中原区版【1月24日(金)号】
サポーターを背に記念写真に納まる選手たち

川崎F新体制会見 「アジア王者目指す」 長谷部新監督が意気込み

 サッカーJ1・川崎フロンターレは1月18日、2025シーズンの新体制発表会見をカルッツかわさき(川崎区富士見)で開催した。9季ぶりに監督交代が行われた今シーズンは、リーグ戦王座奪還と悲願である、ACLE(アジア・チャンピオンズリーグ・エリート)のタイトル獲得を目標に掲げた。

 吉田明宏社長は「新監督を迎える我々にとって、新たな節目となるシーズン」と述べ、クラブの使命やビジョンなどを紹介。チームスローガンである「FOOTBALL TOGETHER(フットボールトゥゲザー)」を前面にシーズンに挑むとした。

 新監督に就任した長谷部茂利氏は「(タイトル獲得が)簡単でないことは重々承知しているが、獲得するための選手が集まり、スタッフもいる。ファン・サポーターも揃っている。実現したい」と力を込めた。

「まちのために熱く」

 この日は、新加入したDF野田裕人選手、DF土屋櫂大選手、DF神橋良汰選手、MF伊藤達哉選手も参加。麻生区で生まれ育ち、同クラブU-18出身の神橋選手は「6年間、大切に育ててくれた川崎フロンターレに帰って来ることができ嬉しく思う。川崎フロンターレのために、このまちのために熱く戦う」と闘志を燃やした。ドイツ2部のマクデブルクから加入した伊藤選手は「27歳でのJリーグ初挑戦。言い訳するつもりはない。武器を生かして勝利に貢献していきたい」と活躍を誓った。

 会場には1362人のサポーターが参加。同クラブ後援会会長の福田紀彦市長は「みんなで心を一つに川崎市市制101年目の、新しい100年目をつくるスタートの年に、一緒に歩みを進め、強いフロンターレをみんなでつくっていきたい」と述べた。

 会見では長谷部監督が人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲に合わせ、「勇者」をイメージした衣装で登場し、気さくな人柄を印象づけた。このほか、川崎市出身の漫画家・宮崎周平さんの作品『僕とロボコ』が映画公開されることにちなみ、今春、コラボ試合を実施することも発表された。

「本心を言えば寂しいね」と話す五十嵐会長

小杉3丁目町会 会員減少、3月末で解散 「地域のつながり残したい」

 タワーマンションが建ち並び人口増加が続く武蔵小杉エリアにある小杉3丁目町会が、会員数の減少などを理由に3月31日で解散する。五十嵐俊男会長(81)は「街が大きく変わり、役員も高齢化する中、次の担い手も見つからず、残念だがやむを得ない」と話す。

 同町会内には区役所や警察署、商業施設などがあり、3棟のタワーマンションをはじめ、中高層のビルが建つ。2004年に1851人(1046世帯)だった人口は、24年9月時点で5508人(2621世帯)と3倍に膨らんだ。

 急速に人口が増える一方、町会の会員数は減少。五十嵐会長が就任した11年前に850人いた登録者数は650人になった。「新たな入会者もなく、実質400人を切っている」。かつて少年野球や鼓笛隊などの活動をしていた子ども会や婦人部は、7年前に解散した。コロナ以降は地域清掃や防犯活動も停止し、会費も徴収していない。会の運営は余剰金で賄っているという。

 町会内のマンション居住率は9割を超える。街の再開発や道路の拡張が会員数の減少に拍車をかけた。国道沿いの店舗や居住者は転居し、五十嵐会長は「以前の会長経験者も町会内に少なくなり、中心となる人物がいなくなった」と嘆く。

 町会解散に向けた話し合いが始まったのは2年前。7人いる役員もほとんどが70代後半で「自分たちが元気なうちに整理しようということになった」。昨年5月の総会で解散を決定した。

防災とごみ問題

 行政と市民をつなぐ自主組織である町会が解散することで問題になるのが、地域防災組織とごみ集積場の管理だ。五十嵐会長は「町会が解散しても、ごみ集積場や防災に関しては住民同士が互いに協力し合ってやっていくしかない。目の前に困っている人がいれば助けるのが人情。組織がどうのこうのの問題じゃない」と思いを語る。

