横須賀・三浦版【11月28日(金)号】

アライグマ 「害獣の命、無駄にしない」 ジビエ料理でおいしく

 特定外来生物に指定されているアライグマなどの害獣を食肉として活用する「ジビエ」事業が今秋、横須賀市内で始動した。環境保全に取り組む「NPO法人三浦半島生物多様性保全」が捕獲許可を得て捕らえた個体を移動式食肉処理場で解体・加工し、飲食店に提供する。現在、提携する市内2店舗で、この肉を用いた料理の試作品製作が進んでいる。

 高い繁殖力と適応力を持つアライグマは、在来種の捕食や農作物への食害などで問題視されて久しい。神奈川県では捕獲や駆除に関する実施計画を立てるなど対策を図っている。取り組みの発案者である同法人のメンバーで横須賀市議の天白牧夫さんによると、三浦半島全域では、年間500〜600頭が捕獲されており、そのほとんどが燃えるゴミとして処理されているという。「根絶を早期に完了させることが第一であるが、一方で命の尊厳の観点から、できれば駆除個体を活用してやりたい」という思いを抱き続けてきた。

 構想を実現するため、天白さんは行政などとの調整を図り、今年10月に食肉処理業の許可をNPO法人として取得した。

 市から有害鳥獣捕獲許可を受けている天白さんが、わなを用いて捕獲する。その後、トラックを改造した移動式の「ジビエカー」に運び、肉を小分けに。真空パックにし、グラム売りで希望の飲食店に提供していく。現状、処理対象はアライグマを主としているが、体重10kg程度までの動物に対応可能だという。

 「利益を出すことが目的ではない」と天白さん。取り組みを広めることで、害獣の被害に遭う農家や家屋だけでなく、「市民に当事者意識が芽生え、捕獲の協力者が増えてくれたら」と願いを込める。

煮込んで旨味凝縮

 骨の周りの肉をほぐしてパスタのソースにしたり、はたまた赤ワインでじっくり煮込んでパサつきを抑えたり-。秋谷のイタリアンレストラン「Loriga」店主の伊藤亮太郎さんは現在、最適な使い道を図るべくアライグマ料理を試作中。「想定より臭みは少なく旨味がある。脂が少ないため、お腹が満たされたコース料理の終盤にも出しやすい」とアライグマの活用に手応えを感じており、「野菜や魚介類だけでない、横須賀の新たな食の資源となれば」と期待を寄せている。

 小川町のカレー店「SPOON YOKOSUKA」でもメニューとして提供可能か試作を通して模索中だ。

神奈川県女子サッカーリーグ3部で優勝したライオンズランドFCの監督を務める 臼杵 尊士さん 横須賀市武在住 46歳

思い立ったら中央突破

 ○…5歳で蹴り始めたボールが、人生の道標となった。中学時代はプロサッカークラブの育成組織で研鑽を積み、実力が認められて進学した強豪校では背番号10を背負い関東大会の舞台を踏んだ。折しも世間が日韓W杯開催決定に沸く中、頭にあったのはプロの道ではなく、「仲間とボールを楽しく蹴り続けたい」気持ちだけ。その思いを貫き、ライオンズランドFCの監督など、今なおボールと人生を歩む。

 ○…大学卒業後、知人の誘いでフットサルに転向。アルバイトと両立し競技を続け、2003年、全国フットサル選手権で優勝を果たす。Fリーグとしてプロ化が目前に迫るなか、選んだ道は「独立」。「選手として引退後に生きる場を残したい」と社会人チームを発足、選手兼監督として資金調達に奔走しフットサルコートも整備した。

 ○…在日米軍横須賀基地で消防士として勤務した過去もある。「体力には絶対の自信がある」と、倍率150倍の狭き門を突破。安定した収入が保証され、「いつまでサッカーやってるの」と心配していた母を心から喜ばせた。しかし、魂を焦がす仲間とボールを蹴る日々を手放せるはずもなく、「ケガで職場に迷惑をかけるたびに負い目を感じた」。葛藤の6年間を経て、ついに愛するサッカーの道へ戻った。

