鎌倉版【6月6日(金)号】
自社商品を紹介する鈴木代表

KEYMEMORY 5万店超から大賞に 配信等での集客が評価

 優秀なオンラインショップ等を表彰するカラーミーショップ大賞の授賞式が都内で5月22日に行われ、長谷に店を構えるファッションブランド、株式会社KEY(キー)MEMORY(メモリー)(本社/大船)が最優秀の大賞に選ばれた。

 全国5万以上のネットショップの中から、デザインやPR戦略、成長率などを審査し、優秀な店を表彰するもの。10回目の今年は大賞、優秀賞、地域賞などに28店舗が選出された。同社の鈴木一平代表(31)は「過去2回優秀賞に選ばれていたので、『やっと取れた』というのが率直な感想。頑張った1年間だったのでうれしい」と喜びを噛みしめる。

フリマから成長

 「鎌倉の特別な時間」をコンセプトに、リラックスして過ごせるファッションアイテムをデザイン・販売する同社。前身となったのは、17年に収玄寺(長谷)の駐車場で毎週末行っていたフリーマーケットだ。

 当時勤めていた大手百貨店でアパレルの経営等を学びつつ、週末は古着と共にオリジナル商品を販売。徐々にファンが増え、18年に同級生で現・副社長の三永雄大さんと2人で起業した。

毎週新作を紹介

 長谷の店や百貨店でのポップアップショップなどの対面販売のほか、オンライン販売にも力を入れている。Instagramのライブ配信などを使い、毎週5〜6点の新作を紹介。購入者のレビュー投稿率も他店と比べて20%と高い。

 「ただ、お客さんの顔が見えず、買わない理由が見えないことがオンラインの一番の課題」とも話し、クーポンつきアンケートでほしい商品や悪かった点などを募り、商品に反映している。

 努力が実を結び、売上は前年比270%に。「受賞でうちを知ってくれる人も増えた。もっとファンを増やしたい」

生菓子を手にする松野さん

茶の子松野友美さん 万博で煉り切り実演 関東圏で唯一の参加

 西鎌倉にある「和菓子処 茶の子」の松野友美さんが6月8日(日)と9日(月)、大阪・関西万博で和菓子作りの実演を行う。登録無形文化財である「菓銘をもつ生菓子(煉切・こなし)」の魅力を伝えるもので、関東圏から参加する和菓子職人は松野さんのみ。

 松野さんが実演するのは、同万博で開催されるテーマウィーク「RELAY THE FOOD〜未来につなぐ食と風土〜」における文化庁主催の「和菓子」ブース。8日(日)から15日(日)まで、全国から選ばれた8人の和菓子職人が日替わりで2人ずつ担当する。

 当日は、来場者の目の前で煉り切りの技を披露するほか、和菓子に込めた思いなども紹介。松野さんは、鎌倉の自然から着想を得た菓子として、鎌倉山の桜と若葉を見立てた「春霞」、由比ガ浜の花火をイメージした「由比の華」、紅葉と苔の境内を模した「吹寄せ」の3種のほか、新古今和歌集の歌にちなんだ「志賀の浦」も実演する予定だという。

 2014年に全国和菓子協会が主催する「選・和菓子職」の優秀和菓子職に認定されるなど、優れた技術を持つ松野さん。実演者に選ばれたことについて「とても光栄なこと。和菓子を作る技も見せつつ、名前の付け方や、込めている思いを伝え、和菓子に興味を持ってもらうきっかけになれば」と話す。

 同店は1917年(大正6年)に横浜市で初代・松野里重氏が「松埜本店」として創業。三代目・松野邦男氏が屋号を「茶の子」と改め鎌倉に移転。四代目の松野さんは時代に合った和菓子を日々追求している。

鎌倉警察署長を務める 植田 圭一さん 鎌倉市在住 54歳

背を見て学んだ警官の心

 ○…着任から2カ月を振り返り、「まちの皆様が好意的に協力してくださることが本当にありがたい」と、開口一番に感謝で目を細める。神奈川県内でも屈指の観光地である鎌倉市。「誰もが知る歴史と文化のまちで働けることは光栄」と笑顔を見せるが、渋滞による事故をはじめ、被害額が増加する特殊詐欺など課題も多い。「安全を守るパトロールを丁寧に、署が一丸となって取り組みたい」と背筋を伸ばす。

 ○…静岡県出身。父も警察官で、幼い頃から交番や駐在所に勤務する背を見て育った。落とし物や道案内など、何かに困った人が身近に頼れる存在に、自然と惹かれていった。大学卒業後、藤沢駅北口交番で警察官の第一歩を踏み出した。

