八王子版【7月24日(木)号】
世界水泳に挑む由良選手 =本人提供

JSS由良選手 背泳ぎで世界水泳へ 「過去の自分超えたい」

 競泳の由良柾貴選手(23/JSS東京:藤木孝夫代表取締役社長)が、シンガポールで開催中の世界水泳選手権に初出場。7月27日から始まる競泳で背泳ぎの日本代表を務める。由良選手は法政大学多摩キャンパス(町田市)に通い、普段はJSS八王子(挟間町)で練習するなど八王子にゆかりある選手だ。

 世界水泳選手権2025は、7月11日から8月3日までシンガポールで開催されている。2年に一度の奇数年に開催されるこの国際大会では、競泳、飛込、アーティスティックスイミング、水球、オープンウォータースイミング、ハイダイビングの全6競技が行われ、世界中のトップ選手たちが集結する。

 由良選手は、日野市出身。日野第一中学校(日野市)、八王子実践高校(台町)卒業。大学では水泳部に所属し、部活引退を機に2023年秋からJSS東京スイミングスクールに在籍。日野市在住であることから、日頃は狭間町にあるJSS八王子で週6日練習を積んでいる。

 出場種目は背泳ぎ(50m)。今年3月に行われた世界水泳の代表選考会も兼ねた日本選手権で自己ベストの24・92秒で初優勝。自身初となる世界水泳日本代表入りするなど今、勢いに乗っている。

大学まで「無名」

 「なかなかタイムが伸びなくて、(大学までは)無名だった」と話す由良選手。身長184cmの恵まれた体格を生かし、数々の大会に出場したが、国際舞台への出場機会は得られず、悔しい経験を重ねてきた。

 そんな中、大学で同期の選手がJSS八王子の石田啓悟事業本部選手強化部次長に指導を受けており、以前から顔見知りだったことからJSSに移籍することに。

 高身長で手足も長く、水をかくには有利な由良選手だが、一方で石田さんには「水の抵抗を削ることが大切」と指導を受けた。体が沈んでしまうと水の抵抗が大きくなってしまうため、「体を一直線にして泳ぐ技術などを教えてもらった」という。練習量も増え、体力や体重も大きく増加。「JSSに所属してから自己ベストも伸びた」と転機を振り返る。

昨年初めて日本代表に

 練習の成果がタイムに現れるようになると、昨年12月にハンガリーで開催された世界短水路選手権で初めて日本代表に。今回、世界水泳の代表団にも名を連ねるほどになった。

 石田さんは、由良選手と出会った頃を振り返り、「移籍をした当初はとにかく練習が弱い印象だったが、練習面、技術面、ウエイトトレーニング、メンタル面、それぞれが成長してきている」と評価する。世界水泳では、「3月に実施された選考会よりも100分の1秒でいいので、速く泳ぐ事が1番の目標。緊張しないのは難しいと思うので、緊張感を楽しんでレースに臨んでほしい」と期待を込めた。

 24日間行われている世界水泳。由良選手は「過去の自分を超えるような意識で頑張りたい」と抱負を語った。

落成した北野出張所の新庁舎

八王子消防署北野出張所 新庁舎 きょうから運用 相談室や訓練棟など完備

 八王子消防署北野出張所(北野町575の1)の建て替えがこのほど完了し、きょう7月24日から運用が始まった。消防に関する意見を聞く都民相談室や実践的な訓練ができる訓練棟、女性職員専用の仮眠室も整備するなど、時代に合わせた設計に。12日には落成記念式典が催された。

 旧庁舎は1974(昭和49)年に竣工し、市街地の東側から南東方面を管轄してきた。半世紀を経て老朽化が進んだことから建て替えが決まり、2023(令和5)年4月に旧庁舎の解体と新庁舎の建設工事を開始。工事期間中は八王子市北野環境学習センター(あったかホール)近くの仮庁舎で業務を行ってきた。

女性職員にも配慮

 新庁舎は耐火造の地上4階建(中2階含む)で、延床面積1193・13平方メートル。一般的な設備に加えて、地域住民に応急手当てなどを指導する防災教室や消防に関する意見や要望を受け付ける際に使用する都民相談室、女性職員の交代勤務を想定しシャワーなどを完備した女性仮眠室などが新設された。バリアフリー化も図られ、車椅子でも利用できるトイレも設置されている。裏庭には2階建の訓練棟が設けられ、訓練用放水口での訓練や屋内消火栓を使った自衛消防訓練の指導などができるようになった。敷地面積などの問題から訓練棟を備える出張所は少なく、市内ではみなみ野出張所などにある。同署は「消防団や自主防災組織はもちろん、近隣に遠慮して放水訓練を実施しづらい企業などにも活用してもらえれば」と期待する。

