高津区版【9月12日(金)号】

観測史上最も暑い夏 市内気温も約40年で上昇 熱中症救急搬送は減少

 気象庁は9月1日、今年6月から8月の全国の平均気温は平年より2・36度高く、統計を取り始めた1898年以降で最高だったと発表した。神奈川県内の観測地点5カ所でも軒並み最高気温を更新したが、川崎市内で8月末までに救急搬送された熱中症患者の数は昨年より少ないという。

 横浜気象台によると、横浜市や海老名市など神奈川県内5カ所の観測地点すべてで8月に最高気温が更新された。気象庁の観測地点ではないものの、川崎市でも市環境総合研究所が市内3地点(大師、中原、麻生)で大気情報を観測している。同研究所が今年3月に発表した「気候変動レポート」によれば、1985年から2023年までの39年間で、3地点とも年平均気温が上昇。また全地点で真夏日、猛暑日、熱帯夜とも増加傾向にあることが分かった。同研究所では、今夏のデータも分析している。

9月も熱中症搬送

 また同研究所が13年から22年の市内熱中症救急搬送データを分析した結果、最高気温が30度を超えると熱中症リスクがぐんと上がり、気温が上がるごとに急増することが実証済みだ。しかし市消防局の速報値によれば、今年5月1日から8月31日までの熱中症患者の救急搬送件数は597件で、昨年同時期より94件少なかったという。

 現時点では速報値のため要因は不明だが、消防局の担当者は「毎年、梅雨が明けてから気温が上がり、熱中症患者の救急搬送が増えるが、今年は梅雨時も暑かった。6月から搬送件数が増えて『昨年を超えるだろう』というペースだったが、徐々に落ち着いてきた」と語る。

 とはいえ9月に入っても暑さは続き、熱中症患者の救急搬送は続いている。担当者は「例年だと8月末で熱中症に関する注意喚起を終えるが、今年はしばらく続くだろう」と話す。全体の救急要請の件数は最高だった昨年を超えるペースで増えているといい、市消防局では「救急車を呼ぶべきか迷ったら『かながわ救急相談センター(♯7119)』に相談するなどして、適時適切な利用をお願いしたい」と呼びかけている。

催しの盛況を誓う参加店舗の店主ら

多摩川カレーグランプリ 節目10回「スパイスの祭典」 内容成熟、商機拡充に一役

 地元飲食店が腕を競う「カレーグランプリ」が9月28日(日)、午前10時から午後4時まで多摩川河川敷「BBQ広場」横(二子新地側)で開催される。高津区界隈を包み込む「スパイスの祭典」は今回節目の10回を数え、関係者も「ぜひ多くの来場を」と呼び掛けている。

 この催しは、かつて地元屈指のイベントとして名を馳せた「大山街道フェスタ」の目玉企画として人気を集めていたもの。主催は二子新地グルメの会実行委員会と高津区役所。大山街道周辺地域において、住民や店舗等が一体となり、食を通じた地域活性化を目的としており、地元の飲食店が、この日のために考案した自慢の一皿を1日限定で出店。参加者はそれぞれ気に入ったカレーに投票し、その総数でグランプリを競う。昨年は約5500人が来場し、各店が工夫を凝らしたカレーを味くらべしながら楽しそうに舌鼓を打つ姿が多くみられるなど、盛況を博した。

17店舗が参加予定

 今回は17店舗が参加し、各店の個性が光る美味が並ぶ予定。激辛から甘口まで各種用意されスパイシーな味わいが好きな人から辛味が苦手な人まで様々な味の好みに対応しているのも特徴となっている。

グランプリ「肩書き」に

 また一時、コロナ禍で開催待機に見舞われるなど紆余曲折がありながらも10回を数える間に、催しの内容を少しずつ成熟させてきた。今回もカレーのみならず、地元スイーツや各種ワークショップの出店も予定されており催しに華を添える。さらに、イベントを盛り上げようと、ダンスや音楽などのステージプログラムも充実させ、秋の休日を演出する構成となっている。関係者は、これまで催しを支えてきた周囲への感謝の意を述べると共に「(過去の)グランプリ獲得店や上位入賞店が、この肩書きを持って他所のイベントでカレーの販売ブースを構えるなど、商機を拡大するきっかけにもなっており喜ばしい限り」とコメント。一方で、投票結果によって各店の事業展開に影響を及ぼす可能性にも言及し「精度の高い集計作業ができるように」とオペレーションの改良に当たっているという。

