川崎区・幸区版【7月18日(金)号】
トロフィーを手にする川井君(左)と福田市長

幸区川井奈織君 ランバイク準Vで市長表敬 次戦での優勝誓う

 「ランバイク」と呼ばれるペダルのない二輪の子ども用自転車の全日本選手権シリーズ第6戦で、幸区在住の川井奈織君(5)が準優勝を果たし、7月11日、福田紀彦市長を表敬訪問した。川井君は次戦での優勝を誓った。

 家族とともに福田市長を訪れた川井君。「準優勝しました」と緊張しながらも笑顔で報告した。大会は5月18日に静岡県富士マリンプール駐車場で行われた。川井君が出場した5歳部門には、中国、タイ、マレーシアなどからも選手が参戦し、世界最高峰の大会に位置づけられている。1戦から5戦までの最高順位は4位だった川井君。悔しさをバネに日々練習を重ねて、準優勝を果たした。日本人選手の中では1位となり、「みんなの応援が嬉しかった」と振り返った。

 自宅近くの公園でランバイクで遊んでいた子どもたちが横浜のチームに所属していた影響で自身も入会。2歳6カ月で競技を始めた。日ごろは父・俊昭さんと富士見公園で個人で練習に励み、週末には滋賀県や静岡県などの地方に遠征し、ライバルと競う。

 ランバイクは足で地面を蹴って走るため、バランス感覚や体幹が必要とされる競技。レースでは、時速25Kmのスピードに達する。大会映像を見た福田紀彦市長は「こんな早いんだ」と驚いた表情を見せた。

 次戦は7月26日、27日。「次は優勝したい」と意気込みを語る。同大会の最年少部門となる2歳の部には、川井君の弟琉衣ちゃんも初出場する予定。

警告ブロックが整備されたアゼリアの地下駐車場につながる階段

アゼリア点字ブロック 視覚障がい者「願い叶う」 主要駅つなぐ経路設置へ

 川崎駅前の地下街「川崎アゼリア」(川崎区駅前本町)の構内で、視覚障がい者の安全確保のための点字ブロック設置に向けた調整が続いている。障がい者団体が福田紀彦市長に10年以上、要望を続けてきたものだが、JR川崎駅から京急川崎駅へ向かうルートが、ようやくつながろうとしている。

10年越しの要望 

 7月4日、川崎市と川崎アゼリア(株)、そしてNPO法人川崎市視覚障がい者福祉協会(以下協会)の3者が集まり、アゼリア構内での新たな点字ブロック設置について今後の方針を確認した。今春に設置した地下駐車場に向かう階段の設置に続き、JR川崎駅から京急川崎駅をつなぐルートや、市役所方面をつなぐルートを点字ブロックでつなぐ方針という。

 アゼリアには平日でものべ約27万人の往来があるが、構内にほとんど点字ブロックがないため、協会が10年以上前から福田市長あての「要望書」の中で訴えてきた。協会関係者は「やっと安心してアゼリアを歩くことができる」と喜びを語る。

 この件では、協会は市長への要望に加えて初めて市議会に請願書を提出した。これが総務委員会で採択され、本会議でも全会一致で採択。市は2025年度予算に点字ブロック整備を支援する「整備負担金」を計上。一気にことが進んだ。

「合理的配慮」義務

 協会ではアゼリアの件以外でも、09年のNPO発足以後、毎年6月に要望書を市に提出してきた。今年の要望も多岐にわたり、「武蔵小杉駅から中原区役所へ向かう途中の交差点に音声信号機を」「田園都市線宮前平駅のホームドアの改善を」「視覚障がい者向けの老人ホームやグループホームを」など、いずれも切実な問題ばかりだ。要望は市の庁内のほか神奈川県警など関係各方面へと伝わるが、アゼリアのように長らく動きがみられないものも、少なくないという。

 協会関係者は「要望に応えてくれることはありがたい。しかし、障がい者福祉に積極的な自治体と、市内の状況を比べてしまう時もある」と語る。

 さらに近年は「深刻な困りごと」も発生した。コンビニやスーパーのセルフレジ、飲食店などのモバイルオーダーだ。音声ガイドや点字で機能を補わない限り、「情報が得られず、お手上げの状態」と訴える。