 区危機管理担当の担当者は、町会の解散は自主防災組織がなくなってしまうことにつながると懸念する。「地域の代表者がいなくなるため、町会に代わる何らかの組織は必要になる。災害対策など地域住民らが求めるのであれば、これまでも行ってきたように説明に出向いていく」と話す。

 14棟のマンションが加入する(一社)武蔵小杉エリアマネジメントは、防災を中心に地域や住民間の連携を図る役割を担う。担当者は「マンション住民の中にも個人で町会に加入している人がいる。今後、町会の受け皿となり得るかどうかは手探り状態」という。

 五十嵐会長は町会が解散しても、地域の絆は大切にしたいと願う。正月に町会会館で行ってきた獅子舞を昨年から復活させた。「今年もマンション住民らが子どもを連れて訪れ、多くの人でにぎわった。地域のつながりは残していきたい」と期待を込める。

元住吉で主催する「笑LIVE」が151回を迎えたお笑い芸人の 梅ちゃん!さん(本名:梅田 和哉さん) 木月在住 46歳

笑いの力を励みに

 ○…「イッキュー、ニキュー、い〜や、サンキュ〜!」の持ちネタで会場を盛り上げる。中原区商店街連合会の新年賀詞交歓会でネタを披露し、1月20日には元住吉で自身が主催する「笑LIVE」が151回目を迎えた。2011年から始め、当初は観客が1人のときもあったが、今では会場が満員になるほどに。「活動が実になってきた。『継続は力なり』です」と笑顔を見せる。

 ○…芸人の間寛平さんのギャグのとりこになった幼年時代。「学生のころ、世に迷惑をかけていたので人の役に立ちたくて」と高校卒業後、専門学校に通い、介護福祉士の資格を取得。特別養護老人ホームで働いた。有り余っていたエネルギーをぶつける場所をとボクシングを始め、23歳でプロデビュー。けがで試合ができず、気持ちがふさいでいた時に励みになったのがお笑いだった。

 ○…2年の休養を経てリングに復帰も、30歳でお笑いの世界に。養成所に通い、事務所に所属。「喜んでもらえた時がうれしい」とお笑いの魅力を語る。ある日、街中で入院前のファンから声を掛けられ、その場でネタを披露した。後日、そのファンがライブに来てくれた。「あのとき勇気をもらえたから頑張れた」。自身と同じようにファンの励みになった笑いの力に感動した。

 ○…今も、区内で福祉の仕事や、ボクシングのインストラクターなどマルチな活動を続ける。趣味はランニング。「マラソン大会にも出るんですけど、参加費が高い!お金が掛からないようにと始めたはずなのに本末転倒」と笑いに変える。元住吉に住んで約20年。地域密着の活動を続けていく。「エポックなかはらでライブをやりたい。ライブと共に自分も成長していきたい」。地元に笑いを届け続ける。

緑化フェア春開催に向け 「体験型ガーデン」面白く 企業関係者などアイデア

 全国都市緑化かわさきフェアの春開催に向け、等々力会場で制作予定の「アクティブガーデン」に関する「オフサイトミーティング」が1月16日、等々力緑地の等々力陸上競技場内で開催された。多様な業種や大学生ら37人が集まり、活発な意見交換が2時間近く続いた。

 全国都市緑化かわさきフェア(緑化フェア)の秋開催では、メイン会場の一つである等々力会場で、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感を使って植物を楽しみつくす体験型ガーデン「アクティブガーデン」を実施した。大好評だったことから、市では3月22日からの春開催でも「アクティブガーデン」を実施する予定という。より面白い企画にするため、民間企業や大学関係者などからランダムに意見を聞く「オフサイトミーティング」を開き、アイデアや意見を募った。

 参加者はまず視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の5つのグループに分かれ、市の担当職員の進行のもと、主題の「感覚」を使って楽しめる体験型ガーデンについて考え、共有した。「味覚」に参加した「スターバックスコーヒージャパン」チームは、「コーヒーかすを使ったコンポスト」を提案。「嗅覚」に参加した男性からは、「ニオイザクラなど、視覚障がい者の人たちも楽しめる植物を植えてはどうか」という問題提起もあった。

 約2時間のミーティングで、各グループごとに100以上のアイデアと意見が集まった。市は今後、これらのアイデアや意見をガーデン制作チームと共有し、実施の可能性について検討していくという。

