多摩区・麻生区版【5月16日(金)号】

子ども・若者調査報告書 「子育て費用に不安」4割 ヤングケアラーの現状も

 川崎市は子育て世帯と子ども・若者を対象とする生活意識調査を実施し、4月24日に「報告書」として公表した。保護者の心配ごととして「子育てに必要な費用に関すること」の比率が前回調査の2020年から倍増し、物価高などの世相を反映した結果となった。

 調査は昨年11月から今年1月にかけて、各世代の子を持つ親や小学5年生と中学2年生、16歳〜30歳の「若者」を対象に、インターネットと郵送で実施。回答率は4割から7割弱だった。

 「子育てに関する心配ごと・悩み」への設問では、0〜6歳児の保護者の38・5%が「子育てに必要な費用に関すること」と答え、前回調査の15・4%の2倍以上だった。小・中学生の保護者は「学習・進学・受験に関すること」が多く、小学5年生の保護者の6割、中学2年生の保護者の7割を占めた。

 受験や進学に関しては子ども自身も不安値が高く、中学2年生の「現在の悩みごと」では、「進学のこと」72・4%、「勉強のこと」が70・0%。「自分の将来のこと」も63・7%だった。

 「1日3食分の食料が買えなかった経験」に関する設問では、「ある」と答えた「ひとり親家庭」が多く、0〜6歳児のいる家庭の24・2%、小学2年生のいる家庭の16・4%、小学5年生のいる家庭の17・9%が、「3食に必要な食料を買えなかった経験がある」と答えた。

「心がつらい」

 調査ではまた、家族のために世話や家事をしている子どもや若者のうち、自身への影響が「特にない」と答えた人以外の回答をした人を「ヤングケアラーの可能性がある」と定義。その結果、ヤングケアラーの可能性がある子どもの割合は、小学5年生で3・6%、中学2年生で2・6%、若者で5・6%だった。

 このうち「ヤングケアラーの可能性がある」若者に「感じること」を尋ねた設問では、「仕方がない」が31・7%でトップだが、「心が少しつらい」20・0%、「心がとてもつらい」15・0%と、精神的な負担を感じている状況も見て取れる。また家事や世話のことに関する相談相手を尋ねたところ、小中学生で「誰にも話していない」と答えた人は51・6%と最多で、次いで「家族」が28・6%、「友達」が22・0%だった。

 調査の結果は、今年度に策定予定の「川崎市子ども・若者の未来応援プラン」の基礎資料となる。

協力して炊き込みご飯、中華おこわを作る1年1組の生徒

麻生総合高校 最後の新入生と活動模索 統合前 有意義な3年間に

 2026年度に県立田奈高校(横浜市青葉区)と再編・統合される県立麻生総合高校(麻生区片平/千葉美希子校長)は今年4月、「最後の新入生」となる104人の1年次生徒を迎えた。今後、生徒数が減少していく中で、意義のある学校生活を目指し、さまざまな活動を模索していく。

 今年度の麻生総合の全校生徒数は321人。もともと1学年あたり180人から200人程度の年が多かったが、現在は1学年100人を前後しているという。

 新入生の受け入れは今年で最後。現在、麻生総合高に通う生徒は今の校舎で全ての課程を修了する形となるが、最終学年の生徒が卒業する度に、在校生が減少していく。

 それでも、「麻生総合を選んでよかった、入ってよかったと思ってもらえるような学校にしたい」と力を込めるのは、1年次の主任を務める井上重幸総括教諭だ。「人数が少ないからこそ小回りがきき、一人一人に寄り添える。しっかりと生徒の思いを聞いていきたい」と話す。

趣向変え新企画

 4月25日には、1年次4クラスが校内で野外炊飯を実施した。例年は、江の島周辺で遠足を行っている同校の1年次。今年は、どの生徒も楽しみながら、クラス間で密接にふれあい、思い出に残る企画を目指そうと、初めてレクリエーションの形で実施された。

 生徒たちはクラスごとに分かれて調理。炊き込みご飯、豚汁、デザート、お好み焼きなど、各クラスが異なるメニューを担当し、それぞれが学年全員分の食事を用意した。時間のかかる工程を他クラスの生徒が手伝うなど、声をかけ合い作業を進める姿も。生徒からは、「新しい友達ができてうれしい」「みんなの協力でスムーズだった」など感想があがった。

