多摩版【8月7日(木)号】
紙芝居で原爆の悲惨さを学ぶ語り部体験ワークショップ

戦後80年 紙芝居で平和伝える 被爆ピアノ囲み実演

 戦後80年を迎えた今年。多摩市は8月17日(日)から24日(日)まで、第34回多摩市平和展をパルテノン多摩で開催する。初日には、「被爆ピアノ」の展示、演奏のほか、恵泉女学園大学平和紙芝居研究会KPKA(岩佐玲子客員教授)の指導により、小中高校生が戦争を題材にした紙芝居を披露する。

 今年は広島県と長崎県に原子爆弾が投下され80年という節目の年でもあることから、市は初日の17日に広島で被爆した「被爆ピアノ」の展示、講話、コンサートを行う。被爆ピアノは原爆投下時、爆心地3キロ以内で原爆の爆風、熱線、放射能等の被害を受けたピアノのこと。当時の姿のまま演奏できるよう修復されている。

 当日の午前11時から12時30分までは、全国で「被爆(ひろしま原爆)ピアノ、平和コンサート」を行っている被爆ピアノ調律師の矢川光則さんの話と広島出身で多摩市を中心に活動している夫婦ユニット「らいん」による被爆ピアノの演奏が披露される。

 市は「広島で被爆したままの姿で今日まで生き続ける『被爆ピアノ』の音色が平和の尊さを問いかける」としている。また、ノーベル平和賞を受賞し、2024年12月、オスロで開かれた授賞式に出席した日本被団協事務局長の濱住治郎さんによる講話が行われる。

練習の成果披露

 そして午後2時30分から行われるのが、この被爆ピアノを囲み、KPKAと一緒に練習した市内小中高校生が紙芝居や演奏を披露する「被爆ピアノさん、こんにちは!〜紙芝居と音楽でつなぐ平和の輪〜」だ。

 小学生によるピアノ演奏のあと、市教育委員会の千葉正法教育長が、東京大空襲を描いた紙芝居「三月十日のやくそく」を実演する。また、市内在住の市民や3人の外国人英語講師、KPKAのメンバーや小中学生による紙芝居「二度と」のリレー実演を行う。

 「二度と」は広島や長崎に投下された原爆による悲惨さを描いている。最後は高校生のピアノ伴奏で「翼をください」を合唱する。

被爆地派遣も

 平和展の最終日24日には、7月末に被爆地の広島を訪れた子どもたちによる派遣成果報告会も行われる。午後2時から。

 この派遣に先立ち、事前学習会と紙芝居を使った語り部体験ワークショップが7月19日、岩佐さんやKPKAメンバーらにより関戸公民館で行われた。

 パネル写真を使って80年前に広島と長崎で何があったかを学び、KPKAメンバーが「二度と」をリレー実演した。その後、この日参加した被爆地派遣員の小中学生が順番に1枚ずつ読んでいき、協働のリレー実演を実施した。

 子どもたちは「紙芝居を見ている時と実演した後では、自分の気持ちが変わった」「原爆の悲惨さを前よりも深く感じることができた」と話していた。岩佐さんは「誠実に作品と向き合い完成度の高い実演だった。どのような成果があったか報告会を聞いてみたい」と話していた。
積極的に質問する参加者

市内小学生 市議会の仕組み学ぶ 議員との質疑応答も

 多摩市議会2025子ども議会探検が7月30日、多摩市議会議場などで行われ、小学校高学年の児童26人と保護者が参加した。市議会の仕組みや役割を理解してもらおうと企画したもの。模擬議会では活発な質疑応答が行われた。

 多摩市議会は子どもたちに市議会を体験してもらい、議会や議員に興味を持ち、その仕組みなどを学ぶきっかけにしてもらおうと「子ども議会探検」を行ってきた。夏休み中の小学生を対象に行われてきた恒例企画だったが、コロナ禍の影響で中止が続き、今回6年ぶりの開催となった。

 議会探検では、議長や副議長など現職の議員が参加し、多摩市や多摩市議会のことを説明、スライドを使って解説していった。また、議員らが架空の議会を設定し役を演じ、議会の進行が分かる映像も放映すると、子どもたちは真剣な表情で議会進行を学んでいた。

 児童らが議員席に座り、議員が答弁する側にまわった「子ども議会」では、児童らから数多くの質問が上がっていた。「不登校についてどう考えているか」「税金の使い道で一番多いのは」「国会と市議会の違いは」「市の環境対策はどうなっているのか」「外国人に投票権はあるか」などの質問が飛び交い、議員も真剣に考え答弁していた。中には「石破総理ついてどう思うか」「議員の給料は」といった質問もあり議員を困らせる場面も見られた。

