鶴見区版【5月8日(木)号】
受賞を喜ぶ図書委員の2人と教諭ら

鶴見中学校 読書活動で文科大臣表彰 市内中学校で唯一の受賞

 鶴見中学校がこのほど、「2025年度子供の読書活動優秀実践校・図書館」として、文部科学大臣表彰を受賞した。全国で262件、横浜市内の中学校では唯一の受賞。図書委員を務める生徒は「受賞は驚いたけれど、自分たちの活動が全国的に評価されて嬉しい」と笑顔で喜びを語った。

 今回の大臣表彰は、子どもの読書活動の一層の推進を図るため、特色のある優れた実践を行う学校・図書館・団体(個人)を表彰するもの。

 今年度は全国で262件が受賞。横浜市内では鶴見中学校のほか、南高等学校と泉図書館が受賞した。

 鶴見中学校では、30人が所属する図書委員会を中心に、図書館司書教諭の荻原博子さんと学校司書の猪田明江さんがサポートして、様々な活動を行っている。

 毎年春の「こどもの読書週間」や秋の「はまっ子読書の日」には、生徒から好きな本を募る。特に秋は「読書郵便コンクール」と題し、好きな本を紹介する形でハガキを一人ひとりが作成。それを全校生徒による投票で学年別ベストテンを選出して掲示。小・中連携の読書推進活動として、入賞作品を近隣の鶴見小、豊岡小でも展示している。図書委員の小堀董子さん(3年)は、「結果をまとめるのは大変だけれど、ベストテンを見てみんなが『この本いいね』と盛り上がってくれるのが嬉しい」と語る。

 他にも、生徒たちの推薦図書にカラフルなポップを作って紹介するなど様々な活動を行う図書委員会。森山佳怜さん(3年)は「年間の活動が多くて大変な時もあるけれど、自分たちが紹介した本を沢山の人が手に取ってくれるのを見ると、本当にやって良かったと思う」と笑顔で話す。

 その他にも、教員のお薦め本の展示や、校内の至る所に図書の棚を設けるなど、工夫を凝らす同校。全校生徒565人の同校で、図書館に多い日には200人が訪れる時もあるという。荻原さんは「この学校は、図書館が校舎の中心に位置するのが特徴。生徒が立ち寄りやすく、多岐にわたる役割を果たしています。また。日本語を母国語としない生徒たちのための書籍や漫画なども用意しています」と話す。猪田さんは「生徒だけでなく、保護者ボランティアさんの協力も大きい。約1万3千冊ある図書の整理にも積極的に協力してくれて本当にありがたい」と感謝を語る。

 生徒や教員、保護者が協力し、読書推進を図る同校。清田英美校長は「2年前に赴任してこの学校の図書意識の高さに驚いた。今回、生徒たちの取組みが評価されて本当に嬉しい。今後もみんなで読書の楽しさを広げていきたい」と話した。

洋式化した小学校のトイレ

市立学校 トイレ・空調5年で整備へ 新防災戦略受け加速化

 横浜市は今年度から、市立学校505校のトイレの洋式化と小中学校体育館空調の整備を加速させ、5年をめどに工事を完了させる方針だ。新防災戦略を受けたもので、従来の取組を前倒しする。教育委員会の担当者は「防災の観点からすると学校は地域の公共施設。教育現場に配慮して進めたい」と話す。

残りは3千基

 今回の取り組みは、市が今年3月に改定した「地震防災戦略」に盛り込まれたもの。同戦略では大規模地震の被害軽減を目的に、2029年度までの5年間を集中取組期間としている。今年度予算にも整備の加速が明記され、従来の計画を前倒しして2029年度までに完了する予定だ。

 トイレの洋式化はこれまでも市が重点的に取り組んできたもので、すでに505校中88%は完了。残る約3000基について、従来よりペースを上げて対応していく。

 教育委員会の担当者は「幼稚園や保育園も今はほとんどが洋式。子どもたちの使いやすさのためでもあると同時に、発災時には高齢者など地域の多くの人が使いやすくなるはず」とする。

避難所としても

 また避難所などにもなる小中学校体育館の空調については現在465校中115校(25%)が整備を完了。年に約20校ずつのペースだったものを前倒しして、こちらも5年間での完了をめざす。「夏場の利用などを想定した教育環境の整備が第一だが、能登半島地震を見ても避難所環境は重要。教育活動への影響を最小限にするために長期の休みを活用するなどして進めたい」という。

