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横須賀・三浦 社会

公開日:2025.11.28

大矢部新公園
旧軍用地「歴史と緑の拠点」へ
横須賀市と民間8社で基本協定

  • 事業参加する8社と上地市長(右から5番目)

 横須賀市は11月25日、同市大矢部の旧大矢部弾庫跡地を新たに「大矢部みどりの公園」として整備・運営するため、日比谷花壇(東京都)を代表とする企業グループと基本協定を締結した。80年以上にわたり立ち入りが制限されていた「空白地帯」が、三浦一族ゆかりの歴史遺産と豊かな自然を生かした交流拠点として生まれ変わる。2028年の供用開始を目指す。

 同事業は、民間資本を活用して公園の整備・管理を行う「Park-PFI(公募設置管理制度)」を採用。代表企業の日比谷花壇に加え、京浜急行電鉄、京急サービス、ランドスケープデザイン、Tacta建築設計事務所、三浦建築測量、丸孝産業、大神の8社が参画する。計画地は約4ha(全体19 ha)。戦時中の接収以降、開発の手が及ばなかったため、市街地にありながら希少な自然環境と三浦一族ゆかりの「深谷やぐら群」「円通寺跡」の史跡が残されている。

 事業コンセプトは「MEZAME VALLEY(大矢部の目醒め)」。日比谷花壇の宮島浩彰代表取締役は「長く閉ざされていた大矢部の自然や歴史、新たな価値が目覚める場所に」と意気込みを語った。

 整備計画の目玉は、約1千平方メートルの木造大屋根広場。雨天や猛暑時でも子どもたちが遊べる場所を確保し、マルシェやワークショップなど多目的な利用を見込む。約5千平方メートルの芝生広場、農体験ができる田畑エリア、地産地消カフェなどを配置。災害時には市内外からの支援物資を受け入れる「広域物資輸送拠点」としての機能も持たせる。

 用地は昨年3月に国から市に無償譲与される方針が示された。上地克明市長は、同地が三浦一族の本拠地に近いことから「ここは横須賀・三浦半島のルーツと言える場所。先人の誇りを次世代につなぐサンクチュアリ(聖域)として、もう一度横須賀のアイデンティティを作り上げたい」と熱く語った。市は今後、園内の史跡について国指定を目指して調査を進めるほか、近隣の寺社などと連携した「ルートミュージアム」の周遊拠点としても活用していく方針だ。

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