げた箱にペンキを塗る学生たち

学生が、げた箱リフォーム 大戸こども文化センター

 大学生や高校生らのボランティアグループが12月28日、大戸こども文化センターの老朽化したげた箱のリフォームを行った。明るく生まれ変わったげた箱は、同センターを利用する子どもたちらから好評を博している。

 今回のげた箱リフォームに参加したのは、東洋大学の国際ボランティアサークル・Salamatのメンバー7人と、相模女子大学高等部の8人。げた箱の木枠の補修を行い、同センターを利用している子どもたちと一緒に、紙やすりで下地を整え、下塗り用の塗料を塗布。靴を置いた場所が分かりやすいように、各段に動物のキャラクターを貼り、6色のペンキを塗っていった。

 生まれ変わったげた箱について、同センターを利用する子どもたちや保護者からは「明るい雰囲気になった」「今日はどこに入れよう」と好評だという。

 今回のリフォームは、エンターテイメントでSDGsを啓発する活動を行うNPO法人SoELaが同センターでイベントを開催した際に、職員から劣化した下駄箱を補修できないかと相談を受けたことがきっかけ。同団体が東洋大学のSalamatと、Salamatが相模女子大学高等学校とつながりがあったことから、今回の取り組みが実現した。

 参加した高校生からは「様々な学びがあって、充実した楽しい一日だった」と声があがった。Salamatの庭野優香さんは「知識がない中で工夫しながら作業に取り組んだ。私たちよりも若い子どもたちのために一生懸命ペンキを塗ったので、こ文とげた箱のことが少しでも子どもたちの印象に残ってくれたらうれしい」と話した。
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「川国で遊ぼう」
川崎国際生田緑地ゴルフ場
「川国で遊ぼう」
2月2日 市民開放日
川崎国際生田緑地ゴルフ場で2月2日(日)、冬の市民開放日「川国で遊ぼう」が開催される。午前9時から午後4時まで。入場・イベント料無料。ゴルフ場の一部を開放し、多... (続きを読む)
記念のバッジを胸に付け、表彰状を手にする田邉さん

厚生労働大臣表彰 田邉さんが功労章 民生・児童委員を20年以上

 中原区民生委員児童委員協議会の会長を務める田邉靜江さん(77)が、このほど浅草公会堂で開催された全国社会福祉大会で厚生労働大臣表彰の功労章を授与された。

 民生委員児童委員を24年間務め、会長職を18年続けているなど、社会福祉の増進に貢献した功績が認められた。民生委員児童委員は、地域の身近な相談役として幅広い世代に寄り添っている。

 表彰状と記念のバッジを手にした田邉さんは「役員をはじめ周囲の方々が力になって、支えてくれたおかげ」と感謝を口にした。同委員は定年制のため、11月末には一線を退く予定だが「最後まで持てる力を注ぎたい」と意欲を見せる。

 田邉さんは「全国的に民生委員の担い手が減少する中、中原区は人数が多く人材も優秀。今後は委員の負担を減らすためにもデジタル化などを進める必要もあるが、対面でなれば心は伝わらない」と思いを口にした。

パソコン指導員育成講座 市学習プラザで全2回

 「PCボランティア養成講座」が2月14日(金)と3月7日(金)、川崎市生涯学習プラザ(今井南町)で行われる。午後2時から4時30分。受講料無料。主催は(公財)川崎市生涯学習財団。

 同団体は、市内の公立小学校でパソコンを使用した授業を行う際、ボランティアの指導員を派遣する事業を行っている。今回は、そのボランティア指導員の育成が目的。

 講師はICTメディア研究会おきらくごくらくの春日有理紗氏と、(株)ベネッセコーポレーションの風岡賢吾氏。14日はかわさきGIGAスクール構想の取り組みや使用機器などについて解説。7日は子どもたちへの接し方やPCボランティア活動と登録について学ぶことができる。学習ソフトの説明や体験も実施。

 平日午前中に市内小学校でボランティア活動が可能で、パソコン等でローマ字入力や文書作成ができる人が対象。申込は二次元コードから。(問)同団体【電話】044・733・6626