 今年度予算では22校の工事と80校の設計を盛り込み、次年度以降に80校の工事と80校の設計という計画で進めていく。

 地域施設としての学校の防災化としてはほかに、校庭の夜間照明の整備も行われている。市内25校に設置されており、このうち旧式の22校は順次、LED化と合わせて停電にも備えた防災対応のものに置き換えていくという。

 横浜市町内会連合会の馬場勝己会長は「避難所のトイレや空調は切実。早めてもらえるのならなにより」と話している。

鶴見大学・鶴見大学短期大学部の学長に4月から就任した 高田 信敬さん 鶴見在勤 75歳

大学の”知”を地域に還元

 ○…「大学の魅力は『発明と発見』。研究での新たな発見はもちろん、学生自身が秘めたる能力に気づくこと、そして大学そのものが持つまだ見ぬ魅力を発見し、創造していくことが大切」。鶴見大学・鶴見大学短期大学部の新学長として、熱く思いを語る。「そして、大学の”知”を地域に還元することも大切な役割。もっと開かれた大学にしていきたい」と話す。

 ○…歯学部に文学部、そして短大では保育科に歯科衛生科と、理系と文系が共存するユニークな同大。自身は文学部で長く教授を務め、大本山總持寺の貴重な絵画、古文書などを所蔵する宝蔵館の館長も務めた。「文学部からこの大学を見てきたからこそ、歯学部を持つ強みや魅力も分かる。それを伝えていくのも私の重要な役目」と語る。

 ○…地域との連携については、図書館が保有する古典の柄を和菓子の包装紙に使ったり、知的財産を地域振興や新たなビジネス創出に活用するなど、「アイデア次第で無数の可能性がある。地域に支えられている大学だからこそ、地域社会へのより一層の貢献を模索していきたい」と話す。

 ○…岐阜県生まれ。中学生の頃から言葉、特に日本語の規則性などへの関心が高かった。文学などを思想的に読み解くのではなく、「数学や自然科学のように証拠を集め、論理的に証明することができないかと。今まで誰もやっていないことに挑戦するのが面白かった。小さい頃から変わっているんです」と笑う。今も精力的に学び、考え続ける姿勢には亡き母の言葉が刻まれている。「お前は人柄が悪く、頭も特別良くない。そんな人間が世間に捨てられないためには、『人のために働け』」。母親だからこそ言える厳しくも愛情深いメッセージだ。

役割などレクチャーを受ける生徒たち

三ツ池フェスに向け”会談” 末吉、寺尾中生徒が意見交換

 三ツ池公園フェスティバルにボランティアとして参加する末吉中学校と寺尾中学校の生徒たちが4月23日、「三ツ池会談」と称した顔合わせと打ち合わせを行った。

 三ツ池フェスは文化と環境をテーマに行われるもので、今年は5月17日に開催予定。同園に近い両校生徒たちは長年ボランティアとして参加しており、会場で牛乳パックを回収してトイレットペーパーと交換したり、支援が必要な子どもに文房具を送るための未使用鉛筆などの回収、会場内のゴミの分別などを担当する。今年はプラレールの回収も行う。

 この日は末吉中から3人、寺尾中から11人の生徒が参加。打ち合わせ前には、ケーブルテレビで流れる告知CMを撮影。牛乳パックの持ち込みなどをお願いしながら、「みんな来てね」と元気に呼び掛けた。

 打ち合わせでは当日の役割などを確認し合った生徒たち。末吉中の生徒は「これまで環境問題に向き合ってきたつもりだったが、まだまだと学ばせてもらった。イベントでは自分のできることを探して取り組みたい」と意気込みを語った。

冊子を手にする木村さん(左)と藤岡さん

「つくまる」の軌跡を一冊に マルシェ7年間の思い出まとめる

 レアールつくの商店街で昨年12月まで毎月行われていたマルシェ「つくまる」。その7年間の軌跡をまとめた冊子がこのほど完成した。

 同マルシェは、有志による実行委が、鶴見区の友好交流都市、福島県棚倉町の名産品販売から始まり、地域の作家の小物などを紹介してきた手作りのマーケット。実行委員長を務めた木村郁子さんは「普段あまり商店街に来ない人にも、商店街の面白さを伝えたかった」と開催に込めた思いを語る。