 今回の企画を主導した家庭科担当の岡田里美教諭は、「事前準備から調理、片付けまで、生徒たちが主体的に動いてくれた」と振り返る。井上総括教諭は「100人分の料理をすることはなかなかない。この経験は、今後、災害などが起こった際にも役に立つのでは」と期待を寄せた。

 現段階では決まっている特別な行事などはないが、再編・統合を控える中だからこそ、できることを模索していくという。井上総括教諭は「1年次の担当教員全員で協力し、生徒のためにさまざまな企画を行っていきたい」と意欲を見せた。

少子化理由に

 同校は、03年の県立柿生高校と県立柿生西高校の再編・統合により、翌04年4月に開校した。以来、単位制による全日制の課程・総合学科という新しいタイプの学校として、教育活動を展開してきた。

 しかし、少子化などを理由に、県教育委員会は県立高校を再編・統合する計画を推進。22年9月には、同校もこの計画に基づいて26年度に田奈高校と統合され、新たな学校となることが明らかになった。

 新校の敷地や施設は田奈高を活用する。普通科と専門科の要素を持つ総合学科の麻生総合と、生徒の「学び直し」を支援する「クリエイティブスクール」に指定されている田奈。それぞれのシステムを引き継ぎ、総合学科のクリエイティブスクールという新タイプの学校となる予定だ。

 新たな学校名、麻生総合の土地の活用方法については、今後決定される方針。

ソムリエの競技会で優勝し、6月にフランスで開催されるイベントに参加する 三竹 桃果さん 多摩区宿河原出身 25歳

武器磨き、挑戦重ねる

 ○…ホテルで働く上での武器を身に付けようと、ソムリエの資格を取得。合格からわずか1年、国内の優秀な人材を見出す競技会で優勝を掴んだ。6月にフランスで行われる各国の優勝者が集うイベントへの参加権獲得に、「とても光栄。自分にとってプラスになる」と目を輝かせる。「もっと勉強しないとと、自分自身を追い込めていることもこの挑戦で得たことの一つ」と凛とした表情で語る。

 ○…ナシや野菜を育てる農家に生まれる。現在はホテル虎ノ門ヒルズで、専属ソムリエとして、多くの客をもてなす。接客業に就いたきっかけは、地元・多摩区内のカフェやレストランでのアルバイト経験。フレンドリーな雰囲気の中、人と会話する楽しさを学ぶ一方、より高いレベルでのサービス提供に努めたいという気持ちが芽生え、ホテル内レストランへの就職を叶えた。

 ○…大学ではアカペラサークルに所属し、仲間たちと音を紡いだ。そんな日常を襲ったのがコロナ。思うように練習ができず仲間も減っていく日々で、一筋の光となったのが人気アカペラ番組への出場だ。女声6人チームのベース担当として、大舞台に立った。「大学生の過ごし方は人それぞれ。皆同じ熱量だったからこそ、同じ時間を共有しあえた」と青春の日々を振り返る。

 ○…海外での勤務や国際的な資格の取得を視野に入れ、時間があれば日々勉強。膨大な知識を必要とするため、インプットを重ねる毎日だ。「農業のような勉強もする。子どもの頃の自分に言っても信じないと思う」といたずらげに笑う。今後は趣味のイラストとかけ合わせ、ワインの魅力を新たな形で発信する夢も描く。「妥協はしたくない。今に満足せず上を目指していく」

昨年開催された「編集懇談会」

市制100周年記念版 みんなで作る「歴史の本」 題名や子ども記者募集

 川崎市は市制100周年を記念し、市民と共に作る「川崎の歴史の本」プロジェクトを本格始動した。本のタイトルやテーマの検討過程、調査取材などに市民が参加し、声を反映させながらまとめ、2027年3月の発行を目指すという。

 川崎市の歴史をまとめた冊子としては、市制60周年を記念して88年から97年に発行した全11巻の「川崎市史」があるが、学識者中心の「編さん委員会」が、学術的・専門的な観点から集めた資料や記事が主体だった。

 福田紀彦市長は市制100周年を迎えた24年度の施政方針の中で、基本政策「活力と魅力あふれる力強い都市づくり」の一環として、市民が川崎の歴史や文化を身近に感じられるような「親しみやすく、手に取りやすい、新しい形の『川崎市史』の作成」の取り組みを打ち出した。