 昨年4月には障がい者に対する「合理的配慮の提供」を義務化した改正障害者差別法が施行された。障がい者が「社会的バリアーを取り除いてほしい」と意思表示した場合、事業者側は合理的に対応する必要がある。

(公社)神奈川県医師会の会長に就任した 鈴木 紳一郎さん 藤沢市在住 67歳

「未来につなげる医療を」

 ○…県下9900余りの医師が加盟する巨大組織の舵を取る。副会長を2年歴任。会長は地域医療を守るために必要な取り組みを国に提案したり、行政や医療福祉団体と連携して県の医療全体をコントロールしたり、医療に関する正確な情報を県民に発信したりするなど重要な役割を担う。「県民の健康と安心のため精一杯努力していく」

 ○…課題は山積みだ。物価高でも公定価格で上げられない医療報酬や医療従事者の人手不足で、多くの医療機関が危機的状況にある。「”あって当たり前”の医療は決して盤石ではない」。医師を目指す人へ向けて情報発信するウェブサイト「かなドク」を立ち上げ、医師会の役割や医療に従事する魅力を伝えていく。「神奈川は日本の医療の縮図。国内で横展開できる好事例を提言したい」

 ○…藤沢市医師会の会長も8年務めた。コロナ禍では迅速なワクチン接種体制を整え、県内初となるドライブスルー型PCRセンター設置の他、かかりつけ医と訪問看護師が支援する「神奈川モデル」では、チーム一丸となって在宅療養者を24時間体制で見守った。地元では同級生やその親、子を診察することも。「一つしかない命を守れた時、そして『ありがとう』と言われた時、医者冥利に尽きる」と柔和な笑みをこぼす。

 ○…祖父が長後に構えた病院に運ばれる救急患者を目で追うなど、命と向き合う舞台裏を見て育った。尊い仕事に興味を抱き、横浜市立大学医学部へ。外科医として研鑽を積み、現在は藤沢湘南台病院の理事長を務める。「医療業界の未来は大丈夫か」。夢の中でも考えあぐねる日々。「医者になったらいいな」と7人の孫に慈愛に満ちた眼差しを送る。医療を次代につなげ、県民の暮らしに寄与し続けていく。

時代衣装を着用して練り歩く参加者=昨年

東海道川崎宿場まつり 仮装行列の参加者募集 8月15日まで

 「東海道川崎宿場まつり」が10月5日(日)に開催されるのにあわせ、同まつり実行委員会が「和のハロウィン」をテーマに、仮装行列の参加者を募集している。  

 殿や姫、旅人、武士、妖怪など、和を感じる衣装を身にまとって練り歩く。銀座街をスタートし、銀柳街、東海道(砂子〜本町)を経て六郷の渡し場跡までの約1・4Km。時間は午前11時から午後0時30分まで。

 募集人数は先着1000人。参加費は500円で近隣商店で買い物できる商品券や参加賞がもらえる。衣装の貸し出しは行われない。

 申し込みは8月15日(金)まで二次元コードの専用フォームで受付。

看板を作成した生徒ら

川崎総合生徒 給水スポット看板作成 「熱中症対策の一助に」

 川崎総合科学高校の生徒が作成した給水スポット看板が7月7日、日吉合同庁舎に設置された。

 作成したのは、同校定時制課程クリエイト工学科機械コースに通う4年生の生徒ら。普段磨いている工業系の技術を発揮する場を求めていたところ、幸区役所から同合同庁舎2階(ゆめみZOOテラス)に、昨年秋から設置された給水スポットの看板制作を依頼されたという。

 看板は一枚の鉄板をレーザー加工などを利用し、くり抜いて作成。同所が夢見ヶ崎動物公園の途中にあることから、レッサーパンダやペンギンのイラストを加えるなど、デザインも一から考えた。井上学さん(18)は「熱中症対策に少しでも貢献できれば嬉しい」と話した。給水スポットはマイボトルを持参すれば、誰でも利用することができる。

