多摩区・麻生区版【9月5日(金)号】
記録ノートを手にする小林さん

柿生郷土史料館 古墳研究の足跡たどる 地元中学生の成果を展示

 生徒が横穴古墳を発見したことがきっかけとなり、1977年から13年間、柿生中学校(麻生区)で活動していた考古学研究部。同部の研究を紹介する企画展が、同校内にある柿生郷土史料館で開催されている。

 同部の前身は、授業時間に行われていたクラブ活動の一つ「社会研究クラブ」。クラブ員は当時、連合文化祭で「古墳時代の柿生」をテーマにしたスライドを発表したほか、柿生地区の古墳分布図の作成などに取り組んでいた。スライドを見た1年生のメンバーが、通学路だった麻生台団地の造成工事現場に横穴古墳によく似た穴があることに気づき、クラブで報告。放課後に全員で確かめにいき、教員を通じて川崎市教育委員会文化財課に通報した。生徒らはその後も調査を続け、あわせて3基の古墳を発見。現場に脚立を持参して望遠レンズで撮影し、古墳内に「明和二年(1765年)と読める文字も確認した。同課の調査の結果、鉄刀や土器片なども出土し、横穴古墳であることが判明。麻生台団地横穴古墳群の発見に貢献した。

 調査に立ち会った生徒らの士気は高まり、「もっと古墳があるのではないか」と地域住民への聞き取りを開始。78年2月には亀井、花島、早野、王禅寺口、仲村、真福寺で横穴古墳を発見し、同年4月にクラブを「考古学研究部」に改めた。市教委の本格調査に協力したほか、81年には市の報告書作成のため柿生の横穴古墳の実測図作成を依頼され、測り方や作図の方法を学び、週末や長期休みを利用して1年ほどかけて調査した。

写真や実測図も

 今回の企画展は、当時の顧問や卒業生から活動記録の寄贈を受けて実現した。同部が82年度までの6年間をかけて行った横穴古墳の研究を紹介している。同部の活動内容のほか、生徒たちが発見した古墳の当時の写真、住民らへの聞き取りを書きとったノートのコピーなどを展示している。柿生の横穴古墳群の実測原本も貼りだされ、生徒たちの手による緻密な記録を鑑賞することができる。また、81年の連合文化祭に出品され、市教委の調査報告書のベースとなった「古墳時代の柿生〜柿生の横穴古墳群の特色」も展示中。同館の企画を担当する小林基男さんは「教員の指導があったとはいえ、かつての中学生がこれだけの調査をまとめあげ、考古学界に貢献した事実を知ってほしい。素晴らしい成果を見てもらえたら」と話している。

 企画展は11月9日(日)まで、同館(麻生区上麻生6の40の1/柿生中学校内)で開催。開館日は原則週1回、奇数月の日曜日と偶数月の土曜日で、9月は7日、14日、21日、28日に開館。時間は午前10時から午後3時まで。問い合わせは同館【電話】070・1503・6401。
第1回のオリエンテーションに集まった学生と関係者ら

多摩区ゆかり大学生 「子育て」テーマに始動 地域の魅力や課題探る

 多摩区にゆかりのある大学の学生が、区の課題や魅力を知り、より良いまちづくりにつなげていく「たまなび」の今年度の活動が始まった。8月29日に第1回のプログラムとしてオリエンテーションが開かれ、集まった学生が今後の活動について説明を受けた。学生は今年度、「子育て」をテーマにさまざまな取り組みを展開していく。

 たまなびは、多摩区にゆかりのある専修・明治・日本女子の3大学の学生を対象に多摩区役所が2018年から実施している「多摩区を知り・学び・実践する」連続プログラム。官学連携の取り組みとして川崎市(多摩区)と3大学が05年に締結し、今年で20周年となる「多摩区・3大学連携協議会」協定に基づいて実施されている。活動テーマはこれまでに、多摩区の食・農、多摩区ソーシャルデザインセンター(多摩SDC)との連携など多岐にわたる。

