中原区版【8月29日(金)号】
北乃さん(右)と作品をつくる子ども

川崎市内2病院 小児病棟から万博参加 俳優も支援しアート制作

 大阪・関西万博会場と全国各地の小児病棟等をオンラインでつなぐアートイベント「KIDS ART WORKSHOP-ゴチャ・ゾウ」が8月8日に開催された。会場に足を運べない子どもたちにも万博の楽しさを感じてもらうことが目的。川崎市内からは日本医科大学武蔵小杉病院(小杉町)、総合川崎臨港病院(川崎区中島)の小児病棟で生活する子ども等が参加。木材とタイルを使ったアート作品をつくり、万博や他会場の参加者と出来栄えを共有して楽しんだ。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催されている大阪・関西万博。同イベントはこのテーマに沿いながら、難病等で長期間の入院している子どもたちにも、万博を楽しんでもらうために開催された。当日は市内2病院のほか、岡山大学病院、長野県立こども病院等の子どもたちもZoomを通して万博とつながり、木材とタイルを使って制作した作品を見せ合って楽しんだ。

大人も驚く想像力

 日本医科大学武蔵小杉病院では、年長から高校1年までの子どもたち6人が参加。俳優の北乃きいさんや同病院の関係者とともに、アート作品を制作した。最初は緊張気味だったが、大人たちの積極的な声掛けによって徐々に打ち解け、笑顔を見せた。中には万博の公式キャラクター・ミャクミャクを木材に直接フェルトペンで描いたり、タイルと木材を組み合わせてゲーム機のニンテンドー・スイッチを模して作ったりする子どもたちもいて、北乃さんらが驚く一幕も。制作が終わると、子どもたちは細長い木材を使った作品に「木のタワー」、カラフルなタイルを散りばめた作品に「色の王国」等、思い思いの名前を付け、Zoomを通して紹介した。

 また他会場には俳優の伊原六花さん(万博会場)、鈴鹿央士さん(岡山大学病院)などが参加し、制作をサポート。北乃さんは「プライベートでもボランティアで同じようなことをした経験がある。明るい子が多くて、逆にパワーをもらった」と感想を語った。

海外とつながりを

 同イベントは万博のテーマ事業プロデューサー・中島さち子氏が手掛けるイベント「世界遊び・学びサミット」の一つで、認定NPO法人 キッズアートプロジェクト(渡邊嘉行理事長/川崎区中島)が協力し実施。同法人はこれまで、粘土でクリスマス作品をつくるオンライン教室等を実施して、入院中の子どもたちを勇気づけてきた。渡邊氏によると、作品の色や形から子どもたちの心理状況を読み取り、入院生活へのヒントを得られるという。今回は総合川崎臨港病院でも理事長を務めている渡邊氏を通じて、全国各地の小児病棟等をつないで開催されることとなった。渡邊氏は「今後は海外の小児病棟ともつながるイベントにできれば」と展望を話した。
飲食しながら盛り上がる参加者ら

武蔵小杉オレンジバル 飲んで笑って認知症語る 当事者、家族の居場所づくり

 認知症当事者とその家族や関係者らがお酒と食事を楽しみながら語り合う「武蔵小杉オレンジバル」が8月23日、武蔵小杉駅近くの飲食店で行われた。食べて、笑って、歌いながら参加者同士で交流を深める集まり。2019年に横浜市で始まり、東京都内や県内でも広がりを見せる。川崎市内での開催は今回が初。

 イベントについての趣旨説明や参加者同士の自己紹介もしない「気楽な飲み会」をうたう同イベント。川崎市内で若年性認知症の人と家族が参加する市民活動団体・若年認知症グループどんどんが主催した。飲食店を貸し切りにした会場には、認知症当事者や家族、医療・福祉関係者、支援者ら33人が参加。乾杯後は麹家マンダムさんの落語を楽しみ、食事をしながら情報交換したり、共通の話題で盛り上がった。

 仕事や子育てに携わる現役世代などの65歳未満で発症する若年性認知症は、本人はもちろんのこと、家族の不安も大きく、介護期間の長期化などもあり、負担が重くなるという。発症すると仕事を辞めることになったり、行き場所がなくなり家に引きこもりがちになる人も多い。