 議会探検では議長室や議会図書室などをめぐるスタンプラリーも行われ、児童らは楽しみながらも学んでいた。

 連光寺小5年生の男子児童は「議会に興味があって応募した。知らなかったことが多く、議会探検して分かることができた」と話した。また、東寺方小5年生の女子児童は「自由研究の課題で参加したけど楽しかった。議員の方に直接質問ができて良かった」と振り返った。

 三階道雄議長は「6年ぶりに開くことができて良かった。保護者や子どもたちは入ることのできない議場に入ることができていい経験になったのでは。いずれは議員のなり手不足解消のためにも子どものころから議員活動に関心を持ってもらえれば」と話していた。飯島文彦副議長は「きょうは多くの質問が出てきた。市議会議員はみなさんと同じ地域に住んで活動している。議員全員が多摩市をよくしたい気持ちでいることを知ってほしい」と児童らに呼びかけた。

諏訪名店街にある「風とキャラバン」のオーナーを務める尺八奏者 神永 大輔さん 諏訪在住 39歳

人との縁に恵まれて

 ○…諏訪名店街の店舗兼住居に越してきてから準備を進めてきた「風とキャラバン」をプレオープンさせた。尺八奏者として活動しながら店舗を構えた。「飲食をする中に音楽が寄り添う空間が好き」。数年前に名店街の近くに住み始めてから、「周囲にランチができるところや仕事帰りに一杯飲むお店が無かった。自分が欲しかったお店ですね」と店を構えた理由を話し笑う。

 ○…子どもの交流拠点や駄菓子屋など夫婦ともに名店街を利用する頻度が高かった。ミュージシャンとしてイベントにも出演するなど縁を深め住むことに。「人との縁に恵まれて住むことができたと思う」。団地の居住者と名店街が遊歩道一つで結ばれ、子どもたちが楽しんでいる環境が好きだという。「風通しが良く、陽当たりの良い場所で楽器を奏でながら過ごすことができる。魅力ですね」

 ○…幼少期からクラシックピアノを習い、テレビゲームの音楽を奏でて楽しんでいた。大学でサークルに入り尺八に出会った。「微妙な表現ができる尺八が世界中の民族音楽やゲーム音楽にぴったりだった」。卒業後、ライブハウスでシンガーソングライターの伴奏をするなど尺八奏者として活動。現在は個人やユニットを組み各地を飛び回る。琴のサークルにいた夫人と結婚。夫人や子どもとは公演先に一緒に行き旅行を楽しむこともあるという。

 ○…「2階の部屋では隣りの子がベランダ越しに入ってきたり、ゆるい感じが商店街ならではだなと思います」と微笑む。老朽化した名店街も一周まわってレトロな雰囲気があるという。「新しい人たちも越してきていて注目を集めるエリアになっている。遺産を引き継いで新しい風をふかせたいですね」 

ゆう桜ヶ丘 作品展 8月17日まで

 ゆう桜ヶ丘作品展が8月7日(木)から、桜ヶ丘コミュニティセンター(ゆう桜ヶ丘)ギャラリーで開催される。8月17日(日)まで。

 地域住民が参加し、絵画や工芸、書、写真の部門で作品が展示されるアートフェスティバルだ。

 時間は午前9時から午後9時30分(最終日は4時)まで。問合せは桜ヶ丘コミュニティセンター運営協議会【電話】042・338・7121。 

リラックスした雰囲気の匠カフェ

認知症に優しいまちへ 唐木田で「匠カフェ」

 認知症カフェ「からきだ匠カフェ 人生100年幸齢社会!」が、毎月第4水曜日にプラネットカフェ(唐木田駅徒歩2分)で定期的に開催されている。時間は午後2時から3時30分まで。

 参加費は330円(飲み物代)。定員は毎回20人(確実に参加したい人は事前予約を)。対象は認知症の人、その家族や友人、認知症に優しいまちづくりに興味がある人など。主催は社会医療法人河北医療財団、多摩市多摩センター地域包括支援センター。

毎月第4水曜に

 8月以降の匠カフェは、8月27日(水)に、「知っておきたい!認知症と薬のはなし」と題した講演会が行われる。クスリの龍生堂薬局/日本薬局学会認知症研修認定薬剤師の岩田直樹さんが講師を務め、服薬の注意点や工夫、薬局の便利な活用法などを専門の薬剤師が伝える。