 ポンプ車(消防車)3台、救急車1台が配備され、所員38人が交代で勤務する。

安全誓う

 運用開始に先立ち開かれた新庁舎落成式には、市や消防団、関係機関、管内の町会・自治会などから約70人が出席。来賓の初宿和夫市長や美濃部弥生市議会議長、市選出の都議らが祝辞を述べた。新庁舎落成記念事業実行委員会の外池正明実行委員長は「新庁舎の設備を最大限に生かして、地域の安全のために活躍していただければ」と期待を寄せ、岡田一将八王子消防署長は「署員一同が誓いを新たにし、災害のない安心して暮らせるまちに向けて尽力していきたい」と誓った。

 式典後には内覧会も催され、参加者は署員から部屋や設備の説明を受けながら所内を見学した。

八王子交通安全協会の会長を務める 飯沢 宗光さん 市内在住 72歳

信頼で築く交通安全

 ○…子どもや高齢者を対象にした交通安全教室や、季節ごとの交通安全キャンペーン。警察や行政、関係団体と連携して市民を交通事故から守るために活動する協会の10代目会長を今年5月から務める。「さまざまな活動ができるのも会員(交通指導員)や事務局あってこそ。まずは組織全体の現状をしっかりと把握して、その上でみんながやりがいを持って活動しやすい協会づくりを進めていきたい」と約千人の会員を預かる責任にあらためて気を引き締める。

 ○…緑豊かな川口町で生まれ育った。曲がったことが嫌いな性格で、警察官に憧れていた時期も。父親が創業した運輸業を手伝い、28歳で後を継いだ。交通安全協会に入会したのも同じ頃。「公道で仕事をさせていただいている会社。地域の意識が高まり交通事故が減れば、社員も安心して仕事ができる」と精力的に活動に協力してきた。会長に就任し、真っ先に考えたのは会員の命を守ること。八王子まつりで交通警備に立つ会員に配る熱中症対策グッズは、自ら何種類も購入して効果を確かめた。「社員に対してと同じで、会員のためを思い、できることを考えている。そこから信頼関係が始まると信じている」

 ○…交通安全協会以外でも八王子法人会や防犯協会、ライオンズクラブ、保護司会など数多くの団体で社会貢献活動に携わり、さまざまな表彰を受けている。多忙な日々を送るが「世の中の役に立ちたい。今ならまだ元気だからできる」とほほ笑む。

 ○…息抜きは家庭菜園や花壇、たまのゴルフ。健康の秘訣は「好きなものを食べること」。孫と遊ぶ時間も大切なひとときだ。子や孫の世代が安心して暮らせるまちを目指して、地域の交通安全に力を尽くしていく。

児童図書118冊を寄附 南RC40周年事業で

 地域社会への貢献と国際交流・貢献などを目的として活動する奉仕団体・東京八王子南ロータリークラブ(南RC/藤原忠房会長)が創立40周年を記念して、八王子市へ児童図書118冊の寄附を行った。7月16日には市役所で寄附受領式が行われ、南RCの藤原会長、金子貢司幹事ら7人が出席=写真。初宿和夫市長へ目録を手渡すと、市長からは受領書が手渡された。

 式に先立ち、藤原会長が「今年度は我々にとっても節目となる年。記念事業として寄附させていただいた。洋書もあるので、幅広く皆さんに読んでいただければうれしい」とあいさつした。

 贈られた児童図書は20万円分の118冊。市内のたくさんの人に読んでもらえるようにと、選書の際に南RCから英語やスペイン語で描かれた絵本もリクエストし、バリエーションに富んだ図書を用意した。これらの図書は2026年10月オープン予定の八王子駅南口集いの拠点「桑都の杜」内に設置される図書館「憩いライブラリ」の所蔵図書となる。

 初宿市長は「末永く愛される施設になればと桑都の杜の愛称は子どもたちに選んでもらった。そんな施設に子どもたちのための本を頂けたことは大きな意味がある。きっと楽しんでもらえると思う」と感謝を述べた。

