若宮大路沿いの英国アンティーク博物館BAM鎌倉(雪ノ下1の11の4の1、土橋正臣館長)の建つ土地が、鎌倉幕府の第三代執権・北条泰時と第五代執権・北条時頼が暮らしたとされる「北条小町邸」の一部であったことが、建設前の発掘調査で判明した。調査結果の報告書がこのほど、関係者に配布された。
埋蔵文化財包蔵地の同地では、県教育委員会の指導のもと、2021年6月から8月まで発掘調査が実施された。その結果、鎌倉時代の住居跡と見られる遺構や遺物が発見された。調査をしたのは、株式会社斉藤建設(笛田1の10の1、斉藤正朗代表)の埋蔵文化財調査部。
800年前を伝える出土品
発掘調査では、土台角材や、北条氏の家紋である三つ鱗紋が刻印された瓦片も出土。日常の食器に加え、当時の上流階級が使っていたとされる青磁・白磁などの陶器の破片なども発見された。
約800年前の生活をうかがわせる多くの出土遺物や記録類は、市教育委員会文化財課で保管されている。
また、保存対象外だった土台角材は、同館の茶室「惹採庵(じゃくさいあん)」の壁面に展示され、間近に見ることができる。
調査を依頼した同館の土橋館長は、「茶室の縦窓からは鶴岡八幡宮の鳥居と自然が望めます。文化を遺し、自然を敬い、未来につないでいければ」と話している。
![]() 三つ鱗紋が刻印された瓦片
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