 ○…「力をつけるには正式なグラウンドが必要」。その一念で、横須賀市武にナイター設備を整えた念願のサッカー場を2年前に完成させた。小さなコートでは満たされぬ情熱を、「目の前のことに突き進む」性格そのままに10年間、土地探しに執念を燃やした結晶だ。測量の苦難を乗り越え、仲間と実現させた夢のグラウンド。40代半ば、この世を去った後も、サッカーがこの地に深く根付くことを願う。

「0468スタイル」 横須賀お笑いライブ市文化会館中ホール

 三浦半島・横須賀ゆかりの芸人らによるお笑いライブ「0468スタイル」が12月7日(日)、横須賀市文化会館中ホール(深田台50)で開かれる。

 101回目を数える今回は、メイクデビューやまだ、梶田ガクシ、べんぬ、ハッピー遠藤、完熟フレッシュ、横浜ヨコハマ、ミルクティー梅田、社長のおにぎりのレギュラー陣が出演。このほかにゲストも登場する。

 午後2時開演。入場料は一般2000円、高校生以下500円。

 前段として、芸人の卵たちによる「0468若手ライブ」もある。午前10時30分開演で入場料は500円。

 問い合わせは0468スタイル【携帯電話】090・4069・6917。
「あかねみん」を考案した川本さん(左)とデザインを担当した新倉さん

三浦ご当地グルメ 「茜身」PRに新キャラ誕生 初声小児童が考案

 三崎マグロの血合い肉をブランド化する取り組みの一環として、このほど公式キャラクター「あかねみん」が誕生した。

 血合い肉は、腹と背の部分にある赤褐色の部位。生臭さがあるため、飲食店では敬遠されがちだった。しかし、大腸がんの発生や血圧上昇の抑制などに効果的な成分を多く含むことが判明。地元では新たな特産品として活用しようという取り組みが進められ、イメージを一新すべく、昨秋にはネーミングを全国から公募で選ばれた「茜身」に決定した。

 初声小の5年生は昨年度、総合的な学習の時間で三崎マグロの知名度向上について研究。川本朱織さんと石川芽生さん(現6年生)が考案した「あかねみん」が、茜身の公式キャラクターとして採用され、11月23日にうらり市民ホールで出口嘉一市長ら関係者にお披露目された。

三浦ツナ之介の妹

 考案者の川本さんによると、あかねみんは三浦市のご当地キャラクター「三浦ツナ之介」の妹という設定。三浦の特産品であるスイカを頭にかぶり、着物の帯には三浦一族の家紋があしらわれている。川本さんは「『あかねみん』がきっかけとなり、茜身がたくさんの人に知ってもらえたら」と採用を喜んだ。

 デザインを担当したのは、横須賀市在住の日本画家・新倉佳奈子さん。三浦ツナ之介の生みの親でもあり、「妹の誕生はうれしい。川本さんと石川さんの図案をもとに、伝統芸能『チャッキラコ』で使う扇子と綾竹をあかねみんの手に持たせ、より三浦色を強めた」と話した。
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事業参加する8社と上地市長(右から5番目)

大矢部新公園 旧軍用地「歴史と緑の拠点」へ 横須賀市と民間8社で基本協定

 横須賀市は11月25日、同市大矢部の旧大矢部弾庫跡地を新たに「大矢部みどりの公園」として整備・運営するため、日比谷花壇(東京都)を代表とする企業グループと基本協定を締結した。80年以上にわたり立ち入りが制限されていた「空白地帯」が、三浦一族ゆかりの歴史遺産と豊かな自然を生かした交流拠点として生まれ変わる。2028年の供用開始を目指す。

 同事業は、民間資本を活用して公園の整備・管理を行う「Park-PFI(公募設置管理制度)」を採用。代表企業の日比谷花壇に加え、京浜急行電鉄、京急サービス、ランドスケープデザイン、Tacta建築設計事務所、三浦建築測量、丸孝産業、大神の8社が参画する。計画地は約4ha(全体19 ha)。戦時中の接収以降、開発の手が及ばなかったため、市街地にありながら希少な自然環境と三浦一族ゆかりの「深谷やぐら群」「円通寺跡」の史跡が残されている。

 事業コンセプトは「MEZAME VALLEY(大矢部の目醒め)」。日比谷花壇の宮島浩彰代表取締役は「長く閉ざされていた大矢部の自然や歴史、新たな価値が目覚める場所に」と意気込みを語った。