大学生ボランティアらが浅川にとうろうを流した

戦後80年の平和願う 浅川でとうろう流し

 「戦後80年 平和祈念八王子とうろう流し」が、7月19日に市役所近くの浅川河川敷で催された。

 八王子市仏教会(土井俊彦会長)を中心とした実行委員会(野口真澄実行委員長)が主催。戦前に浅川で行われていたとうろう流しを、八王子空襲の五十回忌を機に復活させた。30回目を迎えた今年は戦後80年ということで太平洋戦争で亡くなった人をはじめ、先祖や被災者などの冥福と世界平和を祈念した。

 開会前には、よさこい・ソーラン節やタヒチアンダンスの団体が演舞を披露。参加者に飲食物を提供するキッチンカーも出店した。祈念法要では仏教会の大蔵健司名誉会長らによる読経の後、拓殖大学国際ボランティア愛好会や市内のボーイスカウトの協力で、とうろうの放流と回収を実施。夕暮れ時の浅川に約500個のとうろうが流された。

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左から酒井さん、三澤さん、齋賀さん

拓殖大学×木工房三澤 曲げわっぱ 学生がデザイン ふるさと納税の返礼品に

 拓殖大学工学部デザイン学科で学ぶ酒井優理子さん(4年)と齋賀琢巳さん(同)がデザインした「東京曲げわっぱ」が、八王子市のふるさと納税返礼品に採択され、7月15日に館町にある同大八王子国際キャンパスで採択通知書の授与式が催された。

地域の魅力を表現

 新たに返礼品に仲間入りしたのは「東京曲げわっぱ Inspired by Takao」シリーズ。酒井さんがデザインした型番「TU-A」は高尾山や多摩地域に生息する動植物をモチーフに、自然の豊かさと地域の魅力を四季を交えて表現。齋賀さんの「TU-B」は花札をベースに、高尾や恩方エリアに住む動植物や地域の特徴をデザインに落とし込んだ。

 授与式で酒井さんは「初めに商品を誰に届けたいかを考え、コンセプトをしっかり決めようと『四季』を選んだ。商品化されて驚くとともに、とてもうれしい」と話し、齋賀さんも「自分が作ったものが人の手に渡ることが信じられない。貴重な経験になった」と喜んだ。

母校に恩返し

 東京曲げわっぱは元八王子町にある木工房三澤(三澤正孝代表)が、多摩産材ヒノキを使用して2023年から手がけている商品。三澤代表が同大の卒業生という縁をきっかけに、産学連携のコラボレーション企画が実現した。

 学生たちは宮木健二准教授の「デザインプロジェクト演習」で授業課題として曲げわっぱのデザインに取り組み、5つの候補の中から三澤代表が二人の作品を選び商品化した。宮木准教授は「学生たちに、制作物を提出して終わるのではなく市場に出るという経験をさせていただいた」と感謝し、三澤代表は「OBとして、いつかものづくりを通じて母校に恩返しがしたいと思っていた。二人が地域の魅力を盛り込んだすばらしいデザインをしてくれたことに、八王子で生まれ育った身としても感謝している」と学生たちのチャレンジを称えた。

 東京曲げわっぱは、ふるさと納税の返礼品のほか、八日町にあるまちの駅八王子CHITOSEYA(【電話】042・621・2901)で展示販売されている。

マルシェを初開催する「八王子びょんびょん引っ張り隊」=主催者提供

30代が「引っ張る」マルシェ 若手経営者グループが企画

 松木にある園芸専門店グリーンギャラリーガーデンズで、7月27日(日)に「八王子夏やすみマルシェ」が開催される。

 主催は「八王子をもっと盛り上げたい」という共通の思いを持つ、30代を中心とする市民グループ「八王子びょんびょん引っ張り隊」。八王子で事業を行う企業・店舗の2代目などの次期経営者や、新規事業を立ち上げた個人らが集合し、昨年春に結成された。

地域活性を牽引

 同隊の一員でもあるグリーンギャラリーガーデンズの吉田佳右さんによると、現在のメンバーは約30人。八王子の地域活性化を牽引する事業者仲間同士、悩みや情報を共有する中で「せっかく知り合いになれたのだから何か街を盛り上げることができないか」と話し合い、それぞれの事業を知ってもらえる「マルシェ」を企画。同隊初のイベント開催となる。

 また八王子は都内有数の広さがあるため「東西の人的・文化交流を促したい」とも画策。高尾や恩方地区など「市の西側に暮らす人は別所や南大沢地区のある東側は遠くて来づらい。マルシェには市内各所の企業・店舗が出店するので、その魅力を一度に味わってほしい」と意図を説明する。