(上)過密気味のホンシュウジカの獣舎(下)多目的室やベビールームを備え、10月に新設されたパークセンター

夢見ヶ崎動物公園 飼育種を見直しの方針 再整備計画骨子案

 川崎市は開園50周年を迎えた夢見ヶ崎動物公園(幸区)の再整備計画骨子案をこのほどまとめ、市民からの意見を募集している。骨子案では、持続可能な飼育環境の整備を目指し、飼育種を段階的に減らし、管理運営を官民共同で推進する方向性を打ち出している。

 夢見ヶ崎動物公園は、1950年に標高約35mの丘陵地(加瀬山)に開設された公園内に、市が政令指定都市となった72年から動物の展示エリアを新設、74年に開園した。ピーク時の80年代終盤には約60万人の来園者があったが、2010年代後半からは10万〜20万人程度で推移する。

 園内に民有地が混在するため、動物園エリアを囲えないことから、開園当初から入場無料で運営を続けてきた。そのため直近5年間の平均収入は一時使用料などの約14万2千円、平均支出は人件費や飼料代などで約1億5千万円に上る。

 市は18年から再整備に向けた検討を進め、市民アンケートなどを実施のうえ、昨年10月31日に「再整備計画骨子案」を公表した。

 骨子案によると、施設の老朽化や市民ニーズの変化などの蓄積した課題を解消するため、「持続可能な管理運営の仕組み」や「動物福祉などに配慮した飼育環境の改善」を目指すとしている。そして再整備の結果、動物との触れ合いや傷病動物の保護などを通じた「いのちを感じる」施設という将来像を掲げている。具体的には、設備の状態に応じて修繕や建て替えの必要性を検討する▷アンケートで要望の多かった「動物とのふれあい」ができる施設などの導入を検討する▷繁殖が難しい種などの飼育を終了し、将来的に飼育種を52種から28種へと縮小する▷飼育業務や施設の維持管理、接客サービスなどの部門で民間の力も活用する、などの方針が盛り込まれた。

 市は25年度の「再整備計画」策定に向け、骨子案への幅広い意見を募集している。詳細は市のサイト【URL】https://www.city.kawasaki.jp/530/page/0000170530.html
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展示会を案内するチラシ

下小田中の中村さん 風景画など約50点 2月26日から展示会

 下小田中の中村史也(北峰霙志)さんが収集した絵画コレクションの展示会が2月26日(水)から3月2日(日)まで、アートスペースSOW(幸区下平間)で行われる。午前10時から午後6時(最終日は4時まで)。

 「自然に学び現代具象絵画を創造する」を理念に、1932年に洋画の団体として設立された東光会の作家である佐藤哲氏、江藤哲氏、小林正紀氏らの作品50点ほどを展示する。油彩画を中心に、水彩画やガラス絵、版画、人物画、スケッチ、デッサンなども並ぶ。中村さんは「自然の風景を描いたものが多い。懐かしさや親しみを呼び起こす作品たちを見てもらえたら」と話す。

 入場無料。問い合わせは同ギャラリー【電話】044・511・2702。

来場者に向けて話す児童

平間小 SDGs学習の成果発表 17団体による出前授業も

 平間小学校(五十嵐礼子校長)は1月18日、「平間SDGsフェス」を開催し、地域住民やSDGs関連団体の関係者らが訪れた。

 同校では毎年、児童がSDGsについて学習。同フェスで学んだ内容を地域住民に発信し、SDGsの活動の輪を広げることを目的としている。

 当日は、コロナ禍以来初めて、制限を設けずに関係者を招いて開催した。3年生から6年生はクラスごとに発表。5年生は多摩川について学び、3組の児童は多摩川の水源にある丹波山村を紹介した。昨年10月に火災で被害に遭い、住宅8棟が焼失したことから、児童たちは同村の名前が印字された木工品や水などを販売。収益の全てを復興支援金として寄付する予定だ。小宮佑斗さん(5年)は「焼き印をつけるのが大変だった。発表を通じて、村の人の力になりたい」と力を込める。他にも地域から17の企業・団体が各教室で出前授業を行い、来場者は登壇者の話に熱心に耳を傾けていた。

 五十嵐校長は「今年は出前授業を楽しみに来た方々が、多く来校された。親子でSDGsについて考える良い機会になったのでは」と笑顔を見せた。

性別や年齢、障害の有無に関係なく、誰もが一緒に楽しめる競技

ボール追い掛け心一つに

 走らずに歩いてプレーする「ウォーキングフットボール」のイベントが1月18日、井田体育館で開催された。主催は同スポーツを通じ「垣根のない社会」の実現に取り組むコネクトフロムヒア。