 9月は24日(水)に「認知症を知る月間〜MCIをやさしく学ぼう〜」が開催される。認知症と診断される一歩手間の状態であるMCIについて、今から取り組めることを解説。講師は曽谷真由美さん(天本病院 日本看護協会認定 認知症看護認定看護師)。

 10月は22日(水)。「心も体もハッピーに!笑いヨガ」を行う。講師はあいクリニック理学療法士/日本笑いヨガ協会笑いヨガリーダーの杼木美紗姫さんが務める。「笑顔はみんなの共通言語。インド生まれの『笑い』の体操を一緒にどうぞ」

 11月26日(水)にはフリートーク「あなたの話、聞かせてください」を開催する。自分の中の喜び、好きなことなどを自由に話し楽しむ会。

 匠カフェは自由に交流できる場所。社会福祉士や看護師がおり、医療や介護のことも気軽に相談できる。予約・問合せは同センター【電話】042・376・2941。

講義する元井理事長

市内保幼小が連携 教育センターで合同研修

 市内にある保育園、幼稚園、小学校の教諭らが参加する「保幼小合同研修」が7月22日、市立教育センターで行われた。保育園や幼稚園を卒園した園児が、小学校に入学した際の環境の変化に戸惑うことを解消するため、教諭同士が共通理解を深めることが目的。

 講師は社会福祉法人こばと会の元井由隆理事長が務め、昨年度実施した研修の振り返りや心理的安全性の重要性などについて語った。「困った時に人に伝える、相談することはハードルが高いが大切なこと。伝えることなどで生まれる心理的安全性の高いチームは成果を上げている」などと話した。

 講義の後は小学校区ごとに座った教諭同士がグループを組み、自己紹介や自身の園や学校について話し合い、最初は緊張していた参加者も次第に活発な意見を出し合っていた。

乗っ取り期間中のアカウントイメージ=市提供

多摩大附属聖ヶ丘高校生徒 市公式SNSをジャック 8月31日まで

 多摩大学附属聖ヶ丘高等学校2年生のPRゼミ(北條健教諭)の学生8人が8月1日から、多摩市公式Instagramアカウントを乗っ取り、31日(日)まで、1カ月間の期間限定で投稿を行っている。

 高校生の視点から見た魅力的な姿を発信してもらおうと、市と連携している同校のゼミが行うことになった。

 同校の生徒らは「市が発信するSNSはかたすぎて高校生には魅力がない」「自分たちのインスタとフォロワーの数が違うので、どのような反応になるか研究したい」「多摩市が大好きなのでこの機会に発信してみたい」「高校生ならではのゆるさやユーモアを駆使して魅力を広げ、多摩市のインスタを多くの人に見てもらいたい」などと、それぞれの思いを語った。

 市の担当者は「市内外の人に新たな魅力を発信し、市のファンになってもらえたら」と話していた。対象アカウントは、東京都多摩市(@tamashi.oka)。

 同校のPRゼミは、多摩市をフィールドとして行っている「地域探求」の一環として活動しているゼミ。

 PRゼミのほかに7つのゼミがあり、それぞれのゼミで設定したテーマに沿って地域の課題を自ら発見し、解決策を模索する活動をしている。PRゼミではInstagramアカウント(@tamacity_37)を運用し、ほかのゼミの活動なども発信している。

店内の様子(上)、名店街になじむように作られた外観

尺八奏者・神永さんがオーナー 諏訪名店街にカフェ&バル プレオープン中

 諏訪団地の一角にある商店街、諏訪名店街に尺八奏者の神永大輔さん=人物風土記で紹介=がオーナーを務める「カフェ&バル 風とキャラバン」が5月末からプレオープンしている。現在、試行錯誤を重ねながら8月末の本格オープンをめざしている。

 プレオープン中は、日替わりシェフによるランチ営業(11時〜15時)を行っている(月・火休)。カフェ営業(15時〜17時)、バル営業(17時〜23時)と続く。イベントなども企画しており、7月は「お話し会」やライブ、体験会などを実施した。

 本格オープンに合わせ、神永さんはオープニングイベントを企画している。日程は8月30日(土)・31日(日)、9月6日(土)・7日(日)を予定しており、世界各国の音楽を奏でるグループや知り合いのミュージシャン、地元アーティストが出演する。時間は午後1時から3時、5時から8時などとなっている(詳細は店頭チラシ、インスタなど)。