 年々出店者も増え、地元の市場小学校児童が参加したり、昔の鶴見の写真を掲示して訪れた人々に場所を想像してもらうイベントなど、様々な企画も行ってきた。

コロナ後は集客に苦戦

 コロナ禍でも不定期ながらマルシェを継続。実行委の一人、藤岡直人さんは「当時は皆さん地元志向が強く、感染対策をしながらも、にぎわっていた」と振り返る。

 しかし、コロナが明けて各地でイベントが復活するにつれてマルシェの客足が減少傾向に。「企画がマンネリ化していたことも一つの要因かもしれない」と木村さん。開催が60回を迎えた昨年12月、一定の役割を果たしたとして終了を決めた。

 そして、その7年間の軌跡をまとめた今回の冊子。A5サイズ16ページの冊子には、これまで実施してきたイベントや思い出の写真集、お薦め商店街グルメマップのほか、実行委が思いを語り合う座談会や関係者の声などが綴られている。

 木村さんは「マルシェの終了は残念ですが、やりきって一区切りといった感じです。今後は、この7年間で出会った多くの方とのご縁を大切に、実行委それぞれが改めて地域を盛り上げる企画を考えていきたいです」と笑顔で語った。

野菜の苗コーナーにも多くの人が

新鮮野菜が30分で完売 JA横浜で農業まつり

 JA横浜鶴見支店=駒岡=で4月26日、農業まつりが開かれた。

 JAで春秋の恒例の同イベント。当日は開始の午前9時前から支店前に人だかりができる賑わい。ほうれん草や小松菜など地場産の新鮮野菜を手に入れようと販売所には長い列ができ、30分ほどでほとんどが完売に。購入者は「新鮮そうだし、値段も安くて助かります」と笑顔で話した。

 また、野菜の苗の販売コーナーや農協組合員による模擬店にも多くの人が集まり、ステージで披露されたフラダンスや太鼓の催しを見てまつりを楽しんだ。

 同支店の佐々木亮一支店長は「組合員の皆さんと団結して大盛況で終えられて良かった。鶴見の野菜のPRにもつながれば嬉しい」と語った。

ライブでにぎわう特設ステージ

名曲ライブでにぎわい 鶴見銀座商店街「つるぎん」

 鶴見銀座商店街(ベルロードつるみ)で4月26日、毎月恒例の「つるぎんドット来〜い‼」が開かれた。

 今回は「春のGWライブ」として歩行者天国となった商店街に特設ステージを設け、3組が出演した。

 1組目の出演者は「やまだこ」。アメリカ南部でスコッチ・アイリッシュの伝統音楽をベースにして発展したジャンル「ブルーグラス」の曲を演奏して会場を盛り上げた。2組目はサザンオールスターズのコピーバンド「サザンスターゲイザー」が、「勝手にシンドバッド」などの名曲をメドレー形式で披露。3組目でトリを務めたのは過去に森田公一氏と組んでいたバンド「トップギャラン」。代表曲の「青春時代」などを歌い終えると会場からアンコールを求める声が響き、大きな拍手も送られた。

 同商店街の中西英一さんは「ライブは大盛り上がりで皆さんに楽しんでいただけた。来月は『子ども祭り』。にぎやかな企画になるのでぜひご来場を」と呼び掛けた。

創設30周年の記念展 横濱陶藝倶樂部 8日から

 横濱陶藝倶樂部が創設30周年記念の展示会を5月8日から12日まで、サルビアホールで開く。

 食器や花瓶など、同部33人の会員と山本秀夫代表が作り上げた作品約500点を展示する。「数が多くて少し雑然とするかもしれませんが、それも良さ。趣、味わいある作品が多いので、ぜひお楽しみください」と山本代表。午前10時から午後7時。入場無料。