 マルシェには地元洋菓子店や農家、工務店、整骨院など、フード販売やワークショップなど15の企業・店舗が集結。出店者の一人で、南大沢でカフェやヨガスタジオを運営するリンナヘルシーライフスタイルの田中麻衣さんは、米粉スイーツなどを販売。「(マルシェを通して)初めて出会うお客様に、一人でも多く当店のことを知っていただけたらうれしい」と意気込む。

 美山町で金属加工を行う小沢製作所(オズオプス)の小沢達史さんは、マルシェへの出店をマーケティングの場として生かしたいと考える。「発売を控えた金属製キャンドルホルダーの製作キットをワークショップで組み立てる。お客様のリアクションを間近で見て、商品開発に生かしたい」と期待を込める。

 マルシェは午前10時から午後4時まで。詳細はイベント名で検索。

消防操法で競い合った=同署提供

39隊が実力を発揮 自衛消防訓練審査会

 「第56回自衛消防訓練審査会」が6月26日に富士森公園陸上競技場で開催され、市内の大型商業施設やホテル、介護施設など31事業所から自衛消防隊39隊が参加した。

 市内事業所の防火防災意識の高揚と自衛消防力の向上を目的に、八王子消防署と八王子防火管理研究会の共催で毎年実施しているもの。今回は、勤務している建物で火災が発生したという想定で開催。各隊が消火器を使った初期消火や屋内消火栓ホース延長による放水活動要領などで競い合った。参加者は「日頃から懸命に訓練に取り組んでいる。今後も防火防災対策や防火管理意識の向上に努めていきたい」と話した。

「ゆぎ保健室」の一環で行われたアロマスプレー作り

由木の「保健室」が好評 地域へ出向き健康推進

 下柚木に拠点を置く「高齢者あんしん相談センター由木」が、昨年より新たな取り組みとして「ゆぎ保健室」の活動を展開している。

 同センターの保健師や看護師が、地域の団地の集会所などに出張し、体力測定や健康講座など高齢者の健康ケアを行うものだ。遠くの病院に行かなくとも、住み慣れた地域で気軽に無料で健康相談ができるとあって、住民からの好評を得ているという。

団地などに出張

 ゆぎ保健室ではこれまでに、同センターの管轄内であるトミンハイム上柚木(上柚木)、コーシャハイム下柚木(下柚木)などに出張。血圧検査などの体力測定のかたわら、住民が講師となって竹細工を教える工作会や、アロマスプレー作りなど、高齢者が楽しめるプログラムを開催するとともに、参加者同士が交流を深められる場にもなっている。

 7月16日、ゆぎ保健室の6回目の開催となるこの日は、同センターのある由木事務所(下柚木)の2階会議室で実施した。約20人の高齢者が参加し、体重や血圧、握力などの体力測定のほか、大塚製薬のスタッフが登壇し、熱中症とスポーツドリンクについての講話を行った。

億劫を「近さ」で緩和

 初めて参加したという80代の男性(上柚木)は、「スポーツドリンクと経口補水液の違いを教えてもらい勉強になった」と講話の感想を口にした。血圧などを測ってもらったといい、「病院まで行くのは億劫なときがあるから、こうやって近くで測ってもらえるのはいいね」とこの取り組みを歓迎した。

 「ゆぎ保健室」の発起人の一人である保健師の女性は、「(同様の取り組みをしている地域は他にもあるが)由木地区では高齢者が気軽に健康相談できる場が少ない」と昨年から試験的に開催したという。体力測定と健康相談を同時に進めるのにある程度の人手が必要なため、「ボランティアなど人手が確保できたタイミングでスタートした」と経緯を振り返った。

 もう一人の発起人の看護師の女性は、「交通の便が良くない地区のお住まいの方にはこのスタイルが合っているのでは」と推測。今後の課題として、「それでもなお、来所するのに足腰が辛い方がいる。夏場は暑さも心配」と懸念を示した。

霜降会長(前列中央)とメンバーら

ただ今活動中! うばゆりの会 清水公園で植物保全

 犬目町にある清水公園で植物保全の活動を続ける「うばゆりの会」。現在12人のメンバーが月3回集まり、早朝から清掃や除草などのボランティア活動を行っている。

 同公園は昔ながらの雑木林が残る自然豊かな場所。うばゆりをはじめ、一輪草、二輪草、キンラン、キツネノカミソリの群生など、1年を通じ四季折々の草花が楽しめる。2005年に行われた植生調査では112種類の植物を確認。霜降雅美会長(77)は「一定区域に限った調査だったので公園全体だと450種以上あるのではと言われた」と振り返る。

