることがあると思い、制作に取り組んだ。私の信念や美学が認められたようで本当にうれしい」と喜びをあらわにした。

ドイツで制作活動

 倉持さんは中央区出身。弥栄高校美術コースで学んだ後、女子美術大学へ進学。3年時から多摩美術大学に編入し、卒業後は相模原市民ギャラリーおよびアートラボはしもとに5年間勤務した。2018年にドイツに渡り、現在はケルン・メディア芸術大学に通いながら制作活動を続けている。卒業後は現地アーティストのアトリエで研修を受けながら新たな作品を展開していく予定。

 今後も、積極的に公募展に挑戦していきたいという倉持さん。「そのためにも、勤勉かつ貪欲に制作に取り組みたい。そして、日本とドイツだけでなく幅広く世界で活動していけるアーティストになれたら」と抱負を語った。

川柳募集

 タウンニュース相模原支社では毎月月末号に掲載される「タケシの万能川柳」の川柳を募集しています。投句いただいた作品は毎日新聞「仲畑流万能川柳」などでおなじみの水野タケシさんが選句します。応募方法は左記枠内に。

相模原DB 選手名鑑【1】 パワーと機敏さ併せ持つ プロップ 細田隼都(はやと)

 スクラム最前列で敵と味方の力を前後から受けながら組み合うポジション「プロップ」の細田隼都選手(29)は、スクラムの柱として頑丈でありながら機敏さを兼ね備えている。タックルとディフェンスに自信がある。プロップの魅力を問うと、「いくら食べても怒られない」と軽快に答える。

 小学5年生のときに学校の部活動でラグビーを始めた。それまで習っていた柔道や水泳とは異なり、1人ではなく仲間と一緒に達成感や疲労感を経験できる点を新鮮に感じた。

 残り3節に向けて「プレーオフをめざす権利はある。3戦3勝。確実に一つずつ勝ちにいく」と意気込む。

相模原DB 選手名鑑【2】 相模原が生んだ期待の星 フルバック 小泉怜史(さとし)

 相模原市出身の小泉怜史選手(24)は4歳で相模原ラグビースクールに入り、ラグビーを始めた。「ずっと将来はダイナボアーズ一択と思っていた。相模原に成長した姿を見せたい」

 ポジションはチームの最後尾に位置する「フルバック」で、ディフェンスの最後の砦を司る。キックでの陣地回復や、全体を見てチームを正しい方向に向かせることも役割とする。一番の強みは左足のキックで、チームのキックバリエーションに貢献している。

 ホーム最終戦の5月3日に向けて「前回大敗した相手。やられたらやり返すという気持ちで勝ちに行く」と力強く語った。

12月29日に東芝ブレイブルーパス東京と対戦したときの様子(C)JRLO

ラグビー相模原DB 残り3節、プレーオフ進出へ 5月3日ホーム最終戦

 NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25も残すところ3節となった。最上位リーグに所属している三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は現在12チーム中9位。上位6チームによるプレーオフトーナメントへの進出の可能性を残しており、3戦3勝へと意気込んでいる。

 相模原DBは2022年に現在のリーグに昇格して以降、毎年着実に力を付けてきた。今シーズンはプレーオフトーナメントへの進出を目標に掲げてスタートした。

 1月に行われた今シーズン第4節ではチーム史上初めて強豪・コベルコ神戸スティーラーズに公式戦で勝利。成長ぶりを見せつけた。

 プレーオフトーナメントには既に4チームの出場が確定しており、残りは2枠。現在9位の相模原DBは一戦一戦確実に勝ちを積み上げることが求められている。

 5月3日(祝)には相模原ギオンスタジアムでの最後のホーム試合を控えている。対戦相手は東芝ブレイブルーパス東京。前回対戦時に大敗を喫した難敵だが、地元ファンからの「全緑応援」を原動力に借りを返せるか、注目の一戦となる。

5月3日は小中高生無料 地元高校生によるパフォーマンスも

 5月3日(祝)に相模原ギオンスタジアムで行われるホーム最終戦で、相模原DBは相模原市民招待・優待企画を実施する。試合は日本代表でも活躍しているリーチ マイケル選手率いる東芝ブレイブルーパス東京戦で、午後2時30分キックオフ。

 相模原市に在住・在勤・在学の人は自由席が小中高生は無料(通常800円)、一般は1500円(通常2000円)になる。また、小学生以下の先着1000人は各入場ゲートで「オリジナルキッズジャージ」をもらうことができる。

 当日は「相模原MIRAIマッチデー」と称し、相模原の未来を描くさまざまな企画を行う。キッチンカーやテーマパーク「ウリボアランド」などの定番イベントのほか、お笑い芸人の来場や地元相模原の高校生などによるパフォーマンス、「キッズフリマ」などを楽しむことができる。

社会福祉チャリティー 「新日」が八王子で大会 5月18日、読者20人を招待

 「新日本プロレス 八王子市スポーツ振興社会福祉チャリティー」が5月18日(日)午後5時から、エスフォルタアリーナ八王子で開催される。主催は(株)創。高橋ヒロム選手など新日本プロレス所属の人気選手が出場予定。

 本紙では読者20人に招待券をプレゼント。チケットは1人1枚。希望者はハガキに八王子大会観覧希望・住所・名前・年齢・職業を明記し、〒250-0034神奈川県小田原市板橋881の26(株)創 TN八王子大会読者プレゼント係へ。5月8日(木)当日消印有効。

 問い合せは(株)創【電話】0465・23・0905。

健康経営について話す佐藤社長

Sagamihara Business Frontier 「社員は家族」健康経営で意識改革 三和建設工業(株) 中央区南橋本

 「健康経営を取り入れることで建設業界の常識を変えて人手不足を解決したい」。土木工事を専門とする南橋本の建設会社「三和建設工業(株)」の佐藤ひとみ代表取締役はそう話す。

 同社は建設業界の要である「施工管理」を担う。知識や判断力が求められる領域のため、健康な体と健全な思考を維持することが重要なことから、「社員の心身の健康を支えることで、生産性の向上や企業の持続的な成長につなげられる」と考え、数年前から「健康経営」を導入している。

 「健康経営」とは、従業員の健康増進を重視し健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで、従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法。国が推進する取り組みで、結果的に業績向上やイメージアップなど企業価値の向上につながるとされる。

 同社では9人の社員を「家族」と位置付け、全員に心拍数や歩数、睡眠状態など健康管理に役立つデータを測定することができるスマートウォッチや高性能空気清浄機を支給。定例会議の中でも健康に関する情報を共有する時間を設けているほか、健康補助食品の購入も支援する。社員の平均年齢は50歳。「家族」の健康に気を配り、2023年に「かながわ健康企業」を宣言、24年には健康経営優良法人の認定を受けた。「建設業界は体を酷使するきつい業種という印象を変えたい。社会課題でもある人手不足の解消にも繋がるかも」