大和版【11月21日(金)号】
子どもたちによるハンドトリートメントの様子=9日・シリウス1階ギャラリーで

「ぬくもり」で垣根越える 「ふれる」セラピー初開催

 障がいのある人と、そうでない人が垣根なく接点を持ち、尊重し合える地域づくりを目指すイベント「『ふれる』セラピー」がこのほど、シリウス1階ギャラリーで開かれた。障がいのある子を育てる母親たちが中心となって企画し、当初の想定を上回る124人が来場するなど、初めての試みに大きな反響が寄せられた。

 「ふれる」をテーマにしたイベントの目玉企画は、障がいのある子どもや、そうでない子どもたちが指圧やマッサージを行う「ハンドトリートメント」。会場を訪れた人たちは袖をめくり「施術」を受けた。

 イベントを企画した、大和南在住の小林結子さん(50=「人物風土記」で紹介)は2児の母で、15歳の息子は生後間もなくダウン症と分かった。

 小林さんは学生時代から障がい福祉に関心があり、20歳から統合保育を実践する保育園に勤務した経験がある。園では障がいの有無にかかわらず互いに触れ合い、自然と助け合う子どもたちの姿があった。イベントはこうした経緯もあって企画された。

 この日、ハンドトリートメントを受けた来場者からは「たくさんの温もりが伝わる」、「とても上手だよ」などの声が聞かれ、子どもたちはそれに笑顔で応えていた。

 小林さんは「こうした触れ合いを通じて、障がいへのイメージを明るいものにしたい」と話す。

母親の声も紹介

 会場にはイベントに携わった母親たちからのメッセージが掲示された。「社会には少しでもこの子たちに触れて、(中略)ダウン症や障害を持つ人の理解が深まり、この子たちが生きやすい社会になってくれればいいなぁと思っています」、「我が子と一緒に出掛けて、楽しめることがたくさんあるのが本当に嬉しいです」。来場者からは反響と共感の声が多く寄せられた。

 当初は50人ほどの来場を見込んでいたといい、「予想以上にたくさんの方々にお越しいただき、励ましの声も頂いた」と感謝を口にした小林さん。このイベントは来年以降も継続して開催する意向だ。
賞状を手に笑顔の肥塚さん、佐藤さん、池亀さん、阿部さん、渋谷さん(左奥から右回りに)

中央林間ボクシング 5選手が全国で表彰台 肥塚さんは初出場V

 中央林間ボクシングスタジオ(太田茂会長)に所属する選手5人がこのほど、岐阜県で行われた第5回「全日本マスボクシング選手権大会」(主催/(公社)日本ボクシング連盟)で優勝、準優勝に輝いた。

 マスボクシングは通常のボクシングとは違い、寸止めで拳を打ち合う競技。パンチを当てると減点、防御や反応が遅いと攻撃側に加点される。技術や戦術、積極性などで審判が勝敗を決める。

 同大会は日本ボクシング連盟が主催。6カテゴリー・40階級に約350人が出場した。同スタジオからは佐藤忍さん(52)がU―60女子の160cmまでの部、池亀正雄さん(70)がU―70男子の170cmまでの部、肥塚秀彦さん(60)がU―70男子の170cm超の部に出場し優勝。渋谷佑樹さん(25)がU―30男子の170cmまでの部に、阿部和子さん(73)がO―70女子の160cmまでの部に出場し、準優勝した。

 佐藤さんと池亀さんは鍛えぬいたジャブを、肥塚さんは手数の多さを武器にトーナメントを勝ち進み、決勝へ進出。相手選手にうまく対応し、自分のペースに持ち込み勝利した。

 佐藤さんと池亀さんは2大会ぶり3回目の優勝で、肥塚さんは2年前に同会に入会。マスボクシングを始めてから約半年で初出場、初優勝を果たした。佐藤さんと池亀さんは「前回のリベンジができて良かった」、肥塚さんは「リラックスして試合に臨めた。優勝できて良かった」と振り返った。太田会長は「年々レベルが上がる中、みんな頑張ってくれた」と選手の健闘をたたえた。

11月9日にシリウスで開かれた催し「『ふれる』セラピー」を企画した 小林 結子さん 大和南在住 50歳

「自分らしく」生きる

 ○…多様性が尊重される現代にあってもなお、障がいのある人と社会を隔てる壁はゼロではないという。手の平から伝わる温もりを分かち合い、障がいの有無を超えて「笑顔で支え合える世界に近づけたら」。そんな思いを形にした「『ふれる』セラピー」では、来場者から多くの反響と共感が寄せられた。「もし社会に偏見があるのならば、それをなくしていきたい」と前を向く。

 ○…藤沢市に生まれた。高校時代から保育士を志し、短大卒業後はその道に進んだ。結婚を機に33歳で大和市へ。ほどなくして子宝に恵まれ、出産後にダウン症が判明した。「いったいどういう生活になるか」。「ショックもあった」。インターネットで情報をかき集めることもあった。しかし、出産から1カ月半後、新生児集中治療室から無事に帰ってきた息子を家に迎えた時、「心からうれしかった」