「身冷大百景」のメインビジュアル

チッタでヒンヤリ身冷体験 9月15日まで

 川崎駅前の複合商業施設「ラ チッタデッラ」で、夏季特別イベント「身冷(しんれい)大百景」が開催されている。9月15日(月・祝)まで。入場無料(一部有料)。

 期間中、館内各所は霧と光で演出された不気味なフォトスポットへと変わる。中央噴水広場は霧に包まれた「じゃじゃじゃ池」となり、ガラスのタワーには乱れ舞う無数の火の玉が出現。また8月31日(日)まで、同広場で小学生以下の子どもを対象とした水遊び場「じゃじゃじゃのぶぶぶ」もオープンする。

 この夏注目のホラー映画『事故物件ゾク 恐い間取り』との連動企画も多数展開。館内に潜む幽霊を探して専用フォームから応募すると、抽選で賞品が当たる企画や、7月31日(木)には原作者の松原タニシさんによるスペシャル身冷怪談トークライブ(無料)、トーク付き上映会(有料)も行われる。

 さらに館内19の飲食店では、見た目も涼しげな限定フードやドリンクが楽しめる「身冷ぞぞぞフェア」が8月1日(金)から開催されるほか、16日(土)にはサウナの中で怪談師・宮代あきらさんの語りが聞ける「身冷サウナ体験」といった有料イベントも予定されている。詳細・問い合わせは同施設公式ウェブサイト。

大規模な訓練の様子

道路陥没を想定し訓練 6機関が参加、連携強化

 大型バスを使用した大規模救急救助訓練が6月30日、富士見公園で実施された。

 参加したのは、中日臨海バス株式会社京浜支店、川崎警察署、川崎市立川崎病院災害医療チーム、川崎区役所、川崎消防団、川崎消防署の6つの機関。

 訓練は、市内の道路が陥没し、穴を避けようとした自動車と大型バスが衝突、両運転手が意識不明の状態となり、けがを負った乗客がバスに取り残されたと想定して、開始された。

 通報を受け現場に到着した警察が素早く交通整理。事故状況を各機関に共有するため消防団らが指揮本部を立ち上げた一方、車両に残された人たちの救助や現場の消火活動にあたった。

 災害医療チームは緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決定するトリアージエリアを設置し、救助された人を的確に振り分けた。

 訓練を見届けた松尾博之同警察署長は「連携もスムーズだった。しかし天候や地形など同じ事故現場はないので、あらゆる現場を想定して、引き続き訓練に取り組んで欲しい」と講評。連携訓練に初参加した市の災害医療コーディネーターの土屋光正さんは「普段は病院で待つ立場。現場の人たちの苦労が理解でき、チームとして改善を試みたい」と力を込めた。

講師の森さん

戦争本テーマに読書会 7月26日 北野書店で

 戦争関連の本をテーマに、書籍の感想を述べたり、意見交換を行う読書会が7月26日(土)、北野書店(幸区新塚越)で開催される。元東小倉小学校教諭でお茶の水女子大学附属小学校教諭の森壽彦さんが講師を務める。

 一口に戦争本といってもさまざまで「戦時体験者と終戦後に生まれた人では、戦争についての視点が違ったりする」と森さんは話す。読書会を通じ「戦争=怖い、かわいそうだけではない。多様な戦争や平和についての見方ができる場にしてもらうとともに、本のすばらしさも知ってもらいたい」と願いを込める。

 開催当日は、参加者それぞれが読んだ本についての感想を述べ合うほか、フリートークなどが行われる。

 時間は午前10時30分から正午まで。小学校3年生以上の子どもと大人。同書店で戦争関連本を購入することが条件。当日は購入した本とそのレシートを提示すれば参加できる。問い合わせは同書店【電話】044・276・9100。

当時の写真を見返す大橋さん

戦後80年 戦禍の記憶【7】 麻生区白山在住 大橋健一さん(96) 「死ぬため」懸命に操縦訓練 3度の窮地 残った命

 「典型的な軍国少年だった」15歳のとき、東京陸軍少年飛行兵学校に第17期生として入校。以来、3度にわたる「九死に一生を得る」経験をしてきた。

 1度目は1945年4月。立川飛行場でB29による爆撃を受けた時。6人の同期生は一瞬のうちに吹き飛び、影も姿もなくなった。防空壕に居たために辛うじて命は残ったものの、低空で飛行する機体に恐ろしさを覚えた。「あれは魔物だ」