 (問)同倶樂部【電話】045・521・4864

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企画展のメインチラシ

横浜人形の家で企画展 「魔法少女の軌跡」 6月29日まで

 横浜人形の家で企画展「魔法少女の軌跡」が開催中。6月29日まで。

 同展では、日本のアニメーションにおいて一大ジャンルを確立した「魔法少女」をテーマに、そのキャラクターたちが各時代の視聴者たちをどのように勇気づけ、社会に影響を与えてきたのか、おもちゃやフィギュアと共に約60年の軌跡を振り返るほか、ステッキやコンパクトなどコレクターの収集品も約100点一挙大公開。高田明美氏による「クリィミーマミ」の原画なども展示。高校生以上1200円。小中学生600円。月曜休み。(問)【電話】045・671・9361

5組10人招待

 ハガキに〒住所、氏名、年齢、感想を記入し、〒231-0033中区長者町2の5の14タウンニュース社「人形の家」係へ。5月15日必着。

チューリップの球根堀り 入船公園で18日

 入船公園=弁天町=で5月18日、チューリップ球根堀りが行われる。

 花壇の球根を掘り起こし、持ち帰ることができるとして毎年人気の企画。「持ち帰った球根は風通しの良い所で乾かしてから、11月ごろに植えると春に綺麗に咲きますよ」と担当者。

 午後2時から3時(予定の花壇が終わり次第終了)。参加無料。軍手、スコップは同園で用意。当日直接受付。問い合わせは同園【電話】045・501・2343。

押し花アートに挑戦 潮田地区センターで講座

 潮田地区センターで5月19日、押し花アート教室が開かれる。

 春の花々の押し花で、オリジナルのアート作品を作る。

 午前10時から正午。成人対象。定員10人。参加費800円。手拭きタオル持参(押し花は同館で用意)。申込は窓口と電話で受付中。(問)同館【電話】045・511・0765

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2階のコワーキングスペース

銀行やカフェが一体に 豊岡に「オリーブラウンジ」

 豊岡通り沿いで改装中だった三井住友銀行鶴見支店が、銀行やスターバックス、コワーキングスペースが一体となった「オリーブラウンジ鶴見」として4月28日にリニューアルされた。

 同ラウンジは銀行店舗を広く開放し、他テナントと共存したオープンなスペースにする同行の新しいコンセプト型店舗。6店舗目の出店で、都内に続き、神奈川県内では初出店となる。

 ラウンジの1階には同行とスターバックスが入居。イベントスペースでは今後、金融セミナーなども開かれる。

 そして、2階にはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)が運営するコワーキングスペース「シェアラウンジ」が入る。25日に行われた内覧会では横浜ビールの試飲も行われ、参加者が同スペースの使い心地などを楽しんだ。同社担当者は「ここでもトークイベント等を開く予定です。オフィスの利便性とカフェの居心地の良さを兼ね備えた場所としてぜひ多くの人に利用していただけたら」と話している。

植物でテラリウムづくり

 駒岡地区センターで6月9日、「植物テラリウム〜ちいさな世界」が開かれる。器の中に苔や植物で小さな世界を作る。

 午後1時から2時30分。成人対象。定員12人。参加費2000円。申込は5月14日午前10時から窓口(電話は翌日)。(問)同館【電話】045・571・0035

睡眠や余暇の時間と「時間貧困」の関係

働く子育て世代の「時間貧困」 横浜市立大学 幸福感低い傾向に

 横浜市立大学はこのほど、働く世代が感じる「時間が足りない」という感覚、いわゆる「時間貧困」が、幸福感や精神的な健康、仕事への満足度などと深く関連しているとする調査結果を発表した。この研究は、同大の三浦武助教や同大学院の原広司准教授らの研究グループが、横浜市在住で子育て中の1万世帯を対象とする大規模調査アンケート「ハマスタディ」の一環として実施。1979人の回答を分析した。

「時間足りない」子どもにも影響

 その結果、時間貧困を強く感じている人ほど、睡眠時間や余暇時間が短い傾向にあり、育児・家事時間が長いことが明らかになった。具体的には、平日の睡眠時間が7時間、または余暇時間が3時間を下回ると、時間が足りないと強く感じる傾向がみられた。

 仕事や家事・育児に追われることによる睡眠時間の減少や心理的負担などは、個人の心身の健康だけでなく、子どもにも影響を及ぼす可能性があることがこれまでの研究でも指摘されている。