 神永さんはロックバンド「和楽器バンド」やアコースティックユニット「華風月」などで活躍。諏訪名店街のイベントなどに出演しステージを披露するなど、名店街とは縁が深い。「風とキャラバン」では、神永さんのファンコミュニティ会員限定で、至近距離での食事付きライブも企画している。

 カフェを運営するかたわら、音楽活動も精力的で、8月23日(土)・24日(日)には長野県・八ヶ岳高原音楽堂で、「華風月プレミアムコンサート2025」を開催する。

 尺八奏者・神永大輔によるRPGゲーム音楽クラシックコンサートシリーズ第二章「GAME MUSIC CLASSIC J-RPG WORLD エピソード#2」は9月5日(金)、めぐろパーシモン小ホールで行う。

参加した児童を前に自己紹介する外国語指導助手

市内児童 楽しんで英語を学ぶ 外国語指導助手と交流

 英語に触れる「TAMA ENGLISH VILLAGE」が7月22日、永山公民館ベルブホールで行われ、夏休みに入ったばかりの市立小学校の5・6年生の児童20人が参加した。主催は多摩市教育委員会(千葉正法教育長)。

SDGsに関心

 このイベントは、小学生が英語に触れ、話す機会をつくろうと、市立小中学校にALT(外国語指導助手)を派遣している株式会社ボーダーリンクの協力を得て開催しており、今回で4回目。

 冒頭、ALTが自己紹介をしたあと、4つのグループに分かれて「カントリーツアー」と称し、カナダ、ジャマイカ、シンガポール、ナイジェリアの4カ国について、SDGs(持続可能な開発目標)に関するプレゼンテーションを行った。子どもたちは世界地図にキーワードを書き込みながら、熱心に耳を傾けていた。また、気候変動や地球沸騰化、生物多様性、海洋資源、災害、まちづくりなど、世界で共通する課題について学び、自分たちのくらす地域や学校の取り組みとのつながりを考えていた。

 その後、全市共通で進めるESD(持続可能な開発のための教育)やSDGsの現状や課題について、一人ひとりが英語でALTに伝える「My School for SDGs」という活動が行われ、子どもたちは自分たちが経験したことを英語で伝える楽しさ味わっていた。また、多摩市の白地図の中から、自分たちの通う小学校の場所を探し出し、学校で取り組んでいるSDGsの活動を示すアイコンのシールや絵を貼り、学習のまとめに取り組んだ。

日本一の英語力めざす

 実施後の参加者からは、「自分の学校のSDGsの活動報告を英語でしたことが楽しかった」「学校に来た時はALTの先生ともっと英語で話したい」「英語で交流したのが楽しかった」「いろいろな国のことが分かって楽しかった」などの感想があった。多摩市教育委員会は「『日本一英語が話せる児童・生徒の育成』を目指し、次年度に向けて、さらにこのイベントの内容に工夫を凝らしたい」という。

「ゆぎ保健室」の一環で行われたアロマスプレー作り

由木の「保健室」が好評 地域へ出向き健康推進

 八王子市下柚木に拠点を置く「高齢者あんしん相談センター由木」が、昨年より新たな取り組みとして「ゆぎ保健室」の活動を展開している。

 同センターの保健師や看護師が、地域の団地の集会所などに出張し、体力測定や健康講座など高齢者の健康ケアを行うものだ。遠くの病院に行かなくとも、住み慣れた地域で気軽に無料で健康相談ができるとあって、住民からの好評を得ているという。

団地などに出張

 ゆぎ保健室ではこれまでに、同センターの管轄内であるトミンハイム上柚木、コーシャハイム下柚木などに出張。血圧検査などの体力測定のかたわら、住民が講師となって竹細工を教える工作会や、アロマスプレー作りなど、高齢者が楽しめるプログラムを開催するとともに、参加者同士が交流を深められる場にもなっている。

 7月16日、ゆぎ保健室の6回目の開催となるこの日は、同センターのある由木事務所の2階会議室で実施した。約20人の高齢者が参加し、体重や血圧、握力などの体力測定のほか、大塚製薬のスタッフが登壇し、熱中症とスポーツドリンクについての講話を行った。

 初めて参加した80代の男性は、「スポーツドリンクと経口補水液の違いを教えてもらい勉強になった」と講話の感想を口にした。血圧などを測ってもらったといい、「病院まで行くのは億劫なときがあるから、こうやって近くで測ってもらえるのはいいね」とこの取り組みを歓迎した。