 昨年12月にNHKなどが主催し、認知症の人がいきいきと暮らすための活動を表彰する「認知症とともに生きるまち大賞」を受賞し、テレビ番組でも取り組みが紹介されるなど、注目を集めるオレンジバルの活動。当事者やその家族らにとって、仲間たちと過ごせる「居場所づくり」を一つの目標に掲げる。

「内なる声」聞く場

 自己紹介をしないため、参加者同士は誰が認知症当事者なのかもわからない。ただ一緒に話をして、お酒と料理を楽しみ、同じ時間を過ごす。同グループ共同代表の中條共子さんは「かつて介護家族だったときに、本人の心の内に耳を傾けることができなかった。当事者たちが思いを語り、声を上げられる場所をつくってあげたい」と話す。武蔵小杉駅近くを会場に選んだのは、市の中心部であり、より多くの人たちに参加してもらいたいという思いから。副代表の木村仁さんは「認知症になっても前向きに人と交わり、わいわいとにぎやかな夜を過ごせる居場所ができれば」と思いを口にする。

 2年前に若年性認知症を発症した弟(59)と一緒に多摩区から参加した桑原真さん(65)は「いろいろな人の話を聞き、皆さんがどのように対応されているかを知ることができた。とても有意義な時間を過ごせてよかった」と感想を話した。

施設や里親の養育で育った経験を語り、里親制度推進に協力する 池田 累さん 南足柄市在住 34歳

川崎の里親が人生を変えた

 ○…7歳のころ、母が自分と兄、そして再婚相手の男性を残して家を出た。9歳の時に神奈川県内の児童養護施設へ入所。14歳から18歳まで川崎市内の里親のもとで育った。現在は3児の父となり、不動産業を営む傍ら、里親制度を推進するこども家庭庁などの依頼を受け、「語り部」として自身の経験を語る。

 ○…幼い頃から野球に夢中になり、1998年の横浜高校の「春夏連覇」に刺激を受け「野球選手になる」と決意。施設から通う中学の野球部で力をつけると、野球に打ち込める環境を求めて中学3年で川崎市内の里親家庭へ。市大会3位の成績を収め、10校以上の高校から推薦の誘いを受けたが、「養育」を受ける立場では選択肢が限られていた。すべて断り、地元の公立である市立橘高校へ進学を決めた。

 ○…1番目の里親は「1年間」の条件だったため、高校進学直前に2番目の里親家庭へ。明るい女性看護師と無口な自動車整備士の里親夫婦は、野球に打ち込むことを歓迎してくれた。野球三昧の日々で「ろくに言葉を交わさなかった」というが、「2人が毎日仕事に出かけ、暮らしを回す姿を見ていたことは大きかった」と振り返る。

 ○…18歳で自立すると、何でも相談できる「人生の先輩」として里親の存在感が増した。交際相手との結婚を考え始めた20代半ばには、家庭を持つイメージが湧かず、「先輩」にあれこれ尋ねた。「母は『この女性なら間違いない』、父は『嫁の言うとおりにしとけ』と。そうか、この2人のように暮らせばいいのかと思えた」。結婚式では泣きじゃくりながら、2人に「ありがとう」を連呼した。「確実に自分の人生を変えてくれた。里親のおかげで、『この生き方で大丈夫なんだ』と思えている」

著書を手にする山本健吾さん(右)、真由美さん

山本健吾さん真由美さん 障害の息子と母の歩みつづる 「ぼくとかあちゃんのマラソンアート」出版

 重度の知的障害のある山本健吾さんと母の真由美さん=幸区鹿島田在住=が二人三脚で歩んだ33年間の軌跡をつづった『ぼくとかあちゃんのマラソンアート』(星雲社)を出版した。真由美さんは同書を通じ「障害をひとくくりにしてもらいたくない。いろいろな人がいることを知ってもらいたい」と願いを込める。

 健吾さんは1歳半の時に、「伊藤白斑」と宣告。脳の中枢神経障害の合併により、運動や感覚機能に支障を来し、歩行や食事、排せつなどすべてにおいて介助が必要で、生涯、車いすの生活を余儀なくされる人も多く、植物状態になってしまう恐れもあるという。