 整備計画の目玉は、約1千平方メートルの木造大屋根広場。雨天や猛暑時でも子どもたちが遊べる場所を確保し、マルシェやワークショップなど多目的な利用を見込む。約5千平方メートルの芝生広場、農体験ができる田畑エリア、地産地消カフェなどを配置。災害時には市内外からの支援物資を受け入れる「広域物資輸送拠点」としての機能も持たせる。

 用地は昨年3月に国から市に無償譲与される方針が示された。上地克明市長は、同地が三浦一族の本拠地に近いことから「ここは横須賀・三浦半島のルーツと言える場所。先人の誇りを次世代につなぐサンクチュアリ(聖域)として、もう一度横須賀のアイデンティティを作り上げたい」と熱く語った。市は今後、園内の史跡について国指定を目指して調査を進めるほか、近隣の寺社などと連携した「ルートミュージアム」の周遊拠点としても活用していく方針だ。

三浦市北下浦漁港 港で味わう海の恵み 海業活性化探る試験イベント

 北下浦漁港(上宮田地区)で11月30日(日)、海業の活性化を目的にしたイベント「Miura Beach Market」が初開催される。鮮魚の直売や浜焼きが楽しめる。ヨットハーバーの運営や飲食店経営など三浦半島の観光・レジャー事業を幅広く展開する三崎観光株式会社の主催。入場無料。

 漁港ならではの水揚げされた新鮮な魚介類の販売や、その場で食べられる浜焼きコーナーが設置される。そのほか、多様な飲食が楽しめるキッチンカー、手作りアクセサリーなどの物販ブースが出店するほか、「お魚タッチプール」も登場。子どもから大人まで楽しめる。

 時間は午前10時から午後3時。荒天中止。問い合わせは同社【電話】046・854・9184。

集客性を検証

 同イベントは海業の新たな可能性を探るべく三浦市が主導している事業「北下浦漁港(上宮田地区)海業展開可能性調査検証業務委託」の一環。三浦海岸駅から徒歩十数分というアクセスの良さや、港内に砂浜を有すること、漁業者の減少で使用頻度の低い土地があることなどから、新しい海業を展開する場として選出されていた。

 対象用地は同漁港の漁港施設用地と砂浜を含む約5000平方メートル。市から委託を受けた三崎観光株式会社が、地元の三和漁業協同組合上宮田支所、市と内容をすり合わせながら、海産物の販売やビーチスポーツなどのイベントを試験的に実施し、集客性や収益性、課題を探っていく事業だ。

 2026年1月末までを期間としており、 ここで得られた知見やノウハウをもとに他の漁港での活用も視野に入れている。
左からZEN大学の柱谷仰隼さん、藤平桃子さん、高橋慧さん、米川さん

横須賀の資源 ビジネスに ZEN大学生がプラン発表

 横須賀商工会議所の起業支援プログラム「よこすかビジネスプランラボ」が終了し、通信制のZEN大学の学生4人が活動成果を披露するビジネスプラン発表会が11月20日に開かれた。

 学生らは9月からドブ板通り商店街や月見台住宅など、横須賀の街を巡るフィールドワークを通じて「地域課題」や「横須賀の資源」を見出し、これを生かしたビジネスプランを考案。より実現性の高いプランに磨き上げるため、市内の若手起業家である海老野秀成さんと嘉山淳平さんがサポートにあたった。

 横須賀には2万人超の米軍関係者が居住していることに着目した米川植也さんは、北米市場で売り上げを伸ばしたい日本メーカーなどに対するマーケティング支援を提案。「円安によるコスト高で現地でテストマーケティングを行うことが難しい昨今、横須賀なら日本にいながらリアルな声を集められる」とするアイデアを語った。

 このほか、旅先で撮影した写真を共有するプラットフォームづくり、空き家を活用した音楽スタジオ、対面での交流が難しい通信制大学の学生専用SNSサイト立ち上げに関するプランの発表があった。

