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公開日:2025.08.29
武蔵小杉オレンジバル
飲んで笑って認知症語る
当事者、家族の居場所づくり
認知症当事者とその家族や関係者らがお酒と食事を楽しみながら語り合う「武蔵小杉オレンジバル」が8月23日、武蔵小杉駅近くの飲食店で行われた。食べて、笑って、歌いながら参加者同士で交流を深める集まり。2019年に横浜市で始まり、東京都内や県内でも広がりを見せる。川崎市内での開催は今回が初。
イベントについての趣旨説明や参加者同士の自己紹介もしない「気楽な飲み会」をうたう同イベント。川崎市内で若年性認知症の人と家族が参加する市民活動団体・若年認知症グループどんどんが主催した。飲食店を貸し切りにした会場には、認知症当事者や家族、医療・福祉関係者、支援者ら33人が参加。乾杯後は麹家マンダムさんの落語を楽しみ、食事をしながら情報交換したり、共通の話題で盛り上がった。
仕事や子育てに携わる現役世代などの65歳未満で発症する若年性認知症は、本人はもちろんのこと、家族の不安も大きく、介護期間の長期化などもあり、負担が重くなるという。発症すると仕事を辞めることになったり、行き場所がなくなり家に引きこもりがちになる人も多い。
昨年12月にNHKなどが主催し、認知症の人がいきいきと暮らすための活動を表彰する「認知症とともに生きるまち大賞」を受賞し、テレビ番組でも取り組みが紹介されるなど、注目を集めるオレンジバルの活動。当事者やその家族らにとって、仲間たちと過ごせる「居場所づくり」を一つの目標に掲げる。
「内なる声」聞く場
自己紹介をしないため、参加者同士は誰が認知症当事者なのかもわからない。ただ一緒に話をして、お酒と料理を楽しみ、同じ時間を過ごす。同グループ共同代表の中條共子さんは「かつて介護家族だったときに、本人の心の内に耳を傾けることができなかった。当事者たちが思いを語り、声を上げられる場所をつくってあげたい」と話す。武蔵小杉駅近くを会場に選んだのは、市の中心部であり、より多くの人たちに参加してもらいたいという思いから。副代表の木村仁さんは「認知症になっても前向きに人と交わり、わいわいとにぎやかな夜を過ごせる居場所ができれば」と思いを口にする。
2年前に若年性認知症を発症した弟(59)と一緒に多摩区から参加した桑原真さん(65)は「いろいろな人の話を聞き、皆さんがどのように対応されているかを知ることができた。とても有意義な時間を過ごせてよかった」と感想を話した。
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