 また、今回の研究で、時間貧困を定量的に測定できる国際的な指標「主観的時間貧困尺度」の日本語版を開発。「これまで可視化が難しかった時間の使い方や日常生活における負担感を定量的に把握することが可能となり、今後の働き方や子育て支援、地域支援策を検討する上で活用されることが期待される」と同研究グループ。今後も関連する調査・分析を継続するとしている。

インタビューに答える山中竹春市長

山中市長インタビュー 暮らしやすい環境を創出 あらゆる世代に配慮

 本紙では2025年度のスタートにあたり、山中竹春横浜市長にインタビューを行った。山中市長は「あらゆる世代の皆様が暮らしやすい環境づくり」のため、地域交通の拡充など4つの柱を重点施策に掲げた。GREEN×EXPO 2027については地球規模の課題解決に向けた横浜の取組を世界に発信したいと意欲を語った。一方、任期満了に伴う市長選への出馬については、市政運営に専念する姿勢を強調し、明言を避けた。

 新年度予算について山中市長は「任期4年間の総仕上げ」と位置づけ、「あらゆる世代の皆様が暮らしやすい環境づくりを加速させたい」と思いを語った。

 中でも「地域交通の拡充」、「防犯」、「防災」、「子育て支援」を4つの柱として重点施策に掲げた。

4つの柱

 地域交通の拡充については、日常生活での移動のしやすさに向けた取組として、バス停や駅まで一定以上の距離がある「交通空白地」の解消、敬老パスの利用範囲の拡大を進めるとした。

 防犯対策では、「全国でさまざまな犯罪が増えている」点を危惧。自治会町内会に対し新たに緊急補助を行い、防犯カメラの設置などへの支援を強化していくと語った。

 防災対策では、「避難所となる小中学校の体育館への空調設置やトイレ洋式化の完了に向け、トップスピードで取り組む」方針を示した。

 また、「避難所の備蓄品を大幅に充実させる」と語り、飲食料の備蓄量を大きく増やすほか、福祉避難所では、介護食としての流動食やきざみ食を新たに備蓄するとした。

 さらに、プライバシー確保のためのパーティション、簡易ベッド、衛生用品など、これまで備蓄していなかった品目を配備する。

 子育て支援では、商業施設などでの短時間預かり、公共施設などでの一時預かり、24時間365日の預かりなど、どのような場面でも預けやすい体制を整備。

 また、昨年、放課後キッズクラブ・児童クラブで実施した夏休み期間中の昼食提供が「好評だった」ことから、冬休み、春休みにも実施する。

 さらに、サービス向上のため4月にリニューアルが始まった中央図書館や野毛山動物園に続き、市内の動物園や図書館についても「横浜の財産であるので、生まれ変わらせたい」と意欲を語った。

 来年度から始まる中学校での全員給食では、生徒の意見を取り入れたメニュー開発や有名レストランとのタイアップなども進め、満足度の一層の向上につなげていく。

横浜から世界へ発信

 開幕まで2年を切ったGREEN×EXPO 2027について、「横浜市が目指す『持続可能なグリーン社会の実現』のためのロードマップ上に位置付けている」と語る山中市長。

 こうした取組に共感する企業や団体から、多くの出展や寄附の申し出がある現状に触れ、「温暖化など地球規模の環境課題解決に向けたアクションを横浜から発信し、盛り上げていきたい」と熱を込めた。

残りの任期に全力

 7月20日告示、8月3日投開票に決まった市長選については、「市民の皆様から託された残りの任期で、しっかり成果をお返しすることに全力を注ぐ」と述べ、出馬についての明言は避けた。

横浜LC 「盲導犬への理解を」 18日、チャリティーコンサート

 視覚障害者や盲導犬(アイメイト)を支援するチャリティーコンサートが5月18日、横浜みなとみらい大ホールで行われる。横浜ライオンズクラブ(LC)主催。

 国内外で活躍する若手音楽家、ピアノの實(じつ)川(かわ)風(かおる)さんとヴィオラの田原綾子さんによる至極のデュオリサイタル。ショパン『革命のエチュード』やリスト『愛の夢』、ピアソラ『ル・グラン・タンゴ』など、多彩な名曲の演奏に耳を傾けながら、盲導犬についての理解を深める。13時半開演(12時50分開場)。全席指定3500円。収益金の一部をアイメイト協会に寄付。(問)【電話】045・319・6721(平日10時〜17時)