イベント立案も

 今回、参加するのは12人。学生は8月29日、多摩区役所で初めて顔を合わせ、自己紹介などして緊張を解き、活動の目的や日程などを確認した。

 今年度のテーマは「地域で見守る子育てしやすいまちづくり」。学生はワークショップや地域の「パパママ」へのインタビュー、子育てイベントの企画立案、実践を経て来年1月の活動報告会まで8回にわたりプログラムに取り組む。サポートメンバーとして、多摩SDCや子育て支援のNPO法人ままとんきっず、JTB川崎支店などが参加し、プログラム全体のファシリテーターを「RTF教育ラボ」代表の村上敬一さんが務める。村上さんは「8回の活動日以外にもコミュニケーションを取り合ってもらい、想像以上のアイデアが出てくることを期待したい。最終的に地域に愛着を深めてもらえたら」と話す。区企画課の佐藤直子課長は「この活動で多摩区を知り、いつか何かの機会に生かしてほしい」と思いを述べる。

 「登戸の再開発などで転入してくるものの頼れる人が周りにおらず、子育てに不安を抱えているという人が多い」と多摩区の課題を語るのは、区保育・子育て総合支援センターの小林美樹さん。「将来、親として子育てをしていく世代の学生から、今の段階でどのような発想が出てくるのか楽しみ」と期待を込める。

 大学で募集を知り、「刺激になれば」と応募した専修大学1年の高畑裕成さん(20)は、「普段接点のない人と関わることで視点や考え方が身になる。積極的に交流したい」と述べ、「取り組みの成果が目に見える形で表れたら良い。多摩区が子育てしやすい環境になれば」と抱負を語る。

 2回目の活動として学生は9月14日(日)、多摩区役所で開かれる「パパと創る子育てデザインワークショップ」(午後1時30分〜3時30分/たまたま子育てまつりと同日開催)で案内・進行役を務める。詳細は同課【電話】044・935・3140。

施設や里親の養育で育った経験を語り、里親制度推進に協力する 池田 累さん 南足柄市在住 34歳

川崎の里親が人生を変えた

 ○…7歳のころ、母が自分と兄、そして再婚相手の男性を残して家を出た。9歳の時に神奈川県内の児童養護施設へ入所。14歳から18歳まで川崎市内の里親のもとで育った。現在は3児の父となり、不動産業を営む傍ら、里親制度を推進するこども家庭庁などの依頼を受け、「語り部」として自身の経験を語る。

 ○…幼い頃から野球に夢中になり、1998年の横浜高校の「春夏連覇」に刺激を受け「野球選手になる」と決意。施設から通う中学の野球部で力をつけると、野球に打ち込める環境を求めて中学3年で川崎市内の里親家庭へ。市大会3位の成績を収め、10校以上の高校から推薦の誘いを受けたが、「養育」を受ける立場では選択肢が限られていた。すべて断り、地元の公立である市立橘高校へ進学を決めた。

 ○…1番目の里親は「1年間」の条件だったため、高校進学直前に2番目の里親家庭へ。明るい女性看護師と無口な自動車整備士の里親夫婦は、野球に打ち込むことを歓迎してくれた。野球三昧の日々で「ろくに言葉を交わさなかった」というが、「2人が毎日仕事に出かけ、暮らしを回す姿を見ていたことは大きかった」と振り返る。

 ○…18歳で自立すると、何でも相談できる「人生の先輩」として里親の存在感が増した。交際相手との結婚を考え始めた20代半ばには、家庭を持つイメージが湧かず、「先輩」にあれこれ尋ねた。「母は『この女性なら間違いない』、父は『嫁の言うとおりにしとけ』と。そうか、この2人のように暮らせばいいのかと思えた」。結婚式では泣きじゃくりながら、2人に「ありがとう」を連呼した。「確実に自分の人生を変えてくれた。里親のおかげで、『この生き方で大丈夫なんだ』と思えている」

手話の入門講習会 多摩川の里 参加者募集

 川崎市多摩川の里身体障害者福祉会館(多摩区中野島6の13の5)は、聴覚に障害のある人のコミュニケーション手段である手話の入門講習会を開催する。手話を通じて障害への理解を深めることを目的としている。

 講習は10月16日から12月4日までの毎週木曜日、全8回。時間は午後1時30分から3時30分まで。受講無料。市内在住・在勤・在学の初心者先着25人。申し込みは9月19日(金)午前9時から、電話や直接窓口で受付。(問)同館【電話】044・935・1359

