多摩区・麻生区 文化
公開日:2025.09.05
慶念寺 公開講座
最終回、歎異抄を総括
親鸞の言「生きた言葉で」
浄土真宗本願寺派・慶念寺(きょうねんじ)(多摩区中野島)が主催する公開講座の最終回が8月25日、多摩市民館で開かれた。浄土真宗の宗祖親鸞の言葉を弟子の唯円が書き記したとされる仏教書『歎異抄(たんにしょう)』を用いた講義に、約30人の参加者が耳を傾けた。
講座は、同寺の小林賢五住職が「浄土真宗や仏教の教えに気軽にふれてほしい」と、武蔵野大学非常勤講師で法重寺(東京都中央区)住職の南條了瑛氏を講師に迎え、2019年4月に始めた。一般に門戸を開き、書籍『大きな字の歎異抄』(本願寺出版社)を読み解きながら親鸞の教えをわかりやすく解説してきた。21回目で最終回。小林住職は「多くの方々に良い講座に育てていただいた」と振り返る。
この日は南條氏が『歎異抄』の成り立ちや仏教の起源、「名号・信心・念仏」の言葉の意味などを解説。19回目の参加という多摩区在住の増岡俊晴さん(69)は「唯円が宗祖の話を思い出しながら書いた本を、南條先生が生きた言葉で翻訳してくれるのが良い。南無阿弥陀仏と唱えることで人は自分の欲得に気づくことができるのだと思う」と感想を述べた。
南條氏は「親鸞聖人の生涯や思想、そこに貫かれる信仰の姿を通じ、浄土真宗の大切にしてきたものをお伝えしたいと考えてきた。『死生観に新たな視点を得られた』といったお声をいただき、歎異抄という古典が単なる歴史的文献ではなく現代の暮らしや心の支えに生かされていることを実感している」と語った。小林住職は「また一から講座で学びたいという声もいただいているので、年明けぐらいから再開できれば」と話していた。
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