「パックご飯」持ち込み可

 当日、カレーの販売は11時から。カレーメニューは全品550円(ライス別売り350円)で、販売30分前から3枚綴り1500円のチケットも販売される。

 ライスやナン、パンは持ち込み可となっており、過去の開催時には、会場周辺のコンビニ等でいわゆる「パックご飯」などを買い求め、店内のレンジで温めて持参する参加者も見受けられた。

 主催の「大山街道アクションフォーラム運営委員会」(区役所地域振興課/【電話】044・861・3133)では「食事席には限りがあるので、レジャーシートなどを持参の上、ぜひ節目の開催に参加してもらえれば」などと話している。

大正時代生まれの楽器「大正琴」の普及活動に取り組む 笹子 まさえさん 下作延在住

大正の音色 未来へ奏でる

 ○…コンパクトで軽量、気軽に演奏できるとして、大正時代にブームを巻き起こした楽器「大正琴」。その魅力に触れて以来、多くの人に良さを知ってもらおうと、依頼を受けて、各地で開かれるコンサートに出演。また、昨年1月からは、自身のSNSアカウントで、演奏の様子を投稿する「毎日連続投稿企画」にも挑戦している。「弾き方ひとつで様々な音色を奏でる、奥深い楽器」と語る。

 ○…昔から音楽が好きで、武蔵野音楽大学の声楽科や東京芸術大学の大学院で学びを深めた。卒業後はスイスでも研鑽を積み、声楽家として数多くのコンサートに出演。引退後は、小黒恵子童謡記念館で働き始めた。そんな時、記念館で大正琴の練習教室を開きたいと依頼を受ける。「元々この楽器に興味があったので、教えを請うことにしたんです」。初めて触れた際には、どんなジャンルの曲もひけるポテンシャルの高さに驚愕。培った音楽技術をもとに、練習に取り組んでいった。

 ○…仕事や演奏の合間の癒しは、自宅で暮らす5匹の愛猫たちだ。「気まぐれに触らせてくれたり、甘えてきたり。演奏練習の邪魔をされるときもあるけれど、そんなところも愛おしい」と笑顔を浮かべる。

 ○…小・中学校の音楽の授業にも取り入れられるなど、徐々に広まりを見せている大正琴。しかし「まだまだこの楽器を知らない人が多いことも現状」と語る。この課題を乗り越えるため、自身が主催する教室で後進の育成に取り組むほか、東北にいる演奏仲間たちのもとへ足を運び、ともに練習を重ねるなど、地域を超えた交流も大切にしている。「いつか、大正琴専用の楽曲を作る人もでてきてくれたら」と期待を込める。

和み唄コンサートを行う桜井純恵さん

「川崎の歌姫」桜井純恵さん 敬老の日に「和み唄」を 高津市民館で15日 無料コンサート

 地元合唱団の指導者で、自らも「川崎の歌姫」の異名を持ちソプラノ歌手として活躍している桜井純恵さんが9月15日(月・祝)「高津市民館」(マルイファミリー溝口12階)でコンサートを開催する。

 「和(なご)み唄コンサート」と銘打たれたこの企画は、桜井さんが一人でピアノ弾き語りを行うプログラム。童謡や唱歌など、観客に聴いて和(なご)んでもらうことを目的に、普段は「写真のたなかや」(溝口)のスタジオアンジェで不定期で開催されている。今回は敬老の日にちなみ、高津市民館の大会議室に会場を移し、無料開催することになった。

 桜井さんは「『和み唄コンサート』は、ご年配の方に好評・支持を頂いていますので、敬老の日にぴったりの内容です。ぜひ沢山の人に来場してもらえれば」と話している(予約不要)。

 開催時間は10時45分〜11時半。詳細問合せはミュージック・マーケット【電話】044・813・3409。

最優秀賞の漬物を紹介する高津区の代表

市老連女性委員会 漬物作りで健康を 最優秀賞は高津区

 地域の高齢者で組織する(公財)川崎市老人クラブ連合会の女性委員会が8月5日、「おつけもの大作戦」と銘打った漬物の品評会を市教育文化会館で行った。

 漬物作りをいきがいや健康づくり、認知症予防などに役立ててもらおうと開催されたもので、今回が初。同女性委員を含む33人が参加し、連合会に所属する9地区の代表(幸区は出品なし)が夏野菜を漬けた自慢の一品を持ち寄った。