 ○…全国を揺るがした東日本大震災では、機動隊として特別派遣に参加した。発災から1カ月後。まだがれきの散乱する被災地を捜索し、遺体を発見した。「亡くなった人を悼むとともに、安否の不安を抱え続ける遺族にとっては悲しくも心の区切りになる。あの時の自分は誰かのためになれたのか」。忘れることのできない自問は、今も続く。屈強な精神と体力が求められる機動隊だけでなく、相手に合わせて解きほぐすように指導する警察学校の教官も経験。これまでの歩みが柔と剛をあわせ持つ警吏を育てたが、心の底にはいつも「人を助ける父」の姿がある。

 ○…現在は鎌倉市内の官舎暮らし。夫人との間に2男に恵まれ、時折自宅に顔を出すが「みんな好き勝手にやってるよ」とちょっぴり寂し気。子どもの頃から自他ともに認める鉄道好き。ブルートレインに憧れて全国行脚で追いかけた経験も。パソコンに収蔵された数多の写真は密かな宝物。鎌倉のイチ押しは「やっぱり江ノ電ですね」

昨夏のツアーでは日傘や日陰を利用(提供)

8月の史跡めぐり中止に ガイド協会「酷暑のため」

 鎌倉ガイド協会は、主催する恒例企画「古都鎌倉史跡めぐり」を今年から8月には実施しないと発表した。

 毎月会員が季節やその時期の話題に合わせて企画する、人気のガイドツアー。酷暑が続く近年でも「参加者のアンケートで3割ほどの開催希望があったため、これまでも続けてきた」と同協会。ツアーの代わりの講演会や、暑さを考えたコース選定など、工夫をしながら開催してきたが、熱中症警戒アラートが発令されることも多く、参加者とガイドの安全を考慮し、8月の企画中止に踏み切った。

 6月・7月の史跡めぐりと休日散歩の申し込みは現在受付中。「古都鎌倉・浄明寺にアジサイを訪ねて」や「とことん路地歩き〜鎌倉の魅力再発見」、「金沢文庫と称名寺で金沢北条氏を学ぶ」などが予定されている。企画の詳細・申し込み方法は、ガイド協会ホームページやチラシで確認を(電話での申し込みは不可)。

(問)【電話】0467・24・6548(午前9時30分から午後3時30分まで、第2土曜除く)

過去に植栽したヤマアジサイと野口代表

北鎌倉湧水ネットワーク アジサイ節目の千本 六国見山に新名所を

 六国見山の里山再生活動を行っている北鎌倉湧水ネットワーク(野口稔代表)が1日、六国見山森林公園の展望台付近にヤマアジサイの苗木200本を植栽した。

 2019年から続き、植えた数は今回で累計1000本となった。野口代表は「大規模な植栽は今回でひと区切り。これからは植えたアジサイの育成に力を入れたい」と話す。

 日本に古くから自生するヤマアジサイの生育には、風通し、半日陰、肥沃な土壌などの条件が必要となる。かつては野菜の栽培も行われていたという六国見山は「まさに最適な場所」と野口代表。1日に行われた植栽では、同ネットワークや苗木を寄贈している鎌倉アジサイ同好会のメンバーなど約20人が手作業で苗木を植えた。

 春にはヤマザクラが咲き、地元では桜の名所となっている六国見山。「展望台付近の道沿いに並ぶヤマアジサイたちをしっかりと育てて、『北鎌倉千本アジサイ』として新しい名所にしていきたい」。野口代表の目には、すでに満開のアジサイの道が見えている。

 なお、六国見山森林公園には専用駐車場がないため来場は公共交通機関を利用する。散策路は滑りやすいため登山に適した靴や服装での来場を。

岡村三郎氏

参院選 無所属・岡村氏 出馬へ 75歳、相模原の会社社長

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自動車部品製造会社社長の岡村三郎氏(75)が無所属で立候補すると表明した。

 岡村氏は輸入半導体商社を経て1994年、相模原市に「オーエス精工」を設立し、現在も社長を務める。

 5月21日の会見で「今の国会議員は世の中を変えられない。EUのようにペットを飛行機内に持ち込めるようにしたい」と述べた。

100種のあじさい楽しむ 古民家で展示会

 円覚寺近くの北鎌倉古民家ミュージアムでは7月6日(日)まで「あじさいの小径」を開催中。

 同館の庭は100種以上の花に彩られ、各地の珍しいあじさいを楽しめるスポットとして人気を集める。期間中は、あじさいをテーマにした水彩画や日本画、陶芸、切り絵などの「あじさい展」も開催中。午前9時から午後6時。当紙5月30日号で掲載した同ミュージアムの入館料に誤りがありました。正しい入館料は大人600円、中高生400円、小学生300円。詳細は【電話】0467・25・5641へ。

