八王子版【11月13日(木)号】
2人組アーティスト「TATTA」による木造作品。球体内部には、使用した木材の「以前の姿」である木造寮の画像が収められている

八王子芸術祭が幕開け 産業遺産に息吹く46の催し

 地域とアートが融合した広域多発イベント「八王子芸術祭」が、先週11月8日から北八王子エリアでスタートした。12月7日(日)までの開催で、期間中、約30の施設で美術展示や音楽ライブ、観劇、まち歩きツアー、ワークショップなど全46の多様な催しが行われる。

 八王子市と(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団による共催。八王子市内5つの地域を舞台に、10年をかけて行う大型イベント八王子芸術祭の第2弾で、2年前に行われた第1弾は、高尾・恩方地域で45日間、各所で自然を生かした芸術関連イベントが行われ、盛況のうちに幕を閉じた。

 第2弾の舞台は、ものづくりの産業文化が残る中野・大和田・小宮・石川地域。アーティストたちが歴史や文化に触れながら制作した作品を、旧工場跡や古民家、屋外施設、野外公園などで一般公開する。

織物工場を会場に

 展示のメイン会場の一つである、中野上町の旧織物工場内に木造フォリー(建築物)を制作したのは、同じく中野上町に事務所を構える「TATTA(タッタ)」。タッタは建築家である富永大毅氏と藤間弥恵氏による2人組アーティスト。今夏、同町にある歴史ある製糸工場の木造寮が解体されると聞き、「木材が廃材として処分されてしまうのはもったいない」と作品に使用することを立案。100本ほど譲り受け、虫食い跡や割れをそのままに、球体作品を完成させた。

 同会場では他にも、八王子市内在住のアマチュア作家などが描いた105点の絵画作品展示が行われている。中古画材専門店のRe arts garden(リアーツガーデン/練馬区)が一般参加者から事前に募集したもの。不要となり眠っている作品を多くの人に見てもらい、芸術祭終了後に希望者に作品を譲渡することで次の持ち主を探しながら「アートの裾野を広げたい」(有澤紗生代表)と実現させたものだ。

 (問)同財団【電話】042・621・3005
チラシを手にする八幡上町商店街くらま会のメンバー

八幡上町商店街くらま会 「八幡神楽」6年ぶり復活 お囃子とオペラ・DJ共演

 山車やお囃子といった伝統文化にダンスやDJなどの現代的な息吹を吹き込む革新イベント「八王子おもひで写真街道・八幡神楽」が、11月22日(土)と23日(日)に八幡町の駐車場コムパーク八幡町第2(八幡町8の3)を会場に6年ぶりに開催される。主催は八幡上町商店街くらま会(中野智行会長)、八幡上町町会が協力。入場無料。

 このイベントは、地域の祭りやお囃子が「身内だけの自己満足」に陥っている近年の状況を打破しようとくらま会が企画。伝統の核は守りつつ、届け方を現代に沿う形に変えることで新しいファン層を獲得することをコンセプトにしている。2019年にお囃子を現代音楽やダンスなどとコラボさせた1回目の「八幡神楽」を開催し、一定の手応えを得たが、翌年から始まったコロナ禍で次回を開催できない状況が続いた。コロナ禍が落ち着いたことや、先ごろ同会で地元の山車について解説した冊子を発行したこと、そして今年が1915(大正4)年に八幡上町の山車を大改修してから110年の節目にあたることなど再び機運が高まってきたことを受けて、6年ぶりの復活を決めたという。

フラチナリズムタケウチさんも

 「山車大改修110周年記念祭」と題し行われる今回の八幡神楽では、会場に八幡上町の山車を引き出し、その囃子台や山車の前の特設ステージで、お囃子とコラボしたオペラ歌唱やベリーダンス、DJプレイ、ジャズピアノ演奏などを披露する。さらにフラチナリズムのタケウチカズヒロさんによるベース演奏とのコラボ、八王子芸妓衆の舞や下原刀研究会による抜刀披露なども。

 また23日の午後1時50分からは、くらま会の「祭り好き」代表と「そうでもない側」代表としてご当地YouTuberでもある中野会長による「山車トークショー」などのユニークな企画も予定されている。フィナーレには参加者で多賀神社まで山車を引く「山車曳き回し」も行われる。