参加した川崎市の福田市長(右から3人目)と各市議会正副議長ら

県内3政令市 「特別市」へ連携強化確認 懇談会に福田市長ら出席

 川崎市、横浜市、相模原市の神奈川県内3政令市の市長と市議会正副議長が8月26日、相模原市内で懇談会を開催し、新たな大都市制度である「特別市」の法制化に向けた連携について意見を交わした。

 特別市の実現により都道府県との連携強化に加え、市町村との水平連携が推進・強化され、行政サービスの充実などの成果を市民、近隣自治体を含めた圏域、日本全体に還元できるとしている。

 座長を務めた相模原市の本村賢太郎市長は、今年5月、6月に超党派の国会議員、指定都市市長らで14年ぶりに開催された「指定都市を応援する国会議員の会」で、「次期地方制度調査会に特別市制度の法整備を含めた大都市制度の在り方の調査審議について諮問し、議論を進めること」を求める決議があったことを報告した。

 川崎市の福田紀彦市長も、総務省に研究会やワーキンググループが立ち上がったことを「大きな成果」だと強調。横浜市の山中竹春市長は、この3年間で国への要望などを通じて「機運が盛り上がってきている」と述べた。3市の市長と正副議長は意見交換の後、今後も連携を深め、特別市制度の早期法制化を目指すことを確認した。

 特別市を巡っては黒岩祐治県知事が実現に懸念を示す。本村相模原市長は「特別市の法制度化は必要と国に訴えていく」と述べた。

川崎善友会長

川崎 西北ロータリークラブ

■川崎西北ロータリークラブ▼会長/川崎善友((株)シャングリラ)▼副会長/齊藤義弘(プロパーハウジング(株))▼幹事/佐保田理一(農業)

■発足/1972年

■会員数/23人

■今年度の主な事業予定/献血活動、中学生職場体験、福祉施設慰問、少年サッカー大会主催など

■川崎会長「当クラブは1972(昭和47)年に川崎多摩ロータリークラブとして発足、川崎稲生ロータリークラブとの合併を経て、長きにわたり地元多摩区で奉仕の精神で、会員一人一人が協力し、運営してきた。地域の皆さまには長年のご理解とご声援に感謝したい。会長就任にあたり、国際ロータリー会長メッセージの『UNITE FOR GOOD』(よいことのために手を取りあおう)をテーマに1年間、地域で努力していく」

新百合ヶ丘総合病院 赤ちゃんの「足育」学ぶ 9月27日 親子セミナー

 新百合ヶ丘総合病院(麻生区古沢都古255)は、親子向けの「足育セミナー」を9月27日(土)に開催する。

 産後から1歳頃までの乳児と母親が対象の講座。ミキハウスの子育てキャリアアドバイザーが「赤ちゃんの足について」や正しい靴の選び方などを解説する。足の計測や体重測定、座談会も予定。会場は同院STRホールで午後1時から3時まで。定員20組。参加費無料、要予約。申し込みは同院ウェブサイト(https://www.shinyuri-hospital.com)、問合せは産科外来【電話】0800・800・6456。

鐘つき、平和願う 9月9日 登戸長念寺で

 多摩区登戸にある浄土真宗本願寺派寺院・長念寺(小林泰善住職)で9月9日(火)、第16回「平和の鐘つき」が開催される。主催はたま九条の会。生田9条の会・すげ9条の会・のぼりと9条の会が共催する。

 戦争の放棄などを定めた日本国憲法第9条にちなみ、毎年「9月9日午前9時9分」に、世界平和を願って鐘をつく。同時刻から開始し、交代で希望者全員がつく。

 鐘をついた後は、本堂で平和への思いを語り合う。あいさつや講話は小林住職が行う。小林住職は1976年から同寺住職。本願寺派布教使で、保護司も務めている。主催者は「今年も登戸の長念寺で世界の平和を願って鐘をつきましょう」と参加を呼びかける。

 午前8時50分に同寺へ集合。11時頃解散予定。問い合わせはたま九条の会の森田さん【携帯電話】090・2221・4852。

講義する南條氏

慶念寺 公開講座 最終回、歎異抄を総括 親鸞の言「生きた言葉で」

 浄土真宗本願寺派・慶念寺(きょうねんじ)(多摩区中野島)が主催する公開講座の最終回が8月25日、多摩市民館で開かれた。浄土真宗の宗祖親鸞の言葉を弟子の唯円が書き記したとされる仏教書『歎異抄(たんにしょう)』を用いた講義に、約30人の参加者が耳を傾けた。

