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公開日:2025.07.24

JSS由良選手
背泳ぎで世界水泳へ
「過去の自分超えたい」

  • 世界水泳に挑む由良選手 =本人提供

  • 由良選手が練習するJSS八王子(狭間町)

 競泳の由良柾貴選手(23/JSS東京:藤木孝夫代表取締役社長)が、シンガポールで開催中の世界水泳選手権に初出場。7月27日から始まる競泳で背泳ぎの日本代表を務める。由良選手は法政大学多摩キャンパス(町田市)に通い、普段はJSS八王子(挟間町)で練習するなど八王子にゆかりある選手だ。

 世界水泳選手権2025は、7月11日から8月3日までシンガポールで開催されている。2年に一度の奇数年に開催されるこの国際大会では、競泳、飛込、アーティスティックスイミング、水球、オープンウォータースイミング、ハイダイビングの全6競技が行われ、世界中のトップ選手たちが集結する。

 由良選手は、日野市出身。日野第一中学校(日野市)、八王子実践高校(台町)卒業。大学では水泳部に所属し、部活引退を機に2023年秋からJSS東京スイミングスクールに在籍。日野市在住であることから、日頃は狭間町にあるJSS八王子で週6日練習を積んでいる。

 出場種目は背泳ぎ(50m)。今年3月に行われた世界水泳の代表選考会も兼ねた日本選手権で自己ベストの24・92秒で初優勝。自身初となる世界水泳日本代表入りするなど今、勢いに乗っている。

大学まで「無名」

 「なかなかタイムが伸びなくて、(大学までは)無名だった」と話す由良選手。身長184cmの恵まれた体格を生かし、数々の大会に出場したが、国際舞台への出場機会は得られず、悔しい経験を重ねてきた。

 そんな中、大学で同期の選手がJSS八王子の石田啓悟事業本部選手強化部次長に指導を受けており、以前から顔見知りだったことからJSSに移籍することに。

 高身長で手足も長く、水をかくには有利な由良選手だが、一方で石田さんには「水の抵抗を削ることが大切」と指導を受けた。体が沈んでしまうと水の抵抗が大きくなってしまうため、「体を一直線にして泳ぐ技術などを教えてもらった」という。練習量も増え、体力や体重も大きく増加。「JSSに所属してから自己ベストも伸びた」と転機を振り返る。

昨年初めて日本代表に

 練習の成果がタイムに現れるようになると、昨年12月にハンガリーで開催された世界短水路選手権で初めて日本代表に。今回、世界水泳の代表団にも名を連ねるほどになった。

 石田さんは、由良選手と出会った頃を振り返り、「移籍をした当初はとにかく練習が弱い印象だったが、練習面、技術面、ウエイトトレーニング、メンタル面、それぞれが成長してきている」と評価する。世界水泳では、「3月に実施された選考会よりも100分の1秒でいいので、速く泳ぐ事が1番の目標。緊張しないのは難しいと思うので、緊張感を楽しんでレースに臨んでほしい」と期待を込めた。

 24日間行われている世界水泳。由良選手は「過去の自分を超えるような意識で頑張りたい」と抱負を語った。

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