 「ゆぎ保健室」の発起人の一人である保健師の女性は、「(同様の取り組みをしている地域は他にもあるが)由木地区では高齢者が気軽に健康相談できる場が少ない」と昨年から試験的に開催したという。体力測定と健康相談を同時に進めるのにある程度の人手が必要なため、「ボランティアなど人手が確保できたタイミングでスタートした」と経緯を振り返った。

 もう一人の発起人の看護師の女性は、「交通の便が良くない地区のお住まいの方にはこのスタイルが合っているのでは」と推測。今後の課題として、「それでもなお、来所するのに足腰が辛い方がいる。夏場は暑さも心配」と懸念を示した。

絵を描いて平和を感じる金木さん

助けてくれた母に感謝 八王子市鹿島在住 金木節子さん

 金木節子さん(87)は、幼いころ、台東区本所の厩橋近くに住んでいた。漆職人だった父は35歳で亡くなり、母親一人で、一つ上の兄と妹や弟、金木さんの4人を育てていた。記憶に一番残っているのが3月10日の未明に発生した東京大空襲だった。サイレンが鳴り響き、空襲警報が発令されると、母親が4人を連れて防空壕に向かい逃げ出した。

 金木さんの記憶では、一度は防空壕に入ったものの「ここにいたら危ない」と判断し、近所の知り合いたちと、ライオン株式会社(墨田区)の倉庫に逃げ込んだ。さらに、迫りくる空襲の炎を避けようと倉庫のガラス窓をやぶり2階から飛び降ると、命からがら隅田川までたどりついた。

 金木さんは「母親が末っ子の息子を背負って、子どもたちを一生懸命連れ出そうとしてくれていたのを思い出し感謝している」と振り返る。後から聞いた話では、熱さに耐え切れず川に飛び込んだ人の多くは亡くなったという。

 5日後、関東大震災で被害が大きかった被服廠跡にできた東京都慰霊堂に向かい、炊き出しなどの支援を得ることができた。慰霊堂まで逃げる途中、黒こげになった人の形の上をまたいで歩いたことが記憶に残っているという。その後は、永代橋のわきにあった倉庫で暮らした。

生きるのが精一杯

 食料が無くて遠いところに行っては母親の着物と食料の物々交換で空腹をしのいだ。おにぎりをボストンバッグに詰めて汽車に乗っていたこともあったという。必死に生活を送る中、終戦を迎えていた。金木さんは「生きるのが精一杯でいつのまにか戦争が終わっていた」と話す。

 終戦後は、永代橋のところまでアメリカの大きな船がやって来て、近くにはダンスホールができて外国人が多く集まっていたという。

 その後、母親が亡くなり家族4人は、亀戸に住んでいた叔母のところで生活を始めた。叔母の遺言で、8月15日の終戦の日には慰霊堂に行き供養を行っているという。最近は足も悪くなり、供養に行けてなかったというが、「戦後から80年の節目。今年が最後になるかなと思い、近くに住む弟家族に連れて行ってもらう予定です」と語る。

 金木さんは「戦争がどれほど残酷なものか、若い子どもたちに体験させてはいけない。戦争は二度と起こしてはいけない」と力をこめる。

 数年前に主人を失くした金木さんは、絵を描くことを楽しみにしており、近所の人たちと話をしながら平和の大切さをかみしめているという。

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桜ヶ丘の灯り 7日、竹灯籠イベント

 一夜限りの竹灯籠イベント「桜ヶ丘の灯り」が8月7日(木)、都立桜ヶ丘公園さとやまくらぶ付近で開催される。午後3時30分から8時まで。点灯式は午後7時。雨天時は翌8日(金)に延期。

ひじり館で夏まつり 8月23日、24日 盆踊りなど

 ひじり館の夏まつりが8月23日(土)と24日(日)、同館会議室、ロビー、商店会広場、ホールで開催される。

 両日とも、午前10時から午後4時までは「ひじり館こども夏まつり」が行われる。4時から9時までは「ふるさと夏まつり」が実施される。

 こども夏まつりでは、映画会や人形劇、おもちゃ病院、読み聞かせ、スイカ割り大会などが行われる。

 ふるさと夏まつりでは、ビンゴ大会や盆踊り大会、水鉄砲射的ゲームなどが予定されている。 

 

防犯活動に貢献し表彰された受賞者ら

多摩稲城・防犯功労表彰 防犯協会に警視総監賞 21個人・8団体が受賞

 多摩中央警察署と多摩稲城防犯協会による今年度の防犯功労表彰式がこのほど、同署講堂で行われた。長年にわたり地域安全活動を行い、明るいまちづくりに貢献した活動が評価された。また、警視総監賞の防犯功労団体として同協会が3年連続で表彰された。