 高津区老連は、塩を振って寝かした輪切りのキュウリを、しょうゆやみりんとともにフライパンで火にかけた「キューリの佃煮風つけもの」を出品。各地区2人ずつの女性委員計18人の投票によって、最優秀賞に輝いた。

演奏を披露する大正琴奏者の笹子さん(右)とピアニストの高橋さん

大正琴奏者笹子さん 小黒恵子童謡記念館で演奏 地域から約40人が参加

 諏訪の「小黒恵子童謡記念館」で8月30日、大正生まれの楽器「大正琴」を中心にしたリサイタルが開かれ、地域から約40人が参加した。

 当日は、小黒恵子童謡記念館の副館長で、大正琴奏者の笹子まさえさん=人物風土記で紹介=が、ピアニストの高橋晶子さんとともに、カッチーニの「アヴェ・マリア」やビゼーの「カルメン描出」などのクラシックや、BEGINの「島人ぬ宝」や「涙そうそう」といった、沖縄にゆかりのある楽曲を演奏。観客からは温かい拍手が送られた。

 さらに、大正琴に触れる体験の時間も設けられ、参加者は、「スーパーベース」など、さまざまな大正琴を演奏できる機会を楽しんだ。

楽器の魅力知って

 大正琴は気軽に音を奏でられることが特徴で、学校の授業にも取り入れられている楽器。笹子さんは2023年から奏者として活動しており、その魅力を知ってもらおうと、依頼を受けて各地のコンサートで腕前を披露している。

 また、自身のSNSアカウントで、演奏の様子を投稿する「毎日連続投稿企画」にも挑戦。加えて、コンサート開催を目標に東北在住の演奏仲間のもとに赴き練習を重ねるなど、地域を越えた活動にも力を注いでいる。

 笹子さんは「これからも、多くの人に大正琴の音色を楽しんでもらいたい」と語った。

高津市民館 「大きな花コンサート」10月に 9月21日まで観覧受付

 プロによる演奏が楽しめる「大きな花コンサート」が、高津市民館(溝口1の4の1)で10月26日(日)に開かれる。

 コンサートは2部制で、第1部には本多唯那さん(ソプラノ)と平田もも子さん(ピアノ)が、第2部には八代瑞希さん(チェロ)と宮崎真利子さん(ピアノ)が出演。クラシックの名曲を披露していく。

 入場無料で午後2時開演(30分前開場)。観覧希望は9月21日(日)までウェブの申込フォームで受け付ける。

 問い合わせは高津区役所【電話】044・861・3133。

大山街道ふるさと館 地域の歴史と文化を学ぶ 探求講座10月から

 溝口にある「川崎市大山街道ふるさと館」(服部隆博館長/【電話】044・813・4705)で、大山街道や高津地域の歴史・文化を深く学べる「高津・大山街道探究講座」が10月から12月にかけて開催される。

 第1回は「古墳時代の二子・溝口―多摩川流域の古墳群―」をテーマに10月11日(土)に行われる。当日は、川崎市教育委員会事務局文化財課で学芸員として働く新井悟氏を講師に招き、多摩川下流域に出現した古墳群を概観。近年の発掘調査の成果も交えながら、二子・溝口地域の古墳時代について解説する。

 続く第2回は11月8日(土)に実施。「大山街道と古仏―武蔵・相模の仏像―」がテーマで、横浜市歴史博物館学芸員の花澤明優美氏が登壇し、大山街道の江戸時代の様子や、二子・溝口宿をはじめ、県内の大山街道沿いの寺社に伝わる仏像を紹介していく。

 最終回は12月14日(日)に開催。「昭和初期の高津町―今から100年前の町づくり―」をテーマに九州大学教授の松本洋幸氏が講師を務める。当日は、明治・大正時代に高津村と呼ばれた現在の溝の口付近が地方都市へと発展していく経緯や、町作りに尽力した人びとの姿をたどる。