 こうした中で健吾さんは古川小学校の特別支援学級、市立養護学校中等部、同高等部に通学。高等部時代には市障害者陸上競技クラブに入会し、10Kmマラソンに挑戦して完走を果たした。2020年に入所した幸区の生活介護事業所でアートの世界に触れ、才能を発揮し、展覧会で入選するなど、アーティストとして活動する。

 子どもの頃、小説家になりたかった夢もあった真由美さんは、昨年末、健吾さんの今までの頑張りを実話で書こうと決意。1月から執筆を始めた。「アンパンマン」の一語しか話すことができない健吾さんが10Kmマラソンに挑戦した際、ゴールで「やったー‼」と叫んだことや、健吾さんと伴走する真由美さん自身が陸上やダンスなどに楽しむ姿を軽妙な語り口でつづる。表紙の絵は健吾さんが手掛け、展覧会に出品した作品も掲載されている。

 「将来、私の手を離れて山下清画伯のように日本中を旅して歩いてくれることを願う」と真由美さん。「その時には健吾の得意なこと、苦手なことを人に説明しなくてもすむよう、この本に全てを書いた」とも話す。

 四六判、160ページ。価格は1000円税別。北野書店やネットで購入できる。

スズムシを譲り受ける親子

境内に響き渡る鳴き声 「鈴虫祭り」盛大に

 中原区の夏の恒例イベント「かわさき鈴虫祭り」が8月24日、宮内の常楽寺(通称・まんが寺)で行われ、子どもから高齢者まで多くの人が訪れ、にぎわいをみせた。

 新城鈴虫愛好会(小林政男会長)の主催で毎年夏に行われている同イベント。44回目を迎えた今年も、朝からスズムシの鳴き声が境内に響く中で、開始前から多くの人が行列を作った。

 同寺住職の法要の後、会員が卵からふ化させ育てたスズムシが、自宅から虫籠を持ってきた来場者に次々に配布された。また福田紀彦川崎市長や市民から寄せられたスズムシに関すること、日常生活や過去の思い出などをつづった文や詩、絵などが収められた「すず虫文集」も来場に配られた。

 同会は約1200匹126籠を川崎市に寄贈。福田市長から感謝状が贈呈された。

 同会の小林会長は「命を大切にすることがこのイベントの目的。殺伐としている今の世の中で、大勢のお子さま連れの人が来てくれた。スズムシを育てる人も高齢化し少なくなってきている。続けられる限りこのイベントを継続していきたい」と話した。

屋台が並ぶ住吉神社の境内(上)と祭りばやし

住吉神社 夏祭りに多くの人出 50以上の屋台が並ぶ

 元住吉駅近くの住吉神社(吉田盈一宮司)で8月23日、24日に例大祭が開催された。両日、みこし・山車の渡御が行われ、駅前から境内まで50店以上の屋台が軒を連ねて多くの家族連れなどでにぎわった。

 35℃を超える猛暑日の中、昔ながらのくぎを使わずに組まれたやぐらの上では、しの笛や太鼓による祭りばやしの演奏も。木月囃子連代表の金子正夫さん(67)は「近隣の祭りでも演奏する団体が少なくなってきた。子どもたちに伝え、次の世代につなげていきたい」と思いを込めた。焼きそば、たこ焼きなどの飲食をはじめ、射的、ヨーヨー釣りといった昔遊びにも人だかりができた。幸区から祖母、妹と3人で参加したという小5の男子児童は「住吉神社のお祭りは初めて。屋台で買ったかき氷がおいしかった。来年もまた来たい」と笑顔で話した。

金井社長(左)と菅署長

中原警察 地域安全へ協定締結 イッツコムと連携へ

 中原警察署(菅健司署長)と地元ケーブルテレビ局のイッツ・コミュニケーションズ(株)(金井美惠社長)は8月19日、「地域安全に関する協定」を締ぶため、同社から5人が出席して締結式を行った。

 同協定では、【1】特殊詐欺をはじめとする犯罪等の被害防止【2】交通事故防止【3】犯罪抑止や交通事故防止にかかる広報啓発・情報発信【4】子ども・高齢者などの見守り【5】その他安全・安心まちづくりに関する事項について連携して取り組んでいくとしている。

 具体的には、犯罪や交通事故の発生状況や防止策などの情報を同社のコミュニティチャンネルで発信していくほか、サポートスタッフが家庭訪問をする際に警察から提供される犯罪防止チラシなどを配布し、注意喚起するという。