 同会では「通常ならありえないようなコラボがいっぱいの見て聞いて楽しいイベント。お祭りが好きな人もそうでない人も、ぜひ足を運んで伝統文化の新しい発信の形を体感してもらえれば」と来場を呼びかけている。

 22日は午後3時から8時まで、23日は午前10時30分から午後2時30分まで。タイムテーブルなど詳細は同会の公式FacebookやHPで確認を(「八幡上町商店街くらま会」で検索)。

今年20周年を迎えたNPO法人すずしろ22の理事長を務める 飛田(とびた) 恵美子さん 市内在住 65歳

農地の大切さ 気づいて

 ○…市内の農業の持続的な発展を願い、市民グループとしてさまざまな取り組みを続けて20年。節目を記念し、10月には式典を開催した。掲げる三本柱は、「援農活動」「市民農園の運営」「地産地消啓発活動」。「これからも設立当時の想いを忘れず、この三本柱を実践していきたい」と理事長として揺るぎない信念を見せる。

 ○…石川県出身。農業や林業にいそしむ父親の背中を見てきた。同じ道を目指すが、父からは「儲からない」という現実的な忠告。大学進学を機に上京し一度は一般企業に身を置いたが、「農家になりたい」という根強い思いが胸に残って消えなかった。

 ○…行動を起こしたのは結婚・出産後。次男が幼稚園に入園したのを機に、林業について学ぶべく、農学系の大学に入り直した。夫や姑のサポートを受けながら通い続け、興味の矛先は林業のみならず、土壌、水質などに移行し、気が付けば大学院修士課程を修了。卒業後、就職の誘いもあったが、学び直しの動機は始めから「身の回りの自然環境をいかに守るか」。同じ志を持つ仲間で、すずしろ22を立ち上げることになる。

 ○…「農地の大切さを訴えても、多くの人は自分事として捉えてくれない」と肩を落とす。しかし、食料の生産基盤、地球温暖化防止の観点からも、「土や緑は人間にとってなくてはならないもの。心身ともに健康をもたらす」と実感を込める。八王子で暮らして約30年。農家の高齢化が進み、手放された農地が戸建てなどに変わっていくのを見ると、はがゆい思いを抱くことも。一方で、法人内で市民農園や援農活動から就農につながった会員もいる。農家と市民の架け橋として、その役割はますます重要になっている。

地域住民の安全生活応援団 南大沢マルシェを刷新 大道芸やスポーツカー展示

 地域に子どもたちの笑い声を響かせよう――。そんなコンセプトのイベント「南大沢マルシェ×ポップアップフェスティバル」が11月22日(土)、23日(日)、24日(月・振)の3日間、南大沢駅前の歩道(ペデストリアンデッキ)で開催される。主催はNPO法人地域住民の安全生活応援団・マルシェ実行委員会(山口兼誠理事長)。

 2011年から始まり、隔月で開催されてきた「南大沢マルシェ」を大幅リニューアルして行う第1弾。野菜や雑貨販売だけでなく、大道芸世界大会優勝のTakuyaさんと体操競技全日本選手権に出場し続けてきたSaikaさんの2人からなるユニット「Asterisk NOVA(アスタリスクノヴァ)」によるアクロバットショーが3日間行われるほか、23日にはお笑い演芸会やスポーツカーのランボルギーニ展示会など賑やかな催しが盛りだくさん。

 理事長の山口さんは「地元の方や商店街の方々、皆さんと地域を盛り上げていきたい」と話している。

 各日とも午前10時から午後6時まで。問い合わせは同事務局【電話】042・648・5839。
多くの人で賑わう(写真は昨年)

八王子いちょう祭り 黄葉の甲州街道を楽しむ パレードや物産展など

 八王子の秋の風物詩「第46回八王子いちょう祭り」が11月15日(土)・16日(日)の2日間、追分町から高尾駅入口までの約4Kmにわたる甲州街道沿いと周辺を会場に行われる。同祭典委員会(水野じゅん会長)が主催。

 市民手づくりのイベントとして、1979年にスタートした同祭。八王子の四大祭りの一つにも数えられ、昨年は2日間で約40万1000人が来場した(主催者発表)。

 今年が昭和100年にあたることを記念して、祭りのスローガンを「昭和ノスタルジー share a sense of nostalgia」に決定。昭和100年を記念した甲州街道マーチングバンドパレードや、5年ぶりの実施となるクラシックカーパレードが行われるほか、各会場で物産展や模擬店、ステージ発表などが催される。