 顕著な防犯活動を行った個人や団体を表彰する「防犯功労表彰」。今年度は、多摩市と稲城市から21個人・8団体が表彰された。受賞者・団体は以下のとおり(敬称略)。▼警視総監賞(防犯功労団体)/多摩稲城防犯協会▼生活安全部長・東京防犯協会連合会会長連名賞(防犯功労)/伊藤義和/栗原良雄/多田野増子▼生活安全部長・東京防犯協会連合会会長連名賞(地域安全運動功労・団体)/東長沼支部/貝取豊ヶ丘支部/若葉台4丁目支部/東寺方女性支部/都営大丸アパート支部/駒沢女子大学▼生活安全部長・東京防犯協会連合会会長連名賞(地域安全運動功労・個人)/小澤眞知子/白井亨/篠崎博哉/福井敏治/山田祐子▼東京防犯協会連合会会長賞(防犯功労バッジ)/小嶋弥生/天野真美▼防犯功労表彰(署長・会長連名賞・個人)/上田みよ子/松浦禮子/杉田八重子/宮向康世/萩生信夫/小島功/原田和哉/木下モト子/原田皓一/雨宮潔/小田美和▼防犯功労表彰(署長・会長連名賞・団体)/多摩大学サイバー犯罪対策ユニット

納涼の日2025 24日、貝取こぶし館で

 貝取こぶし館「納涼の日2025」が8月24日(日)、同館全体を使って開催される。午前11時から。

 ピロティでは、おいなりや炊き込みご飯の販売、キッチンカーが出店する。工作室ではスーパーボールすくい、ロビーでは各団体によるショーが披露される。そのほか、親子で遊べる催しなどが行われる。 

自然の公園がステージに=同実行委員会提供

多摩NT 野外コンサート、盛況 1000人来場

 第40回多摩ニュータウン野外コンサートが7月19日、鶴牧東公園で行われた。主催は同実行委員会(河南政晴実行委員長)。同コンサートは、鶴牧団地地域に住む子どもたちが通う学童保育の保護者が実行委員会を立ち上げ「子どもたちに良質な音楽を届けたい」と1983年に第1回目を開催。コロナ禍により中止になった期間もあったが、今回で40回という節目を迎えた。

 同公園の急こう配が客席となり、ステージが設置され行われる夏の風物詩として定着している。今回オープニングを務めたのは多摩市のご当地アイドル「ディゼル」。その後、南鶴牧小学校合唱団、鶴牧中学校吹奏楽部のステージが行われ、最後にビッグバンド・中央大学Swing Crystal Orchestraが出演し、盛り上がりをみせた。

 河南実行委員長は「トリを務めた中央大学のビッグバンドジャズはレベルの高いステージを披露してくれた。上質な音楽を届けることができて安心しました」と振り返った。また、実行委員会には新しいメンバーも増えており、続々とアイデアが生まれているという。「1000人ぐらい来場した。暑い中、みなさん頑張っていただき満足している」と話した。

元気な歌声が響く

童謡で幸福長寿を アウラホールでつどい

 多摩童謡友の会(高山佳子代表)による「童謡のつどい」が8月25日(月)と9月22日(月)に、京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターA館6階アウラホールで開催される。両日とも午後1時から3時まで。

 同会では月に一度、季節の童謡や世界の流行歌などを、ピアニストの堀川法子さんが弾くグランドピアノの生演奏のなかで歌い、高山代表が直接指導してくれる。

 高山代表は「童謡のつどいは幸福寿命がテーマ。健康長寿は体の長生き、童謡は幸せな思いがふくらみます。一緒に幸福寿命をのばしましょう」と呼びかける。

 会費は月2000円(当日参加は2000円と資料代300円)、体験入会は初回のみ1000円と資料代300円。高山代表は「体験から入会する方が増えています。お気軽にご参加ください」と話している。

 問合せ・申込みは同会事務局【電話】042・375・8558。

うたごえランド 新津耕平さん出演 10日、ベルブホール

 石橋美恵子さんが代表を務める観客参加型コンサート「第231回うたごえランド」が8月10日(日)、ベルブホールで開催される。午後2時30分から。ゲストは新津耕平さん(テノール)。

 会費制(当日)。問合せは石橋さん【電話】042・371・7397または「うたごえランド 石橋美恵子」で検索を。