 金井社長は「地域のメディアとして、警察と連携して安全・安心な情報を発信していきたい」と話し、菅署長は「情報を広めるためには警察だけでは限界がある。区民への効果的な情報発信が可能になることはありがたい」と感謝した。

 イッツ・コム(株)は今月18日に宮前警察署、27日には高津警察署でも同協定を結んでいる。

決意表明する大河原監督=川崎商工会議所提供

都市対抗野球 東芝野球部、優勝誓う 川崎市役所で壮行会

 「第96回都市対抗野球大会」に出場する川崎市代表・東芝野球部の壮行会が8月20日、川崎市役所本庁舎で開催された。チームは西関東予選を勝ち抜き、2年ぶり45回目の本大会出場を決めた。

 壮行会には福田紀彦川崎市長や草壁悟朗川崎商工会議所会頭、東芝野球部の選手、スタッフらが参加。福田市長は本社機能が川崎市に移転したことに触れ、「名実ともにこの川崎のチーム」として、これまで以上に力を入れて応援すると述べた。また、初戦の応援に駆けつける意向も表明した。草壁会頭は、優勝候補に名前が挙がっていない現状に触れつつ、優勝旗を持ち帰ることに期待を寄せた。

 激励を受け、投手陣から野手まで多くの選手が意気込みを語った。岡部祐太内野手は、2年前に果たせなかった優勝の約束を今年は必ず守ると力強く宣言。小山忍選手は「市長を狙っている」と発言し会場を和ませた。

 決意表明に立った大河原監督は、昨年予選敗退したことを市民に謝罪。今年は創立150周年の節目に優勝という花を添えたいと述べた。中村主将は、昨年の悔しさをバネにして戦ってきたと話し、「必ず都市対抗優勝」と宣言した。三橋部長は、川崎市に住み、働く選手たちが地域の代表として戦う喜びを語り、市民からの絶大な応援を求めた。

 大会は8月28日に開幕し、東芝の初戦は29日午後6時から東京ドームでJR東日本と対戦する。

In Unity 参加者の募集開始 音楽とダンスの祭典

 毎年多くのミュージシャンやダンサーが参加する、音楽とダンスの祭典「In Unity」の出演者募集が始まった。主催は同実行員会。

 2000年にスタートし、今回で27周年を迎える同イベント。今年度は来年1月25日(日)にエポックなかはらで開催される。前日24日(土)にリハーサルが行われ、事前説明会を10月19日(日)に実施。いずれも参加必須。応募締め切りは9月16日(火)。

 応募方法等の詳細は公式ウェブサイト。(問)中原区役所地域振興課【電話】044・744・3324

福田市長(中央)に要望書を手渡す4会派の団長

川崎市議会4会派 「小児医療費助成制度拡充を」 福田市長に要望書手交

 川崎市議会の自民、みらい、公明、川崎・維新の4会派が8月18日、小児医療費助成制度の拡充を求めた要望書を福田紀彦市長に手渡した。

 小児医療費助成制度を巡っては、県内31市町村が高校3年生相当までを対象にしている。川崎、横浜の2市のみ中学3年生までだが、横浜市は山中竹春市長が8月の市長選で18歳までの拡大を掲げ再選した経緯がある。

 要望書では「物価高騰や教育費・医療費の家計負担増加が子育て世帯に影響を及ぼし、支援拡充が急務」と指摘。自民市議団の野田雅之団長によると要望書を受け取った福田市長は「主要4会派の要請を重く受け止める」と述べたという。

 市長は25日の定例会見で小児医療費助成を18歳まで拡大する考えを示した。

新たに導入する防災ラジオ

川崎市 防災ラジオを導入 1000台を無償貸与、500台を有償配布

 川崎市は、災害発生時に自動で起動し情報を届ける「防災ラジオ」を新たに導入し、市民に無償貸与・有償配布を行う。申込受付は、9月16日(火)から(有償配布は10月15日(水)まで受付)。

 この防災ラジオは、緊急地震速報や国民保護に関する情報、避難指示、河川洪水・土砂災害等の気象に関する情報などを受信すると、自動で起動し最大音量で放送する仕組み。コミュニティ放送「かわさきFM(79.1MHz)」の電波を活用し、情報が得づらい高齢者や障害者らにも、命を守るための災害情報を届けたい考えだ。