 同会議所では、来年以降も同大学のプログラムを継続実施する方針だという。

横須賀芸術劇場合唱団 「良い音」めざし意識高めあう コンサートに向け練習佳境

 横須賀芸術劇場合唱団では、11月30日(日)に開かれる「美しき日本の歌スペシャル・コンサート〜歌い継ぐ名曲たち〜」の本番に向けて稽古が佳境を迎えている=写真。

 同芸術劇場専属の市民合唱団である同団には、平均年齢60代の約120人が在籍。歌う側と聴く側に分けて行う練習メニューでは、「歌詞が聞こえない」「感情が伝わらない」など率直な感想が飛び交う。指揮者の梅沢一彦さんは、「聴く人を楽しませるには『良い音』を出すこと。一人ひとりが意識を高めないと実現できない」と指導する。市文化会館大ホールで午後3時開演。チケットは全席指定4500円。問い合わせは【電話】046・823・9999。
ライオンズランドFCのメンバー(クラブ提供)

ライオンズランドFC 圧倒的戦力で3部制覇 練習積み重ね攻守一体

 横須賀市の中学生を中心に構成される女子サッカークラブ「ライオンズランドFC」が11月15日、所属する神奈川県女子サッカーリーグ3部(15歳以下)で優勝を果たした。

 昨季は4部で3位の成績を収め、今季昇格した3部では7戦全勝。計46得点の攻撃力に加え、失点も最終戦で喫した1失点のみという圧倒的な力を見せつけての優勝劇だった。

 「気のない2時間よりも集中した30分が力を伸ばす」と、練習に臨む選手たちの雰囲気に気を配るという監督の臼杵尊士さん=人物風土記で紹介。今回の優勝について、「練習で良いプレーをすることが試合に直結するからこそ、練習を大事にしよう」と積み重ねが生んだ結果と振り返った。

 来季は2部リーグの舞台に挑む。
調印した覚書を手にする山下会長(右)

ネパールの水支援に目途 横須賀RC 5年越しの事業

 横須賀ロータリークラブ(以下=RC)は、ネパールのチトワンRCと連携して、チャムガ・カスワ村の「給水プロジェクト」に2020年から取り組んでいる。

 同国では供給の不安定さや水質の面で課題を抱えており、対策が必要となっていた。横須賀RCでは、5年前に「国際奉仕」のビジョンを掲げ、同プロジェクトを推進。メンバーが現地を3回訪問するなど、顔の見える支援を行ってきた。

 今回、給水工事に一定の目途がついたことから、チトワンRCのメンバーが横須賀を訪れ、工事完了後も両クラブが継続して相互協力を行っていくことを確認する覚書を交わした。

 現在、横須賀市とネパールの間でも自治体レベルでの交流が進んでいる。横須賀RCの山下和男会長は「水の支援にとどまらず、互いのビジネスや技術を通じて貢献し合える関係性の構築を目指す」と話している。
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当事者らが活発に意見を交換

不登校保護者 鉛のような重い悩み 親のメンタル守る必要性

 不登校の子どもをもつ保護者らが意見を交換し、今後の対策に生かすための交流会が11月24日、横須賀市総合福祉会館で開催された。過去に不登校を経験した子どもをもつ保護者や市会議員も参加し、互いの境遇を率直に共有するなど、活発な議論が展開された。主催は不登校や引きこもりに悩む若者の支援を行うNPO法人アンガージュマン・よこすか(島田徳隆理事長)。

 15年程前に小学生の息子が不登校になったという三浦市の女性は、「今ほど不登校児が多くない時代で、同級生の親に相談もできずふさぎこんだ」という。「一人でも打ち明けられる人がいれば気が楽になれた」という経験をもとに、同じ境遇の親が集える組織の立ち上げを検討していると話した。

 発達障害のある子が不登校になり、「自宅で勉強を教えるのは限界があった」という女性。博物館などで実体験を通じて学びを深めさせたが、「金銭的な負担が大きく苦労した。子どもの不登校は、親のメンタルもやられてしまうもの」と語った。

 一方、「庁舎内のオープンな空間の中、個人的なことで職員に声を掛けるのは気が引ける」と市の対応窓口の在り方について言及する声も。思い悩んだ末に「意を決して相談に行く」という親の気持ちに配慮し、呼び鈴を設置するといった工夫ができないかと話した。