氷川丸の前にある「未来のバラ園」

花と緑で街をつなぐ ガーデンネックレス横浜

 横浜の街を舞台に美しい花と緑をネックレスのようにつなぐ「ガーデンネックレス横浜2025」が現在、開催されている。歴史を感じる街並みや港の風景を楽しみながら季節の花散歩が楽しめるほか、市内18区のオープンガーデンなど花と緑のイベントと連携する同企画の会期は6月15日まで。

2000種以上のバラ

 5月3日から始まったのは、市の花であるバラが楽しめる「横浜ローズウィーク」。中区の山下公園の「未来のバラ園」には約160品種1900株のバラが植えられている。港の見える丘公園も見所で、趣のある西洋館を背景にバラを鑑賞できる。

 ほかにも横浜イングリッシュガーデン=西区平沼町=では5月25日までローズフェスティバルを開催中。

 5月中旬に開花するおよそ50メートルにおよぶ「ローズトンネル」も人気のフォトスポットとなっている。同ガーデンの開園時間は午前10時から午後6時(最終入園は5時30分)まで。

 詳細は公式ホームページを参照。

金子豊貴男氏

参院選 社民が金子氏擁立へ 75歳、元相模原市議

 社民党は夏の参院選神奈川選挙区(改選定数4)に元相模原市議の金子豊貴男氏(75)を擁立することを決めた。

 金子氏は1991年から2023年まで相模原市議を8期務め、基地問題などに取り組んできた。4月25日の会見で「日本は平和を維持できるか、戦争国家に進むかの岐路に立たされている。平和なくして福祉、文化はない」と述べた。

横浜市、NHK契約漏れで受信料未払い333件 テレビ、公用車カーナビなど

 横浜市は5月2日、区や局で使用するテレビや公用車のカーナビなどで、NHKとの放送受信契約を結んでいない設備が333件あったと発表した。全国の自治体でNHKの受信契約漏れが報じられたことを受け、市が同様の案件がないか、全庁的に調査した結果、判明したもの。

 未契約の期間は、2006年度から24年度まで。内訳は、地上波放送が受信できるテレビが108件、衛星放送が受信できるテレビが35件、NHKが受信可能なワンセグ携帯が21件、車載カーナビが169件。区局別では、消防局が88件と最も多かった。

 市によると、毎年度NHK受信料の支払いのために、設備の台数調査を行っているが、報告漏れがあったことが原因だという。今後、未契約の設備はNHK横浜放送局と協議を進め、支払い事務を進めるとしている。

 再発防止策として、NHKの受信設備が不要の場合には、設備更新時に仕様書にその旨を明記することや調査手法を見直し、契約漏れが発生しないようにすることを挙げている。

 市総務局は「適正な事務処理がされず市民の皆さまの信頼を損ねることとなり、深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

親子と走る高橋尚子さん

高橋尚子さんや吉田沙保里さんらが親子とふれあう 日産スタジアムで「JA全農チビリンピック」

 「こどもの日」の5月5日、五輪金メダリストらと親子がスポーツを楽しむイベント「JA全農チビリンピック2025」が日産スタジアム=港北区=で行われた。

 イベントは日刊スポーツホールディングスと横浜市スポーツ協会が主催。全国農業協同組合連合会(JA全農)が特別協賛し、今回で47回目。

 会場には、JA全農所属の卓球の石川佳純さんやマラソンの高橋尚子さん、レスリングのアニマル浜口さんと浜口京子さん親子、吉田沙保里さん、サッカーの中村憲剛さんがゲストとして参加。

 親子でスタジアムと周辺を走るマラソンには高橋さんや吉田さんも参加。高橋さんはゴールではハイタッチをしながらランナーを出迎えるなどしていた。ほかにも、ゲストが玉入れやくす玉割りにも参加し、親子とふれあった。

 同イベントに19回目の参加となった高橋さんは「子どもが楽しそうな笑顔を見せてくれるのが一番うれしい。この中からいずれ日の丸をつける選手が出てほしい」と期待した。初参加の中村さんは子どもたちへのメッセージとして、「自分の可能性にふたをしないでほしい」と語り、チャレンジすることの重要性を訴えていた。