 これを受け市は市民団体関係者や大学教員、学生など15人に委員を委嘱した。委員らによる「編集懇談会」を重ね、テーマや構成を議論し、イベント会場やウェブ上で「市史で読みたいテーマ」についてアンケートを実施。約3千件の回答があり、「楽しい・面白い」と思う話題に関する質問では19・5%が「文化・エンターテインメント・スポーツ」、15・15%が「川崎の歴史・うつりかわり」と答えた。

 6月末までタイトル案を募集し、今秋に決定。6月にはテーマに沿って取材活動をする「子ども記者」を各区から募る。取材した内容は7月開催予定のワークショップで福田市長との対話を交えながら公表する。

 市の担当課は「市民参加のさまざまな形を用意している。ぜひ積極的に参加してほしい」と呼びかけている。問い合わせは市公文書館【電話】044・733・3933。

カプセルが地中に埋まっていることを記した石碑

西生田小学校 タイムカプセル開封 7月5日 150周年事業で

 西生田小学校(麻生区細山/樋口彰校長)は7月5日(土)、創立150周年事業の一環として、正門脇の敷地に50年前に埋められたタイムカプセルを掘り起こし開封する。

 掘り起こす作業は業者が重機で行うため見学はできないが、カプセルの中に入っている物品の引き渡しを、同日の午後1時から4時まで校庭(雨天時は体育館)で行う。同校は「当時の在校生(現在56歳〜62歳)でカプセルを埋めた方は、ぜひご来校を」と呼びかけている。荒天時は7月12日(土)に順延。

 なお、当日に引き取りができなくても、8月下旬まで学校で物品を保管する。問い合わせは同校【メール】r2210100@kawasaki-edu.ed.jp。

 同校は、1875(明治8)年に細山の香林寺に設置された生田学校細山分教場が起こり。1947(昭和22)年5月1日に今の川崎市立西生田小学校となった。児童数は現在830人。

春の褒章・叙勲 多摩区・麻生区から15人

 2025年春の褒章と叙勲、危険業務従事者叙勲が4月29日付で内閣府から発令された。

 多摩区からは褒章1人、叙勲5人、危険業務従事者叙勲2人の8人、麻生区からは褒章2人、叙勲5人の7人が選ばれた。年齢は発令時点。

褒章

▽黄綬褒章

 農業、商業、工業などの業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を持つ人に贈られる。

 黄綬褒章には、現日本航空(株)767運航乗員部シニアエキスパート運航乗務員機長(業務精励・航空機操縦業務)の長坂孝之さん(65)=麻生区=が選ばれた。

▽藍綬褒章

 会社経営、各種団体での活動などを通じて、産業の振興、社会福祉の増進などに優れた業績を挙げた人、国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員などの事務)に尽力した人に贈られる。

 藍綬褒章には、現川崎市多摩消防団分団長(消防功績)の遠藤厳留さん(55)=多摩区、現川崎市麻生消防団分団長(消防功績)の高桒国夫さん(55)=麻生区=が選ばれた。

叙勲

 受章者は以下(叙勲名称、氏名、発令時年齢、経歴、功績功労概要)。敬称略。

▽瑞宝中綬章

岡田俊夫(70)元北陸地方整備局副局長(国土交通行政事務功労)多摩区

曽和將容(81)電気通信大学名誉教授(教育研究功労)多摩区

細見寛(70)元国土交通省水管理・国土保全局水資源部長(国土交通行政事務功労)麻生区

▽瑞宝小綬章

末吉栄(70)元東京区検察庁副検事(検察官功労)麻生区

飛彈良一(70)元川崎市上下水道事業管理者(地方自治功労)麻生区

▽瑞宝双光章

壁宣昭(74)現保護司(更生保護功労)麻生区

末吉一夫(75)現保護司

(更生保護功労)多摩区

▽旭日単光章

古谷欣治(87)元川崎市多摩区中野島町会会長(地方自治功労)多摩区

▽瑞宝単光章

清水広樹(56)現生田建設(株)取締役工事部長(専門工事業務功労)麻生区

村崎由美子(71)元各種統計調査員(統計調査功労)多摩区

危険業務従事者叙勲

▽瑞宝双光章

大山順久(74)元北海道警視(警察功労)多摩区

▽瑞宝単光章

岸喜雄(74)元警視庁警部(警察功労)多摩区

 なお、市内からは褒章8人、叙勲44人、危険業務従事者叙勲6人の合計58人が選ばれている。

授業の終わりに記念撮影をする同校生徒と教員、企業関係者ら

枡形中 水素への理解、深める トヨタ関連4社が授業

 多摩区の枡形中学校(岩崎知美校長)で5月9日、ウエインズトヨタ神奈川、神奈川トヨタ自動車、トヨタ紡織、トヨタ自動車の4社による「出張カーボンニュートラル授業」が行われた。3年生生徒120人が約3時間にわたり、水素を活用したさまざまな取り組みを実体験した。