 木製の通行手形を手に12カ所の関所を巡って焼印を集める「関所オリエンテーリング」は、揃えると福引の参加や達成賞などの特典がある。また台紙で巡る子ども向けのスタンプラリーやスマホで参加できるものも。

 開催時間は両日午前9時から午後4時30分(最終日は4時)まで。同委員会では「黄葉を迎えて黄金色に染まる甲州街道いちょう並木を歩きながら、ぜひ八王子いちょう祭りをお楽しみください」と呼びかけている。詳細は公式サイト(https://www.ichou-festa.org)で。
凛とした演技で節目を祝った

心身磨き45周年 八王子市なぎなた連盟

 八王子市なぎなた連盟(福安徹会長)の設立45周年を記念した大会と式典が、11月3日に富士森体育館で催された。

 同連盟は1980(昭和55)年に設立。なでしこ会と葵の会が市民体育館で稽古を始め、翌年から市民体育祭に参加して八王子市なぎなた大会を開催してきた。やがて由木クラブや中野クラブなど、市内各地に連盟のクラブが発足。震災や新型コロナの影響で大会や稽古が中止になったこともあったが、幾多の困難を乗り越え、なぎなたの伝統継承と稽古を通じた心身の修練の場をつなぎ続けている。

オリジナルの記念品も

 第45回大会の後に記念式典が催され、約100人が参加。リズムなぎなたや形の公開演技、功労者への表彰などが行われた。あいさつで福安会長は「先人たちのなぎなたへの愛と努力があって45周年を迎えることができた。皆さんも長くなぎなたと関わり、次世代へ引き継いでもらえれば」と呼びかけた。

 また45周年の記念品として、会員に連盟のロゴが箔押しされたパスケースが贈られた。制作はタウンニュース社。連盟の担当者は「想像以上に良い仕上がりで、みんなの記念になりました」と笑顔で感想を話した。

フォトクラブ 光彩が風景写真展 ヤスタケで27日まで

 市内を中心に活動するフォトクラブ光彩が、11月4日から写真展を開催中。会場はギャラリー&ガーデンカフェ ヤスタケ(八幡町12の11)の2階ギャラリー。

 メンバー7人が撮影した風景写真を3枚ずつ、半切サイズで展示。八王子の日影沢で5月に撮影した青々とした風景や11月の高尾山周辺で撮影した風景のほか、長野県の志賀高原や白馬村など計21枚の美しい風景が並ぶ。午前11時から午後5時。会期は11月27日(木)まで(会期中の(土)(日)は休み)。(問)同クラブ代表幹事の中西さん【電話】080・1162・1057
堂々とプレゼンする市長賞を受賞した森田さん

第5回八王子市私学プレゼンテーションコンクール 中1生が探究の成果を発表

 私立学校に通う中学1年生がテーマを見つけ、探求し、発表する「八王子市私学プレゼンテーションコンクール(プレコン)」が11月1日、市学園都市センター(旭町)イベントホールで開催された。八王子市近隣の私立中学校9校が参加し、各校の代表生徒らが日頃の探求学習の成果を登壇して発表した。

9校の代表がプレゼン

 この合同発表会は、私学の認知度向上などを目的に、各校の広報担当者らが集まり2021年にスタート。今年で5回目の開催となる。「探求学習」の一環として、参加生徒は各自で八王子に関するテーマを設定し、自ら調査・研究を行い、結果やそれを踏まえた提案などを人前で発表する。

 今年の参加校は八王子実践(台町)、工学院大学附属(中野町)、穎明館(館町)、共立女子第二(元八王子町)、東京純心女子(滝山町)、中央大学附属(小金井市)、八王子学園八王子(台町)、明治大学付属八王子(戸吹町)、啓明学園(昭島市)の9校。

 各校の代表生徒は自分たちで決めたテーマに基づき、アンケート調査やインタビューを行った経緯をスライドにまとめ、それを投影しながら順番に発表した。今回は初宿和夫八王子市長も同席し、生徒たちの熱のこもったプレゼンを傾聴した。終了後、「発表スキルもさることながら、良く調べたなと関心した」と感想を述べた。