 今年度は、高齢者や障害者、町内会自治会らを対象に1000台を無償貸与するほか、500台を抽選(申込多数の場合)で有償配布する(詳細は下記リンクより)。

 市危機管理本部は「災害情報はいち早く入手することが重要。インターネットなどから情報を収集できない人でも命を守る行動がとれるよう、この防災ラジオを活用してほしい」と話している。

 申込みは下記リンクから、問合せは、川崎市危機管理本部災害システム担当【電話】044・200・1906。
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傾聴の技術学ぶ 全7回 参加者を募集

 全7回の「シニア傾聴講座」が、てくのかわさき(高津区溝口1の6の10)で10月から始まる。

 市高齢者在宅サービス課、認定NPO法人かわさき創造プロジェクト主催。傾聴の基礎を学び、回想法を通じて、高齢者の心の健康に寄与できるような技術を身につける。傾聴ボランティアや日常生活にも役立つ。

 市内在住、在勤の40歳以上の人が対象。定員24人(全日程参加できる人)。3千円。10月9日、16日、23日、30日、11月13日、20日、午後1時30分〜4時30分。11月4日〜7日のいずれかで体験実習。申込は「傾聴講座を受講希望」と明記の上、氏名(ふりがな)、年齢、郵便番号、住所、電話番号を記載し往復はがき(〒210―8577川崎市川崎区宮本町1番地健康福祉局高齢者在宅サービス課)かファクス(【FAX】044・200・3926)。二次元コードでも受付。9月17日必着(応募多数の場合抽選)。(問)【電話】044・200・2677

講演会を案内するチラシ

グリーフケア 死別の悲しみ考える 10月11日 小杉で講演会

 大切な人との死別などにより心身に苦痛が生じる状態を指す「グリーフ」。そんな悲しみや苦しみを抱えながら生きる人を支える「グリーフケア」の存在や意義への理解を深める講演会が、10月11日(土)に川崎市総合自治会館(中原区小杉町3の600)のホールで開催される。

 地元でボランティア活動を行う「グリーフケアカフェあかりmāmā」が行うグリーフケア講演会。講師には臨床心理学・死生学の専門家で、人の心と「いのち」の問題に長年取り組む東京福祉大学心理学部教授・鈴木康明氏を招き、これまでの研究と経験に基づいて話をする。午後1時30分(1時開場)から4時。対象はグリーフ当事者や支援者。事前予約制で、定員60人。申込みは9月1日(月)から受け付け開始する。参加費千円。

 看護師の國富多香子さんと傾聴カウンセラーの伊藤礼子さんが立ち上げたグリーフケアカフェあかりmāmā。多くの人と向き合ってきた経験をいかし、思いや悩みに寄り添う「分かち合いの場」を開催している。問合せは【メール】grief.mama.event@gmail.comで。

市場規模は1千億円へ かき氷が酷暑で大人気 街の氷屋は縮小傾向

 酷暑でかき氷の需要が増している。市場調査会社によると、全国のかき氷の市場規模は2024年に過去最高の964億円を記録し、今年は1千億円超えも予測されるという。一方で街の「氷屋」は減少し、高齢化や零細化が進む。市内の「氷事情」を取材した。

 「グレープひとつ、お願い」「私はイチゴ!」

 8月末の週末。35度を超える猛暑日となったが、小田急向ヶ丘遊園駅近くの住宅地に止まるかき氷のキッチンカー「登戸パーラー」には常時人が集まり、かき氷をほおばっていた。

 同店では、多い日には150〜200食近くを販売してきた。事業主の堀尾佑記さんはコロナ禍にこの事業を始めたが、この数年の「変化」をこう語る。「猛暑日は客足が鈍く、常連客が『夕方に来る』と声をかけていく。実際、暑さが収まってから客が集中する」

 市場調査会社「インテージ」の調査によると、かき氷の市場規模は、23年度には前年比121%、24年度は前年比114・8%と、年々拡大傾向にある。世間ではかき氷好きを「ゴーラー」と呼ぶ人気ぶりで、JR川崎駅近くの「ホテルメトロポリタン川崎」(幸区)内のレストランでは、これまでビュッフェメニューの一つだったかき氷を、今年からティータイムのアラカルトメニューとして提供。純度の高い「天然水氷」を売りに、一杯980円〜1480円という価格設定だが、人気を集めているという。