 カーボンニュートラルは、気候変動の原因である温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること。燃焼時に二酸化炭素を出さない水素はクリーンエネルギーとして注目される。この授業は水素への理解を深めることを目的にトヨタグループおよびトヨタ販売店が行っているもので、総合学習で2003年度から「エネルギー環境教育」に取り組む同校に声をかけ県内で初めて実施された。

 体育館で水素などの基礎知識を学んだ生徒は3グループに分かれ、燃料電池ミニカーの作製、水素を燃焼させる調理器での焼きマシュマロ作り、開発中の水素を動力とする電動自転車の試乗を体験した。その後、校庭でプロレーシングドライバーの佐々木雅弘選手による水素エンジン車のドリフト走行を見学。一部の生徒は車に同乗し、水素エンジンを体感した。

 授業を受けた松村凰之介さんは「自転車に使われるなど、水素が身近なところにあることを実感できた」、古川愛莉さんは「水素がこんなに身近にあると思っていなかった。水素を使っていくとともに、二酸化炭素を出さないようにしていきたい」と感想を述べた。

 神奈川トヨタ自動車渉外広報部の黒澤宏康部長は「水素エネルギーは身近にも部分的にはあると思うが、このようにまとまった形で体験することで地球温暖化を改めて考えるきっかけにしてもらえれば」と話した。同校で環境教育の推進委員を務める理科教員の清水亨さんは「生徒が3年間培ってきた環境学習と生の体験がつながれば。環境にもいろいろな関わり方があることや企業が努力していることも知ってほしい」と振り返った。

杉並区長選に迫る 6月2日 麻生区で上映会

 地域から平和を考える会が主催する映画の上映会が6月2日(月)、川崎市アートセンター(麻生区万福寺)で開かれる。

 2022年の杉並区長選挙に立候補し、187票差で現職を破った岸本聡子さんと彼女を草の根で支えた住民らに密着したドキュメンタリー作品『○月○日、区長になる女。』の上映とペヤンヌマキ監督によるトーク。

 午後1時30分上映開始(開場1時)。定員100人、予約優先。料金1千円。予約・問い合わせは【携帯電話】080・6617・3997。

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昨年の様子

新百合 クリーンアップ 清掃活動の参加者募る

 新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアムと麻生区役所が主催する清掃活動「新百合ヶ丘駅周辺クリーンアップ大作戦」が5月24日(土)に行われる。5月20日(火)午後5時まで参加者を募集中。

 同駅周辺でデッキの清掃や花の植え付け、ごみ拾い、落書き消しなどを実施する。午前10時(9時30分受付開始)から11時頃まで。同駅南口広場1階交番付近集合。参加無料。

 対象は同駅周辺をきれいにするボランティア活動に興味のある人(小学生以下は保護者同伴)。定員約200人。

 申込みは応募フォーム(https://logoform.jp/form/FUQz/1002184)から。(問)区企画課【電話】044・965・5112

2つの緑地を巡る 多摩区観光協会ツアー

 多摩区観光協会は5月27日(火)、ウオーキングツアー「2つの緑地を踏破する!」を開催する。

 午前9時30分に生田出張所集合。多摩丘陵にある東生田緑地と生田緑地を巡り、約7Kmを歩く。定員30人、申込み先着順。参加費300円(昼食代は別途必要)。小雨決行。飲み物など持参。

 申込みは5月15日(木)午前10時以降、事務局の多摩区地域振興課を訪れるか、【電話】044・935・3132、【FAX】044・935・3391。問い合わせは同課。