 ○…「多くの方に息子の存在を知ってほしい」と、地域とのつながりを大切にしてきた。子ども会や地元神社の役員のほか、昨年までは瀬谷支援学校のPTA役員も務めた。大和の阿波おどりにも親子で参加し、昨年は鳴り物を担当。「幼少期から内気で人見知りだった」と自身を振り返るが、今は行動力が光る。現在、大和駅前でエステ店も営む。息子の送迎を考慮し、完全予約制だ。

 ○…今年の2月に50歳を迎えた。人生100年時代。その後半戦は、「障がいのあるお子さん、そのママたちの自分らしい生き方をサポートできれば」と考えている。親たちの集いの場、障がいのある子どもたちの活躍の場の創出など、構想は尽きない。多忙な日々にあっても趣味であるベリーダンスのレッスンは毎月欠かさない。「自分らしい生き方」を、貫いている。
祝賀会であいさつする竹村会長=17日・海老名市内

国税庁長官納税表彰を受賞 大和間税会 竹村和子会長

 大和・海老名・座間・綾瀬の県央4市を管轄する「大和間税会」の会長を務める竹村和子氏(76)がこのほど、2025年度の「国税庁長官納税表彰」を受賞した。

 同表彰は申告納税制度の普及・発展に努め、納税道義の高揚に貢献した個人や団体に贈られる。竹村氏は、10月23日に明治記念館(東京都港区)で行われた表彰式に出席し、国税庁長官から表彰状を受けた。

 竹村氏は、大和間税会で初の女性会長に就任し、現在10年目。会員不足が各団体の課題となる中、会長就任当初から率先して会員拡大に奔走した。「常に入会届を携帯していた」といい、この10年でおよそ200人から260人に会員は増加し、全国の間税会で「拡大事例」として紹介されたこともある。

 さらに、間税会の活動では若い世代や女性会員を積極的に登用するなど、旧態依然から脱却し「楽しいと思える会」を目指す姿勢が、会員から広く支持されてきた。

 17日には海老名市内で受賞祝賀会が開かれ、間税会の関係者が多数かけつけた。あいさつに立った竹村氏は「ここにいる皆さんと一緒に頂いた表彰」と謝意を述べた。

 取材に対し竹村氏は、「(今回の表彰は)大和間税会の活動が認知されてきたということ。これからも皆で前へと進んでいきたい」と話した。
代表して目録を手渡す橋本会長(左から3人目)

救援募金を届ける 台湾豪雨で4市連携

 大和・海老名・座間・綾瀬の4市は7日、台北駐日経済文化代表処横浜分処に、台湾東部・花蓮県豪雨災害の救援募金を届けた。

 4市では、今年9月に発生した台風18号により甚大な被害を受けた花蓮県を支援するため、日台高座友の会(橋本吉宣会長)の呼びかけで救援募金を実施してきた。

 寄せられた浄財は、同会と4市の合わせて76万3547円にのぼり、同日、贈呈式が行われた。

 贈呈式には同会の橋本会長、伊澤健志朗事務局長、古谷田力大和市長、内野優海老名市長、佐藤弥斗座間市長、橘川佳彦綾瀬市長が出席。橋本会長が代表して范振國処長に募金目録を手渡した。

 あいさつに立った古谷田市長は「台湾の皆様のためにお役立ていただきたい」と述べた。

 取材に対し橋本会長は「善意を寄せてくださった4市の市民の皆様に感謝を申し上げます」と話した。
金賞を受賞した児童(前列)

絵画入賞を表彰 大和ロータリークラブ

 大和ロータリークラブ(武田茂会長)は11月16日、シリウス1階ギャラリーで第7回「やまと児童絵画コンクール」の表彰式を行った。

 「行ってみたいな‼」をテーマに、市内の小学校に通う1〜3年生から作品を募集。今年は428点の力作が寄せられ、その中から金賞4人、銀賞10人、銅賞15人が選出された。表彰式では、受賞した児童たちが一人ひとり呼ばれ、賞状と記念品を受け取った。

 入賞者は次の通り(敬称略・順不同)。【金賞】大矢理叶(林間小3年)、狩野麗菜(福田小3年)菊池怜(林間小1年)、大塚俊輔(上和田小3年)【銀賞】吉田愛希(北大和小3年)、山本一慶(林間小3年)、月川智華(同2年)、中西陽太(同)、芹沢優(同1年)、岩渕浩人(草柳小3年)、長嶋奏佑汰(南林間小1年)、奥希実(福田小3年)、松元結音(文ヶ岡小3年)、伊東澪央(同2年)【銅賞】藤澤凛(北大和小3年)、下羽花英(同1年)、岡崎みのり(同)、池田千紘(同)、武井美憲(林間小3年)、畠山柚(同)、花岡彰仁(同2年)、竹内仁乃(同)、上野愛采(同1年)、野口莉那(緑野小2年)、菊地美那(同3年)、入江真子(上和田小2年)、田原一希(南林間小3年)、佐藤芙香(引地台小2年)、菅玲翔(同)。
記念講演の様子=11日・海老名市で