 6月、陸軍航空士官学校の選抜試験に合格した。慣れてくると練習機の操縦訓練を行うように。2回目に「死」を意識したのはこの頃だった。練習中、100mほど上昇したところでエンジンが停止し降下。機体を安定させようと咄嗟に操縦桿(そうじゅうかん)に手をかけると、「馬鹿者。手を放せ」。同乗していた教官の怒鳴り声が聞こえた。理解できず呆然とする中、教官の冷静な操作のおかげで、機体も人も事なきを得た。

 死と隣り合わせの日々だったが、格別に生活や学びの環境が整った航空士官学校での時間は楽しくもあった。「陸軍初めての画期的な編成」と評された当時の訓練。その特徴の一つが心理学者の登用だ。訓練生一人ひとりに心理テストを行い、個々の性格にあった「個別化教育」が徹底された。「この間は教官から理不尽な扱いを受けなかった。僕は自由にやらせた方が伸びるタイプ。2年間の少飛(少年飛行隊)生活の中で唯一納得できる日々だ」

 7月ごろになると優秀な仲間は1人で飛行を行うようになった。「早く一人前になることは早く死ぬということ。死ぬために一生懸命になっているのだ」。皆、内に秘めた思いは同じだった。

 そんな中、「3度目の死」が近づく。艦上戦闘機・F6Fが列をなして急降下し、機関砲を連射。至近弾の衝撃で生き埋めになった。救出されるも、体の感覚はない。だが、命は残った。

 そして、8月15日を迎える。軍の命令で飛行機に関する情報は、三日三晩徹夜で燃やした。

 あれから80年。仲間のほとんどがいなくなった。「僕が口で伝えなきゃ」。思いを強くした。

 「心が傷つき、泣くのに、なぜ戦争をする指導者がいるのか。戦争だけはしちゃいけない」

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

参院選 あさって投開票

 参議院議員選挙の投開票が7月20日(日)に行われる。川崎区は29カ所、幸区は19カ所投票所が設けられ、午前7時から午後8時まで投票できる。

 期日前投票は7月19日まで受付。川崎区は川崎区役所▽大師支所仮庁舎▽田島支所仮庁舎、幸区は幸区役所、日吉出張所に投票所を設置。午前8時30分から午後8時まで投票できる。

 川崎市選挙管理委員会によると、7月6日までに市内の期日前投票を利用した有権者数は、神奈川県選挙区で2万9798人で2022年同月に行われた参院選と比べ3854人多い。

 7月2日時点の選挙人名簿登録者数は▽川崎区=18万9731人▽幸区=14万3488人。

あいさつする横山委員長

赤十字奉仕団が研修会 180人が参加

 川崎市赤十字奉仕団(横山俊夫委員長)は7月3日、エポックなかはらで団員研修会を開催した。約180人の団員らが出席し、高齢者支援や児童の健全育成、災害救護、赤十字のPRに取り組む奉仕団の活動を確認した。

 あいさつで横山委員長は県内で1日約900人分の血液が患者に必要とされている状況に触れ、「日頃の活動が患者の命を救っている」と強調。いざという時に備え、地域で顔の見える関係づくりに勤しむよう呼びかけた。来賓の福田紀彦市長は社会に役立ちたい若者の比率が上がっているとし、同団の地道な取り組みがこうした模範になっているとたたえた。

