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多摩区・麻生区 社会

公開日:2025.09.05

川崎市と医療機関
感染症想定し大規模訓練
多摩病院で 連携強化図る

  • 医療機関や行政での対応状況を短時間で簡潔に伝える訓練に臨む参加者

 市立多摩病院(多摩区)で8月23日、感染症対応を想定した大規模な訓練が行われ、行政や医療機関の関係者が参加した。市内の病院担当者や開業医もオンラインで参加し、現場と地域全体をつなぐ形で行われた。

 市内医療機関の感染制御に携わる医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師らで構成されるKAWASAKI地域感染制御協議会が主催。地域で特定の感染症による集団発生があり、有病者が受診した各医療機関で適切な対応を行うとともに、行政と連携して病原体を特定、情報を集約・発信・対策立案する訓練として行われた。市健康安全研究所の三崎貴子所長が作成したシナリオをもとに進行し、市健康福祉局や多摩病院の長島梧郎病院長、職員らも協力した。

 終了後、同協議会の事務局長で聖マリアンナ医科大学感染症学講座の國島広之教授は「行政施策の方向性も重要だが、個人の力に頼るのではなく地域全体で盛り上げていく必要がある。コロナ禍で培われた顔の見える関係をさらに発展させ、市内の感染症対策の底上げにつなげたい」と語った。また、同研究所参与の岡部信彦氏は「行政と臨床の温度差は訓練を重ねるごとに解消されつつある。川崎スタイルと呼ばれる顔の見える連携は全国でも注目されており、今後さらに深化することを期待したい」と述べた。参加医療機関からは「情報が保健所や本庁に上がる一方、地域の医療機関まで十分に降りてこない」といった課題も指摘され、今後の改善点として共有された。

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