各回先着45人まで

 全日程ともに開催時間は午前10時から正午。各回ごとに参加費は700円(先着45人定員)。

 参加申込みや講座内容の確認などは、電話、または大山街道ふるさと館のホームページへ。

自宅のスタジオで練習する大西夫妻

演奏家の大西夫妻 障害受け入れ、情熱届け 10月24日 チャリティコンサート

 障害を抱えながら、演奏活動を続けている夫妻がいる。コントラバス奏者の夫・大西雄二さんと、ピアニストの妻・大西ますみさんだ。地元のエポックなかはら(JR武蔵中原駅直結)で10月24日(金)に開催されるチャリティコンサート(主催・日本オストミー協会川崎市支部/坂本純支部長)への出演が決まり、自宅のスタジオで練習を重ねている。

夫の言葉が光照らす

 チェンバロ奏者として活躍していたますみさんは、2015年に脳出血を発症。右上下肢機能障害と診断され、右手・右足が不自由の身となった。「ピアノが弾けなくなるかと思い、失意のどん底だった」と絶望の淵に立たされる中、雄二さんから左手のピアニスト専用の楽譜があることを聞いた。「第二次世界大戦の頃、左手の音楽の父と呼ばれた著名なピアニストがいて、世の中に左手専用の楽譜が幾つもあるよ」。ますみさんに再び笑顔と意欲が戻った。

日常生活、前向きに

 それから2年後、今度は雄二さんを病魔が襲う。排尿時の違和感が続き、医師に診断されたのは「膀胱がん」。摘出すれば人工膀胱(オストメイト)になることは分かったが、とまどいはなかったという。「医師を信用するだけ」。現在は腹部にストーマ(人工膀胱の排せつ口)を装着した日常生活を送っている。それでも、「もっと大きな障害と向き合っている人もいる」と捉え、気持ちは常に前向きだ。

 生活に不便な面はあるが、得る学びも多いという。その一つが、人とのつながりの輪。障害者が集う場でも、ますみさんは遠慮なく積極的にコミュニケーションをとる。「障害の子をもつ母親に話しかけると喜んで受け応えしてくれて、それがうれしくて。みな強くて逆に私がパワーをもらうことも多いんです」

 障害者となっても演奏家としての情熱が変わることはない。いまも全国各地に出向いては、会場を訪れた人に、感動と幸せを与え続けている。NHKの朝ドラでも話題となった『見上げてごらん夜の星を』をはじめ、幾つかのアンサンブルを今回も届ける予定だ。

昼夜2回、ミニ講座も

 坂本支部長は「オストメイトに関するミニ講座も開催します。ぜひ楽しみながら知識を深めて」と呼び掛けている。

 開演は、昼の部3時、夜の部7時(開場は各30分前)。入場無料。イベントに関する問合せは、同協会事務局【電話】080・8048・1932。

小学校時代を振り返る石日分さん

戦後80年 戦禍の記憶【10】川崎区在住 石 日分(ソクイルブン)さん(94) 子ども心にも感じた差別 「ヘイトが戦争招く」

 「引っ込み思案で、周りの友だちより10センチほど背が高いのが嫌だった。朝鮮人ということにも劣等感を抱いていた」と子ども時代を振り返る。

 1931年に長崎県諫早で生まれた在日コリアン2世。韓国出身の父親は渡日後、建設・土木作業現場をまとめる親方だった。そんな父親のもとには、働く場を求めてやってきた同郷の人たちが集まった。飯場として、常に20〜30人の朝鮮人と共同生活を送り、工事が終わるたびに新しい仕事場へと移った。佐賀や大分、福岡など九州を転々とし、小学校4年生までに3回転校した。日本の植民地支配による「創氏改名」で当時の名前は石原桃子。本名を名乗るようになったのはずっと後年になってからだ。

 朝鮮人が徴用などでやってきた時代、小学校1クラス50〜60人の中に5〜6人の朝鮮人の子どもがいた。あまり日本語が話せない子は、いじめの対象となっていた。日本人とけんかになっても公平に叱らない教師もおり「子ども心に差別を受けていることを感じた」。キムチ入りの弁当は「臭い」と言われた。特に冬場はストーブの上に弁当を置いて温めていたため、「いくら食べ慣れているとはいってもあの臭いは強烈だった。日の丸弁当がうらやましかった。だけど母親に言いだすこともできないし、梅干を手に入れる方法もわからなかった」。