 この日は認知症の講演が行われ、団員は講師の話に耳を傾けた。

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優勝した古市場のメンバーら

古市場が6度目優勝 かわの杯ドッジボール大会

 河野忠正市議が主催するドッジボール大会「第13回かわの杯」が6月29日、古市場小学校(幸区)で開催され、古市場ドッジボール部が6度目の優勝を飾った。

 大会には9チームが出場し、コート上で猛暑を吹き飛ばす熱戦が繰り広げられた。

 準優勝は杉の子グリーンモンスターズ、3位は小向西町ブルーウェーブとなった。敢闘賞は古川町ドッジボール部が獲得した。

商品を選ぶ来場者

北加瀬こ文 リユーズ会盛況 ベビー服など並ぶ

 使わなくなった洋服や本、おもちゃなど、処分するにはもったいないと思う物品を持ち寄って譲り合う、リユース会が6月26日、北加瀬こども文化センターで開かれた。

 同センターが事前募集し、当選した30組の親子が参加。会場にはサイズごとに並べられた品を選ぶ姿が見られた。同センターでは毎年6月と11月の年に2回、リユーズ会を開催している。今回は持ち寄れる洋服のサイズを130cmまで広げたことから、提供数が大幅に増え参加者に喜ばれたという。「上の子の洋服も再利用してもらえて良かった」と、提供者の方からも喜びの声も聞かれた。川崎区危機管理室から寄付された粉ミルクは好評で抽選会の目玉となった。

市民団体 ネットヘイト解消へ学習会 7月18日 市労連会館

 「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の全面施行5周年を記念した学習会が7月18日(金)、川崎市労連会館(川崎区東田町)5階ホールで開かれる。市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」が主催。

 「インターネット上のヘイトスピーチ解消に向けて〜埼玉 クルドヘイトを川崎でともに考える〜」と題し、クルドヘイト対策弁護団の金(キム)英功(ヨンゴン)弁護士が講演する。

 午後6時30分から8時30分。参加費は300円。問い合わせは(メール)nohatekawasaki@gmail.com。

市教委のパンフレット

対話による校則の見直し カギ握る「子どもの権利」

 生徒と教員が対話しながら校則を見直す動きが、全国の教育現場に広がっている。国の働きかけを受けた流れであり、川崎市でも取り組みが進む一方で、一筋縄ではいかない「現場のリアル」もあるようだ。

 今年春、川崎市立川中島中学校(川崎区)の保護者に「校則の見直しに関するアンケート結果」と題した文書が、市の教育アプリを通して共有された。こんな内容だ。

 ▽校則の見直しに賛成ですか?(賛成98・3%)▽靴の色を白以外もOKにする(賛成88・8%)▽夏服着用時に体操着での登下校をOKにする(賛成94・2%)

 2024年度の同校PTA役員の発案で、同校の保護者にアンケートを実施し、415人から回答を得たものだ。

 発端は髪型の「ツーブロック問題」だった。同校では禁止されていたが、近年「過度な刈り上げ禁止」へと変更された。PTA役員の一人、高買舞さんは「『過度』の判断が難しいという保護者が多かったので、校則に関する親の声を学校に伝えたら、『校則を変えるには生徒の主体性が必要』という回答だった」。アンケートで声を可視化し、学校に共有した。

 あとは「生徒の主体性」次第だが、高買さんは子どもの「リアル」への懸念を打ち明ける。「一部の生徒が頑張って主張しても、消極的な子も多い。そもそも中1や中2が学校に問題提起することは難しいと思う」

 同校の新山英樹校長は「アンケートは承知している。子どもたちの学校生活をよくするためにルール変更が必要なら、子どもの声を聴き、教員たちと相談しながら対応していく」と語る。

子どもの意見表明権

 校則の見直しを巡り、文部科学省は22年12月に改訂した生徒指導の手引き「生徒指導提要」で「本当に必要なものか、絶えず見直しを行う」よう学校に求め、見直し過程での生徒参加を推奨している。これを受けて対話型の見直しの動きが全国に波及。川崎市教育委員会では23年3月に冊子「子どもたちとともにつくる学校生活のルールや約束」を作成し、学校に配布のうえ校長会などで周知を図っている。市教委の担当者は「何かしらの見直しを全校で実施している」とし、「市としては子どもの権利の観点からも『子どもたちと一緒に』という点を重視している」と強調する。

 確かに市の「子どもの権利条例」では子どもに自分の意見を表明する権利(意見表明権)を保障しているが、高買さんが指摘するように、自分の権利を行使できる子どもばかりではない。

 市の子ども会議の委員で、子どもによる「子どもの権利の学び舎」活動を続ける高木萌伽さん(17歳)はこう語る。「自分の声が反映される経験が少ない子どもは『意見を言おう』と思えない。子どもが意見する力を養うには、日ごろから『自分の声や意見を聴かれる経験』が重要。周囲の大人も子どもの思いに共感し、共に行動してほしい」