大和法人会 記念講演に200人超 「税を考える週間」に合わせ

 公益社団法人「大和法人会」(飯室雅海会長)は11日、「税を考える週間」に合わせた記念講演会をレンブラントホテル海老名で開いた。

 毎年行われているイベントで、今回は200人を超える会員らが参加した。第一部では大和税務署の津田啓二氏が登壇し、税の仕組みや税金の使われ方などを解説。

 続く第二部では、コラムニスト・エッセイストとして各種メディアで活躍する犬山紙子氏が「男らしさ、女らしさに縛られず、自由に生きるためのヒント集」をテーマに記念講演を行った。

 犬山氏は夫婦やパートナーとの円滑なコミュニケーション方法などについて具体例を挙げながら説明。参加者らは熱心に耳を傾けた。

8組のダンスチーム登場 12月7日シリウスで

 市文化創造拠点「シリウス」などを指定管理している「やまとみらい」が主催する「市民がつくるコンサートシリーズvol.10 SiRiUS DANCE STAGE」が12月7日(日)、シリウス(大和南1の8の1)1階のメインホールで開催される。午後4時30分開演(4時開場)。

 「市民がつくるコンサートシリーズ」とは、2021年から実施されている「市民」が主役の参加型イベント。

 今回は、20組以上の応募者の中から選ばれた8組のダンスチームが登場。HIPHOPやフラ、モダン、ジャズ、ストリートなど、さまざまなジャンルのダンスが披露される予定だ。出演者は「ダンスが大好きな私たちの姿を、ぜひ応援していただけたら」と話している。

 入場無料で事前申込は不要。問い合わせはやまと芸術文化ホールチケットデスク【電話】046・263・3806(午前9時〜午後6時)へ。

毛筆を学ぶ 書道講座

 書道講座「漢字の世界〜書体の成り立ち・基礎実習〜」がこのほど、シリウスで開催され、23人が参加した=写真。

 当日は大和市書道連盟の会員が講師を務め、漢字の書体の成り立ちについて説明。その後、一人ひとりが手本をもとに「和楽」という字を書いて毛筆の基礎を学んだ。同連盟の三好翠泉会長は「皆さんにとっても漢字は親しみやすいもの。参加されている方の楽しそうな姿を見ることができて良かった」と話した。

税をもっと身近に 青色申告会などがPR 

 (一社)大和青色申告会(吉川精一会長)が11月8日・9日、やまと産業フェア内で税の広報活動を実施した=写真。

 これは11月11日から17日までの「税を考える週間」にちなみ、税金について考えてもらうことを目的とし、大和法人会、大和間税会と共催で行われた。税に関するクイズや、現金1億円の重さの体験などが実施された。
体操をする参加者ら

学んで動いて健康に 「たすけあい講座」に40人

 南林間地区たすけあいセンター(沓掛大乗センター長)が主催する「たすけあい健康講座」が13日、NAS南林間で開かれ、およそ40人の地域住民らが参加した。

 「ここで習って、おうちで簡単に実践できる」をテーマに開かれている同講座。今回は看護師による感染症に関する座学や健康体操などが行われた。参加者らは熱心にメモを取りながら講師の解説に耳を傾け、その後は体操でさわやかな汗を流した。

 次回のたすけあい健康講座は、来年1月15日(木)に開かれる。同所で午前10時〜11時40分。

 申し込み、問い合わせは同センター【電話】046・206・5310へ。
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秋のチェロコンサート 30日信法寺で

 上和田の生養山薬王院信法寺(大谷慈通住職)の本堂で11月30日(日)、「お寺でクラシックコンサートⅨ」が開催される。午後2時開演(1時30分開場)。

 当日は「秋のチェロコンサート」をテーマに、チェリストの渡部玄一さんを招き、ベートーヴェンソナタ5番などの演奏を予定している。

 入場無料で定員は150人。希望者は電話で申し込み。空席がある場合は当日の参加も可能。

 (問)同寺【電話】046・267・5002

徒然想 連載332 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

 今月は、十方は空にして異なるもの無きも、衆生分別を起こして、是のごとく如来に取らわれ、虚妄(こもう)して仏を見ず、です。

 出典は、インド、大乗経典『華厳経』。

 意は、すべてのものは皆、縁によって現れたものであるから、もともと差別はない。差別を見るのは、人間の計らいによって如来をでっちあげ、如来を妄想していると、いう事です。

 世の中の一般的な比較を挙げてみると、大小、長短、遅速、白黒、明暗、高低、広狭、寒暑、美醜、清濁、巧拙、優劣等々。

 これらはその立場が変わったり、場所が変わったりまた、見方が変わったりすると、それまでのものとは違ってくる。

 例えば長短についてもそれまで短いと思っていたものも、更に短いものと比較してみると決して短いと言えない。

 比較というものは、必ず人間の計らいから起こる事を知っておかなければならない。この世間に存在するものは、様々な条件が複雑に関係している。その価値感の基準は時間が経てば場所が変われば、また人間が変われば、すべてのものが大きく変化していくものです。

 軽率に他人の事を様々に比較するべからず、と、諭しているのです。

桃蹊庵主 合掌