あいさつする笠原新会長

笠原新体制で始動 麻生区町会連合会が総会

 麻生区町会連合会は5月8日、麻生区役所で2025年度の総会を開催した。

 あいさつに立った宮野敏男会長は市制100周年を迎えた昨年度を振り返り、「各単会の皆さまにさまざまなご協力をいただいた」と謝辞を述べた。東哲也区長は高齢化による地域の担い手不足などの社会課題にふれ、「地域コミュニティーの中核である町内会・自治会への支援の重要性は高まっていく」と話した。

 議事では役員・理事の改選など全6議案が承認され、2期4年務めた宮野会長に代わり新会長に高石町会の笠原勝浩会長が就任。続いて新役員ら24人が紹介され、笠原新会長は「このメンバーで2年間、事業をしっかりと務めてまいりたい」と述べた。今年度事業計画では加入促進やオブザーバー参加による会議の活性化などが示された。

 同連合会は106の町内会・自治会で構成される。町内会・自治会の円滑な運営の推進や区・市政が抱える課題解決に取り組んでいる。

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パフォーマンスをする「シャボン玉オヤジ」

シャボン玉で幸せ届け 多摩病院で笑顔広がる

 川崎市立多摩病院(多摩区宿河原)で5月8日、患者や医療従事者に楽しんでもらおうと、生田緑地や二子多摩川公園などの野外でシャボン玉を飛ばしている「シャボン玉オヤジ」がパフォーマンスを披露した。

 多摩病院からの依頼を受け実現した企画。シャボン玉オヤジが病院で技を披露するのは初めて。

 さまざまな形や大きさのシャボン玉がふわりふわりと宙に浮かぶと「わぁ、すごい」「大きい」と見ていた人から弾んだ声が聞かれた。入院中の患者は「シャボン玉で目線が自然と空へ。気持ちも上向いた」と話した。長島悟郎病院長は「多くの笑顔が見られた。感謝したい」と述べた。シャボン玉オヤジは「泡の力で老若男女問わず、幸せを届けられた。子どもたちも、すごく喜んでくれた」と語った。

大輪のバラが咲く苑内=8日撮影

生田緑地ばら苑 3300株が咲き誇る 春の一般開放 25日まで

 生田緑地ばら苑(多摩区長尾)で5月8日、春の一般開放が始まった。約800種3300株のバラが豊かな香りと共に訪れる人々を迎えている。開苑は25日(日)まで。

 1958年に小田急線開業30周年記念事業として開苑、当時は「東洋一のばら苑」と称された。2002年の小田急向ヶ遊園の閉苑に伴い、川崎市が運営を引き継いだ。現在は約150人のボランティアを中心に、苑内の管理やバラの手入れを行っており、春と秋に一般開放している。

 同苑苑長の杉本秀男さんは「今春は特に咲きっぷりが良く、全体的に順調。満足いただけると思うので、ぜひ多くの人に足を運んでもらえたら」と笑顔を見せる。

 入苑は無料だが、バラの育成や管理向上のための募金を受け付けている。開苑時間は午前10時(土日は9時)から午後4時30分。最終入苑は4時。駐車場は約60台、1回1000円。台数に限りがあるため、市は公共交通機関の利用を呼びかけている。開苑中の問い合わせは同苑【電話】044・978・5270。

映画や音楽多摩川で

 「おひさまフェス×星空上映会 In かわさき2025」が5月18日(日)、二ヶ領せせらぎ館下の多摩川河川敷で開催される。正午から午後7時30分。雨天中止。

 市民が発電した電気を使って音楽の舞台や映画上映会を行うイベントで11回目。

 入場無料。問い合わせは同実行委員会【電話】044・722・6766。中止の場合は16日正午にウェブサイトで発信。

(前列左から)松本さん、黒岩知事、山田代表理事、(後列)学生

「川崎ワイン」知事に進呈 MATSUさんも出席

 NPO法人岡上アグリ・リゾート(麻生区岡上)の山田貢代表理事らはこのほど、県庁を訪問し黒岩祐治県知事に「川崎市市制100周年記念ワイン」を進呈した。

 このワインは、同法人を中心に、麻生区に関連の深い4つの大学が協働したプロジェクトの中で製造されたもの。市内唯一のワイナリーがある岡上で造られ、川崎市産のブドウが使われている。

 当日は、山田代表理事と明治大学の学生3人に加え、川崎市市民文化大使で、記念ワインの醸造にも携わったEXILEの松本利夫(MATSU)さんが出席した。ワインの進呈後、黒岩知事はブドウの栽培場所やプロジェクトの今後について質問し、「スパークリングワインだったことに驚き。華やかでおいしかった」と味の感想を述べる場面もあった。