コンビニの余波

 県内の氷販売店が加盟する「神奈川県氷雪販売業生活衛生同業組合」(氷雪組合)の幹部によると、コロナ禍が明け、飲食店の営業再開やインバウンド需要により「氷の売り上げは全体的に1割以上伸びた」という。特に夏場は伸び幅が大きく、氷の在庫が底をついたため県外から調達して販売店に卸す氷雪製造メーカーもあるそうだ。

 好調にみえる氷業界だが、街の「氷屋」の状況は厳しい。

 厚生労働省の調査によると、全国の氷雪販売施設数は08年度に2384施設だったが、17年度には1581施設まで減った。店の規模では、16年の時点で従業員数「2人」の店が約3割で、「1人」も全体の約25%と、零細化が著しい。さらに経営者の年齢別では「60歳以上」が全体の4分の3を占め、「70歳以上」も4割以上だった。

 川崎市内の氷屋の店主は「この数年で知り合いの氷屋がいくつも店をたたんだ。今ではどこにでもコンビニがある。仕方がない」と苦笑いを見せる。氷雪組合の幹部も「夏の祭りを秋以降にスライドさせる主催者が増え、気象が不安定で急なイベント中止も少なくない。天気に振り回され、疲弊する氷屋も増えている」と話していた。

(上)「科学館」の解説台で準備するオレナさんと田中さん(下)7月のイベント後に記念撮影=「科学館」提供

ウクライナの避難女性 宙と緑の科学館 プラネタリウムで支える 解説員の田中さんも伴走

 プラネタリウムの仕事を通じ、ウクライナから東京都内に避難中のオレナ・ゼムリヤチェンコさんの生活を支えよう――。日本国内のプラネタリウム関係者の間で、そんな活動が続いている。その名も「One Sky for All」。発起人の一人である「かわさき宙と緑の科学館」(以下科学館、多摩区)職員の田中里佳さんも、プラネタリウム解説員の仲間としてオレナさんに伴走している。

 今年7月19日、「科学館」で、オレナさんによるプラネタリウム特別投影「ウクライナの星空の下で」が開かれた。オレナさんが「科学館」で投影会を開くのは、昨年2月に続き2回目。来場者に向け、オレナさんはウクライナの夏至の行事「イワナ・クパラ」など故郷の文化に関する説明を交えながら、星たちの物語を解説。最後に客席にこう呼びかけた。「生きる場所や文化が異なる私たちにできることは、星空の下に集まること。またここでお会いしましょう」

「川崎にも」と声掛け

 オレナさんはウクライナ北東部のハルキウに家族と暮らし、プラネタリウム解説員として働いていたが、2022年2月からロシアによる侵攻を受け、同年4月末に夫と日本へ避難。戦禍が収まらず、日本で仕事を得たいと、宇宙航空研究開発機構にプラネタリウム解説員の経歴をメールで送った。ここから首都圏のプラネタリウム関係者の間に情報が広がり、複数の施設がオレナさんを招待し始めた。

 情報は「科学館」でプラネタリウム解説員を務める田中さんにも届き、22年の夏ごろ、都内でオレナさんと対面。田中さんが「ぜひ川崎にも来てください」と声をかけたところ、秋には夫婦で「科学館」へ。解説台へ案内すると、「オレナさんの表情が明るくなった」と田中さんは言う。

 そして23年6月、岡山県で開催された「全国プラネタリウム大会」の場で、田中さんのほか東京、千葉などの解説員ら7人が発起人となり、全国の施設で協力してオレナさんの解説員としての活動を支える「One Sky for All」が始まった。すると各地から「うちもぜひ」という手が上がり、今年7月末の時点で、オレナさんは全国約25カ所の施設で計60回、ウクライナの星空について解説してきた。

 田中さんは、長野県伊那市や長崎県佐世保市など地方での活動に同行し、施設案内や補助解説も務める。オレナさんは今では簡単な日本語を話すが、単独での地方出張は困難が多いからだ。