 講座は、同寺の小林賢五住職が「浄土真宗や仏教の教えに気軽にふれてほしい」と、武蔵野大学非常勤講師で法重寺(東京都中央区)住職の南條了瑛氏を講師に迎え、2019年4月に始めた。一般に門戸を開き、書籍『大きな字の歎異抄』(本願寺出版社)を読み解きながら親鸞の教えをわかりやすく解説してきた。21回目で最終回。小林住職は「多くの方々に良い講座に育てていただいた」と振り返る。

 この日は南條氏が『歎異抄』の成り立ちや仏教の起源、「名号・信心・念仏」の言葉の意味などを解説。19回目の参加という多摩区在住の増岡俊晴さん(69)は「唯円が宗祖の話を思い出しながら書いた本を、南條先生が生きた言葉で翻訳してくれるのが良い。南無阿弥陀仏と唱えることで人は自分の欲得に気づくことができるのだと思う」と感想を述べた。

 南條氏は「親鸞聖人の生涯や思想、そこに貫かれる信仰の姿を通じ、浄土真宗の大切にしてきたものをお伝えしたいと考えてきた。『死生観に新たな視点を得られた』といったお声をいただき、歎異抄という古典が単なる歴史的文献ではなく現代の暮らしや心の支えに生かされていることを実感している」と語った。小林住職は「また一から講座で学びたいという声もいただいているので、年明けぐらいから再開できれば」と話していた。

川崎市 優良事業者23者を表彰 建設技術や経営の模範

 2025年度「川崎市優良事業者表彰」の受賞者が決定した。8月28日に市役所で表彰された。

 建設技術などの向上や経営基盤の強化に関し、他の模範となる事業者を市が表彰し市内の建設事業の発展などに寄与することを目的とした制度。受賞者は次の23事業者。

▽土木/矢島建設工業(株)、重田・重田造園共同企業体▽下水管きょ/神明・渡辺共同企業体、清生・加藤共同企業体▽舗装/(有)川善工業、(株)河原工務店、(有)ひかり建設▽建築/大川原建設(株)、長栄興業(株)▽電気/(株)電工舎、末広電業(株)▽空調・衛生/研空・京急電機共同企業体、東都熱工業(株)▽水道施設/ロード・マルカ共同企業体、矢島建設工業(株)▽造園/(株)相光園▽機械/東芝エレベータ(株)神奈川支社▽塗装/(株)I&I▽とび・土工/長栄興業(株)▽鋼構造物/(株)佐野建設▽測量/(有)江崎測量設計社▽屋外清掃/千代田興業(株)、リバーサービス(株)

 このほか、若手技術者12人、女性技術者3人、若手現場代理人12人もあわせて表彰された。

後列左から時計回りに山本さん、佐藤さん、星野さん、岩佐そよさん、矢作さん、長澤さん、岩佐ほのさん

枡形一輪車クラブ 3年ぶり 全日本総合優勝

 多摩区の枡形一輪車クラブ(徳田美江子代表)が、全日本一輪車競技大会のグループ演技部門で3年ぶりとなる総合優勝を果たした。

 一輪車競技の全国大会で、グループ演技部門は人数によってS、M、Lの3クラスに分かれ、それぞれの優勝チームから点数や審査員の協議で総合優勝が決まる。同クラブは星野成美さん(27)、佐藤光莉さん(21)、山本沙奈さん(17)、岩佐そよさん(16)、矢作愛弥さん(15)、岩佐ほのさん(中2)、長澤瑠乃さん(中2)の7人がMクラスに出場。和の世界観を大切に、スピード感も心がけたといい、7人が絶え間なく動く迫力のある演技を披露した。「とてもうれしい。練習ではメンバーが揃わない日も多かったので、個々で目標を定めて、技の連続50回、100回など日々の努力を重ねてきた」とキャプテンの星野さんは話す。

 今後の目標は「連覇」と話す星野さん。徳田代表は「努力することをいとわず、互いに助け合うチームワークが素晴らしい。一輪車で得たものを他のことにも生かし、次の世代にも伝えていってほしい」と労った。

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麻生老人福祉センター 演芸やコンサート 9月12日 敬老のつどい