 足が速く、運動会の選手に選ばれたこともある。その翌日、選考から漏れた子の姉に呼び出され「新入りのくせに、朝鮮人のくせに」と5、6人に囲まれて蹴られた。家庭訪問では朝鮮人集落に住んでいたことで担任が訪れなかったこともある。仲良くしていた日本人の友だちの誕生会に誘われたのは6年生の時。「いつも可愛い洋服を着ている子でした。初めて日本の家庭に遊びに行きましたが、その子のお母さんからジロジロとみられていました」

 一方で分け隔てなく接し、お使いや大事な用事も任された教師は忘れられない。

 紛争や戦争が絶えない現在。日本でもヘイトスピーチが大きな社会問題となっている。「人種差別が戦争を招いている。差別に対し一人ひとりが良識を持って団結しなければ」と話す。

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今年で戦後80年。体験者が年々減少し、戦争の記憶が風化しつつある。当事者の記憶を後世に残すとともに平和の意義について考える。不定期で連載。<

45、50周年へ新たな一歩を

 1985年に設立され、昭和・平成を経て令和へと年輪を重ねてきた同クラブは、先頃40周年を迎えこの春、記念式典を行った。これから45周年、50周年に向けて重要な第一歩を迎えたリーダーは「会員はもちろん、家族、そして地域社会に必要とされる活動を実施しているのか?ここを常に考え活動をしていきたい」と決意を語る。

 具体策として、クラブの活動を広く認知してもらうべくホームページ刷新を急ぐほか、地区の補助金プロジェクトを活用した新規事業、さらに新規、とりわけ女性の会員増を目指し、地域に根差した奉仕活動への取り組み強化などを掲げる。

 現在の会員数は、クラブ設立当初とほぼ同じ34人。伝統を継承しつつ、新しい時代へと踏み出すべく、会員同士のさらなる結束を呼び掛ける。

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川崎市役所

小児医療費助成制度 川崎市 対象年齢18歳まで拡充 一部負担金も廃止へ

 川崎市は小児医療費助成制度の対象を18歳まで拡充する制度案をまとめ、8月28日からパブリックコメント(市民意見募集)を開始した。福田紀彦市長はこれまで「国の責任で行うべきもの」として制度拡充を保留してきたが、「他都市と均衡をはかる」と転換を図った形だ。

 市がまとめた「小児医療費助成制度の拡充(案)」では、現行制度で0歳から中学3年生までを対象としている助成対象年齢を、18歳まで引き上げる。さらに小学4年生以上の通院費用に関し、1回あたり最大500円を利用者の「一部負担金」としてきたが、これも全額公費で負担する。いずれも来年9月1日から開始する予定だ。

 現行制度の対象者数は今年3月末の時点で17万9409人だが、拡充後は高校生世代3万3874人が加わり、計21万3283人となる。一時負担金の廃止分も含めた事業費の増加分は概算で約13億円となる見通しだ。

 福田市長は「国の責任で全国一律の制度を整備すべき」と国に訴えてきたが、市内の年少人口が2021年から減少傾向が続いていることに加え、「中学3年まで」としていた横浜市でも山中竹春市長が市長選の公約で「対象拡充」を掲げて再選した。福田市長は8月25日の会見で制度の拡充に踏み切る理由を「都市経営上の判断。他都市と均衡を図る」と述べた。国への働きかけは今後も続けていくという。

 拡充案は市の公式サイトのほか各区の区役所や図書館などで閲覧可能。パブコメは9月26日(金)まで、ネット経由か郵送、ファクスのほか市こども未来局児童家庭支援・虐待対策室(本庁舎15階)でも受け付ける。問い合わせは同対策室【電話】044・200・2671。

不定期連載 市民健康の森だより 第198回 「大学生向け炭焼き教室」を開催しました

 今年度、私たちは三菱UFJ環境財団様からのご支援のお陰でいくつか新しい教室を開設出来ました。助成金のお陰もさることながら実際は担当してくれる会員からの絶大な協力がなければ実現できません。ボランティア精神豊かな会員を多く抱え、私たちの活動は成り立っています。