 スタジアムの外ではJA全農によるブースが展開され、農産物が販売されたほか、ゲストによる餅つきもあり、にぎわいを見せた。

報告を行う萩さん

高校生平和大使「核廃絶へ歩み止めない」 活動報告で決意新たに

 核兵器廃絶や平和な世界の実現を目指して活動している高校生の活動報告会が4月に行われた。

 報告したのは、昨年5月に「高校生平和大使」に選ばれ、約1年間活動してきた青葉区在住でフェリス女学院高校=中区=3年の萩有彩さんら。「高校生平和大使」は、全国の平和活動団体が1998年から国連に派遣しているもの。県内では県立高校の教職員らによる派遣委員会が2005年から生徒を送っている。

国連軍縮本部を訪問

 萩さんらは昨年7月に駅頭などで核兵器廃絶などを目指す署名活動を実施。萩さんは全国の他の平和大使とともに、8月にスイス・ジュネーブの国連軍縮本部を訪れ、全国から集まった9万6428筆の署名を届けた。

 スイスでは、軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使と面会。「核兵器のない世界」がゴールである点は平和大使も日本政府も一致しているが、政府は核兵器禁止条約に署名・批准しない方針を崩していない。面会時に平和大使は「批准はしなくても、締約国会議にオブザーバー参加し、日本政府の姿勢を示すべきでは」と市川大使に質問したが、「オブザーバー参加も核保有国を巻き込んでいない時点で無意味で、核兵器に反対する国と依存する国の溝が深まるだけ」との回答があったという。

 萩さんは「日本政府の断固たる姿勢に、自分たちの活動の意義を問い直した」と振り返りつつ、「異なる意見を持つ相手と話す時は、意見の背景を理解し、同意はできないが理解はできるという状態こそが対話の第一歩となる」と面会で得たものも大きかったとした。

 ほかにも、11月に長崎県・対馬で韓国の高校生と「日本軍『慰安婦』」について意見交換を行ったことも報告した。

 萩さんは「核兵器廃絶は達成しなければいけない未来で、活動の歩みを止めてはいけない」と話し、「高校生や若い人の活動が大人へのプレッシャーになる」という。4月26日には、連合神奈川による「かながわ中央メーデー」に参加し、核兵器廃絶を訴えて署名活動も行った。「今後も世界平和を目指した活動を続けていきたい」としている。

5月3日の発表会で特別仕様のナンバープレートを手にする(左から)河村事務総長、高橋副大臣、山中市長

園芸博仕様のナンバープレート デザイン発表 6月から申込受付

 2027年に行われる「GREEN×EXPO 2027」(国際園芸博覧会)の開催を記念した特別仕様のナンバープレートのデザインが、5月3日にパシフィコ横浜で開催された「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」の中で発表された。

 ナンバープレートは園芸博の機運醸成を図ろうと、主催する公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会がデザインしたもので、ロゴマークがあしらわれている。

 申込受付は6月9日に始まり、交付は7月14日から2027年11月30日まで。申し込みは、専用サイト(https://www.kibou-number.jp/)から行うことができる。料金は5月下旬に同サイトで公表される予定。新車・中古車の購入時だけでなく、現在所有している車両の車検時にも、番号を変更することなく交換が可能。「フルカラー版」と「モノトーン版」の2種類が用意されており、フルカラー版の申し込みには1千円以上の寄付が必要となる。寄付金は、園芸博の開催に関連した交通サービスの充実などに充てられる。

 3日の発表会には、高橋克法国土交通副大臣、同協会の河村正人事務総長、横浜市の山中竹春市長が出席。高橋副大臣は「多くの人に付けていただき、『走る広告塔』となれば」と期待を寄せ、山中市長は「市の公用車もこのナンバープレートに切り替えていきたい」と述べた。

「パウ・パトロール」のキャラクター「チェイス」(右)と「マーシャル」

初夏の陽気 「ザよこはまパレード」に38万人 「パウ・パトロール」のキャラも登場

 横浜の大型連休の恒例行事「ザよこはまパレード(国際仮装行列)」が5月3日に行われ、63団体、約3千人が山下公園前や赤レンガ倉庫前などを練り歩いた。全長3.4Kmのコースには、主催者発表で約38万人の観客が詰めかけた。