 麻生老人福祉センターで9月12日(金)、「敬老のつどい」が開催される。川崎市内在住の60歳以上が対象。参加無料。

 午前の部(10時〜11時30分)は施設利用者がステージで音楽演奏などを披露する。観覧は自由。賞品が当たるじゃんけん大会も。出演者も募集。午後の部(1時30分〜3時)は、メゾソプラノの丸尾有香氏、ピアニストの藤井麻理氏、川崎市消防音楽隊によるコンサート。観覧は要申込み。先着180人。詳細や申込みは同センター【電話】044・966・1549。

リレー、玉入れ参加募集 10月 あさお区民運動会

 麻生区青少年スポーツ活動振興会は、10月19日(日)に開催するあさお区民運動会のリレー競走と玉入れ競技の参加者を募集している。

 リレーは、小学生6人1チームで、麻生区民であれば学校や学年、性別は問わない。町会対抗玉入れは、小学生以上の20人1チーム(小学生5人以上を含むこと)で、原則町会・自治会単位で1チームとする。いずれも事前申し込みが必要で、麻生区ウェブサイトから詳細が確認できる。締め切りは9月30日(火)。

 運動会は麻生水処理センターあさおふれあいの丘で開催。徒競走や未就学児対象の宝探しも予定。午前9時から午後1時30分頃まで。参加無料、雨天中止。

 詳細・問合せは麻生区地域振興課【電話】044・965・5370。

多世代の参加者=提供

あさお芸術のまちコン 合唱団員を募集 来年2月に公演

 あさお芸術のまちコンサート推進委員会は、来年2月8日(日)に開催するコンサート「早春のハーモニー」に出演する合唱団員を募集している。

 演奏は読売日本交響楽団の楽団員も参加するプロの室内アンサンブル「あさお芸術のまち合奏団」。主催者は「学校や地域を超えたさまざまなつながりが楽しい思い出になれば。大人も子どもも一つになって、合奏団と共に歌いましょう」と参加を呼びかける。

 対象は小学2年生以上で麻生区在住、在学、在勤または麻生区にゆかりがある人。参加費3000円。申込みは同委員会ウェブサイトから、10月31日(金)締切(定員80人先着順)。問合せは麻生区地域振興課【電話】044・965・5116。

菅の獅子舞 9月14日 菅薬師堂

 五穀豊穣や疫病退散を願う「菅の獅子舞」が9月14日(日)、菅薬師堂(多摩区菅北浦4の16の2)で開催される。午後2時から。小雨決行。

 鎌倉時代から受け継がれてきた伝統行事。神奈川県無形民俗文化財に指定されており、菅薬師奉賛会と菅獅子舞保存会の手で守り伝えられてきた。雄獅子・雌獅子・臼獅子・天狗の4匹一組が笛と唄に合わせ舞う。奉賛会の廣田健一会長は「暑い中だが、獅子舞を舞う人たちが頑張っている姿をぜひご覧いただけたら」と話す。

 地域の小学生による「子ども相撲」も行われる。午前9時から。

 詳細・問い合わせは廣田会長【携帯電話】090・4537・1907。

医療機関や行政での対応状況を短時間で簡潔に伝える訓練に臨む参加者

川崎市と医療機関 感染症想定し大規模訓練 多摩病院で 連携強化図る

 市立多摩病院(多摩区)で8月23日、感染症対応を想定した大規模な訓練が行われ、行政や医療機関の関係者が参加した。市内の病院担当者や開業医もオンラインで参加し、現場と地域全体をつなぐ形で行われた。

 市内医療機関の感染制御に携わる医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師らで構成されるKAWASAKI地域感染制御協議会が主催。地域で特定の感染症による集団発生があり、有病者が受診した各医療機関で適切な対応を行うとともに、行政と連携して病原体を特定、情報を集約・発信・対策立案する訓練として行われた。市健康安全研究所の三崎貴子所長が作成したシナリオをもとに進行し、市健康福祉局や多摩病院の長島梧郎病院長、職員らも協力した。