茶室「惹採庵」で取材に応える土橋館長。壁面には約800年前の土台角材が展示され、同時代の英国邸宅で使用されていたオーク材を床材にした

BAM鎌倉は「北条邸」跡 発掘調査で判明 三つ鱗紋の瓦などが出土

 若宮大路沿いの英国アンティーク博物館BAM鎌倉(雪ノ下1の11の4の1、土橋正臣館長)の建つ土地が、鎌倉幕府の第三代執権・北条泰時と第五代執権・北条時頼が暮らしたとされる「北条小町邸」の一部であったことが、建設前の発掘調査で判明した。調査結果の報告書がこのほど、関係者に配布された。

 埋蔵文化財包蔵地の同地では、県教育委員会の指導のもと、2021年6月から8月まで発掘調査が実施された。その結果、鎌倉時代の住居跡と見られる遺構や遺物が発見された。調査をしたのは、株式会社斉藤建設(笛田1の10の1、斉藤正朗代表)の埋蔵文化財調査部。

800年前を伝える出土品

 発掘調査では、土台角材や、北条氏の家紋である三つ鱗紋が刻印された瓦片も出土。日常の食器に加え、当時の上流階級が使っていたとされる青磁・白磁などの陶器の破片なども発見された。

 約800年前の生活をうかがわせる多くの出土遺物や記録類は、市教育委員会文化財課で保管されている。

 また、保存対象外だった土台角材は、同館の茶室「惹採庵(じゃくさいあん)」の壁面に展示され、間近に見ることができる。

 調査を依頼した同館の土橋館長は、「茶室の縦窓からは鶴岡八幡宮の鳥居と自然が望めます。文化を遺し、自然を敬い、未来につないでいければ」と話している。

インタビューに答える中澤議長

「成長できる議会に」 中澤克之議長インタビュー

 4月の鎌倉市議会議員選挙を経て、新たな顔ぶれによる市議会定例会が6月11日に始まる。会期を前にタウンニュースでは中澤克之議長に話を聞いた(6月4日起稿)。

 26人の議員について中澤議長は「新人議員が10人誕生し、議会について学ぶことも多いと思う。原理原則を大切に、新人もベテランも、ともに成長できるような運営をしていきたい」とし、未来を見据え「人材育成の観点から、多くの議員に副議長などを経験してもらうことも大切」と話す。

 市庁舎移転や高齢化、オーバーツーリズムなど鎌倉の抱える課題について、「当選したら全員が同じ議員であり、市民の代表たる責任を持って解決のために議論で力を発揮してほしい」と呼びかける。さらに、市民への議会報告や8月開催予定の子ども議会などを通して「外に出ていく議会」の推進も掲げる。

 中澤議長は2009年に初当選。現在は3期目。2016年6月から2017年5月にかけて議長を務めた。

文化芸術情報を一冊に

 神奈川県は、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子、「イベントカレンダー」の6月〜8月号をこのほど発行した。

 今号の特集は鬼太鼓座の和太鼓奏者、木下直人さんのインタビューや、藤沢市内でアートめぐりが楽しめる冊子「ふじさわパブリックアート散歩」を紹介。チケットが当たるプレゼントも実施。冊子は県内各文化施設や一部の商業施設、自治体等で無料配布中。

陳謝する水野氏

参院選 立民・水野氏が不出馬表明 パワハラ報道で陳謝

 今夏の参院選神奈川選挙区からの出馬を表明していた立憲民主党の水野素子参議院議員が5月21日、立候補辞退の会見を開いた。

 週刊誌でパワハラ疑惑が報じられた水野氏。「不快な思いをされた方に深くお詫びする」と陳謝する一方で、「事実誤認や誇張がある」とも述べた。

 今後については「今は残りの任期を全力で全うしたい」とした。

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記者からの質問に返答する松尾市長

鎌倉市長選 10月19日告示、26日投開票

 任期満了に伴う鎌倉市長選挙の日程が10月19日告示、26日投開票に決定した。6月2日の市選挙管理委員会で決まった。

 現在4期目の松尾崇市長は、6月2日に開かれた定例記者会見で記者から5期目への挑戦を問われた際、「今の段階では決まっていない」と返答した。

 6月2日現在の有権者数は14万9696人。同日までに出馬表明をしている人はいない。

小津作品『彼岸花』 20日 きらら鎌倉で上映

 鎌倉に住み、松竹大船撮影所で数々の映画を作った小津安二郎監督作品『彼岸花』(1958年)が6月20日(金)、鎌倉生涯学習センター(きらら鎌倉)ホールで上映される。鎌倉で映画と共に歩む会の主催。

 家庭に事情のある3人の女性の結婚観を中心に、父母の姿勢を描いたホームドラマ。小津監督の初カラー作品で、印象的な赤いやかんなど、こだわりの色彩設計も楽しめる。

 午後5時30分から(開場15分前)。入場料は1000円。前売りチケットは島森書店、たらば書房で販売中。空きがあれば、当日券も。

(問)同会・藤本さん【携帯電話】08

0・5055・3935