 審査委員からは「研究テーマが中1と思えない内容ばかりで毎年レベルアップしている」と高い評価の講評があり、厳正な審査の結果、市長賞1校、ベストプレゼンター賞1校、優秀賞7校が選ばれた。

 市長賞を受賞した八王子実践の森田真結さんは「スライドづくりはクラスの子にも協力してもらったので(受賞できて)よかったし、うれしい」と喜びを語った。また、ベストプレゼンター賞には啓明学園の澤田紗季さんが選ばれた。
小比企町にある市民農園を案内する飛田理事長。利用者が丹精込めて育てた白菜やナス、青唐辛子などがところどころに見られた。

農地の持続願い、20年 NPO「すずしろ22」が周年

 市民農園の貸し出しや、援農ボランティア活動を行うNPO法人すずしろ22(飛田(とびた)恵美子理事長=人物風土記で紹介)が今年の10月で設立20周年を迎えた。

 「すずしろ」は大根のことで、「22世紀に農業をつなげる方法を考える会」として設立。八王子に残る農地を保全することを大義として、農園の運営や援農ボランティア活動、地産地消の啓発活動などを主軸として行ってきた。

 現在の会員数は約200人ほど。市民農園で畑仕事をしたい人や、繁忙期などに手伝いを求める農家、それに応えたい市民などで構成されている。

 市民農園は現在、小比企町、加住町、久保山町の市内3カ所にある。すべて合わせて約1ヘクタールほどの農地を、各所有者より借り受けている八王子市から使用権を得て運営している。

 市民農園の一つ、小比企町の農園には、1区画約50平米、90区画程ある。利用者は使用料を払い、思い思いの農作物を育てる。飛田理事長は、「都内23区から八王子へ移住し、畑仕事を楽しんでいる方もいる。魅力は、都心と比べてリーズナブルな貸出農園料に加え、自治体内に農家さんがたくさんいる環境ではないか」と八王子の良さを説明する。

 一方、援農ボランティアは、人手不足で支援を求める農家と、農家を助けたいと思う市民の橋渡し役を担う。ボランティアは1時間500円程の有償。すずしろ22全体の援農時間は年間合計2万時間を超えており、「減りゆく農地を守るため、これからも農家さんを支援していきたい」と飛田理事長は話している。
市川さん(写真奥)と南大沢の地図におすすめスポットを書き込む生徒たち

南大沢中学校 「謎解き巡り」でまちづくり STEAM教育 地元企業が協力

 市立南大沢中学校で11月7日、STEAM教育の一環で外部講師を招いて「まちづくり」について学ぶ授業が行われた。

 STEAM教育は科学、技術、工学、芸術、数学を横断的に学ぶことで、複雑化する社会課題に対応できる人材を育むことを目指す教育。文部科学省が推進し、市内では今年度から来年度の2カ年計画で同校とみなみ野小中学校が研究推進校となって先行導入し、さまざまなテーマの授業に取り組んでいく。

街の魅力を抽出

 まちづくりの講師は、(株)多摩ニュータウン開発センターの市川健さん。東京都都市整備局で日本各地のまちづくりに携わり、現在は南大沢で商業ビルなどの運営を通じて地域振興に取り組む同社に出向して、最先端技術で地域の利便性を向上させる「南大沢スマートシティ」を担当している。

 市川さんの授業は11月から来年3月にかけて全8回予定されており、2年生が街の魅力を盛り込んだ「謎解き街巡り」づくりに挑戦する。

 初回授業の冒頭、市川さんは「南大沢の個性を踏まえ、多くの人にその魅力を知ってもらうため、街を巡る仕組みとして謎解きを作りましょう」と呼びかけた。この日は、自分たちが住む街の魅力ある・訪れてほしいスポットの洗い出しとマップへの落とし込みを行い、生徒たちからは駅や映画館、公園、飲食店など思い思いのスポットが挙がった。今後はコースやチェックポイント、参加者に出す設問やヒント、運営方法などの検討に取り組み、来年3月をめどに謎解き街巡りイベントの実践を目指す。初回の授業に参加した生徒からは「謎解きを作るのは大変そう。できるかわからないけど、やってみる」などと感想を話した。