 終了後、同協議会の事務局長で聖マリアンナ医科大学感染症学講座の國島広之教授は「行政施策の方向性も重要だが、個人の力に頼るのではなく地域全体で盛り上げていく必要がある。コロナ禍で培われた顔の見える関係をさらに発展させ、市内の感染症対策の底上げにつなげたい」と語った。また、同研究所参与の岡部信彦氏は「行政と臨床の温度差は訓練を重ねるごとに解消されつつある。川崎スタイルと呼ばれる顔の見える連携は全国でも注目されており、今後さらに深化することを期待したい」と述べた。参加医療機関からは「情報が保健所や本庁に上がる一方、地域の医療機関まで十分に降りてこない」といった課題も指摘され、今後の改善点として共有された。

小学校時代を振り返る石日分さん

戦後80年 戦禍の記憶【10】川崎区在住 石 日分(ソクイルブン)さん(94) 子ども心にも感じた差別 「ヘイトが戦争招く」

 「引っ込み思案で、周りの友だちより10センチほど背が高いのが嫌だった。朝鮮人ということにも劣等感を抱いていた」と子ども時代を振り返る。

 1931年に長崎県諫早で生まれた在日コリアン2世。韓国出身の父親は渡日後、建設・土木作業現場をまとめる親方だった。そんな父親のもとには、働く場を求めてやってきた同郷の人たちが集まった。飯場として、常に20〜30人の朝鮮人と共同生活を送り、工事が終わるたびに新しい仕事場へと移った。佐賀や大分、福岡など九州を転々とし、小学校4年生までに3回転校した。日本の植民地支配による「創氏改名」で当時の名前は石原桃子。本名を名乗るようになったのはずっと後年になってからだ。

 朝鮮人が徴用などでやってきた時代、小学校1クラス50〜60人の中に5〜6人の朝鮮人の子どもがいた。あまり日本語が話せない子は、いじめの対象となっていた。日本人とけんかになっても公平に叱らない教師もおり「子ども心に差別を受けていることを感じた」。キムチ入りの弁当は「臭い」と言われた。特に冬場はストーブの上に弁当を置いて温めていたため、「いくら食べ慣れているとはいってもあの臭いは強烈だった。日の丸弁当がうらやましかった。だけど母親に言いだすこともできないし、梅干を手に入れる方法もわからなかった」。

 足が速く、運動会の選手に選ばれたこともある。その翌日、選考から漏れた子の姉に呼び出され「新入りのくせに、朝鮮人のくせに」と5、6人に囲まれて蹴られた。家庭訪問では朝鮮人集落に住んでいたことで担任が訪れなかったこともある。仲良くしていた日本人の友だちの誕生会に誘われたのは6年生の時。「いつも可愛い洋服を着ている子でした。初めて日本の家庭に遊びに行きましたが、その子のお母さんからジロジロとみられていました」

 一方で分け隔てなく接し、お使いや大事な用事も任された教師は忘れられない。

 紛争や戦争が絶えない現在。日本でもヘイトスピーチが大きな社会問題となっている。「人種差別が戦争を招いている。差別に対し一人ひとりが良識を持って団結しなければ」と話す。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。

準優勝したチーム。前列左から2番目が平塚さん=提供

女子学童野球 平塚さん全国準Vに貢献

 千代ヶ丘小学校(麻生区)6年生の平塚雪さんがメンバーとして参加した女子学童野球の神奈川県選抜チーム「YAMAYURI」が、8月14日から20日に岡山県で開催された「NPBガールズトーナメント2025全日本女子学童軟式野球大会」で準優勝に輝いた。

 2回戦から登場した同チームは打線が爆発し、準々決勝までの3試合を二桁得点で圧勝。一転、投手戦となった準決勝は4人の継投で相手を完封し、優勝した2018年以来の決勝に駒を進めた。連覇を狙う大阪ベストガールズとの決勝は1点差で迎えた最終回に四死球とエラーが重なり突き放され、惜しくも準優勝に終わった。金子末松監督はチームワークを準優勝の要因に上げ「毎日一生懸命に努力した結果」と選手を労った。

 平塚さんは三塁手で全5戦に先発、3試合にフル出場し、10打数7安打と躍動。準決勝の守備では1点リードで迎えた5回表無死三塁、相手の強い打球に「絶対捕ってやる」と食らいつき、失点を防ぐファインプレーを見せた。「勝ち進むごとにチームがまとまり良いプレーも増え全員で野球をしているのを感じた。強くてやさしい仲間と野球ができて幸せだった」と大会を振り返った。