第40回「麻生音楽祭」終幕 累計7千人が参加

 今年で40回目の開催となった「麻生音楽祭」は7月12日に最終日を迎え、麻生市民館ホールで「ポピュラーミュージックショー」が催された。6月からひと月にわたり続いた音の祭典は、この日の出演者全員がステージに上がって合唱する「Specialバンド」で華々しくフィナーレを迎えた。

 地域の市民や音楽家が中心となって1984年に開いた「音楽フェスタ」を契機に、麻生市民館が開館した翌年の86年に「麻生音楽祭」は始まった。回を重ねるごとに参加者も観客も増え、今では出演者約2千人、観客約5千人が参加する規模に成長した。

 40回目となる今年は、2月に川崎市制100周年記念事業を兼ねた音楽祭の40周年記念イベント「1000人でオーケストラと歌おう!」を特別に実施。約700人が参加し、事前にプロから歌唱指導を受けた上で、坂本九さんの「明日があるさ」などを観客と共に熱唱した。

 音楽祭は6月14日に開催した新百合ヶ丘駅南口広場でのオープニングコンサートを皮切りに、スクールコンサートやアンサンブルのつどいなど6部門を6日間に分けて開催。麻生フィルハーモニー管弦楽団が麻生区のイメージソング「かがやいて麻生」を編曲したオリジナル版を演奏するなど、地域色豊かなステージが続いた。

 最終日の12日はポップスやゴスペル、ロックなど多彩なジャンルのステージが続いた。最終演目「40周年記念Specialバンド」では、この日の出演者約60人のほぼ全員がステージに上がり、井上陽水さんと奥田民生さんの「ありがとう」を全員で歌い、音楽祭は幕を閉じた。

 実行委員長の池上裕子さんは「40周年に向け、実行委員全員が『学園祭』のような熱量で準備を続けてきた。その全てを無事に終えられ、本当に感無量。ご協力、ご参加いただいた全ての方に、感謝している」と満面の笑みだった。

ウェルカムコンサートの模様 撮影:平舘平/提供:ミューザ川崎シンフォニーホール

プロオケ指揮に拍手 ミューザの日 1万700人来場

 ミューザ川崎シンフォニーホールが7月1日、開館記念日イベント「ミューザの日」を開催した。小中学生や親子連れなど約1万700人が足を運んだ。

 多くの来場が訪れたメインホールでは、「ウェルカム・コンサートオーケストラ入門」が行われた。

 オーケストラを初心者でも楽しめるようグリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲など馴染みのある曲が披露された。

 同ホールが誇る日本最大級のパイプオルガンの演奏や、事前審査で選ばれた2人がプロのオーケストラの指揮に挑戦するコーナーなど、多彩な企画が盛り上がりを見せ、会場からは演奏終了ごとに多くの拍手が送られた。

 会場周辺では、JR東日本による鉄道模型のNゲージ体験や、制服着用体験、川崎フロンターレやNECレッドロケッツなどもスポーツ企画で出展と、当日は市内ならでの催しが多数行われた。

 同ホールの担当者は「このイベントをきっかけにミューザに親しみを感じてもらえたら嬉しい」と話した。

昨年の「10代のための見学会」で解説する山田館長

明大登戸研究所資料館 今年も10代向け見学会 「戦争」や「平和」議論も

 明治大学生田キャンパス(多摩区)内にある「平和教育登戸研究所資料館」が、昨年初めて開催した夏の特別イベント「10代のための見学会」を、今年も8月15日(金)に開催する。戦後80年の夏に、あの戦争における日本の加害の史実について、山田朗館長が若い世代に伝承する試みだ。

 特別イベントのタイトルは「ひみつの研究所をさぐれ〜登戸研究所と戦争の裏側〜」。対象は小学5年生から高校3年生で、山田館長の案内を受けながら登戸研究所資料館の展示を見学した後、グループに分かれて感想を述べあい、「戦争」や「平和」などをキーワードに意見を交わす。