 前半の「キッズパレード」には、人気アニメ「パウ・パトロール」のキャラクター「チェイス」や「マーシャル」らがオープンカーなどに乗って登場し、沿道の子どもたちに手を振って笑顔を誘った。

 各部門の受賞団体は次の通り。【スーパーパレード フロートの部】▽はまっパレ大賞…崎陽軒▽準はまっパレ大賞…イセザキ・モール、ありあけ【スーパーパレード 徒歩の部】▽はまっパレ大賞…ヨコハマリトルメジャレッツ/ザ ヨコハマスカウツ Drum & Bugle Corps▽準はまっパレ大賞…青山学院横浜英和中学高等学校/綾北 “Mercury winds”、洋光台バトン/神奈川県立湘南台高等学校吹奏楽部White Shooting Stars【キッズパレードの部】▽はまっパレ大賞…ヨコハマチキージャズ/横浜市ジュニアマーチングバンドBay Wind▽準はまっパレ大賞…DANCE STUDIO GROW UP、SWEET BAMBI'S/横浜市立下野庭小学校マーチングバンド【ローズパフォーマンス コカ・コーラ ボトラーズジャパン賞】一般財団法人民族衣裳文化普及協会

横浜市 カスハラ対策の基本方針策定 区役所8割が経験 「組織として毅然と対応」

 横浜市は4月30日、職員が理不尽な要求や迷惑行為を受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の対策基本方針を策定したと発表した。この中で、職員に対する不当な要求や人格否定などの言動に組織として毅然と対応する姿勢を明確にした。

 カスハラが社会問題化する中、市は昨年度から対策を検討してきた。昨年12月から今年1月に行った実態調査では、市全体の770課のうち72%にあたる553課がカスハラがあったと回答。区役所では88%(205課)、局では65%(348課)の部署がカスハラ被害を報告している。対応時間は、区では30分以上60分未満が49%(101課)と最も多い一方、局では60分以上の対応が45%(127課)と最も多かった。

9割が精神的な攻撃

 職員が受けたカスハラの内容は、区では「継続的、執拗な言動」や「威圧的・差別的な言動」、「脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言など」がいずれも9割を超えた。ほかにも「SNS等での誹謗中傷」や「暴行、傷害などの身体的な攻撃」も3割前後あった。

ガム吐きかけ、SNSに顔写真

 具体例として、「制度上対応できないと説明した途端に激高して机を叩き、ガムを吐きかけられた」「SNSに職員の氏名とともに写真を投稿された」「女性職員の説明では納得できないと男性職員への交代を強要された」などが挙げられている。こうした行為により「その後の対応が怖くなった」と回答した職員は、区でカスハラがあったと回答した課の職員全体の15%だった。

 対策基本方針は基本的な考え方を「職員の人権や就業環境を脅かす言動に対し組織として毅然と対応する」と示し、カスハラを「要求内容が妥当性を欠く」、「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもので、職員の就業環境が害されるもの」と定義。カスハラが疑われる言動があった際には、組織として事実把握し、悪質な場合は警察への通報や法的な対応を行うことを記した。

 具体策として、ケース別の対応方法を整理したマニュアルを策定したほか、研修や相談体制の整備を進めるとしている。

横浜大会の「スイムポンツーン」 © Shinji KAWATA Japan Triathlon Media

世界トライアスロン横浜大会15回記念 子どもたちが稚魚放流 5月18日、参加者募集中

 世界トライアスロン横浜大会(5月17日、18日開催)に合わせ、5月18日、山下公園=中区=で小中学生を対象にしたスイム飛込用浮桟橋ウォークと稚魚放流イベントが行われる。

 2009年に始まった横浜大会が15回目を迎えることを記念した企画。参加者は選手がスタート時に使用する「スイムポンツーン」と呼ばれる浮桟橋の上を歩き、その場所から稚魚を放流する。15回の大会開催を通じてきれいになった海への感謝と、将来に向けてきれいな海を残していきたいという思いを込めて行う。

 実施は午前11時40分から約30分間。対象は小学生から中学生までで、参加費無料。参加者には大会オリジナルグッズがプレゼントされる。保護者の同伴も可能で、車いすでの参加にも対応する。定員は50人で、5月12日まで専用申込ページ(https://peatix.com/event/4397336/view)で先着順に受け付ける。大会情報は公式サイトで。