後期の部で審査にあたる笹田さん(左)=提供

梨、ブドウの出来栄え競う 市内産果樹の品評会

 JAセレサ川崎は、川崎市内で生産された果樹を対象にした「令和7年度川崎市梨・ぶどう品評会」を8月18日と29日に開催した。

 市内の果樹生産者の栽培技術向上や優良品種の普及を図り、都市農業の理解促進と消費拡大を目指して実施されているもの。18日に川崎市農業技術支援センター(多摩区)で行われた前期の部では、梨が55点、ブドウが12点出品された。前期の部の最高賞にあたる川崎市長賞は、多摩区菅稲田堤の白井正壽さん(55)が梨(幸水)で受賞した。入賞は特別賞11点、 優秀賞2点、優良賞6点、佳良賞11点、努力賞2点だった。

 29日にJAセレサ川崎菅支店(多摩区)で行われた後期の部では、梨61点、ブドウ6点が出品。品評会最高位にあたる神奈川県知事賞は梨(豊水)で、ブドウの最高位の川崎市議会議長賞はシャインマスカットで、いずれも白井さんが受賞した。入賞は特別賞9点、優秀賞2点、優良賞4点、佳良賞14点だった。審査長を務めた神奈川県農業技術センター横浜川崎地区事務所の笹田昌稔主査は「梅雨にまとまった雨が降らなかったが、生産者による灌水(水やり)などでサイズも揃い、平年並みの甘さが出た。自信を持って販売してほしい」と講評した。

川崎市役所

有馬小でプールの水流出 市教委「防止策を確認」 文科省は負担軽減策推奨

 川崎市教育委員会は8月27日、市立有馬小学校(宮前区)でプールの止水作業を怠ったためプール約0・7杯分相当の167・2㎥を流出させた事案があったことを公表した。市教委は再発防止に向けた取り組みや、文部科学省が推奨するプール管理業務の外部化を推進していくとしている。

 経緯としては、7月17日午後にプールの水が半分程度であることに気づいた校長が、消防用水として満水にしておくよう教務に指示し、教務から指示をうけた教員が同日午後2時ごろから注水を開始したものの、止水作業の確認が漏れ、約17時間にわたり水が流出したもの。翌日朝に出勤した同校教員が、プールの水が流出していることに気づいた。

 流出量に基づく損害額は約14万円だが、参議院選挙関連の準備や校内工事に向けた業務などが立て込んでいたといい、市は諸事情を勘案し、関係者への損害賠償請求は行わない。市教委の担当者は「止水漏れ防止策が適切か否かなど、各校に注意喚起のうえで確認していく」としている。

9校で外部施設利用

 全国で続くプールの水の流出事案に関し、文部科学省は昨年7月に「学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方について(依頼)」と題した文書を全国に通知した。この中で、学校プールの管理業務が教員の過度な負担につながる事態も見受けられ、管理を任された教師が過失の責任を問われ損害賠償を求められる状況を「望ましくない」とし、指定管理者制度の活用や民間業者への委託などを推奨している。

 市内でも現在、小学校9校が市営や民間の屋内プールを活用して水泳の授業を実施している。市教委の担当者は「屋内プールは天候に左右される心配がなく、プール管理の負担軽減にもつながる。取り組みを広げていきたい」と話している。

実証実験が重ねられるオンデマンドバス「のるーとKAWASAKI」

「総合都市交通計画」素案 川崎市 持続可能な環境整備へ パブコメ、10月6日まで

 川崎市は総合的な交通体系の構築に向けた「第2次川崎市総合都市交通計画」の素案をまとめ、9月5日からパブリックコメント(市民意見募集)を実施している。

 「総合都市交通計画」は、市の交通政策の基本的な考え方を示すもの。第2次計画では20年後の2045年に、市のイメージ調査で「川崎市が便利と感じる」市民が約55%となることを目指して計画を策定する。

 素案によれば、高齢化やバス運転手の担い手不足などの社会環境の変化に対応し、市民の暮らしやすさと移動しやすさを組み合わせた持続可能な交通環境の整備を目指す、としている。