 近隣の福祉施設利用者や住民ら約50人が参加し、チームに分かれて汗を流した。得点が決まると敵味方に関係なく、参加者全員で喜んだ。大杉暁共同代表(28)は「ゴールをした喜びやパスがつながった連帯感など、サッカーというスポーツの魅力を感じてもらえた」と喜んだ。車いすで参加した上平間の石井健瑠さん(24)は「車いすの自分でもゲームついていける速度だったので結構楽しめた。またこうしたイベントがあれば参加したいですね」と笑顔を見せた。
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全国大会に出場する部員。左から3人目がリーダーの鈴木さん

缶サット甲子園全国大会 「山岳救助」テーマに連覇へ 法政第二高等学校物理部

 法政二高物理部(顧問/上山勉教諭)は、2月22日(土)から24日(月)に和歌山県で行われる「缶サット甲子園全国大会」に向けて、準備を進めている。3年連続7度目の優勝を目指す。

 同大会はJAXAなどがバックアップし、2009年にスタート。空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」を上空に打ち上げ、どんな機能をつけ、何をどのように観測するのかなどのアイデアと技術力が評価のポイントとなる。同校は昨年11月の関東大会に出場し、優勝。全国大会への切符を手に入れた。

 昨年4月から部員同士で、缶サットを作る上でのテーマを議論。これまで同部では歴代、「人命救助」を大きなテーマとして缶サットを製作してきた。その中で今回は「山岳救助」をテーマに選んだ。23年に山での遭難者数が3568人と、統計が残っている1961年以降過去最高に達したことや、標高が2000mを超えると捜索に時間がかかるという問題があることを知ったことが理由だ。

 夏頃から模擬人工衛星づくりを開始。リーダーを務めた鈴木友菜さん(2年)は「どんな機能を缶本体に入れるかで、意見が食い違うこともあって大変だった」と苦笑い。本体には通信機能を搭載し、山奥のネット環境がない場所でも遭難者とのコミュニケーションを可能にした。遭難者は自身の携帯から独自のウェブサイトに接続。チャット機能を活用し、救助者にけがの有無や付近の環境、目標物を伝えることができる。またリアルタイムで位置情報も取得し、救助隊向けウェブサイトに公開。捜索時間を短縮し、チャット機能を通じて遭難者を精神的に支えることができる仕組みを作った。篠原慧護さん(2年)は「完成したのは大会前日でギリギリだったので、ちゃんと飛ぶか不安だった」と振り返る。

 何とか間に合わせて臨んだ関東大会当日。直前まで本体の調整を行う中で、予定していた部品が入らないというハプニングもあったが、最後まで諦めずに乗り越え、連覇を果たした。鈴木さんは「チームで作ることで、いろんな知識を作品に結集できるのが缶サットの魅力。全国大会もみんなが納得した形でやりきりたい」と意気込んだ。

先輩からエールも

 同部のOBも現役部員にエールを送る。山下貴史さん(28)は13年10月、伊豆大島で起きた土砂災害で祖父母を亡くした。これを機に、山下さんは10年前、缶サットのテーマに初めて「人命救助」を選んだ。これが今でも後輩たちに引き継がれている。

 山下さんと当時部長を務めていた鈴木晴樹さん、生田薫平さんは2基の缶サットを製作。1基は被災者の状況を上空から撮影し、被災者の場所を特定。現場の状況や様子、救難信号などの把握をもう1基の缶サットが担うことで、「人命救助」への新たな道筋を提案。初めて全国優勝を果たし、米国ネバダ州で開催された世界大会にも参加している。鈴木さんは「出来ないと思っても、取りあえず何事も挑戦することが大事。一生懸命に取り組んでほしい」と話した。

あいさつに立つ草壁会頭

新年会 賀詞交歓会 vol.1

■川崎商工会議所

 年頭あいさつで草壁悟朗会頭は我が国を取り巻く経済環境が今、大きな転換点を迎えていると説明。「停滞から成長へと向かう絶好の機会と捉え、スピード感を持ってイノベーションや市場開拓に挑戦し、持続的な成長経済を実現することが求められている」と指摘。商工会議所自体も「既存の事業に捉われることなく、行政、関係団体と連携を図り、中小企業、小規模事業のみなさんのさまざまなチャレンジに微力を尽くす」と抱負を述べた。集まりには会員企業や行政関係者ら548人が出席。来賓あいさつで福田紀彦市長は「地域の中小企業の活躍が川崎の元気につながる」と会員企業のさらなる発展に期待を寄せた。(1月7日、川崎フロンティアビル)