 戦時中に旧日本陸軍の「秘密戦」の研究・開発機関だった登戸研究所では、生物兵器や偽札、風船爆弾などが開発され、多くが実際の作戦に使われた。終戦時に証拠隠滅が図られたが、資料館ではこれら「秘密戦」の実態を、資料と写真で解説している。

 中でも風船爆弾は小説化されたこともあり、幅広い年代に関心を集め、現在開催中の企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争」は、好評のため会期を3カ月延長した。今回の特別イベントも、風船爆弾に焦点を当てた内容になるという。

 山田館長は「若い世代に戦争のさまざまな面を知ってもらえるよう、わかりやすい説明を心がける」と意気込みを語る。

 参加希望者は、資料館の公式ウェブサイト内の受付フォームから申し込む。先着15人。問い合わせは資料館【電話】044・934・7993。

優勝した上田町町内会のメンバー

上田町町内会が優勝 大師トリムバレー大会

 「第18回大師地区トリムバレーボール大会」が6月29日、殿町小学校体育館(川崎区殿町)で開催された。主催は大師地区スポーツ活動振興会、主管は同地区スポーツ推進委員会。

 大会には、9チームが出場。2つのリーグに分かれて試合が行われた。 両リーグ1位の上田町町内会と江川町内会が対戦し、17対15で上田町町内会が優勝。選手兼監督の石川剛さんは「チームワークで掴んだ勝利。意気込んで試合に臨み、久しぶりに優勝できて嬉しい」と喜びを語った。

 トリムバレーボールは、バレーボールよりも大きくて柔らかく軽いボールを使った競技。通常のバレーボールよりも滞空時間が長く、初心者でも気軽に楽しめるのが魅力のひとつ。

 2位以下の結果は次の通り。▽準優勝/江川町内会▽3位/殿町2・3丁目町内会▽敢闘賞/田町二・三丁目町内会

記念写真に納める参加者

32チームが白熱 かわさき杯ボッチャ大会

 「第2回カルッツかわさき杯ボッチャ大会」がカルッツかわさき(川崎区富士見)で6月21日に開催された。

 77チームの応募の中から抽選を通過した32チームが参加した。

 決勝ではATOと田町フレアールAが対戦し、7対2でATOが初優勝した。

 主将の安部博美さんは「2日ほどしか練習できなかったが、3人で声を掛け合って頑張った。仲間の応援もあり優勝できて嬉しい」と話した。

 優勝したATOは、2026年1月に開催予定の「第4回川崎市長杯ボッチャ大会」の優先出場権を獲得。副賞としてホテル宿泊券を贈呈がされた。

 大会は、くず餅の妖精「チョリ山チョリ男」が登場し、川崎フロンターレ提供のお宝グッズを賭けた1投のみで競う特別マッチも行われるなど、大いに盛り上がった。

スーパーボールすくいを楽しむ子ども

GO!GO!!フロンターレ

富士通スタで恒例の夏祭り!

 川崎フロンターレが運営する富士通スタジアム川崎で8月17日(日)、夏の恒例イベント「第6回 富士通スタジアム川崎 夏まつり Supported by ひまわり調剤薬局」が開催。

 今年は同スタジアムのフィールドだけでなく、隣接する富士見公園エントランス広場と川崎競輪場のイベントステージも会場となり、大規模に実施。エリア一帯がお祭りムードに包まれる。

 盆踊りや射的、ヨーヨー釣りといった夏祭りらしいブースはもちろん、ラムネやかき氷といった飲食販売も。浴衣を着て来場すると、フロンターレ選手のサイン入りグッズが当たる抽選会に参加できる。ほかにも今年は新たな企画も登場する予定。

 開催は午後4時から午後9時まで、入場無料(一部有料)。各ブースの詳しい内容は、同スタジアムの公式ウェブサイト「EVENTS GUIDE」を参照。担当者は「ご家族、ご友人と夏の思い出を作りにぜひ来場ください」と呼び掛ける。雨天・荒天時の開催可否は、当日午後1時頃に同スタジアムの公式X(旧ツイッター)で案内。詳細は同所【電話】044・276・9133。

画像は川崎フロンターレ