増加する出現率

 横須賀市教育委員会が11月に公表した調査結果によると、市内の小中学校における令和6年度の不登校児童生徒の数は1330人で出現率は5・51%(100人あたりの人数)。年々増加傾向にあり、県や全国と比較して1・5%以上高い。

 島田理事長は、「当然ながら、悩みを抱える親も増えているということ」と指摘。小中学校に相談室を設置するなど、「横須賀は不登校対策について先進的な取り組みをしている自治体」であるにもかかわらず改善されない状況について、「市民が一体となって考えていかなかればならない問題」と訴えた。

新交流組織 「横須賀令和会」発足へ 埋もれた功労者に光、平松氏ら設立準備

 政治・経済・スポーツ・文化など、分野の垣根を超えた交流組織「横須賀令和会」が新たに創設される。11月18日に設立準備会が横須賀市内で開かれ、活動方針などが話し合われた。今後、会の趣旨に賛同するメンバーを迎え、来年1月頃に設立総会を開いて正式発足させる。代表幹事には、発起人でかながわ信用金庫会長の平松廣司氏が就いた。同会設立の理由として平松氏は、「真の強さとやさしさを持ち合わせる若い世代が活躍できる横須賀にしたいと願っており、その実現に向けて賛同いただける会員たちと一緒に動いていく」と話している。この日の準備会には10人の立ち上げメンバーが集まり、「横須賀の活性化」という共通の目標に向けて活動していくことを確認した。

 会員の情報交換や親睦の場としていくほか、スポーツ・文化・経済等で顕著な成果を収めた市内の個人・団体を表彰する。目立たないところでさりげなく善い行いをしている団体や市井の人にも光を当てて顕彰する。専門家を招いた経済講演会など、地域の活性化に資する内容をテーマにした市民参加型の勉強会の開催も計画している。

 平松代表幹事は「横須賀を愛する人たちが集まり、目標に向かって行動する人たちを後押しする組織として機能させていく。埋もれた功労者を表彰するなど、社会全体の幸せに資する活動を推進する」と意欲を見せた。
ゲストランナーの川内優輝さん(赤のゼッケン)がレースをリード

よこすかシーサイドマラソン 約4800人が海岸ロード快走

 横須賀の東海岸ロードをコースとする「よこすかシーサイドマラソン」が11月23日、約4800人のランナーを集めて開かれた。市民の健康増進を目的に横須賀青年会議所(横須賀JC)が1976年に立ち上げたスポーツイベント。

 50回目を数える記念大会のゲストとして、プロランナーの川内優輝さんが参加、市民ランナーと一緒に心地よい汗を流した。ハーフマラソンのスターターを上地克明横須賀市長が務めた。

追浜でナイトバザー 地元の味覚、一堂に

 追浜エリアの年末前恒例のイベント「おっぱまでござーるナイトバザール」が11月29日(土)に開催される。会場は駅前の「サンビーチ追浜」前で、時間は午後2時から7時。雨天決行。追浜観光協会と追浜商盛会の主催。

 第33回を数える今年は「三浦半島大収穫祭」と銘打ち、地元生産者による野菜直売会や地元漁師の直売を行うほか、地元企業・団体によるブースや模擬店、フリーマーケットなどが多数出店する。

 問い合わせは追浜商盛会【電話】046・865・1746。

横須賀の研究機関を知る・学ぶ 公開研究フォーラム

 横須賀市内に点在する官民の研究機関で組織する「横須賀地域研究機関等連絡協議会」は12月1日(月)、先進的な取り組みや活動内容を紹介する公開研究フォーラムを開催する。加盟する19の研究機関=表参照=がパネル展示やポスターセッションを行う。神奈川歯科大学は「バーチャル技術は命を救う─医療と防災への応用─」、東芝ライテック(株)は「照明技術で社会を照らす あかり・光の基盤技術活用による価値創造」をテーマに開発担当者が講演する。

 会場は横須賀商工会議所1階。時間は午後1時30分から5時。一般参加可(申し込み不要)。
白秋自筆の掛け軸

北原白秋自筆の「城ヶ島の雨」 記念館で特別展示

 三崎を愛した北原白秋の功績を追慕する「第48回みさき白秋まつり」の中の企画「白秋特別展」がきょう11月26日(水)と同月29日(土)に開催される。会場は三浦市城ヶ島の白秋記念館で、午前10時から午後4時。主催は三崎白秋会と三浦市観光協会城ヶ島地区。