 山田代表理事は「ワインを通じ、川崎の自然環境が残るきっかけになれば。今後は大学以外にも小中、高校と輪を広げて連携したい」と話した。

自身の体験を語る吉田さん

戦後80年 戦禍の記憶【3】 中原区在住 吉田 恵美子さん(86) 6歳で感じた「死」の恐怖 「今でもサツマイモが嫌い」

 元住吉は田んぼや畑が広がり、春には菜の花が一面に咲き渡る、のどかな場所だった。幸いにも焼け野原になることはなく、死線を越えるような経験はない。それでも戦争は、当時6歳の少女に今もなお消えることのない傷痕を残している。

 まず食べるものがなかった。セリやナズナといった野草を摘んで、食事の足しにした。ご飯の中には、サツマイモの種芋が入っていたこともあった。「子どもながらに状況を理解して、我慢して食べた。でも種芋がまずくてね、今でもサツマイモが嫌いで食べないんです」

 小学1年生だった、1945年。空襲警報のサイレンが鳴り響くと、学校から夢中で走って帰った。低空飛行をしている飛行機の羽に「B29」と書いてあるのが見えたことも。電球に黒い布がかぶせてあったせいで、家の中はいつも薄暗かった。庭には父が作った地下防空壕があり、サイレンが鳴ると近所の家族と一緒に入った。

 隣のおばさんと、その息子のお兄さんにはよく可愛がってもらった。だが戦争が激しくなってきたある日、お兄さんは出征することになった。日の丸の小旗を持って記念写真を撮ったのもつかの間、お兄さんは国防色(カーキ色)の軍服に帽子をかぶり、肩から名前の書かれたたすきをかけて、元気に出征していった。「それが最後の姿。今もお兄さんは帰ってきていない」と声を震わせる。おばさんは生前、事あるごとに「もし生きていたら」と口にし、息子のいる生活を想像していたという。

 一度、夜中に綱島街道の方に焼夷弾が落ちたらしく、夜空が真っ赤に染まったことがあった。家の前の道は大勢の人々でごった返しており、みな頭には防空頭巾、手にはいろいろなものを持って、井田山の方へ逃げていた。母としっかり手をつないで、農家の竹やぶに逃げたが、目の前の井田山はすさまじい勢いで燃えている。その時、子ども心に死を感じ、母のそばで「お母さん死んじゃいやー」と震えながら叫んだ。

 あれから80年。これほどの月日が流れても、人間が戦争を止める兆しはない。「一番かわいそうなのは子どもたち。戦争ほど愚かなことはない」と涙し、遠い海の向こうに思いをはせた。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

「登戸研究所」描く朗読劇 明大生田キャンパスで

 旧日本陸軍の秘密戦兵器などの研究・開発施設だった「登戸研究所」を題材にした朗読劇『ヒマラヤ杉は知っている』が5月31日(土)、明治大学生田キャンパス(多摩区)中央校舎6階メディアホールで上演される。有志団体グループヒマラヤ杉と明治大学平和教育登戸研究所資料館の共催。入場無料。予約不要。

 同大学構内に戦争遺跡として残る登戸研究所を保存し、平和の尊さを語り継いでいくため、元小学校教員で麻生区在住の吉川由香子さんらが10年前から上演している。

 第1部は午前11時から朗読劇。第2部は11時30分から正午まで登戸研究所の歴史などを同館の職員が解説する。

 詳細は同館【電話】044・934・7993。

料理サークルによるブース=昨年

あさおサークル祭 一年の成果を披露 6月 麻生市民館で

 麻生市民館サークル連絡会が主催する第34回「あさおサークル祭」が6月に開催される。

 麻生市民館で活動しているサークルが、同館の大ホールや料理室、視聴覚室などを使用し、日頃の練習や取り組みの成果を発表するイベント。

 各サークルの発表は6月7日(土)・8日(日)の2日間。約30団体が太鼓、フラダンスの発表などのほか、着物の着付けやボイストレーニングといった幅広い催しを行う。

 同会の今井加代子会長は「年々発展しながら盛り上がりを見せている。サークル数も増えているので足を運んでほしい」と呼びかける。

 入場料は無料(一部有料企画あり)。問い合わせは同会【メール】topichan36@gmail.com。

 6月6日(金)から11日(水)まで、2階ギャラリーと3階ウォールギャラリーで美術展も行われる。

12人が立候補を表明 今夏参院選 本紙調べ

 任期満了(7月28日)に伴う夏の参議院選挙で、神奈川県選挙区(改選定数4)には本紙の調べでこれまでに現職3人、新人9人の12人が立候補の意向を示している。(5月9日起稿)