1月の炭焼き教室、ヒントに

 そんな新設教室の中で最後に開催したのが「大学生向け炭焼き教室」です。8月24日に1日目、9月7日に最終日の予定です。この教室は今年の1月に実施した炭焼き教室をヒントに同じ内容を大学生向けに企画しました。対象となる大学生は明治大学文学部社会心理学科の学生さん達です。

 この大学生たちをつなげてくれたのは私たちの会員です。寺田良一さんという明治大学で長く教授として環境社会学の研究を続けられた方がいます。現在でも名誉教授として日本のNGOを代表して国際会議へ出席されるなど活躍を続けられています。そのようにお忙しい中でも私たちの活動へは熱心に参加、炭焼きや竹細工、基本活動の草刈りなどを率先垂範して頂いています。その寺田さんが母校の学生たちへ体験して欲しいと思われて炭焼き教室が企画されました。教室では事前に一度炭焼きをして準備し、1日目に焼けた炭を取り出す「窯出し」と、やはり事前に準備した竹材を窯に詰めてもらう「窯詰」を体験してもらいました。2週間後の2日目には窯詰した窯で本来の「炭焼き」を体験してもらいます。

 寺田さんは、現役の教員の頃も、ゼミの学生さんたちを農作業実習や炭焼き実習に連れて行ったそうです。寺田さんからは「実際に畑で汗を流すと、国内での農作物の自給の大変さがよくわかります。炭を焼くと、学生たちが自分で火をおこす炭焼きが大好きなことがわかりました。炭窯の周りで火を囲みながら、ふだんは話さないような人生論や恋愛論を熱く語る学生たちの姿を見たのが、この『大学生向け炭焼き教室』を構想した切っ掛けでした」と教えて頂きました。

不定期連載コーナー SELFフレンドシップ(船)へようこそ! Vol.37 「川崎市市制100周年記念事業・全国都市緑化かわさきフェア実行委員会」について

 第37回目は、「川崎市市制100周年記念事業・全国都市緑化かわさきフェア実行委員会」についてご紹介いたします。

 昨年7月1日に川崎市は、市制100周年という歴史的な節目を迎えました。この輝かしい節目に、先人の努力や功績に深く感謝しながら、令和5年度から市制100周年事業を市民・企業・団体とともに、多様性を認め合い、繋がりあう事で新しい魅力や価値を生み出すことが出来るまちづくりを体現しました。また市制100周年に合わせて、全国都市緑化かわさきフェアが全国初の秋と春に開催しました。記念事業や緑化フェアの実行委員会にSELFも仲間に入れてもらい、様々な主体が、様々な形で主役となる多様で多彩なアクションを起こし、新しいカラーが鮮やかに生み出されました。

 あれから1年、あっという間に時が過ぎ、先日総会が行われ、実行委員会は解散となりました。仲間に入れてもらい、多くの企業や団体と交流する事が出来ました。実行委員会は解散しても多様性をまちの誇りとして、多くの人とつながり、次の100年に向け川崎市の発展にSELFもチャレンジし続けていきます。「新しいはじまりを、さあいっしょに。」、これからもよろしくお願いします。

昨年のエキサイトマッチ

GO!GO!!フロンターレ

FRO CAFEで旬の夏野菜等を味わう

 川崎フロンターレの公式カフェ「FRO CAFE」で、地元の新鮮な農産物を供給するJAセレサ川崎と連携したコラボメニューの販売がスタートした。9月30日(火)までの期間限定。

 メニューは、火を入れてトロっとしたナスを使った「揚げナスと金山寺味噌のコク旨ボロネーゼ」や、「きゅうりの豚バラシソ巻き定食」、川崎特産の梨を使ったデザート「多摩川梨とそば粉のガレット」の3品。夏野菜等を使用し、旬の味覚を届ける。

 期間中は豪華景品が当たるキャンペーンも実施。コラボメニューを1品注文するごとに応募用紙が1枚もらえ、抽選で11人に、9月20日(土)のJ1リーグ FC東京戦(JAセレサ川崎エキサイトマッチ)で、選手が着用したサイン入り入場Tシャツが当たる。30日(火)午後9時締切、用紙は店内ボックスに投函する。

 担当者は「地元の新鮮な食材をふんだんに使った自信作です。ぜひこの機会に味わってみてください」と来店を呼びかけている。問い合わせはFRO CAFE【電話】044・767・6111。

画像はいずれも川崎フロンターレ