 授業後、市川さんは「授業を通じて住んでいる街の魅力をあらためて感じてもらい、誇りをもってもらえれば」と語り、同校でSTEAM教育を担当する松井優延教諭は「地域の協力を得ながら取り組み、生徒たちに新しいものの見方や考え方を養ってもらいたい」と期待を寄せた。

不登校 保護者の会 11月25日 心理相談員が講演

 不登校をテーマとした保護者サロンが11月25日(火)、八王子市教育センター第3研修室(散田町)で行われる。主催は八王子市教育委員会。

 参加対象は市内在住の小・中学生の保護者。当日は、「不登校の子どもたちの再登校を考える 〜進級・卒業・その後〜」と題した講演を、市の心理相談員が実施する。講演中には、参加者同士グループに分かれ、日頃感じている思いや悩みを語り合う時間も予定されている。

 午後2時から4時30分。定員は予約先着60人。希望者は、参加受付申し込みフォーム(https://logoform.jp/form/iapr/1108893)から申し込みを。

 問い合わせは、高尾山学園内にある教育指導課登校支援担当【電話】042・663・3216。
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準優勝の盾と賞状を手にする八王子市消防団女性消防隊

全国操法大会で準優勝 八王子市消防団女性隊

 市内の女性消防団員で構成される八王子市消防団女性消防隊が、10月28日に横浜の赤レンガ倉庫で開催された「第26回全国女性消防操法大会」に東京都代表として出場し、準優勝に選ばれた。

 隊長が五味久子さん、指揮者が谷秀美さん、1番員が木村七海さん、2番員が高坂美月さん、3番員が坂本香澄さん、4番員が小高麻耶さん、補助員が上田朱音さん。いずれも会社員などの本業を持ちながら、仕事と家庭、消防団活動を両立している女性たち。週末や夜間などに訓練を重ねてきたメンバーは、消防技術の向上や士気の高揚などを目的に開かれている同大会に出場し、各都道府県の代表チームと軽可搬ポンプを使って指揮者の号令から放水で標的を倒すまでの時間や器具の取り扱いの正確さなどを競い合った。

支援に感謝

 11月8日に開かれた祝祝会には、東京消防庁や多摩地域の消防団などから多数の来賓が出席してメンバーの努力と快挙をねぎらい、7人に消防総監賞も贈られた。メンバーを代表しあいさつに立った谷さんは「プレッシャーもあったが皆様のご指導やご支援、応援のおかげでチームの力を高めて準優勝できた。訓練の日々は私たちにとって大きな宝物になった。これからも地域の安心安全のために尽くして参ります」と感謝を述べた。

トレインズ 三重に2連勝、リーグ2位 2日目は100点ゲームで勝利

 プロバスケB3・東京八王子ビートレインズが11月8・9日、エスフォルタアリーナ八王子(狭間町)でホーム戦を開催。ヴィアティン三重と対戦し、84-69、103−60と圧勝し、2連勝を果たした。第7節を終え、戦績は10勝2敗。ファンの期待を乗せたトレインズは15チーム中2位を順調に「進行中」だ。

 初日は第2クォーターまで接戦だったが、工藤 貴哉選手のシュートが決まると点差を広げ15点差で勝利。19得点を決めたドノバン・クレイ選手がMVPに選ばれた=写真。2日目は、第1クォーターを25−17で終えるとそのまま攻め続け43点差で勝利した。

 今季開始前にディフェンスを課題に挙げていた亀崎光博ヘッドコーチは試合終了後、「工藤をはじめ、やりたいバスケを理解し、スタートメンバーがいいエナジーを持って臨んでくれた。103点という高得点に目が行きがちだが、60失点に抑えられたのが象徴的なことだと考えている。今後はタフなアウェーが続くがしっかり準備してチームとして成長できるよう、積み上げていきたい」と話した。

次のホーム戦は12月12・13日

 次戦はアウェーでトライフープ岡山と対戦。次のホーム戦は12月12日(金)・13日(土)、エスフォルタアリーナ八王子で東京ユナイテッドバスケットボールクラブと戦う。12日は午後6時オープニング、7時試合開始。13日は1時オープニング、2時試合開始。詳細はクラブHPまたはSNS。