■川崎青年会議所(川崎JC)

 冒頭、壇上にあがった木村正理事長は「共感 共立 共創〜より価値ある街へ〜」をスローガンに掲げ、「一年間駆け抜けていく」と力を込めた。所信表明では、今年度の取り組みとして、会員数100人を目指すことや会員研修に注力すると述べた。まちづくりでは「かつての川崎のネガティブイメージを払拭するような、多くの人を呼び寄せる事業を展開したい」と意欲を見せた。青少年育成事業では「わんぱく相撲」の継続や青少年の親世代に向けた働きかけを実施する考えを示した。(1月13日、川崎日航ホテル)

■川崎市薬剤師会

 伊藤啓会長は3年以上前から続く医薬品供給不足問題について「解決するどころか悪化している状況。薬剤師は薬の確保に翻弄され、疲弊している。この状況を1日でも早く改善できるよう協力を」と呼び掛けた。伊藤会長はまた、高齢者の数がピークを迎え、社会保障制度の維持が難しくなる「2040年問題」について言及。医療従事者の減少を見据え、デジタル技術を駆使するDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するため、委員会を立ち上げる考えを示し「チャレンジしていく一年にしたい」と抱負を述べた。(1月16日、川崎日航ホテル)

■中原区商店街連合会

 関係者らの前であいさつに立った伊藤博会長は30年前に発生した阪神淡路大震災に思いを馳せ、「人口も増えている中で範を見せるような活動をしているのが中原区。商業行政によって年々予算を削られている。今後の商業行政をどうしていくか、みんなで考えていきたい」と課題を語った。各地区商連会長で副会長のメンバーらも紹介され、商業活性化に期待を込めた。来賓の板橋茂夫中原区長は「地域交流やつながりが大事。できる限り支援していきたい」と話し、川崎フロンターレの吉田明宏社長は「商店街に元気を与えられるように頑張りたい」と協力姿勢を示した。(1月17日、ホテル精養軒)

■原典之市議

 地域の支援者、同僚議員ら約350人が訪れた中、昨年の能登半島地震に川崎市から市職員、企業、関係団体から5千人近い人が被災地支援を行ったことを報告。「災害対策に特化して、引き続き市政に反映、行動を起こしていきたい」と述べた。また中原区役所の混雑緩和に向けて「今年3月から住民票などのコンビニ交付が100円安くなることが決まった」ことを報告した。ふるさと納税について136億円が流出していることにも触れ、「川崎市で今年4月からクラウドファンディング型のふるさと納税が始まる。皆さんからいろいろなアイデアを出してほしい。マイナスからプラスに、少しでもマイナスを減らすことをしていきたい」と力強く語った。(1月19日、市コンベンションホール)

■川崎市商店街連合会

 市内7区商連の役員や来賓ら約90人が出席する中、あいさつした柳沢正高会長は、「賃上げも実施されたが、円安と原油高が家計を圧迫し、財布のひもは固い。しかし飲食店も息を吹き返し、消費拡大には期待できる。商店街を元気づける活動を続けていきたい」と決意を込めた。福田紀彦川崎市長は「スマホ決済なども柔軟に対応し、前向きに進んでほしい」と祝辞を述べた。(1月20日、ホテル精養軒)

太鼓の演奏を披露する児童

内藤アカデミー 児童がダンス、劇を披露 恒例フェスに歓声舞う

 下小田中で学童保育教室、学習塾を展開する「内藤アカデミー」で1月16日、子どもたちの日々の取り組みの成果を発表する「ウィンターフェス」が行われた。

 1年生はハンドチャイムで『上を向いて歩こう』を演奏し、『バンビーナ』に併せてダンスを披露。2、3年生はブレーメン音楽隊や桃太郎などの作品をもとに貧困をテーマにした劇や、マイケルジャクソン、アイドルグループ・ILLITの曲で華麗にダンスを踊った。放課後スクールの児童らは、植木鉢や段ボールでつくった太鼓で迫力ある演武で会場を沸かせた。