 自民党は2019年の前回改選時にトップ当選した島村大氏が23年に死去したことを受け、公募を実施。元神奈川県局長の脇雅昭氏(43)を選んだ。「県で働く中で国だからできることがあると感じた。行政のデジタル化を進めたい」と話す。

 立憲民主党の牧山弘惠氏(60)は07年に初当選し、4期目を目指す。「物価高から生活を守るための具体的な提案を行う。食料品に掛かる消費税をゼロに引き下げ、暫定税率の早期廃止でガソリン価格を25円引き下げる」と述べる。

 22年の合併選挙で欠員枠の5位で初当選し、任期が約3年だった立憲民主党の水野素子氏(55)は「物価高対策はもちろん、大学までの所得制限のない授業料無償化の推進など、未来を担う人材の育成や産業発展にも力を注ぎたい」と語る。

 13年に初当選し、現在、党女性局長を務め、3期目を目指す公明党の佐々木さやか氏(44)は「物価高克服のための減税や給付、中小企業支援などで給料アップ、全世代を守る社会保障の充実を求めていく」とコメントする。

 日本維新の会からは参議院議員秘書の千葉修平氏(52)が挑む。1999年から八王子市議を1期務め、03年から松沢成文氏の秘書を務める。「首相公選制の実現や飲食店の禁煙化などの受動喫煙対策を訴えていきたい」としている。

 共産党は党県委員会副委員長の浅賀由香氏(45)を擁立する。参院選に過去3回挑戦しており、「賃金の引き上げによる8時間働けば普通に暮らせる社会の実現や、大学をはじめとする高等教育の学費無償化を進めていきたい」と語る。

 国民民主党は元農林水産省官僚の籠島彰宏氏(36)を立てる。13年に農水省に入省し、20年から23年に経済協力開発機構へ出向していた。「日本を守るため、給料が上がる経済が必要。手取りを増やし、再び日本を強くしたい」と語る。

 れいわ新選組は元外務官僚の三好諒氏(39)を擁立する。21年に外務省を退職後、山本太郎参議院議員の秘書を務め、24年の衆院選では神奈川2区から立候補していた。「消費税廃止や社会保険料の減免などを訴えたい」と話す。

 社民党は元相模原市議の金子豊貴男氏(75)を立てる。1991年から2023年まで市議を8期務め、基地問題などに取り組んできた。「今の日本は平和を維持できるか、戦争国家に進むかの岐路に立たされている」と訴える。

 参政党は警備会社顧問の初鹿野裕樹氏(47)を立てる。警視庁に約23年間勤務し、24年衆院選で神奈川11区から出馬していた。「消費税や社会保険料を下げ、可処分所得を増やしたい。また、警察官など公安職の待遇改善を求めたい」という。

 日本改革党からはダンスインストラクターの畠山貴弘氏(45)が出馬意向。23年の南足柄市議選に立候補していた。「国民生活が苦しい中、消費税は5%にし、最終的には廃止。ガソリン暫定税率と再エネ賦課金の即刻廃止」と訴える。

 このほか1人が立候補の意向を示している。

川崎市労働白書を発行 過半数が「人手不足」 新たにカスハラの状況も

 川崎市の「2024年度版川崎市労働白書」がこのほどまとまり、発行された。人手が不足している企業は半数を超え、従業員からカスタマーハラスメントに関する相談があった企業は1割以上だった。

 川崎市は1990年度から市内の2000事業所を対象に、労働・雇用状況を確認する「川崎市労働状況実態調査」を実施している。35回目となる直近の2024年度調査では、886事業者から回答があった。

 ワーク・ライフ・バランス(WLB)への取り組み状況では、「育児・介護等による時差勤務制度」を実施する企業は53・7%、「育児・介護等による勤務軽減措置」がある企業は40・7%、「在宅勤務制度」がある企業は24・3%など、WLBへの配慮が広がる一方で、「いずれも行っていない」と回答した企業も4分の1あった。