 明治末期から昭和初期にかけて活躍した白秋。雨に煙る城ヶ島の情景を描いた詩「城ヶ島の雨」は1913年に発表した作品で、この詩によって城ヶ島も白秋の名も全国に知られるようになったとされる。

 特別展では、白秋自筆の掛け軸「城ヶ島の雨」や、白秋が表現した雨の城ヶ島の色「利休ねずみ」の反物などが公開される。地元の俳句会、短歌会などの活動も特別展として紹介されている。問合せは同館【電話】046・881・6414。

横須賀の研究機関を知る・学ぶ 公開研究フォーラム

 横須賀市内に点在する官民の研究機関で組織する「横須賀地域研究機関等連絡協議会」は12月1日(月)、先進的な取り組みや活動内容を紹介する公開研究フォーラムを開催する。

 加盟する19の研究機関がパネル展示やポスターセッションを行う。神奈川歯科大学は 「バーチャル技術は命を救う─医療と防災への応用─」、東芝ライテック(株)は「照明技術で社会を照らす あかり・光の基盤技術活用による価値創造」をテーマにそれぞれの開発担当者が講演する。

 会場は横須賀商工会議所1階。時間は午後1時30分から5時。一般参加可(申し込み不要)。

 問い合わせは同事務局【電話】046・823・0421。

【所属機関】(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)/東芝ライテック(株)/(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン/防衛大学校/NTT (株)サービスイノベーション総合研究所/住友重機械工業(株)技術本部技術研究所/(一財)電力中央研究所横須賀運営センター/日産自動車(株)総合研究所/(株)日産アーク/(株)NTT ドコモ/日本エア・リキード(同)イノベーションキャンパス東京/神奈川歯科大学大学院歯学研究科/横須賀市/日本海洋事業(株)/国土交通省国土技術政策総合研究所/(国研)海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所/(独)国立特別支援教育総合研究所/(国研)情報通信研究機構ワイヤレスネットワーク研究センター/防衛装備庁艦艇装備研究所/横須賀商工会議所(事務局)
浦賀奉行・戸田氏栄の胸像(ペリー記念館蔵)

三郎助を追う 〜もうひとりのラストサムライ〜 第22回 文・写真 藤野浩章

「それにしても、堂々たる押し出しじゃ。誰が見ても奉行と思うべ。戸田様より貫禄がある」(第一章)



 ペリーの来航は、浦賀を拠点とする商人たちをさっそく動かした。第16回で触れた栗原村(現・座間市)の有力商人、大矢弥市(やいち)は直ちに浦賀へ駆け付け、千俵の御囲(おかこい)米を放出、他の商人たちの備蓄米も次々に開放される。以前は使用した分を支払われていたが、この頃には事実上の上納となっていた。他にも武器購入の代金を肩代わりするなど、国防費を商人が相当に負担していたのだ。

 さらに武士や商人だけではなく、三浦半島全域の住民にも大きな影響があった。というのも、異国船が来航した時には船頭や水主(かこ)(船乗り)をはじめ、兵器や荷物、兵糧の搬送から炊き出しに至るまで、大量の人夫が動員された。例えば三崎では371人、観音崎は438人など、最初に駈けつける人員だけでも相当な数だった。

 その知らせは、三崎陣屋がスタート地点。早馬が観音崎まで駈けたが、その途中で触れ回るため、東京湾沿いから情報が伝わった。そして事前の準備通りに村から村へ人力で「触継(ふれつぎ)」され、村の中では早鐘(はやがね)や太鼓で知らせる。TVやラジオがない時代、こうして非常事態は各地域に伝わったのだ。

 それは決して興味をそそるものではなく、庶民にとっては働き手を無償で動員される迷惑な知らせだったとも言えよう。

 一方、三郎助と奉行所、幕府は米側とギリギリの交渉を進め、冒頭のセリフのように浦賀奉行・戸田氏栄(うじよし)に代わるニセ奉行・香山(かやま)栄左衛門(えいざえもん)がついに登場。ペリーの久里浜上陸が決まる。