 今年は久方ぶりに園内でカルガモが卵を産み、8羽のヒナが孵化。1羽が猫に襲われ7羽になってしまったが、親子の川口川への引っ越しを見守ったのも楽しみの一つだ。

 同会は1997年に霜降会長ら5人で活動を開始。市の公園アドプト制度を利用しながら、2009年からは公園の指定管理者と連携。貴重な草花を一律で除草しないよう目印をつけたりと細かな作業を続けてきた。近年では観察会も主催し、メンバー募集を呼び掛けている。

 霜降会長は「環境がいいので多くの花が咲くが、見て楽しんで頂ければ。ほかの場所で育てようとしても難しいので、花を取っていかないでほしい」と訴える。

八王子空襲で九死に一生を得たが母を亡くした平野一男さん

八王子空襲、母の死 奇跡の命拾いの意味

 八王子空襲の日、焼夷弾が直撃しても生き延びた平野一男さん(81)。当時1歳10カ月だった1945年8月2日。記憶はないが、2人の姉に繰り返し聞かされた当日の母の話だ。

 平野さんは恩方村で生まれ、今も恩方で暮らしている。空襲当日の恩方の夜は暑かった。平野さんの母・キクさんはそんな暑い日でも、白いネル生地で出来た手作りの着物を1歳の平野さんに着せて背中におぶい、その上からネンネコ半纏を羽織って家の前に掘った大きな防空壕へと向かった。キクさんは家族が防空壕の奥の方へ入っても、自分はなぜか中に入らなかった。その内、防空壕の入り口付近に落ちてきた焼夷弾が平野さんをおぶったキクさんに直撃してしまう。

 家族がおろおろする間に消防団として見回りに出ていた父が帰って来た。すぐに腰に差していた鞘なたでおんぶ紐を切り平野さんを引きはがすと、そのまま長女に背負わせた。父がキクさんを背負い、土手の横穴まで連れて行った。次女のシゲ子さんは「父の消防半纏の背中は血だらけだった」と振り返っている。

 横穴にいた知り合いの女性に、横たわるキクさんが「お腹が痛い」と言うと女性は母の手を握り「おキクさん、しっかり、しっかり」と涙をこぼしながら手を握った。するとキクさんは「私はお腹の臓腑が飛び出したので、もう助かりませんから、一男を頼みます」とはっきり告げたという。気丈な祖母がぼうふらのわく防火用水の水を汲んできて「末期の水だ」と言ってキクさんに飲ませると「おいしい」と言い最期に「一男を頼む」と息を引き取ったという。

 平野さん自身は母のおもかげも知らぬまま育った。小学生の頃、同級生から突然に「私とあなたはきょうだいなのよ」と言われ「はじめは意味が分からなかった」という。よくよく聞いてみると、食糧もなく飲み水にも困っていた空襲直後、母乳の出る近所の女性にお乳を飲ませてもらっていたのが同級生の母だったのだ。

 「自分は周りの人に本当に恵まれた。戦争はやっちゃだめだね。もし、母に会えるなら、人様に迷惑かけないように、自分で思えた通りやってきたよって言いたいね」と平野さん。

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昨年の花火大会の様子

夜空に大輪 4千発 26日に八王子花火大会

 夜空を大輪の花火が彩る八王子花火大会が、7月26日(土)午後7時から富士森公園(台町2の2)で開催される。小雨決行、荒天中止。主催は(公社)八王子観光コンベンション協会。

 速射連発が特徴のスターマインや仕掛け花火など約4000発の花火が打ちあがる。観覧会場は公園内の陸上競技場、慰霊塔広場、陸上競技場東側駐車場、市民体育館駐車場、市立第七小学校で、午後4時開場(東側駐車場と第七小は午後5時開場)となっている。

 会場周辺では午後6時から交通規制行われ、緊急車両と許可車両以外は通行できなくなるので注意が必要だ。問い合わせは同協会【電話】042・649・2827。

東京八王子ビートレインズ 開幕戦ポスター掲出先を募集

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズの2025―26シーズンの開幕ポスターが完成=写真。クラブは現在、地域との一体感を高めるため店舗などにポスターを掲出してくれる人を募集している。

 新ポスターは、今季のホーム開幕戦となる9月26日(金)と27日(土)のアースフレンズ東京Z戦に向けて制作されたもの。協力希望者は、専用フォームから申込み後、チームを運営する(株)THTマネジメント(子安町3の6の7サザンエイトビル1階)へポスターを受取りに行く必要がある。また、掲出の際には場所の写真を撮影し、ⅩやInstagramなどのSNSで「#八王子ビートレインズ」「#LEVELUP」のハッシュタグをつけて投稿することが求められている。

