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公開日:2025.08.07

戦後80年
紙芝居で平和伝える
被爆ピアノ囲み実演

  • 紙芝居で原爆の悲惨さを学ぶ語り部体験ワークショップ

 戦後80年を迎えた今年。多摩市は8月17日(日)から24日(日)まで、第34回多摩市平和展をパルテノン多摩で開催する。初日には、「被爆ピアノ」の展示、演奏のほか、恵泉女学園大学平和紙芝居研究会KPKA(岩佐玲子客員教授)の指導により、小中高校生が戦争を題材にした紙芝居を披露する。

 今年は広島県と長崎県に原子爆弾が投下され80年という節目の年でもあることから、市は初日の17日に広島で被爆した「被爆ピアノ」の展示、講話、コンサートを行う。被爆ピアノは原爆投下時、爆心地3キロ以内で原爆の爆風、熱線、放射能等の被害を受けたピアノのこと。当時の姿のまま演奏できるよう修復されている。

 当日の午前11時から12時30分までは、全国で「被爆(ひろしま原爆)ピアノ、平和コンサート」を行っている被爆ピアノ調律師の矢川光則さんの話と広島出身で多摩市を中心に活動している夫婦ユニット「らいん」による被爆ピアノの演奏が披露される。

 市は「広島で被爆したままの姿で今日まで生き続ける『被爆ピアノ』の音色が平和の尊さを問いかける」としている。また、ノーベル平和賞を受賞し、2024年12月、オスロで開かれた授賞式に出席した日本被団協事務局長の濱住治郎さんによる講話が行われる。

練習の成果披露

 そして午後2時30分から行われるのが、この被爆ピアノを囲み、KPKAと一緒に練習した市内小中高校生が紙芝居や演奏を披露する「被爆ピアノさん、こんにちは!〜紙芝居と音楽でつなぐ平和の輪〜」だ。

 小学生によるピアノ演奏のあと、市教育委員会の千葉正法教育長が、東京大空襲を描いた紙芝居「三月十日のやくそく」を実演する。また、市内在住の市民や3人の外国人英語講師、KPKAのメンバーや小中学生による紙芝居「二度と」のリレー実演を行う。

 「二度と」は広島や長崎に投下された原爆による悲惨さを描いている。最後は高校生のピアノ伴奏で「翼をください」を合唱する。

被爆地派遣も

 平和展の最終日24日には、7月末に被爆地の広島を訪れた子どもたちによる派遣成果報告会も行われる。午後2時から。

 この派遣に先立ち、事前学習会と紙芝居を使った語り部体験ワークショップが7月19日、岩佐さんやKPKAメンバーらにより関戸公民館で行われた。

 パネル写真を使って80年前に広島と長崎で何があったかを学び、KPKAメンバーが「二度と」をリレー実演した。その後、この日参加した被爆地派遣員の小中学生が順番に1枚ずつ読んでいき、協働のリレー実演を実施した。

 子どもたちは「紙芝居を見ている時と実演した後では、自分の気持ちが変わった」「原爆の悲惨さを前よりも深く感じることができた」と話していた。岩佐さんは「誠実に作品と向き合い完成度の高い実演だった。どのような成果があったか報告会を聞いてみたい」と話していた。

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