 また「働き方改革」の取り組みは、「有給休暇の取得促進」(70・5%)や「長時間労働の是正」(59・7%)を多くの企業が進めているほか、「短時間勤務・フレックスの導入」(26・1%)や「テレワークの導入」(20%)など、多様な働き方を取り入れる企業も一定数確認された。

 全業態で共通の悩みである「人手不足」に関しては、「やや不足」(43・9%)と「大いに不足」(11・3%)を合わせた数値が55・2%と、2社に1社が不足しており、業種別では建設業や運輸・郵便業、情報通信業で「不足」の傾向が強かった。人材確保のために、「求める人材の明確化」(33・5%)や「自社の魅力のPR」(28・3%)など工夫をこらす企業が多い一方で、「特になし」も27・9%を占めた。

 調査項目に新たに加えた「カスタマーハラスメントに関する取り組み状況」では、従業員からカスハラに関する相談を「受けたことがある」は13・5%だった。業種別では医療・福祉業者の約4割が「受けたことがある」と答え、教育・学習支援業35・3%、卸売・小売業22・2%と、接客や利用者と接触する業態が高かった。

 詳細は市のホームページへ。

鈴木委員長(左)から答申を受ける福田市長(市提供)

子どもの権利委員会 川崎市 5つの提言など答申

 川崎市子どもの権利委員会は4月25日、福田紀彦市長から諮問を受けていた「子どもの相談及び救済機関の利用促進」に関する答申を行った。

 子どもの権利委員会は、「川崎市子どもの権利に関する条例」に基づき、子どもに関する施策や子どもの権利の保障の状況について調査・審議する組織。市長が委嘱した学識経験者が委員を務める。

 今回は2022年10月1日から委嘱された第8期委員会(委員長・鈴木秀洋日本大学教授)が同年12月に諮問を受けた。

 委員会では、不登校の状態にある小中学生が学籍を置いたまま通える「ゆうゆう広場」を利用する子どもや、「川崎市子ども会議」の子どもたち、多摩市民館の子育て支援事業「外国人の子育てひろば」の利用者などに、困ったり悩んだりした時の相談経験の詳細や、望ましい相談相手や相談方法について、ヒアリング調査を実施。さらに定時制高校の「居場所カフェ」の運営スタッフや「子ども会議」の担当職員、「子ども夢パーク」のスタッフらに意見を求め、相談態勢や他機関との連携・協力体制、相談・救済の好事例について調査した。

 調査では「誰に相談したらいいか分からなかった」や「スクールカウンセラーには大事なことじゃないと相談しようと思わない」、悩みを相談しても「答えにがっかりした」といった生の声を拾い、具体的な課題を抽出。そのうえで、「相談・救済に関する各種取組への絶え間ない検証・効果測定の実現」や「相談・救済機関の選択肢を拡充し、利用促進のための環境整備の実現」、「子どもの相談・救済を担う人の待遇改善と人員増員、充実した研修内容の実現」など、5つの提言を答申に盛り込んだ。

 答申の内容は関係部署に共有され、2026年度中に対応を公表する。

コラボ飯を指さす脇坂選手

GO!GO!!フロンターレ

エバラ食品とFRO CAFEがコラボ

 川崎フロンターレオフィシャルカフェ「FRO CAFE」が、エバラ食品工業株式会社の商品を使用したメニューを、6月13日(金)まで期間限定で販売中。

 通常の揚げ物に比べて脂質とカロリーが控えめな「ノンフライ米粉からあげ」(1200円)には、ガーリックオイルの風味とコクをバランスよく組み合わせた中辛の焼肉のたれ「黄金の味 旨にんにく 360g」を使用。ごはん(炭水化物)や野菜(ビタミン・ミネラル)など、多様な食材が組み合わさった「ビビンバ丼」(1200円)は、「黄金の味 濃熟 360g」で炒め玉ねぎや干しぶどう、完熟トマトをきかせた濃厚な味わいに仕上げた。

 エバラ食品のウェブサイトでは、スポーツ栄養学の視点から考案されたレシピの特徴や選手のコメントなどを紹介する特設サイト「食べて共に戦おう!エバラ×川崎フロンターレ コラボ飯‼」を公開中。今回のコラボメニューのレシピも紹介されているので、家で作ることも可能だ。

 問い合わせは同カフェ【電話】044・767・6111。

画像はいずれも川崎フロンターレ