戻る

横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2025.11.28

神奈川県女子サッカーリーグ3部で優勝したライオンズランドFCの監督を務める
臼杵 尊士さん
横須賀市武在住 46歳

思い立ったら中央突破

 ○…5歳で蹴り始めたボールが、人生の道標となった。中学時代はプロサッカークラブの育成組織で研鑽を積み、実力が認められて進学した強豪校では背番号10を背負い関東大会の舞台を踏んだ。折しも世間が日韓W杯開催決定に沸く中、頭にあったのはプロの道ではなく、「仲間とボールを楽しく蹴り続けたい」気持ちだけ。その思いを貫き、ライオンズランドFCの監督など、今なおボールと人生を歩む。

 ○…大学卒業後、知人の誘いでフットサルに転向。アルバイトと両立し競技を続け、2003年、全国フットサル選手権で優勝を果たす。Fリーグとしてプロ化が目前に迫るなか、選んだ道は「独立」。「選手として引退後に生きる場を残したい」と社会人チームを発足、選手兼監督として資金調達に奔走しフットサルコートも整備した。

 ○…在日米軍横須賀基地で消防士として勤務した過去もある。「体力には絶対の自信がある」と、倍率150倍の狭き門を突破。安定した収入が保証され、「いつまでサッカーやってるの」と心配していた母を心から喜ばせた。しかし、魂を焦がす仲間とボールを蹴る日々を手放せるはずもなく、「ケガで職場に迷惑をかけるたびに負い目を感じた」。葛藤の6年間を経て、ついに愛するサッカーの道へ戻った。

 ○…「力をつけるには正式なグラウンドが必要」。その一念で、横須賀市武にナイター設備を整えた念願のサッカー場を2年前に完成させた。小さなコートでは満たされぬ情熱を、「目の前のことに突き進む」性格そのままに10年間、土地探しに執念を燃やした結晶だ。測量の苦難を乗り越え、仲間と実現させた夢のグラウンド。40代半ば、この世を去った後も、サッカーがこの地に深く根付くことを願う。

    ピックアップ

    すべて見る

    意見広告・議会報告

    すべて見る

    横須賀・三浦 人物風土記の新着記事

    横須賀・三浦 人物風土記の記事を検索

    コラム

    コラム一覧

    求人特集

    • LINE
    • X
    • Facebook
    • youtube
    • RSS