樫崎会頭、続投決まる

 八王子商工会議所の役員改選が10月31日の議員総会で行われ、樫崎博氏(美ささ不動産(株)代表取締役会長)の会頭3期目続投が決まった。任期は2028年10月31日まで。その他の役職は以下の通り。▽副会頭:清宮仁氏((株)テージーケー代表取締役社長)、伊藤則久氏(税理法人I&O代表社員)、森屋義政氏(新任/ 森屋建設(株)代表取締役)、門倉裕氏(新任/ (株)エイト 代表取締役社長)▽専務理事:守屋清志氏(新任/八王子商工会議所専務理事)▽監事:下田直啓氏(新任/八王子交通事業(株)取締役会長)、水島栄司氏(税理士法人オンリーワン 杉本・水島事務所代表社員)

響け!和太鼓の音色 11月15・16日、陵南中体育館

 「集まれ‼来て、観て、叩こう。太鼓まつり」が11月15日(土)・16日(日)の2日間、陵南中学校体育館で行われる。主催は桑都和太鼓連合会。入場無料。

 同日開催の八王子いちょう祭りの中で、能登豪雨災害支援チャリティーとして行われる演奏会。出演は桑都和太鼓連合会、鳴神流雷神太鼓、和太鼓 鼓一、飛翔祭太鼓、絹太鼓のほか、ゲストとして和太鼓スクールTAIKOビレッジ、八王子西特別支援学校太鼓部(15日のみ)、陵南翼太鼓(16日のみ)も参加する。

 15日は午前11時開演、16日は10時45分開演。和太鼓にふれて叩ける「体験コーナー」もある。また、15日には「和太鼓 鼓一」が御陵参道で演奏する。午後0時30分から。詳細・問い合わせは守屋さん【携帯電話】080・6570・5995。

食文化と八王子史 市民自由講座

 市民自由講座「八王子の文化財からみる古代から現代までの食文化」が、12月10日(水)午後2時から4時まで市生涯学習センター南大沢分館(南大沢2の27)視聴覚室で開かれる。参加無料。

 市文化財課の職員が日本の食文化や、御殿山を中心に展開する南多摩窯跡群で出土した須恵器などについて解説する。

 定員60人。申込みは、講座名「文化財」、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号を明記してメール(kouza-minami@city.hachioji.tokyo.jp)へ。11月20日(木)必着。問合せは同館【電話】042・679・2208。

―連載小説・松姫 夕映えの記― 第2回 作者/前野 博

 (前回からのつづき)

 「お梅さんや、坂の頂上にようやく見えたぞ、あれがそうに違いない!」

 横山口の木戸も敵襲に備えて補強され、物見の櫓も新たに造られていた。櫓の上にいるのはやはり城下で商いをしている漆器屋の主人であった。

 少しの間にお梅にも坂道を下り始めた一団の姿を見ることができた。小さな姿が次第に大きくなってはっきりとしてきた。

 「おキミ、信松尼様達がやって来ましたよ」

 お梅は大きな風呂敷包みを抱え、傍に鍛冶屋の夫・栄吉の作った二本の鍬を立て掛けていた。おキミは小さな包みを肩にかけていた。

 「貞姫様、香具姫様、督姫様は?」

 「いるわよ、こっちを見て手を振っているわよ」

 お梅が言うと、おキミが木戸前に飛び出して行った。おキミに気づいた三人の姫君が駆け出して来た。たくさんの荷物を載せた荷車を引くのはおキミの兄の善吉、後ろから押すのは石黒八兵衛に中村新三郎であった。その後ろを信松尼が進み、竹阿弥にお里と二人の侍女が荷物を背負い従っていた。

 「信松尼様、おキミのことよろしくお願い致します」

 お梅は信松尼に深々と頭を下げた。

 「お梅や、心配は要りませんよ。兄の善吉も姫君達もいますし、おキミは誰からも好かれて可愛がられていますからね。それよりあなた達のことが気がかりですね。豊臣の北国軍の八王子城攻撃も近いと思いますよ。何といっても敵は大軍です」

 「大丈夫です、何とかなります。うちの旦那・栄吉がついていますから、敵が攻めてきても上手に逃げますよ。北国軍は無理な戦いはしないと聞いています。この八王子城の堅固な備えを見たら攻めては来ないのではないですかね」

 お梅はそう言って笑ったが、本心はどうなのだろうかと信松尼は益々心配になった。  〈続〉

◇このコーナーでは、揺籃社(追分町)から出版された前野博著「松姫 夕映えの記」を不定期連載しています。