 具体的にはまず、運転手不足による路線バスの減便などの課題に対応するため、鉄道やオンデマンド交通、電動キックボードなどの新世代モビリティといった複数の交通手段の中継拠点を整備し、地域公共交通ネットワークの構築を進める。市の担当者によると、「バス運転手に必要な大型第二種免許の取得者は減少する一方だが、(タクシー運転手に必要な)普通第二種免許の取得者はたくさんいる。この層にご協力いただきながら構造転換を図りたい」という。

 また素案では、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)エネルギーの供給拠点となる計画が進められている臨海部に関して、「首都圏を支えるエリアになる」(市担当者)ことを視野に入れた交通基盤ネットワークの形成を目指すとしている。

 素案は市のウェブサイトのほか、各区の区役所や図書館、市民館などで閲覧できる。パブコメは10月6日(月)までで、ネットかFAX、郵送のほか、市まちづくり局交通政策室(市役所本庁舎19階)に持参も可能。対面方式による説明会も、市内3カ所で実施する。詳細は交通政策室【電話】044・200・2760。

川崎市総合防災訓練 避難所設営など「本番」並み 福田市長も細部を確認

 「防災の日」に合わせ、2025年度の川崎市総合防災訓練が8月31日、川崎総合科学高校と多摩川緑地(幸区)で開かれ、近隣住民ら約500人が参加し、避難所運営や防災トイレの設置などを本番さながらに取り組んでいた。

 今回の防災訓練は幸区の総合防災訓練を兼ねて開催された。市消防局や神奈川県警、自衛隊による救出救護訓練や、地元消防団による放水体験会、同区の自主防災組織のメンバーらによる避難所運営訓練などを実施。福田紀彦市長も冒頭から参加し、防災トイレのしくみの確認や、治療などが必要な避難者の「二次避難」の作業を担う「保健衛生福祉班」の実務内容などを見学し、疑問点などを細かく確認して回った。

 昨今の気象状況の影響か、校庭に設営された国土交通省の「降雨体験車」は、約100人分の体験枠が早々に埋まった。小学4年の息子と体験した幸区の女性は「豪雨の中の移動は、とても見通しが悪いことが分かった。体験できてよかった」と話していた。

「自助」の意識を

 今年度の国の「防災白書」では、冒頭に「国民の防災意識の向上」を掲げ、災害を自分事として捉えて防災・減災意識を高め自ら行動を起こすことで、「公助」(行政)ではなく「自助・共助」による防災意識を醸成することが「重要」と位置付けている。

 このうち「共助」である地域防災の一部を担うのが「自主防災組織」だ。災害時の近隣住民の状況の把握や避難所運営の補助など、役割は大きい。市内に769の組織があり、このうち町内会や自治会を母体としない組織は160ある。市の担当者によると、数は増えているが活動に対する補助金の利用実績を見ると「休眠組織」も半数近いという。同担当者は「実態を把握し、活動して頂けるよう周知している」と話す。

 川崎市自主防災組織連絡協議会会長の川田和子さんは、「市内には174の避難所があるが、人口規模が大きいため『在宅避難』が基本。そのため一人一人が『自助』の意識を持って欲しい」と語る。

 協議会では今年1月、川田さんの地元である宮前区民を対象に避難所運営に関する講習会を開催した。「共助の担い手」としての啓発が狙いだった。川田さんは「一人ひとりが知識を持って防災対策を行うことで、地域防災力は高まる。取り組みを市全域に広げたい」と話していた。

GO!GO!!フロンターレ

ホーム戦でおむつ替えテント設置

 川崎フロンターレは東急電鉄と共催して、明治安田J 1リーグとJリーグYBCルヴァンカップのホームゲームで、小さな子ども連れのサポーター向けに、おむつ替え専用テント「のるふろベビーステーション」を設置した。

 東急電鉄が沿線の子育て世帯や学生を応援する「東急スクラムプロジェクト」の一環として、共同で設置するもの。スタジアムでの観戦のハードルとなりがちな乳幼児のおむつ替えスペースを確保し、より多くの家族に安心して観戦してもらうことを目指している。

 設置場所は、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuのメインスタンド前広場(ガチャガチャブース横)。おむつ台とジョイントマットを用意し、一組ずつ利用可。時間はキックオフ3時間半前から30分前まで。

 同クラブの島貫篤さんは「小さなお子様がいるご家族に、快適に試合を観戦してもらえたら。ご来場をお待ちしています」と呼び掛けている。