 同アカデミーで行われているキッズカラテの模範演技や、ミュージカル教室の講師・友石竜也さんが歌を披露する一幕も。内藤幸彦教室長は「子どもの可能性はいっぱいある。父母のサポートで実現できる。親が諦めず見守って応援してほしい」と話した。

24年の川崎市年齢別人口 「生産年齢」105万人 転入・転出では9千人増

 川崎市の2024年10月1日時点の人口構成は、全国平均と比べると15歳〜64歳の生産年齢人口の比率が高く、65歳以上の老年人口は低いことが分かった。市が「年齢別人口」の数値を推計し、昨年12月24日に公表した。

 市の推計によると、直近の人口は155万1788人で、前年同月に比べて6184人増だった。年齢区分別の増減は、0歳〜14歳の年少人口は3527人減の17万6484人、生産年齢人口は7272人増の105万5187人、老年人口は2439人増の32万117人。全人口に占める割合では、年少人口11・4%(全国平均11・2%)、生産年齢人口68・0%(同59・5%)、老年人口20・6%(同29・3%)で、生産年齢人口は平均より8・5ポイント高く、老年人口は8・7ポイント低かった。

 一方で平均年齢は上昇が続き、前年比で0・2歳上昇の44・7歳。男性は43・5歳(前年43・4歳)、女性は45・9歳(同45・6歳)だった。

 人口増減をみると、23年10月から24年9月までの1年間では6184人の増加だった。出生数と死亡者数の差し引きによる「自然減」により2835人の減少だったが、転入と転出の差し引きでは転入が9019人多かった。転入・転出が多い年代はいずれも20代と30代で、転入は25歳〜29歳の2万9379人が最多、転出は25歳〜29歳の2万4837人が最も多かった。

 年齢別人口は、市のホームページで閲覧できる。詳細は二次元コードから。

映画の案内チラシ

平和のつどい 「被爆ピアノ」を上映 2月22日 市平和館

 川崎市民平和のつどいが2月22日(土)、川崎市平和館(木月住吉町33の1)で行われる。午後2時から映画『おかあさんの被爆ピアノ』を上映。主催は同実行委員会。

 原爆が投下された広島で、奇跡的に焼け残った被爆ピアノ。その音色を全国に届けている調律師・矢川光則さんの実話をもとに、佐野史郎さんと元AKB48の武藤十夢さんがダブル主演で描くヒューマンドラマだ。主催者は「戦後79年が過ぎ、世代が変わる中でも平和の大切さを考え、語り継ぐ必要がある」と参加を呼び掛ける。

 先着200人。入場無料、申し込みは二次元コードもしくは川崎市教職員組合【電話】044・433・9101。

プロジェクトのメンバー

「子どもの権利」の学び舎 小中高生「リーカレ」始動

 子ども自身が「子どもの権利」を共に学び、伝えあうためのプロジェクト「Leaf College Project」(リーフ・カレッジ・プロジェクト/略称リーカレ)が本格始動した。子ども自身が「子どもの権利」について啓発活動をしたり、子ども同士で勉強会を重ねることで、子どもから子どもへと、自分たちの大切な権利をつなげていくことを目指している。

 リーカレのリーフレットの「団体紹介」には、こうある。

 「活動を通じてひとりでも多くの子どもに子どもの権利を使えるようになってもらうことを目標にしています」 

 リーカレを立ち上げたのは、市の「子ども会議」の子ども委員などを務める小学生から高校生の6人と事務局の大人1人。昨年7月に団体として発足し、秋から市内外のイベントなどで「子どもの権利」の啓発活動を始めた。今後は子ども同士で勉強会を開く予定だ。創設メンバーの一人、高校2年の高木萌伽さん(幸区)は活動の目標について「子ども自身が『これが私の権利が守られている状態なんだ』と実感でき、何かあった時に『自分の権利が侵害されている』と気付き、意思表示できることが大事。そのためにも大人任せではなく、子どもから子どもへ、この権利を伝えていけるようになりたい」と語る。