 田中さんは「オレナさんの苦しみに寄り添う気持ちを言葉で伝えるのは難しいが、避難生活の中でも彼女らしく生きられるために、母国に戻る日まで支えたい」と語る。「科学館」の久保愼太郎館長も「星空に国境はないということを、オレナさんとの交流を通して改めて痛感した。ウクライナに平和が戻りオレナさんが帰国しても交流を続けたい」と話していた。

(左から)大久保選手、福田市長、山本HC、近田選手

富士通フロンティアーズ 目指すは「日本一奪還」 福田市長に決意語る

 社会人アメリカンフットボール・Xリーグ「富士通フロンティアーズ」のキャプテン・大久保壮哉選手、副キャプテン・近田優貴選手らチーム関係者が8月22日、川崎市役所を訪れ、福田紀彦市長に今シーズンの日本一奪還を誓った。

 Xリーグは、8月29日(金)に秩父宮ラグビー場(港区)で今シーズンが開幕。昨シーズン、リーグ1位で臨んだ日本一を決めるライスボウルで「パナソニック インパルス」と対戦し、惜しくも4連覇を逃したフロンティアーズ。山田厳英部長は「来年1月3日のライスボウルで日本一のタイトルを目指してやっていきたい。101年目の川崎市に新しい歴史を刻んでいきたい」と抱負を語った。

 続いて、山本洋ヘッドコーチは「チームの総合力を高める練習をしてきた。1戦1戦勝ち上がっていきたい」と意気込みを語った。大久保選手は「今季は『NO EXCUSES』をスローガンに掲げ、何事にも言い訳せずに、自分たちと戦ってやり切ろうと3月からスタートした。日本一という目標がぶれることなく、8月29日から1戦1戦全力で戦っていきたい」と話した、近田選手は「日本一奪還が使命。目の前の試合、日々の練習、一瞬一瞬を全力を出し切ることをチーム全員でやっていきたいた。

 福田市長は「悔しさをばねに、さらに強くなるシーズンになると思うので、期待している」とエールを送った。

中原保育園 栄養士と食事相談 9月12日 乳児対象

 中原保育園の離乳食講座「Ami!栄養士と話そう!」が9月12日(金)、地域子育て支援センターなかはら(小杉陣屋町)で行われる。午後1時45分から2時15分。

 生後4カ月から8カ月ごろの離乳食開始前や初期・中期の乳児と保護者対象の食事相談会。同園の離乳食の実物が見れるほか、希望する大人には試食もある。先着10組程度(キャンセル待ち枠あり)。申込みは区ウェブサイトの専用フォーム。締切は9月11日(木)午後5時まで。(問)【電話】044・733・3835

災害ボランティアを学ぶ 9月25日 福祉パルで

 なかはらボランティアセンターが主催する「災害ボランティア講座」が9月25日(木)、福祉パルなかはら(今井上町1の34)で開催される。午後2時から午後4時。

 自然災害発生時に被災地で支援活動を行う災害ボランティア。活動内容や、参加時の注意事項などを紹介。講師は、SL防災ボランティアネットかわさきの植田このみ氏。定員20人。中原区内や近隣に在住・在学・在勤で関心のある人が対象。詳細は中原区社会福祉協議会ウェブサイト。申込締切は9月4日(木)。

 (問)同センター【電話】044・722・5500

GO!GO!!フロンターレ

スタジアムでグラウンド・ゴルフ大会

 富士通スタジアム川崎で9月26日(金)、「第113回 富士通スタジアム川崎グラウンド・ゴルフ大会」が開催される。小雨決行。

 50歳以上であれば誰でも参加でき、緑の人工芝の上で計32ホールの個人戦を行う。参加者全員に参加賞が用意されているほか、男女別の上位5位までの入賞者には景品が贈られる。さらに、ホールインワン賞や、誰にでもチャンスがあるお楽しみ抽選会も。

 午前9時〜午後3時。参加費は保険料込みで1600円(税込み)。先着100人。申込みは氏名、郵便番号、住所、電話番号、生年月日、グラウンド・ゴルフ歴を記載し、電話、FAX、メールのほか、スタジアム事務所への持参でも受け付け。9月21日(日)締切。

 スタジアムの担当者は「初心者からベテランまで、エントリーをお待ちしています。気持ちの良いグラウンドで一緒に楽しみましょう」と参加を呼び掛けている。

 (問)同スタジアム【電話】044・276・9133。