 ポスター受取り期間は9月19日(金)までの平日のみ(なくなり次第終了)。なお、個人鑑賞目的など、ポスターの目的外取得と判断される場合には受渡し不可となる。問い合わせは同社【電話】042・649・4440。

ふれあいタイム

 さまざまな国のゲストスピーカーを招き、交流を図る催し「世界の人とふれあいタイム」が8月31日(日)、市学園都市センター第5セミナー室で行われる。主催はNPO法人八王子国際協会。午前10時30分から午後0時30分まで。

 今回は中国出身の黄紀文さんが、故郷の浙江省の温州や縁ある都市・杭州の文化や歴史について日本語で語る。

 参加費500円(同協会員は無料)。定員40人(多数の場合は抽選)。申込みはメールに▽ふれあいタイム▽氏名(ふりがな)▽住所▽電話番号―を明記し【メール】event@hia855.comへ送信。8月18日(月)必着。問い合わせは同協会【電話】042・642・7091。

日本語支援スキル向上

 日本語学習支援のスキル向上を目指す「日本語ボランティア養成講座(ブラッシュアップ)」が8月24日(日)・31日(日)、9月7日(日)の3日間、行われる。主催は八王子国際協会。

 講義は「やさしい日本語とは」「日本語の発音を考える」「日本語教育文法を知る」をテーマに仲間と共に学ぶ。

 各日午後2時から午後4時。会場は市生涯学習センターと市学園都市センター。参加費用は3000円(同会員2500円)。定員は25人(応募者多数の場合は抽選)。申込みはメールで8月16日(土)必着。



振り返る川口の歴史

 市民自由講座「川口の歴史」が、8月10日(日)午後5時から6時30分まで生涯学習センター川口分館視聴覚室で開かれる。

 講師は八王子市川口郷土史研究会の代表幹事を務める瀬沼秀雄さん。戦後80年を機に川口地域の歴史をあらためて振り返り、地域への理解を深める。参加費200円。

 申し込み先着順で定員60人。講座名「戦後川口の歴史」、氏名(ふりがな)、年齢、住所、電話番号を記載して、メール(kouza-kawaguchi@city.hachioji.tokyo.jp)、または電話(【電話】042・654・8450)で申し込むか、同館窓口でも受け付ける。

長池公園の長池見附橋

長池公園で鉄道展 8月3日まで

 長池公園にかかる長池見附橋と鉄道の関係を学ぶ「第35回鉄道展 長池見附橋と鉄道」が8月3日(日)まで、長池公園(別所2の58)自然館展示室2で開催されている。

 1993年、同公園内に開通した長池見附橋は、新宿四谷の「四谷見附橋」を移設復元した歴史的価値の高いもの。また同橋と関係の深い鉄道に、地下鉄丸ノ内線652号車(通称:流星号)がある。同展では、両者についての解説パネルを展示し、今なお残る歴史遺産の背景を紐解いていく。

 また曜日により実施時間が異なるが、鉄道模型(Nゲージ・HOゲージ・Zゲージ)の展示運転も行われる。

 時間は午前9時から午後5時(最終日のみ3時)まで。詳細はイベント名で検索。

 問い合わせは同館【電話】042・678・4616。

大善寺 体育がもっと好きになる 家族で参加 てらこや道場

 大谷町の大善寺で8月9日(土)、「こそだて呑龍(どんりゅう)てらこや道場」の夏休みスペシャル『遊んで鍛える! 頑張らないからだづくり』が開催される。

 講師の中村和恵さんは、自分で身体を鍛えて疲れない身体づくりを目指す「じぶんオーガナイザー」など各種運動指導のプロフェッショナル。今回は、遊びの動きから運動機能を向上する方法をアドバイスする。「体育が苦手なあなたも、新学期から大好きになるかも」と中村さん。

 対象は小学3年生から中学3年生までだが、きょうだいや親、祖父母など家族も一緒に参加できる。午後2時から3時まで。入退室は自由。参加費1組300円。申し込みは同寺【電話】042・642・0716。

上人の故事にちなむ

 呑龍上人(1556〜1623)は、大善寺の第3世住職を務めた人物。捨て子や貧民の子どもを寺で受け入れ、養育したことから「子育て呑龍」と呼ばれた。同寺ではこの故事にちなみ、てらこや道場を開いている。