 発端は2022年に那覇市で開かれた「子どもの権利条約フォーラム」だった。川崎から共に参加した高木さんと中学2年の柴田ももさん(多摩区)、多摩区で菅中学校区地域教育会議の議長を務める羽鳥祥子さんが、福祉のために寄付を集める法人を立ち上げた沖縄県の高校生の話に刺激され、「自分たちも何かやろう」と一致団結。高木さんが「子どもから子どもへ、この権利のことを脈々と伝えられるようにしたい」という自身の思いをプロジェクトの素案に組み入れた。

 中学1年の内村愛望(あいみ)さん(多摩区)は「自分たちの大切な権利なのに、実際に使えている子どもは少ないはず。実生活の中でしっかり使える力を身に付けたい」と語る。高木さんは「子ども同士が安心して失敗しながら学ぶ『学び舎』のような活動にしたい。私たちの権利を、主体的に意味のあるものにしたい」と意気込みを語る。問い合わせは【メール】leafcollegeproject2024@gmail.com。

高齢者向け会食会 2月12日 いこいの家

 丸子地区社会福祉協議会は2月12日(水)、丸子多摩川いこいの家(丸子通)でひとり暮らしの高齢者向けの会食会「ももの会」を開催する。午前11時から午後1時。参加無料。地域住民同士の交流が目的。区内在住・在勤の人が対象。申込は電話か区ウェブサイトから。(問)区役所044・744・3239

定点あたりの患者数の推移(人)

インフルエンザ猛威 「流行発生警報」を発令 相次ぐ小学校の学級閉鎖

 インフルエンザが川崎市内でも猛威を振るっている。2024年の12月16日から22日の集計期間に「流行発生警報基準値」を超えたため、市は12月24日にインフルエンザ流行発生警報を発令した。警報基準値を超えたのは24年2月以来。

 市はインフルエンザなどの感染症発生動向調査として、市内61施設を「定点医療機関」に指定し、1週間ごとにインフルエンザと診断された患者数の報告を受けている。この調査で昨年の第51週に1施設あたり59・92人となり、流行発生警報基準値である1施設あたり30人を超えたため、警報が発令された。

 患者数でみると、第51週に市内全域で3655人がインフルエンザと診断され、最も多かったのは宮前区の840人、川崎区の753人、高津区の673人と続く。地区ごとの定点患者数では、川崎区の94・13人が最多で、宮前区84人、多摩区69・13人と続いた。

 また1月にインフルエンザの影響で学級閉鎖された市立学校は、川崎区を除く6区の小学校6校。中原区の今井小では1年生の25人がり患したため、1月14日から3日間、学年閉鎖となった。

 市ではマスクの着用や手洗いなどの対策を呼び掛けている。

申込みはこちらから

若手看護師が語らう場に 2月8日 交流サロン

 川崎市立看護大学と川崎市看護協会の共催で2月8日(土)、同大学(幸区小倉4の30の1)で「リラックス交流サロン」を開催する。参加無料。

 同サロンは、社会人1〜3年目の看護師が対象(市外の人も可)。職場では話しにくい悩みや思いを、他機関に所属する同じ立場の看護師たちと思いを共有し、先輩看護師とフリートーク形式で語り合う場となる。元看護士やキャリア支援企業の講師による体験談や体験ワークも実施する。

 申込みは二次元コードから。締切は1月25日(土)。問い合わせは同大学研究・研修センター【メール】arashi-h@kawasaki-cn.ac.jp。
白熱したプレーを見せる参加者

GO!GO!!フロンターレ

女性限定フットサルクリニック

 川崎フロンターレは1月26日(日)午後6時15分〜7時45分まで、フロンタウンさぎぬま(宮前区土橋)で「女だけのフットサルクリニック」を開催する。雨天決行。

 フロンターレのスクールコーチ・普及コーチの指導で練習をした後、試合を行う。16歳以上の女性が対象。パスや試合のスピードが速すぎることなく、パワーのある男性との接触もないので、安心してプレーできる。体格差やスキル差が少ない女性同士だからこそ、上達も早いはずだ。「女性だけで楽しみたい、こっそり上手くなりたいという方はぜひ」と同クラブ。

 先着20人。参加費は1250円(保険料込み)。初心者参加可。友人紹介キャンペーンを実施しており、紹介者と紹介された人には翌月から同イベントで使える250円割引クーポンがプレゼントされる。

 申し込みはフロンタウンさぎぬま【電話】044・854・0210または同所カウンターへ。

画像はいずれも川崎フロンターレ